ベゴニアってどんな植物?
ベゴニアは、世界中の亜熱帯地域に生息する植物です。ベゴニアは華やかな花姿からガーデニングの花形植物です。冬に色とりどりのベゴニアの鉢植えをフラワーショップで目にしたことのある方も多いのではないでしょうか。
ベゴニアにはとても多くの種類があり、種類によって育て方に少し違いがあります。花姿もさまざま。
ベゴニアは日本では冬越しが難しく、鉢植えを室内で育てるのがベストです。ベゴニアの切り戻しなどの剪定方法や夏越し・冬越しなどの育て方のコツ、さらには増やし方などを見ていきましょう。
ベゴニアの花の特徴
ベゴニアの花の形は、ハートのような可愛らしいものです。ぷっくりとした花びらが何枚か集まってひとつの花を形づくっています。なかには薔薇(ばら)と見間違えるほどのゴージャスなものも。ベゴニアの花色は、赤や白、ピンク、黄色、紫など色とりどりです。
ベゴニアの葉の特徴
ベゴニアの葉っぱの色はさまざま。濃いグリーンのものや少し赤味がかったもの、また銅葉の種類もあります。ベゴニアの葉っぱの形は丸くて可愛らしいものです。またつやつやとしてぷっくりと多肉質で、花の開花時期以外も可愛いです。
ベゴニアの基本データ
科名属名
シュウカイドウ科ベゴニア属
学名
Begonia
和名
ベゴニア
別名
センパフローレンス
英名
Begonia
原産国
亜熱帯の国々
ベゴニアの花言葉
ベゴニアには、3つの花言葉が存在します。いずれの花言葉もポジティブなもの。ベゴニアは華やかな花模様とともに、明るい花言葉からギフトフラワーとしても人気があります。
花言葉1・「片想い」
ベゴニアには、片想いというロマンティックな花言葉があります。恋の告白にベゴニアの花を使ってみませんか。秘かな恋心を伝えることができ、恋が成就するかも知れません。
花言葉2・「幸福な日々」
ベゴニアは、ぷっくりとした多肉質のつややかな葉に、色とりどりの花を咲かせる植物です。ベゴニアの鮮やかな花々が咲く姿から、「幸福な日々」という花言葉が生まれました。プレゼントフラワーにもぴったりの花言葉です。
花言葉3・「親切」
ベゴニアの花びらの一枚一枚は、まるでハートの形のよう。ハートが集まってひとつの花を咲かせる様子から、「親切」という花言葉がつけられました。
ベゴニアの種類
ベゴニアは、亜熱帯地域を中心として2,000種類以上の原種が生育しています。さらに美しい花姿からたくさんの園芸品種が生み出され、15,000種類以上ものベゴニアがあるのだそう。
ベゴニアは、立性ベゴニア・球根性ベゴニア・根茎性ベゴニアの3つに分類されます。さらに、ベゴニアは、生育期の違いで夏タイプ・冬タイプの2つに分類されます。
夏タイプのベゴニア
夏タイプのベゴニアは、春から秋にかけて生育し花を咲かせるタイプです。逆に冬は休眠期にあたります。夏タイプのベゴニアは、花の咲く時期が長く人気があります。
ただし、梅雨時期や真夏にも花を咲かせるので、花がら摘みをこまめにして風通しよくすっきり管理するのが育て方のコツです。
冬タイプのベゴニア
冬タイプのベゴニアは、12月から3月ごろにかけて花を楽しめるタイプです。冬の花の少ない時期に華やかな花を咲かせることから、クリスマスベゴニアとも呼ばれています。
冬タイプのベゴニアは春から秋に休眠するので、できるだけ風通しのよい半日陰の室内に置きましょう。
日が短くなるのを察知して花を咲かせるので、秋から冬にかけて夜遅くまで室内を明るくしておくと花が咲きません。夜になったら室内の暗いところで管理しましょう。
遅い時間も明るい室内に置くときは、夜になったらベゴニアの鉢植えの上から段ボールをかけるとよいでしょう。
おすすめの品種
グリーンタブレット
グリーンタブレットは、明るいグリーンの葉っぱが美しいベゴニアです。花は八重咲きで華やかです。また花色は、白・ピンクバイカラー・レッドバイカラー・ローズの4色です。いずれも可愛らしい花色なので女性に人気があります。
パソダブル
パソダブルは、完全八重咲きのまるで薔薇(ばら)のような花姿が魅力のベゴニアです。花の色は、ピンクのほか白や赤があります。
ドラゴンウィングレッド
ドラゴンウィングレッドは、木立性のベゴニアで強くて育てやすい品種です。真っ赤な花色が美しく、元気を分けてもらえそうです。
ボリアス
ボリアスは、大輪の八重咲き品種です。花びらのふちがフリルのようになっていてとてもキュート。花びらの内側は濃いピンク、外側にいくにつれて白っぽくなっていくグラデーションカラーも素敵です。母の日や父の日のギフトとしても引っ張りだこです。
ベゴニアの育て方1「土づくり」
ベゴニアは、水はけのよい土壌を好む植物です。小粒の赤玉土に川砂やバーミキュライトを混ぜたものを準備しましょう。ホームセンターやインターネットでは、ベゴニア専用の土も販売されていますので、利用しても便利です。
ベゴニアの育て方2「肥料」
ベゴニアを植え付ける際には、元肥として穏効性の固形肥料を施します。さらにベゴニアの成長期には、10日に1度の割合で液体肥料を施しましょう。そしてベゴニアの休眠期には肥料をストップします。
夏タイプと冬タイプのベゴニアでは生育期が異なりますので注意します。また、どちらのタイプのベゴニアも真夏の気温が高くなる時期には肥料を一度ストップします。
ベゴニアの育て方3「水やり」
ベゴニアの鉢植えは、植えている土の表面が乾いたらしっかり水やりしましょう。ただし、水やりの際には葉っぱや茎に水がかからないように注意しましょう。
葉っぱなどに水がたまったままにしておくと、ベゴニアが傷んで枯れてしまうことがあるので、ベゴニアの水やりは、根元にピンポイントにすることが大切です。
また鉢植えの下のお皿に水が溜まったままにしておくのもNG。鉢植えのベゴニアが蒸れてよわってしまうことがあります。
ベゴニアの育て方4「場所」
ベゴニアは、高温多湿の環境を苦手とする植物、冬の寒さも苦手とします。さらに、直射日光を浴びるとベゴニアの葉っぱが葉焼けしてしまうことも。ベゴニアは鉢植えにして、直射日光の当たらない室内で管理しましょう。
室内では、鉢植えのベゴニアにエアコンの風が直接当たらないように気を付けましょう。
ベゴニアの育て方5「植え付け」
ベゴニアの植え付けに適した時期は、春から秋にかけてです。ベゴニアの苗を土からぽこんと抜き取ります。好みの鉢を準備して、苗を植え替えましょう。植え替えた鉢植えのベゴニアがしっかり根付いて安定するまで、こまめに観察しながら半日陰の室内で、水やりを続けましょう。
ベゴニアの育て方6「植え替え」
鉢植えのベゴニアが、鉢からはみ出るようになってきたら植え替えしましょう。ベゴニアの植え替えに適した時期は、春から秋にかけてです。植え替えたいベゴニアより一回り大きな鉢を準備しましょう。
植え替えたいベゴニアを鉢からぽこんと抜き取り新しい鉢に植え替えます。植え替えたベゴニアがしっかり根付いて安定するまで、半日陰の風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。
ベゴニアの育て方7「剪定」
ベゴニアは多湿の環境が苦手。鉢植えのベゴニアをこまめに剪定をして、できるだけ風通しよくすることが上手に育てるコツのひとつです。ベゴニアの剪定には、切り戻しと花がら摘みが有効です。
剪定1・切り戻し
ベゴニアは、放っておくと茎が伸びすぎます。茎が伸びすぎると樹形が悪くなるだけでなく、茎に栄養分を取られるので花付きが悪くなります。ベゴニアは切り戻して剪定することで、樹形を整えて花付きをよくしましょう。
ベゴニアの切り戻しに適した時期は、花の咲く時期により異なります。ベゴニアの花が咲き終わったころが切り戻しの適期です。茎をだいたい半分くらいの長さに切り戻して剪定します。
少し勇気が必要ですが、思いきって強めに切り戻して剪定するのがポイントです。切り戻して剪定したところからは新しい茎や葉が出てきます。
剪定2・花がら摘み
ベゴニアは、花を次々と咲かせます。花の咲き終わったものはこまめに摘み取りましょう。花がら摘みの剪定をこまめにすることで、鉢植えのベゴニアの蒸れを解消し風通しよく管理できます。病害虫対策にも必須です。いくつかの花が咲いてしまった花茎は茎ごと切り戻すとよいでしょう。
ベゴニアの育て方8「夏越し」
ベゴニアは、日本のじめじめとした梅雨時期やそれに続く暑い夏の時期を苦手とします。夏のあいだはできる限り涼しい環境で鉢植えのベゴニアを管理しましょう。夏タイプのベゴニアは春から秋にかけて花を咲かせますが、真夏はあまりパワーを使わないように、少し切り戻して剪定して花の咲くのをコントロールしてもよいでしょう。
ベゴニアの育て方9「冬越し」
ベゴニアは、寒さに弱く7度以上の環境が必要です。冬、屋外で管理するとベゴニアは枯れてしまいます。気温が10度以上になるまで、室内で管理して冬越しさせましょう。
夏タイプのベゴニアは、冬が休眠期なので、肥料は与えずそっとしておき、そっと室内で冬越しさせます。冬タイプのベゴニアは冬から春にかけて花を咲かせます。
花がよく咲くように少し液体肥料を施しながら冬越しさせましょう。冬タイプのベゴニアは冬越しのあと、休眠期を迎えます。
ベゴニアの育て方10「病気」
灰色かび病
ベゴニアには、灰色かび病が発生することがあります。灰色かび病が発生すると、はじめにベゴニアの葉っぱや茎に小さな灰色の斑点があらわれます。はじめ小さかった灰色の病斑部は、次第に大きくなり色が濃くなってきます。
そのまま放置しておくとどんどん広がり、ベゴニアの株全体が枯れてしまうこともあります。灰色かび病は、かびを要因とする病気でじめじめとした環境に発生しやすいです。
とくに梅雨時期など、ベゴニアをこまめに剪定してできるだけ風通しよく管理することが、灰色かび病発生を抑止するコツです。灰色かび病を見つけたら、すみやかに病斑部を切り戻して駆除しましょう。
うどんこ病
うどんこ病は、白っぽい粉のような病斑部が葉っぱや茎に付着する病気です。はじめは少しだけでも放っておくとどんどん広がって、株全体を弱らせ枯らしてしまいます。
うどんこ病は、冬など乾燥する時期に発生しやすいので、ベゴニアの冬越しには注意が必要です。うどんこ病を見つけたら病斑部を切り戻してすみやかに駆除しましょう。
ベゴニアの育て方11「害虫」
ホコリダニ
ホコリダニは、夏に発生しやすい害虫です。とくに夏タイプのベゴニアの被害は深刻です。せっかくついた花芽や育ったやわらかい葉っぱにつき、ベゴニアの芽先を枯らしてしまいます。
ホコリダニが発生したら、すみやかに駆除しましょう。市販のダニ用の殺虫剤が有効です。
ベゴニアの育て方12「増やし方・種まき」
ベゴニアの増やし方のひとつめは種まきです。種まきによる増やし方は育苗期間が長く少し難易度の高いものですが、安価でたくさんのベゴニアを育てることができるというメリットがあります。
ぜひ種まきによる増やし方にチャレンジしてみましょう。ベゴニアの種まきによる増やし方に適した時期は、2~3月ごろです。
種まき用の土を入れた育苗ポットやセルトレイに、ベゴニアの種をばらまきします。種まきしたあとの覆土はしません。発芽するまで、半日陰の風通しのよい室内で管理しながら、水やりを続けましょう。
種まきした種が流れてしまわないように、種まきのあとの水やりには霧吹きを用いることが種まきによる増やし方のコツ。根と芽が出て安定したら種まき苗の完成です。好きなところに植え替えましょう。
ベゴニアの育て方13「増やし方・挿し木」
ベゴニアの増やし方の2つめは挿し木です。挿し木による増やし方は、種まきより容易で初心者にもおすすめです。ベゴニアは夏越しや冬越しが少し難しく枯れてしまうこともあるので、保険の意味で育てているベゴニアを挿し木して増やしておくのもひとつでしょう。
挿し木に使える箇所は2つ
ベゴニアの挿し木には、使う箇所により天挿しと菅挿しがあります。天挿しは、挿し木用に花びらにより近い先のほうの茎を使います。天挿しは、菅挿しと比べて根付きやすいのがメリットです。
ただし腐りやすいので注意も必要です。菅挿しには、天挿しより下のほうの茎を挿し木用として使います。
挿し木の方法
ベゴニアの挿し木による増やし方に適した時期は、3~4月もしくは9~10月ごろです。育てているベゴニアから、程度のよい茎を20センチくらいはさみで切り取り挿し木用とします。
切り取った茎からは葉っぱを2~3枚残して、あとの葉っぱを取り除きます。挿し木用の茎を、発根剤を入れた水に数時間つけておき、しっかり水揚げさせます。
挿し木用の土を入れた育苗ポットや鉢に挿し木します。
挿し木したものから発根して安定するまで、半日陰の風通しのよいところで管理しながら、適度に水やりを続けましょう。挿し木したベゴニアから、根と芽が出て安定したら挿し木苗の完成です。お好みの鉢に植え替えましょう。
ベゴニアはちょっと難しいけれど魅力的な植物
赤やピンク、白など様々な花色が魅力的なベゴニア。夏越しや冬越しが少し難しい印象がありますが、コツさえつかめばずっと楽しむことのできるお花です。意外にも種まきによる増やし方も可能。
色とりどりのベゴニアを窓際に並べれば、お部屋が明るくなります。ハードルがあるからこそ花が咲いたときの感動は大きいもの。ベゴニア栽培にチャレンジしてみませんか。