木材に塗装をほどこす
木工DIYに欠かせない塗装
木材を使ってDIYをおこない作品が完成しても、そのままだと寂しさを感じます。それは木材に塗装をほどこしていないからです。高価な無垢材であっても何らかの塗装は必要になります。安価な木材ならなおさらです。塗装することで、木材が美しく仕上げられ表面が保護されます。木工DIYと塗装はセットとふまえておきましょう。
さまざまな種類がある塗料
木材に塗装をほどこすといっても、塗料によって仕上げの姿は異なります。ペンキ、ワックス、オイル、ステインなど、塗料はさまざまな種類があるためです。目的にあった塗料を選ばないといけません。
木材への塗装であればおすすめは、木目を活かしたウッドの風合いを表現できる塗料になります。後項でも解説しますが、そういった塗料は限られてきます。
塗装は簡単におこなえる
DIYにまだ慣れていない人は、木材を使って作業するだけでも大変なことと思うでしょう。それに塗装も加わるとなれば、気が引けてしまうかもしれません。でも塗装は簡単におこなえます。塗装する分、時間はかかりますが、作業自体は難しくありません。
それに仕上げ後の姿が見違えるように美しくなるため、労力を超える満足感に満たされるはずです。DIY作業の中で、塗装が一番好きという人も多くいます。
高級感のある作品に仕上げる
塗装することで美しい仕上げになるばかりか、高級感も加わります。木工DIYでよく使う木材は、ホームセンターで販売されているSPF材です。安くて加工しやすいことから、気軽にDIYをおこなえます。
でもSPF材は、安いなりのチープ感がでてしまうことが難点です。頑張ってDIYしても安っぽい出来だとがっかりしてしまいます。これは塗装で解決可能です。SPF材でDIYした作品が、高級家具のようになります。
ステインについて
木材塗装におすすめのステイン
先項で木材塗装におすすめなのは、木目を活かしたウッドの風合いを表現できる塗料と説明しました。この内容に該当する塗料としてステインがあります。ステインの中でも大きく2つの種類に分けられ、それは水性ステインと油性ステインです。
それぞれメリットとデメリットがあり、詳しくは後項で解説します。まずは大きくまとめたステインの特徴を下記から確認してください。
ステインは木の内部に浸透する塗料
木材へ塗装する塗料は、木の内部へ浸透する種類と、表面に塗膜を張る種類に分けられます。ステインは前者の浸透する塗料です。木の内部へ浸透するメリットは、木目を活かしたウッドの風合いを表現できることになります。
ですが木材を保護する効果は得られません。一方の塗膜を張る塗料は、木の表面をおおってしまうために木目やウッドの風合いを活かせないものの、木材保護の効果を得られます。
サイズが変わらないステイン
ステインのメリットは上記に加えてたくさんあります。塗膜を張る塗料は、木の表面にかぶせることになるため、塗装した分だけ厚みが加わりサイズが変わってきてしまいます。ステインのように浸透する塗料は、木の内部に染み込むので、塗料の厚みは加わらずサイズも変わりません。
これはサイズの正確さが求められるDIYをおこなう場合に重要なことです。
ステインはアンティーク調仕上げになる
ステイン塗装による木材は、木目を活かしたウッドの風合いが美しいアンティーク調仕上げになることが特徴です。ステインには色の種類があり、選ぶ色によってもアンティーク度合いは変わります。同じ色や違う色の重ね塗りで、オリジナルのアンティーク感を出してもよいでしょう。色に関しては各ステインの色見本を参考にしてください。
ステインの水性と油性の違い
ステインには水性と油性がある
ステインには水性と油性の種類があります。何が水性で油性なのかというのは溶剤です。水性ステインは水、油性ステインはシンナーを溶剤としています。このことにより、水性と油性はさまざまな違いが発生するのです。
仕上げ後の姿については、どちらもアンテイーク感のある木目を活かした美しいウッドの風合いとなりますが、主に光沢の違いがでてきます。光沢のない方は水性ステインです。
水性ステインのメリット
油性ステインと比べて、水性ステインの代表的なメリットを簡単に挙げます。まず価格の安さで、水性ステインの方が気軽に購入可能です。そして色の豊富さは水性ステインに軍配が上がります。各ステインの色見本を見比べてみるのがよいでしょう。
それと水性ステインの溶剤は水なので、不快な臭いは少ないです。油性ステインはシンナー臭が強く、耐えられない人がいるかもしれません。
水性ステインは初心者におすすめ
上記のメリットに加えて、水性ステインは扱いやすいことがポイントです。初心者でも簡単な塗り方によって、木目を活かしたウッドの風合いが美しいアンティーク調仕上げにできます。
それから意外と重要なことですが、ハケや容器など水性ステインを塗装した際の道具は、水で洗浄可能です。油性ステインであれば、専用の薄め液などを使わないといけません。水性ステインは片付けも簡単におこなえます。
水性ステインは保護剤を使う
ステインは木材を保護してくれない
塗膜を張る種類の塗料は、着色と木材の保護を兼ねています。でもステインは水性と油性に関わらず、木材を保護する効果は持ちあわせていません。木材の表面に塗膜を張らないで内部に浸透するためです。
木目を活かしたウッドの風合いが美しいアインティーク調仕上げになるという、着色の効果は高いものの、単体で使うのは心もとなくなります。
木材保護の効果について
木材はそのままだと、外から何らかのダメージを受けてしだいに劣化していきます。木材の保護とは、この負担を少しでも減らすということです。塗膜により表面をバリアするイメージになります。
ダメージ以外では、色移りに気をつけないといけません。塗装が終わりしっかりと乾いた後でも、触れたものへ色移りしてしまう現象です。木材を塗膜で保護できていないと、この色移りが発生します。
保護剤を上から塗装する
水性でも油性でもステインを塗装した表面には、保護剤を塗りましょう。ステイン塗装であっても保護されて、ダメージと色移りを防げます。保護剤はニスやワックスがよく使われます。
ニスは光沢が強く出るため、木目を活かしたウッドの風合いが美しいアンティーク調仕上げとは、雰囲気が離れてしまうので注意が必要です。木目とウッドの風合いを活かし、アンティーク調にするならワックスがおすすめになります。
水性ステインの塗り方①ヤスリがけ
木材の表面をヤスリがけする
水性ステインの塗り方を解説していきます。まず塗装の前に、サンドペーパーで木材を十分にヤスリがけしてください。木材の表面は凹凸やザラつきがあります。そのまま水性ステインを塗装しても、アンティーク調のきれいな仕上がりになりません。
木材の表面がフラットになったら、霧吹きで水をかけてわざと表面を逆立てます。そしてさらにヤスリがけをすることで、つるつるの状態になるのです。
塗膜塗料への上塗りでもヤスリがけが必要
すでに塗膜塗料が塗られている木材へ、水性ステインを塗装する場合があります。そのまま塗装すると、先に塗ってある塗膜塗料にはじかれて水性ステインは浸透できません。なのでヤスリがけをして塗膜塗料を剥がしてください。
ちなみにサンドペーパーは番号が振られています。この番号が少ない数字ほど目があらくなります。先に目のあらいサンドペーパーを使って、だんだんとなめらかにしていきましょう。
水性ステインの塗り方②少しずつ塗る場合
水性ステインの少ない範囲への塗り方
木材のヤスリがけが終わったら、水性ステインを塗装していきます。まずは少ない範囲へ少しずつという簡単な塗り方です。初めて水性ステインを使う人も、この塗り方から始めてみてください。手が汚れないようにビニール手袋を着用し、きれいな布きれに水性ステインを含ませます。そして塗装したい部分へ塗っていきましょう。
水性ステインは塗装範囲全体へムラなく塗る
水性ステインを木材へ塗り始めた時、手早く全体へ広げるのがポイントです。塗っている段階でムラがあると、そのままの状態で仕上がってしまいます。自然な感じが出ずにアンティーク感が損なわれるので、ムラがないようにまんべんなく塗装してください。
水性ステインを浸透させながら重ね塗りする
水性ステインを塗装する際には、木材へ浸透させることを意識しましょう。全体によく塗り込んでいきます。1回塗っただけでは色味がうすく、深みのあるアンティーク感がでないため、何度かの重ね塗りが必要です。色見本でどのような色合いになるのかを確認しておき、希望の色になるよう上から塗ってください。
水性ステインの塗り方③いっぺんに塗る場合
水性ステインの広い範囲への塗り方
大きな家具など、広い範囲へ水性ステインを塗ることもできます。この場合は、使う分の水性ステインを容器に入れて、ハケで塗装する塗り方です。ハケにたっぷりと水性ステインを含ませて、塗装範囲全体に塗っていきます。
ここでもムラが出ないように気をつけないといけません。そしてきれいな布切れでスピーディーに吹きながら染み込ませ、全体に浸透させてください。
色見本通りの色合いになるまで重ね塗りする
ハケを使う場合は、一度に多量の水性ステインを塗り込みますので、1回の塗装でも色味は濃くなります。でも想定している色見本の色合いに比べるとうすいため、重ね塗りは必要です。ハケで塗って布切れで拭き取るという作業を何度かおこないます。
水性ステインの塗り方④塗膜を張る
水性ステインの塗装面を保護する
先項で解説しましたが、水性ステインは木材を保護できません。それに色移りしてしまいます。せっかく丁寧に重ね塗りをして色見本の通りに美しく仕上げても、色移りするとその部分がうすくなり、ムラのようになるので気をつけてください。色移りした物も汚れます。保護と色移り防止のために、塗膜塗料で保護しましょう。
ワックスで保護と色移り防止するのがおすすめ
水性ステインの塗装面によく使われる保護剤はニスやワックスになります。これらを使って、保護と色移り防止をおこないましょう。すでに解説の通り、木目を活かしたウッドの美しい風合いを演出するのであれば、ワックスがおすすめです。
中でもブライワックスがよいでしょう。費用をおさえたい場合は、蜜蝋ワックスを自分で作る方法もあります。ワックスを塗装したら、きれいな布切れでしっかりと磨いてください。
おすすめ水性ステイン①ターナー色彩
ターナー色彩のウッドステイン
ターナー色彩の水性ステインは、ウッドステインという名称になります。色数が多いのが特徴です。鮮やかな色でも木目とウッドの風合いを活かせます。
ターナー色彩のウッドステインの色見本
ターナー色彩のウッドステインは色見本の通り36色と、求められる色合いはほぼそろっています。カラフルなうえに水性ステインならではのメリットを持つ商品です。
おすすめ水性ステイン②和信ペイント
和信ペイントの水性オイルステイン
和信ペイントのおすすめ商品は、水性オイルステインとややこしい名前をしています。他のメーカーでもありますが、この名称のものはオイルステインの特徴を持った水性ステインのことです。
和信ペイントの水性オイルステインの色見本
和信ペイントの水性オイルステインのカラーは6色です。どれも木材に深みを与える色合いで、高級感のあるアインティーク調へと簡単に仕上げられることでしょう。
おすすめ水性ステイン③アサヒペン
アサヒペンの水性ステイン
アサヒペンの水性ステインはそのまま使えるので、簡単に扱えることが特徴になります。それに保護着色仕上げのため、上塗りしなくても大丈夫です。でもニスを保護剤として使うことが推奨されています。
アサヒペンの水性ステインの色見本
アサヒペンの水性ステインは全8色です。ホワイトとブラックもラインナップされており、表現の幅が広がります。
おすすめ水性ステイン④アトムハウスペイント
アトムハウスペイントの水性自然カラー
アトムハウスペイントの水性自然カラーは名前の通り、自然由来の原料により作られています。体に害のある薬剤が使われていないため、子供やペットにも安心です。
アトムハウスペイントの水性自然カラーの色見本
アトムハウスペイントの水性自然カラーの色は8色です。自然な風合いに仕上がります。
おすすめ水性ステイン⑤アクレックス
アクレックスの水性ポアーステイン
アクレックスの水性ポアーステインのメリットは、きれいな色合いにあります。乾きの早さも特徴です。保護剤はどのメーカーや種類でも対応できるので、自由に選べます。
アクレックスの水性ポアーステインの色見本
アクレックスの水性ポアーステインのカラーは15色です。うすめることで好みの濃淡に調節できます。
おすすめ水性ステイン⑥ブライワックス
ブライワックスのウォーターベースウッドダイ
ブライワックスは、塗料や保護剤としてのワックスだけでなく、ウォーターベースドウッドダイという水性ステインもあります。
ウォーターベースウッドダイの色見本
ブライワックスのウォーターベースドウッドダイのカラーは14色で、ワックスとの相性もばつぐんです。
まとめ
水性ステインについて、特徴や簡単な塗装方法を解説してきました。ステインには水性と油性があり、水性の方が安くて扱いやすいので初心者におすすめです。塗り方は簡単で、誰でも木目とウッドの風合いを活かした美しいアンティーク調に仕上げられます。
ただし水性ステインだけでは塗装面の保護ができず、色移りしてしまうため、ワックスなどの塗膜塗料で保護しないといけません。木材の塗装に水性ステインを試してみてください。
木材への塗装DIYが気になる方はこちらもチェック!
今回は水性ステインについて解説しましたが、木材の塗装DIYについてもっと詳しく知りたいという方は、下記のリンク記事を読んでみてください。
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