ギンメダイって本当にいる?
「ギンメダイなんて見かけたことが無いけど、本当にそんな魚はいるの?」と思っている方が多いですよね。ギンメダイは市場などでも滅多に見ることがありませんが、ギンメダイ目ギンメダイ科の魚としてちゃんと海を泳いでいます。元々はキンメダイ目に分けられていた魚ですが、近年ではギンメダイ目として分類されました。今回はそんなギンメダイをご紹介していきます!
ギンメダイの特徴
ギンメダイは体長30㎝前後
体長は約30㎝前後にまで成長します。ですが、漁などでかかるものは大抵が20㎝以下で小さなものが多いですね。キンメダイはもっと大きく育ちますので、それと比べると半分くらいの大きさの魚だと言えます。一応漁などで漁獲はされるのですが、20㎝にも満たない個体だと調理もしづらく人気が無い為、すぐに海に捨ててしまうことが多く、一般の方は知らない魚となっています。
ギンメダイは丸い形と二本のヒゲが特徴的
見た目の特徴は、まず下あごに生えているひげ特徴的です。ひげの長さも中々長く、ユニークな見た目ですよね。また、下あごが小さいのも特徴で、漁師の方はアゴナシと呼ぶことも多いです。全体的に丸みがあり、目が大きく、アゴが小さいことからかなりユニークな姿形となっており、人を食ったような(侮っているような)見た目と言われることがあります。
ギンメダイの名前の由来
漢字では「銀目鯛・銀眼鯛」と書きます。この名前の由来は、そのままではありますが目を含め、全体的に銀色だからです。近しい存在であったキンメダイと同じような場所、深さに生息していることからキンメダイと対して名前がつけられたようですね。網膜が反射しますので、綺麗に銀色に輝きます。知らない方は「フナのようだ」と言うこともあります。
金目鯛とギンメダイの違い
元々同じグループに所属していた金目鯛とギンメダイは、近いグループではありますが近縁とは言えません。見た目が似ているという方もいますが、金目鯛は目が金色ですし、体も真っ赤で、形も違いますし、誰でも見分けがつきます。ただ、同じ海域、同じ深さ(深海にあたる)に住んでいますので、キンメダイと一緒に釣れる可能性がある魚ではあります。
ギンメダイの地方名
中々市場に出回らない本種ですが、網に全くかからない訳ではありませんので、漁師の方はよく知っている魚です。地方によりその呼び方に違いがあり、アゴナシと呼ばれる以外に、アオ、アオダイショウ、オチョコアゴナシや、メダイ、デンデン、などと呼ばれることがあります。ただ、アゴナシと呼ばれることが一番多いので、それだけ覚えておけば通じるはずです。
ギンメダイの生態
水深150~500mの深い海に生息するギンメダイ
存在自体あまり知られていない魚ですので、その生態まで知っている方は稀です。ギンメダイ目の魚は計10種類ほどいるのですが、全てが海水魚です。生息域は中部以南太平洋側で、日本では静岡県でよく漁獲されています。ハワイ付近にも生息していますね。150~500mの深海にいて、船釣りをしていると釣れることがある魚です。
ギンメダイは小魚や甲殻類を捕食している
本種は肉食性の魚で、主に小魚やエビなど、甲殻類を食べて生きています。ただし、あまり大きくない魚ですので、ある程度大きくならないと小魚などは食べられないようですね。
ギンメダイの旬
ギンメダイの味
一番気になるお味ですが、実は評価が様々です。「青臭い・水っぽくて美味しくない」と言う方もいれば、「ジューシーで美味しい」と言う方もいます。これは、鮮度が非常に大切な魚で、かつ調理法により評価が変わってきますので評価に差が出てしまうのです。お刺身にしても美味しいので、釣りで見ることが出来た際は是非食べてみて下さい。
ギンメダイの旬
味に続いて気になる旬の時期ですが、あまり知られていない魚な為か、旬の時期はいつ頃なのかは知られていません。そもそも釣りで見かけること自体が少なく、また釣れてもすぐに海に捨ててしまう方が多いためでしょう。近しいグループであるキンメダイの旬は冬ですので、本種も冬が旬の可能性があります。
美味しいギンメダイの選び方
稀に市場に出る際には「二束三文」と言ってもいい値段で並ぶことがあります。中には一匹10円で販売されることもあるほどなのです。もし何かの機会で購入出来る場に行ったなら、出来るだけ美味しそうなものを選びましょう。色が濃く、触った時に張りがあって、目が澄んでいるものが美味しい個体です。
ギンメダイの食べ方・捌き方①下処理
食べ方・捌き方①鱗落とし
いざ手にいれられたなら、まずは鱗を落としましょう。本種の鱗は結構しっかりとくっついていますので、ちょっと苦労する方も多い様子。また身が柔らかい魚ですので少し取りづらいかもしれません。鱗引きをお持ちの方であればそれを使うのがおすすめです。包丁の背でされる方は、慎重に、ヒレの周辺でもしっかり落としましょう。
食べ方・捌き方②頭と内蔵を取る
ウロコを落としたら頭と内蔵を取っていきましょう。煮付けにされる場合はここまで調理すれば完成です。頭を落とす時は胸鰭ごと落とします。内蔵は、お尻に包丁を入れてお腹を開いて出します。その後、中の汚れを掻きだし、綺麗に水洗いをします。綺麗になったら水気を拭き取って下処理は完了です。
ギンメダイの食べ方・捌き方②三枚おろし
食べ方・捌き方③三枚おろしにする
下処理が完了したら料理レシピに合わせてさばいていきましょう。ここでは一般的な三枚おろしを紹介します。背の方から包丁を入れ、背骨に合わせて開いていきます。身を反転させて腹側も開き、二枚おろしの状態にしてから、反対側も同様におろして三枚おろしにしましょう。ギンメダイはサイズも小さいので、比較的素早く終わるはずです。
食べ方・捌き方④腹骨をすき取り小骨を取る
釣った魚134種類目ギンメダイ!お髭がキュート。ギンメダイ目ギンメダイ科ギンメダイ属のギンメダイです。キンメダイに負けてたまるかという気概を勝手に感じてます。 pic.twitter.com/vgsLuqlUMF
— さかな芸人ハットリ (@hattori95) July 13, 2016
三枚おろしにした状態はまだ骨がついていますので、腹骨を包丁ですき取りましょう。次に、小骨の処理をしていきます。お刺身にする場合は小骨が邪魔ですので、一般的には毛抜きなどで抜き取りますが、身が柔らかいため崩れてしまう恐れがあります。ですので、小骨の位置を確認し、その部分は切り落とすのがおすすめです。
食べ方・捌き方⑤皮をひいてお刺身に
【ギンメダイ/湯霜造り】
— 海鮮料理bot (@sea_foodbot) July 10, 2018
皮目に熱湯をかけた後、氷水で冷やしたもの。皮と身の間に脂があり、これが大変美味しい。ただ、この脂の量はちょっと飽きる。。。pic.twitter.com/bMBFNZVI9G
お刺身にする場合は小骨の処理をしてから皮をひきましょう。皮を下、身を上にした状態でまな板に乗せ、身と皮の間に包丁を入れます。少しはがしてから皮を指でつまみ、包丁を滑らせながらひいていきましょう。皮を引くと、綺麗な白身と美しい血合いが見え、見栄えの良い切り身になります。画像のように皮をつけたまま食べる食べ方もあります。
ギンメダイの料理レシピ
料理レシピ①刺身
もし珍しくも手に入ったのなら、新鮮なものは刺身にして食べてみて下さい。水っぽいと言われることもある魚ですが、サクッとした食感があり歯ごたえがユニークなのが特徴です。また、上品な甘みがあり、絶品とは言わないまでも、とても美味しく頂けます。皮には少し臭みがある場合が多いので、焼き霜作りなどよりは普通にお刺身にするのがおすすめです。
料理レシピ②煮付け
一番おすすめの食べ方が煮付けです。旬は知られていませんが、いつの時期に漁獲されたものでも美味しく頂ける料理レシピと言えます。内蔵をとって下処理をしたら、水・お酒・みりん・醬油・白だし・しょうがなどを入れて沸騰させた出汁に入れ、中火で煮ていきましょう。ある程度火が通ったら弱火にします。少し小骨が多いのですが、味がとても良いので気にならないはずです。
料理レシピ③塩焼き
らしさを強く感じたい方は、魚の定番料理レシピである塩焼きにするのがおすすめです。皮に臭みがあることを先述しましたが、ヒレが焦げるくらいまで弱火でしっかり焼けば生臭さは無くなり、むしろ香ばしくて良い香りに変化します。少し渋みがありますが、その渋みがまた良さとなるのが面白いところです。好きな方はお刺身で食べるより塩焼きの方が美味しいと言いますね。
ギンメダイの釣り方
ギンメダイ!親が釣ってきたらしい… pic.twitter.com/I4sDCei87R
— 石塚裕貴 (@yuki777Akm) June 28, 2017
ギンメダイの釣り方は確立されていません。わざわざ狙って釣る方がほぼおらず、他の魚の釣り方をしていた時にたまたま外道で釣れてしまう魚だからです。見た目も地味で、他にも美味しい魚が沢山いますのであえて専用の釣り方をする方がいないのですね。キンメダイと同じ海域をさまよっていますので、キンメダイを釣るようにやってみましょう。深海魚にあたりますので、釣れたあとにリリースしても自力で深海に戻ることが出来ません。出来れば、釣れたなら美味しく食べたいですね。
ギンメダイに関するTwitter
味は金なギンメダイ
【ギンメダイ/干物】★★★☆☆
— 海鮮料理bot (@sea_foodbot) July 7, 2018
キンメダイならぬギンメダイという魚がいる。そのままでは水っぽいが、干物にすることでそれを緩和する。ほどよく脂がのっていて美味しい。味は銀ではなく金。pic.twitter.com/YsbV3oVRMB
こちらのツイートでは、干物にすることで味が銀メダル級から金メダル級に変化することが書かれています。水っぽいとされて嫌がられることがある本種ですが、干物にして頂くことで美味しく食べることが出来ます。一度干物にハマった方は、なかなか漁獲されないことを悲しむ人もいるほです。もし見かけたら干物作りもチャレンジしてみましょう!
ギンメダイは目玉まで美味しい?
ギンメダイの塩焼き
— おかもと (@ZY24bCWeS38qbgd) March 27, 2018
目玉食味鑑定士の息子によると、柔らかくて最高に美味しい目玉だそうです。 pic.twitter.com/7EGne4sOqd
お魚が大好きな方の中には目玉を食べるのが好きな方も多いですよね。こちらの方のお子様は目玉まで食べる方のようで、本種の目玉は美味なのだそうです。食べることに抵抗がある方は多いかもしれませんが、魚は目もとても栄養がありますので、興味がある方は食べてみましょう!
話題にならないギンメダイ
今日の鉄腕DASHで、深海カメラに映りこんだ様々な深海生物の中、わりと映っていたのにもかかわらず自分が全く紹介されなかった事に落ち込む擬人化ギンメダイちゃん描きました。#擬人化 pic.twitter.com/0mtOsWDzIm
— 人潟るけ@脱皮殻 (@dappigara) May 14, 2017
こちらはテレビ番組で深海カメラに映ったにもかかわらず、全然紹介されなかったことが書かれています。お魚に詳しい方なら知らない魚ではないはずですが、あまりにも地味な見た目と、知られていないことから紹介されなかったのかもしれません。釣り方が確立されていないほど見向きされていない魚ですが、実は美味ですので覚えておきたいですね!
まとめ~ギンメダイとは~
今回の「「ギンメダイ」って本当にいる?意外に知らない生態や絶品の食べ方をご紹介!」はいかがでしたでしょうか?
ギンメダイの特徴や生態から食べ方・捌き方、おすすめの料理レシピなどをご紹介させて頂きましたが、気になった方も多いかもしれません。残念ながら釣り方は確立されていませんが、船釣りで他の魚を狙っている時に外道として釣れることが多いので、食べてみたい方は船釣りに行きましょう!また、市場に出ることもありますのでチェックしてみて下さい。
ギンメダイが気になる方はこちらもチェック!
今回はギンメダイについて紹介させて頂きましたが、他にも魚・釣りに関する記事が沢山あります。気になる方は是非見てみて下さい。
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