イングリッシュラベンダーとは?
ラベンダーと言えば、北海道で栽培されているイメージがある方も多いかと思います。そんなラベンダーの中でも代表的な種類とされているのがイングリッシュラベンダー。別名では「真正ラベンダー」や「コモンラベンダー」とも言われます。寒さには強いのですが暑さには弱いので、ガーデニング初心者を困らせることもありますね。今回はそんなイングリッシュラベンダーについて解説していきます。
イングリッシュラベンダーの特徴
イングリッシュラベンダーの特徴①香りが強い
普通のラベンダーとイングリッシュラベンダーの違いは、香りの強さ。ラベンダーはよく精油として使われていますが、その際に重要なのは香りの強さなので、イングリッシュラベンダーが好まれているのです。他にも4系統の種類がありますが、本種が一番流通量もあり、また一番有名な品種として知られています。香りを楽しみたい方も是非育ててみて下さい。
イングリッシュラベンダーの特徴②寒さに強い
二つ目の特徴は、耐寒性です。他の品種と比べても寒さにかなり強いので、北海道などの寒冷地でも育てることが出来ます。逆に、夏の暑さには弱いので、夏越しが少し難しいというデメリットもありますね。また、多湿にも弱い傾向がありますので梅雨時期にも注意が必要です。管理方法は後述しましたので、是非参考にしてみて下さい。
イングリッシュラベンダーの特徴③栽培が少し難しい
イングリッシュラベンダーは寒さに強く暑さに弱いことが、ガーデニング初心者を遠ざけている原因。元々は地中海地方が原産のものですので、日本の気候にはあまり向いていない植物なのです。それでも育てることは出来るのですが、ちゃんと気を付けるべきポイントを知っておかないと、ガーデニング上級者でも枯らしてしまうことがあります。寿命は3年から5年ほどありますので、長く楽しめるようにしっかり管理しましょう。
イングリッシュラベンダーの種類
種類①おかむらさき
イングリッシュラベンダーの中でも沢山流通しているのが、「おかむらさき」という品種です。この品種は北海道で作られたもので、甘く芳醇な香りがあるのが特徴。1990年にはラベンダーオイル品評会で1位になったこともあります。開花時の草丈は60㎝~80㎝ほどまで成長。夏の気温はあまり得意ではありませんが、夏でも涼しい地域であれば庭植えも出来ます。ネットショップで苗も販売されていますのでチェックしてみて下さい。
ハーブ苗 イングリッシュラベンダー おかむらさき オカムラサキ 3号ポット 花色 青 芳香 香り 宿根草 多年草 花苗(アンガスティフォーリア)
種類②城南1号
ハーブの苗/耐暑性ラベンダー:長崎ラベンダー城南1号3号ポット6株セットhttps://t.co/vIvvIFEImh pic.twitter.com/jvTs4guOAx
— お世話になっているあの人に贈りたい… (@DnpxvX) October 26, 2016
「長崎ラベンダー」と呼ばれているイングリッシュラベンダーの品種の一つが「城南1号」です。こちらは長崎県で作られた品種で、耐寒性はそのままに、暑さに強く改良されているのが特徴。夏越しに苦労してきた方には強い味方となってくれます。また2期咲きとなるのも特徴で、開花期は5~6月と9~10月となります。長崎ラベンダーの苗はアマゾンや楽天市場などのネットショップにはありませんが、他のネットショップで取り扱いがあります。
種類③リトルマミー
長崎ラベンダーのリトルマミーです。
— 和泉_ (@blue_light9) May 18, 2018
おばちゃんが小さいかあちゃんって言って吹きました。 pic.twitter.com/kJko2B5n1o
「リトルマミー」も長崎ラベンダーの一種です。こちらも城南1号と同じく、耐寒性を保ちながら耐暑性を備えさせたのが特徴。また、2期咲きであることも同じです。花色が濃く、花穂がとてもしっかりしており、花立ちの多さも特徴ですね。一度冬を越せば株が大きく成長し、翌年には更に素晴らしい花をつけますので、上手く管理をして長く楽しみましょう。
種類④ヒッドコート
イングリッシュラベンダーの中でも最も一般的な品種と言われているのが「ヒッドコート」です。「ヒドコート」や「ハイドコート」と呼ばれることもありますね。比較的小さな品種で、草丈は40~50㎝程度。ですが、花を沢山つける特徴があり、また紫色も濃い為人気があります。あまり大きなものは育てたくない、コンパクトなものが欲しい方におすすめです。苗も販売されていますので見てみて下さい。
ハーブの苗 「ラベンダー・ヒデコート(ヒッドコート、ヒドコート、ハイドコート) 9cmポット」(スパイカ系)
イングリッシュラベンダーの育て方①環境
日当たり・風通しの良い場所で育てる
イングリッシュラベンダーは涼しい気候を好みますが、日当たりは大切です。また、多湿を好みませんので、風通しの良い場所に植えましょう。特に気をつけたいのが梅雨時期で、多湿になったせいで枯れることが少なくありません。長雨に当たらないように管理しましょう。できれば庭植えよりも鉢植えで育てて、厳しい気候の際は逃がしてあげられるようにしたいですね。
夏と冬の管理
イングリッシュラベンダーは基本的に寒さに強い植物ですので、北海道で普通に育てることが出来ます。ただし、雪が積もってしまうと重みで折れる、または凍ることがありますので、冬でも積雪からは逃がしてあげたいですね。逆に、夏の暑さはとても苦手ですので、耐暑性のある品種を選び、直射日光・温度が厳しい時には日陰に逃がしたり室内に入れたりしてあげましょう。すのこの上に置けば地面からの照り返しを防ぐことも出来ます。
イングリッシュラベンダーの育て方②用土と植え付け
イングリッシュラベンダーの用土
イングリッシュラベンダーは多湿を嫌いますので、水はけの良い土を用意しましょう。上記の画像のような、よく市販されている「花と野菜の土」をそのまま使っても問題ありませんが、赤玉土を少し混ぜてあげると水はけが良くなりますのでおすすめ。他にもラベンダー専用の土も販売されています。庭植えをする場合は酸性状態を中和するために苦土石灰を少しまきましょう。
イングリッシュラベンダーの植え付け
イングリッシュラベンダーの植え付けの適期は4~5月の春時期です。用意した鉢に鉢底ネットを敷いて鉢底石を入れ、三分の一ほど用土を入れます。購入した苗を、根を傷つけないように取り出し、ほんの少しだけ土を落としてあげてから鉢に入れ、土をかぶせて植え付けます。苗が用土により固定されたら水やりを一度してあげて根を活着させましょう。一週間ほどは日陰に置いておき、その後は日当たりの良い場所に移します。
イングリッシュラベンダーの育て方③水やりと肥料
イングリッシュラベンダーへの水やり
植え付けが終われば、後は適切に管理していくだけですね!イングリッシュラベンダーはとにかく蒸れに注意する必要がありますので、土がちゃんと乾いてから、暑くならない朝か夕方に水やりをしましょう。土が乾いているかが判断出来ない場合は、やみくもに水やりをせず、土の中に指を入れてみましょう。水やりをしすぎると枯れてしまいますので、注意して下さい。
イングリッシュラベンダーへの肥料
イングリッシュラベンダーへの肥料は、植え付けた時に元肥として緩効性肥料を一度与えます。その後、月に一回程度、緩効性肥料を追肥するか、もしくは液体肥料を月に三回程度与えましょう。肥料を与える時期は3月から7月で、夏はあまり成長しませんので与えないようにします。2期咲きのものであれば、10月頃にも与えましょう。
イングリッシュラベンダーの育て方④植え替えと剪定
イングリッシュラベンダーの植え替え
無事に夏冬を越して一年が経ったら植え替えをしましょう。とはいえ、鉢の中で根詰まりをしそうになければ放っておいても構いません。1~3年に一回植え替えをするイメージですね。植え替え時期は3月~5月、または9月~11月の涼しい時期です。根が裏からはみ出ていたり、水やりをした後の浸透に時間がかかるようなら、植え付けの方法と同じやり方で植え替えしてあげます。
イングリッシュラベンダーの剪定・収穫
イングリッシュラベンダーの花が咲いたら、もしくは咲いた花がもう少しで終わるというタイミングになったら、花茎の付け根で切ってしまいましょう。そうすることで体力が奪われず、また沢山の花をつけてくれます。切り花として楽しむ場合は、開花後に早めに切ってしまいましょう。早めに切ってしまえばより体力が残ります。
イングリッシュラベンダーの育て方⑤注意点
イングリッシュラベンダーは枝透かしが必要
剪定のやり方を先述しましたが、剪定をしなければ風通しが悪くなってしまいますので、蒸れて枯れに繋がる原因となってしまいます。ですので、夏前には剪定をし、全体の形を整えるようにします。また、枯れた葉は取り除いて、病気の原因とならないようにしましょう。元気の無い細い茎も無駄に体力を奪ってしまいますので切ってしまいます。
害虫に注意
イングリッシュラベンダーは特に病気の心配はありません。蒸れにだけ注意をしましょう。害虫の被害を受けることはあり、ハダニとアブラムシに注意が必要です。ハダニは弱っている時に出やすくなりますので、もし出た場合は専用の薬で駆除して下さい。また、アブラムシは5~9月によく出てきますので、こちらも殺虫剤で駆除がおすすめです。
イングリッシュラベンダーの増やし方・栽培方法
増やし方・栽培方法①挿し木
イングリッシュラベンダーの増やし方・栽培方法は種まきか挿し木になります。しかし、種まきは上級者向けですので挿し木がおすすめです。画像のように5㎝くらいに剪定した茎を、下半分の葉を取ってから水に1時間ほどつけて水を吸わせ、その後切り口に発根促進剤を塗り、用土に穴を開けて挿し木しましょう。日陰に置き乾かないように管理をすれば、三週間ほどで根が生えてきます。時期は春か秋に行いましょう。
増やし方・栽培方法②種まき
種まきは上級者向けですが、育てるのに慣れてきたら挑戦してみて下さい。採取した種を、まずは春化処理します。これは寒さを種に与えて、発芽させやくする作業です。種を冷蔵庫に三日ほど入れ、水に一日漬けてから用意した用土に撒きましょう。発芽してしっかりしてきたタイミングで植え替えをしてあげます。ちょっと難しいので、初心者の方は挿し木での増やし方がおすすめです。
イングリッシュ ラベンダーに関するTwitter
肥料のやりすぎ、水のやりすぎに注意
鉢植えのイングリッシュラベンダー、毎年のように買ってきてベランダにおいていますが、たいてい2年目に突然枯れます。冬はあまり手をかけずにほっとくのですが、花をつけ繁ってくると、水や肥料をやらなければと手をかけ過ぎなのかもしれません。ちょっと危ない。突然死はよくあるようです。
— 塚田 真 (@tsukada816) June 1, 2016
手をかけ過ぎた為か枯れてしまったことが書かれています。イングリッシュラベンダーは基本的に中級者~上級者向けの植物ですので、ちゃんと育てていても不思議と枯れてしまうことがあります。ですので、挿し木などの増やし方でちょっと予備の株を作っておきましょう。また、書かれているように手をかけ過ぎると枯れる可能性も考えられますので注意して下さい。
イングリッシュラベンダーの種まきでの様子
種まきから30日目:seedling:芽が18個になりました:sparkles: #ラベンダー #イングリッシュラベンダー #ガーデニング #園芸 pic.twitter.com/O2vJBNmLCa
— ♡Kirara♡ (@swt_07_rara) July 30, 2017
こちらでは種まきをしてから30日目の様子が分かる写真が紹介されています。春化処理が必要で少し難しい種まきでの栽培ですが、出来ない訳ではもちろんありませんので、慣れてきたら挑戦してみて下さい。水気を切らすと発芽しにくくなりますので、発芽するまでは気をつけましょう。ある程度大きくなれば植え替えをし、後は普通に育てていくだけです。
まとめ~イングリッシュ ラベンダーの育て方~
今回の「イングリッシュラベンダーの育て方と栽培方法!剪定の時期や増やし方をご紹介!」はいかがでしたでしょうか?
イングリッシュラベンダーの特徴や種類から、育て方、増やし方・栽培方法などをご紹介してきましたが、育ててみたくなりましたか?簡単な観葉植物と比べるとちょっと難しいのですが、育てやすい品種の苗を選び、育て方をちゃんと守れば育ってくれます。失敗した時の為に、増やす気はなくとも挿し木をして、保険として増やしておくのがおすすめですよ!
イングリッシュラベンダーが気になる方はこちらもチェック!
今回はイングリッシュラベンダーについて紹介致しましたが、他にもガーデニングに関する記事が沢山あります!気になる方は是非見てみて下さい。
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