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モスピラン粒剤&水溶剤の効果と使い方とは?正しい使用方法で植物を守ろう!

モスピランという農薬をご存知でしょうか。あまり聞いたことがないという人もいるかも知れません。しかし、その効果は有名なオルトランと並ぶくらいの薬剤です。モスピランにはいくつかの種類があり使い方も変わってきます。モスピランの効果や種類による使い方をご紹介します。
更新: 2022年4月14日
佐藤3
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モスピラン粒剤・水溶剤の使い方効果が知りたい

園芸に役立つモスピラン

モスピランという農薬をご存知でしょうか。農家でも使われている効果の高い殺虫剤であり、その種類は大きく分けて3種類あります。劇薬扱いになっているものもあれば普通の店でも買えるものもあります。今日はこのモスピランの使い方、その成分と散布時の注意点などをご紹介していきます。

モスピランってどんな農薬?

害虫駆除に使用する農薬

モスピランは害虫駆除に効果を発揮する殺虫剤。薄めて使う水溶剤、粒剤、液剤とそのまま使えるスプレー剤があります。この中で一番農薬として強い成分が配合されているのが水溶剤。効果が高く、たくさんの種類の植物の害虫駆除ができますが「医薬用外劇物」の指定を受けているので、通販などで簡単に買うことはできません。

他の殺虫剤が効かない虫に有効

モスピランは有効成分が違うので、他の殺虫剤で耐性がついてしまっている害虫にも効果があります。害虫に対して効果的な殺虫剤のはずなのに、うちの害虫には効かないという場合は、害虫の耐性も視野に入れると効果的です。モスピランを試してみたら効くということもあります。

ミツバチへの影響が少ない

近くに養蜂場があるところでは、農薬の使用が限定されることがあります。農薬を散布するときに市町村に申請しなければいけないのはそのためです。それは家庭の庭でも同じです。何でも虫が出たからすぐ農薬を散布してよいというわけではありません。モスピランはこのミツバチへの影響が少ない成分を使用しています。

効果長持ち

モスピランは浸透移行性の薬剤です。簡単に使えて、薬剤の有効期間中はずっと害虫から植物を守ってくれるので、散布する回数が少なくても害虫に効果を発揮します。一度退治した株に新しく付こうとした害虫にも有効期間内なら予防効果もあります。

モスピランの成分

有効成分アセタミプリド

出典: https://www.amazon.co.jp/%E4%BD%8F%E5%8F%8B%E5%8C%96%E5%AD%A6%E5%9C%92%E8%8A%B8-%E3%83%A2%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%A9%E3%83%B3%E6%B6%B2%E5%89%A4-100%EF%BD%8D%EF%BD%8C/dp/B003ULEBI8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1529383504&sr=8-1&keywords=%E3%83%A2%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%A9%E3%83%B3%E6%B0%B4%E6%BA%B6%E5%89%A4

モスピランの有効成分は「アセタミプリド」。この成分は散布すると葉に吸収されたまましばらくは効果が続く「浸透移行性」があります。効果の持続期間は約2週間ほど。年間に使える回数が決められているので、計画性を持って使用するようにしたいですね。
 

農薬の系統

農薬を散布するときは、害虫が耐性を持たないように系統の違う農薬を年単位で交互に使うとよいとされています。同じ系統の農薬を使い続けるとその成分に強い虫が生き残り、最後には農薬の効果がでなくなってしまうからです。モスピランは「ネオニコチノイド系」の農薬になります。他の農薬で効かない虫にも効果がある系統の農薬です。

オルトランと交互に使おう


同じような虫に対して効果がある殺虫剤であるオルトランは「有機リン系」ですので、モスピランとは系統が異なります。オルトランとモスピランを交互に使うようにするのが一般的な使い方です。もし、モスピランを散布しても効果がない場合近くにモスピランを使っている農家や家があるのでしょう。害虫に耐性がついています。そんな時はモスピランではなくオルトランを使うと効果が出る場合があります。

モスピランの効果がある害虫は

粒剤・液剤が効く害虫

粒剤・液剤はアブラムシ、スリップスに効果がある農薬です。水溶剤と比べて効果のある害虫は少ないですが、普通に買える農薬としては効果が低いわけではありません。有名な農薬と比較するとオルトランと同じくらいの効果と考えておくとよいでしょう。

水溶剤が効く害虫

アブラムシ、アオムシ、キスジノミハムシ、コナガ、アザミウマ類に効果がある農薬です。ミツバチやマルハナバチには影響が少ない農薬ですが、カブラハバチは効果のある虫の一覧にも表示されています。

モスピランの使い方:粒剤

粒剤を予防に使おう

モスピランもその種類によって効果的な使い方ができます。もちろん、種類が違っても有効成分が同じなので同様に駆除や予防両方に使えますが、向いている使い方が存在します。粒剤は成分が水に溶け、一帯の株に効果を表すので害虫予防として使いやすい農薬となっています。

アブラムシ予防に

動画ではオルトラン粒剤を散布していますが、使い方はモスピランも同じです。大切な花にアブラムシなどの害虫が付く前の予防としてモスピラン粒剤を使用しておくと、虫がついて慌てるということがなくて良いですね。転ばぬ先の杖的なモスピランの使い方です。

畑への使い方

モスピランを小型のプランターなどに散布するときの分量の目安は先程の動画で確認できたでしょう。もっと範囲の広い畑への散布は・・・というとまた撒き方が違って来ます。家庭菜園でも野菜の苗を定植するときにモスピランを動画のように使用しておくと、その後の害虫予防に役立ちます。モスピランの畑への使い方として参考にしてください。

モスピランの使い方:液剤・スプレー

スプレーでピンポイントに駆除

一方、液剤やスプレー剤など噴霧するタイプのモスピランは予防にも使えますがどちらかというとすでについてしまった害虫にピンポイントで噴霧して駆除。さらに有効期間内なら予防というダブル効果が期待できます。ここでは、液剤とスプレー剤の使い方をご紹介します。

液剤・スプレーの使い方


液剤やスプレー剤は粒剤とは使い方が少し異なります。液体ですのでスプレーで植物に直接噴霧することになります。スプレー剤は希釈せずそのまま使用することができ、液剤は植物に合わせた倍率で希釈して使うという他基本的な使い方は一緒です。

モスピランの種類

モスピランは3種類

植物用の殺虫剤や農薬にもいくつかの種類があります。モスピランもそうです。先程の使い方でも粒剤と液剤・スプレー剤の使い方を別々に説明したように、種類が違うと少し違った使い方ができます。実はモスピランにはこの他にも水溶剤という種類もあります。この水溶剤は他の種類とは少し違った注意が必要です。

水溶剤

水溶剤は農薬の中でも劇薬扱いなので、通販などでは簡単に手に入れることはできません。販売店へ出向き印鑑を押して買うことになります。その分効果も高いですが扱いには注意が必要な農薬となります。2000~4000倍の希釈倍率で散布できるのでコスパのよい農薬。多くの植物の害虫駆除に長期間効果を発揮しますが、使用回数が決められており植物によっては年に1度しか散布できないこともあります。

粒剤

水溶剤と比べて、粒剤や液剤・スプレー剤は普通にどこのお店でも買える農薬です。広い範囲に農薬散布をする必要があるときは粒剤がおすすめです。また、粒剤は土に撒くタイプなので害虫の天敵には影響が出にくいという特徴もあります。土の中から植物に浸透しその液を吸う害虫を狙って退治することができます。

スプレー剤・液剤

液剤とスプレー剤はほとんど同じものですが、液剤は散布する植物により250倍から500倍に薄めて使用します。1年で使える回数が指定されている強めな農薬ですので、注意書きを良く読んで回数を守って使いましょう。スプレー剤は薄めずそのまま使える農薬です。使い方は簡単ですが、容量が少なくコスパは下がってしまいます。噴霧する植物が少なくて良い時は残さず使えるスプレー剤が良いでしょう。

モスピラン粒剤と水溶剤の比較

粒剤のメリット・デメリット

粒剤の一番のメリットは薬剤が飛び散らず撒きやすいことです。さらに植物1株あたり0.5~2g程度植え付け時に土に混ぜ込んで使うので経済的。庭の花壇全体に使うなら土つくりの時に混ぜ込めばよいので一度で広範囲の害虫を駆除するといった使い方ができます。デメリットは土に混ぜて使用するので汚れる作業であることでしょう。

液剤のメリット・デメリット

液剤やスプレー剤など噴霧するタイプのモスピランのメリットは、発生してしまった害虫を狙い撃ちできることでしょう。また容量が少ないので余らせてしまって無駄になるということがありません。広い範囲なら粒剤、少ない株数に使用するなら液剤という選び方もできます。デメリットはマスクやメガネなど薬剤から散布する人を守る必要があることでしょう。

水溶剤のメリット・デメリット

水溶剤のメリットは、何といっても薬効成分が強力であるということでしょう。対応している害虫の種類も植物の種類も粒剤や液剤と比べて豊富です。希釈も2000倍~と、かなり薄めて使うので経済的です。デメリットは何といっても簡単に買うことができない劇薬であるということ。使い方だけでなく保管においても充分注意が必要となってきます。

農薬使用の注意点

使用回数を守ろう


モスピランは年間の使用回数制限のある農薬です。害虫を見かけたからといって何度も使っていてはいけません。使用回数を越えて使用すると野菜や果実などは人体に害を及ぼしますし、花などに使用する場合でも自然環境に影響を与えるものと考えます。

使用回数の数え方は

使用回数は同じ薬剤ということではなく、同一の有効成分で違う薬剤でも数にカウントします。逆にいえば、効果は同じような農薬でも有効成分が違えば数にカウントしなくても良いということ。例としてここまでも何度か名前が出ているオルトランに再登場してもらうと、モスピランの有効成分がアセタミプリドなので1回散布したと数え、次にオルトランを散布しても有効成分はアセフェートなので回数は2回にはならず1回というカウントになります。

農薬に耐性ができる

害虫は同じ農薬を使い続けるとその農薬の成分に対する「耐性」がある個体が生き残り、だんだんと効果がでなくなってきます。よく殺虫剤でよく効くと口コミの高い農薬でも「効かなかった」という人がいるのはこの耐性のついている害虫がついている場合もあります。

同じ農薬を使い続けない

近くの畑や近隣の庭などで農薬を撒くと害虫は移動できますから命からがら逃げてきます。有名な殺虫剤であればあるほど耐性がつきやすいでしょう。殺虫剤を効果的に使うには、同じ農薬を使い続けないことで耐性をつけさせないことが大切です。

まとめ

農薬は使い方を守って効果的に

モスピランの成分や使い方、散布時の注意点などをご紹介してきました。いかがでしたでしょうか。通販などでも買えるモスピラン。他の似たような農薬を使って効果が出なかったという人は、モスピランに変えてみると効果が出る場合もありますので試してみる価値はあるでしょう。

農薬が気になる人はこちらをチェック!

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