あゆは釣り方法が独特?調理方法や食べ方を紹介
あゆの生態や料理方法が知りたい!
あゆは日本を代表する川魚です。その香りとともにやわらかくみずみずしいその身は刺身などで美味しく調理していただくことができます。また、その独特の釣りの方法もあゆ釣りファンには夏の大事なイベントのひとつとして愛されています。今日はこのあゆの生態や食べ方・レシピをご紹介していきます。
あゆについて
まずはあゆの生態からご紹介しましょう。あゆの生態は他の魚と違うところが多々みられます。またあゆの中でも住んでいる地域によってはまた変わった進化をとげたものも見られる興味深い魚です。
あゆの基本情報
あゆはキュウリウオ目アユ科アユ属の魚で、学名は「Plecoglossus altivelis」。英語名も「Ayu」または「Ayu sweetfish」。あゆは一生のうちに海と川を回遊する魚で、日本を代表とする川魚となっています。ただし琵琶湖に住むあゆは海に出ることなく一生を過ごすように体が変わってしまっているものもいます。
あゆは1年しか生きられない
あゆは「年魚」と呼ばれるように、1年で一生を終える魚です。稀に越冬して年を超えるあゆもいますが、生殖活動を行うことはなく、そのまま長生きしたあゆとして寿命を迎えるだけです。逆に1年目に生殖活動ができなかったあゆは1年越えすることが多く、2年めに子孫を残して一生を終えるのであゆの寿命は子供を残すことにかかっているようです。
あゆの名前と特徴
魚には別名がつけられているものもたくさんあります。あゆもその中のひとつ。ここでは、あゆの名前とその名前が示す特徴・その他にもあゆの体の特徴についてお話しましょう。
よい香りがする
あゆは年魚以外にも、もっと有名な別名があります。それは「香魚」(こうぎょ)。英語名でも「Ayu sweetfish」というように、生臭さはなくスイカのような香りがします。このスイカの香りをきゅうりのようだと感じる人もいます。生臭くて魚を調理するのが苦手という人でも、あゆならその甘いかおりのおかげで調理できるという人もいるでしょう。
体の特徴
あゆは若鮎と呼ばれる状態があります。これは初夏頃までに成長したあゆを差します。体長は10センチから15センチほど。背中に黄色い斑点ができてくるのが稚魚との違いです。成魚になるとこの黄色い斑点もハッキリとしてきて体長は20センチ以上にもなります。
あゆの旬の時期は
あゆを美味しくいただくには、美味しく食べる食べ方、旬の時期を知っておくことが大切です。あゆには漁ができる時期と禁漁の時期があります。自分があゆ釣りをしようとする地域のそれを知ることで、あゆの旬の時期、美味しい食べ方ができる時期を知ることができるでしょう。
あゆ漁の解禁
あゆは1年しか生きられない魚ということで、禁漁期間が決められて保護されています。その期間は11月から翌年5月まで。あゆの旬は6月から8月となります。特に旬は7月は美味しい若鮎の季節です。
解禁時期は地域によって変わるので注意
鮎の旬の時期(解禁時期)は6月から8月というのは一般的な期間で、9月ころから解禁になったりするところもあります。九州では10月からがあゆの解禁になるなど大きく旬の時期が変わってくるので、釣り場によって確認する必要があります。
あゆの旬の味と落ちあゆの味
あゆの旬は3ヶ月ほどといっても、その旬の時期でも味が変わってきます。あゆ釣りの時期によるあゆの味の違い・特徴をご説明していきます。
旬のあゆの味
あゆの旬である7月は、やわらかくて美味しい食べごろのあゆが釣れます。大きさこそまで小さめではありますが、産卵時期の落ちあゆとはまったく違った味が楽しめます。
落ちあゆの味は
産卵前の旬の若鮎は骨までやわらかく美味しい味がします。しかし、これは好みの問題でお腹に卵をかかえている子持ちのあゆ(落ちあゆ)の味が好きという人もいるのも確かです。やわらかいあゆの味を楽しみたいなら若鮎の旬の時期を。子持ちの落ちあゆが食べたいなら旬も終わり頃の時期を狙って釣りをするとよいでしょう。
あゆの友釣り
あゆ釣りはその性質を利用した面白い釣り方をします。ここでは、あゆの釣り方、友釣りの説明と友釣りの仕掛けについてご紹介します。
友釣りとは
あゆの釣り方は友釣りという方法です。これはあゆがなわばり意識が高いことを利用した釣りの方法です。自分の餌場(川底の苔のある場所)を守るため、このなわばりに入ってきた他の個体に対して体当たりをして追い出そうとする習性があります。この習性を利用したのがあゆの友釣りという方法です。
友釣りの方法
友釣りをするには、まず生きたあゆを一匹(または予備にもう一匹)手に入れることからはじまります。あゆ釣りをするにはオトリと呼ばれるこのあゆを攻撃しようとタックルしてくる鮎を針にひっかけて釣る釣り方です。あゆのオトリの付け方、仕掛けの作り方は以下の動画が参考になります。
あゆの食べ方を動画で知ろう
あゆには綺麗に食べる食べ方が存在します。昔からの魚の食べ方なのですが最近では知らない人も多いようですね。あゆの食べ方の動画がありますので、こちらを見ながらあゆの食べ方をご紹介していきます。
食べ方①ヒレを取り外す
あゆのような高級魚はなかなか口にする機会がなかった昔は、あゆを食べる食べ方にも作法がありました。まずは、あゆのヒレと尾を綺麗に取り外します。これは手で簡単に取り外すことができます。
食べ方②箸で身を押さえる
ヒレと尾を取り外したあゆの身を箸で押さえて身と骨を剥がれやすくします。この動作はあゆをひっくりかえして裏側からもおこないます。
食べ方③骨を取り外す
頭を持って、箸で身を押さえながら引っ張れば骨が綺麗に引き抜くことができます。残った皮と身はそのまま全部食べることができます。
あゆの代表的な調理方法①刺身
刺身の料理方法・レシピ
魚の料理といえば刺身ですね。鮎も刺身でいただける魚です。あゆの刺身の作り方は他の魚の刺身の作り方・レシピと変わりありません。
材料
材料 | |
---|---|
あゆ | 人数分 |
大葉 | 人数分×枚数 |
作り方
あゆの刺身の作り方
1.まず新鮮なあゆは水で洗ってヌメリをとります。
2.あたまを落として骨の上に包丁を入れおろします。
3.皮を引いて冷水に放ち、キッチンペーパーで水気を拭き取り、食べやすい大きさにカットします。
4.残りの身も三枚におろしてはらわたは取り除き、刺身にします。
5.刺身皿に洗って水気をふきとった大葉を敷き、その上にあゆの刺身を並べてできあがり。
あゆの刺身は小さいので中骨はとらずに三枚におろしたものをそのまま切っていただきます。
あゆの代表的な調理方法②塩焼き
塩焼きの料理方法・レシピ
あゆの代表的な料理のひとつである塩焼き。泳いでいるような姿に焼く串打ちは難しいですが、できれば挑戦してみるといつもの塩焼きの雰囲気が本格的に変わるでしょう。
材料
材料 | |
---|---|
あゆ | 人数分 |
塩 | 適量 |
ししとう | 人数分×1本 |
作り方
あゆの塩焼きの作り方
1.あゆは冷水でサッと洗ってぬめりを取ります。
2.今回は頭も内蔵も取らずにそのまま塩焼きにします。気になる方は頭を落とし内蔵を取り除いてください。
3.あゆに塩をふります。
4.グリルや網にのせ両面こんがりと焼き上げます。中まで火が通ったら焼き上がり。
5.ししとうを素揚げにします。
6.お皿に塩焼きのあゆと素揚げのししとうを盛り付けてできあがりです。
あゆの代表的な調理方法③うるか
うるかの料理方法・レシピ
うるかとは、あゆの内蔵を塩漬けにした発酵食品。あゆの塩辛といったところでしょう。うるか作りは内蔵だけ漬けるものと身を細切れにしたものと一緒に漬けるもの作る人や家庭によって作り方が変わってきます。ここでは一般的な内蔵だけのうるかの作り方をご紹介します。
材料
材料 | |
---|---|
あゆの内蔵 | 作りたい分だけ |
塩 | あゆの重さ |
この他、漬けるのにガラス容器を煮沸消毒したものを用意します。
作り方
うるかの作り方
1.あゆの内蔵を取り出します。
2.煮沸消毒ずみのガラス瓶に内蔵とその同量の塩を入れて漬け込みます。
冷蔵庫に保存して3ヶ月ころから食べることができます。長期保存が可能で数年はもちます。そのままでお酒のアテに。炊きたてご飯に乗せたりして美味しくいただけます。
あゆの代表的な調理方法④あゆ寿司
あゆ寿司の料理方法・レシピ
あゆ寿司はあゆの刺身を酢漬けにして寿司にしたものもありますが、ここで紹介するのは別名「なれ寿司」と呼ばれる料理です。こちらもあゆを使った発酵食品で食べるタイミングでだんだんと酸味が強くなってきます。
材料
材料 | |
---|---|
あゆ | 50匹 |
米 | 3合 |
酒 | 2合 |
しょうが | 1個 |
作り方
あゆ寿司(なれ寿司)の作り方
1.あゆは背開きにします。はらわたとエラを取り洗っておきます。
2.あゆを塩漬けに。最低1ヶ月。だいたい2ヶ月から半年塩漬けにします。
3.ご飯を炊いて冷ましておきます。しょうがは皮を向いて千切りに。
4.2のあゆを漬け込む1時間前くらいから水につけ塩抜きしておきます。
5.冷ましたごはん(お酒をかけておく)、あゆ、ごはん、しょうがという順で段々に重ねていきます。
6.全部詰め終わったらフタをして常温で保存します。
常温で発酵するので4~5日したら食べてみてこのみの酸っぱさになったら冷蔵庫保存に切り替えます。普通の人が作る場合は5日くらいで食べきった方が良いでしょう。
あゆの代表的な調理方法⑤あゆご飯
あゆご飯の料理方法・レシピ
塩焼きにした鮎をご飯と一緒に炊き込むあゆご飯です。写真では丸のまま焼きあゆにしていますが、内蔵の中にフンが残っているとまずいので、フンを絞り出すかまたは内蔵を取ってから焼いて炊き込むとよいでしょう。
材料
材料(2人分) | |
---|---|
あゆ | 1尾 |
米 | 1合 |
にんじん | 適量 |
えのき | 適量 |
酒 | 大さじ1 |
みりん | 小さじ3 |
薄口醤油 | 大さじ2と1/2 |
だし汁 | 他の調味料と合わせて米を炊く水位まで |
作り方
あゆご飯の作り方
1.あゆは内蔵を取り出して焼いておきます。
2.米を洗ってざるにあげておきます。
3.にんじんは千切り、えのきはいしづきを取って食べやすい大きさにカットしておきます。
4.炊飯器に米、調味料、だし汁を入れてから焼いたあゆを並べてスイッチオン。
5.炊きあがったらあゆの身をほぐし混ぜ合わせていただきます。
あゆの代表的な調理方法⑥甘露煮
あゆの甘露煮の料理方法・レシピ
料理にするのを迷うような小あゆは甘露煮にして食べるのにちょうどよい大きさです。簡単にできるあゆの甘露煮の作り方をご紹介します。
材料
材料 | |
---|---|
こあゆ | お好きな量 |
酒・みりん・しょうゆ・ ザラメ・青山椒・唐辛子・ 生姜 |
動画参照 |
作り方
こあゆの甘露煮の作り方
1.こあゆは水であらってヌメリをとっておきます。
2.生姜は皮をむき大きめの細切り。
3.小鍋にこあゆを入れ、調味料を入れていきます。
4.落し蓋をして弱火でじっくり煮汁少なくなるまで煮込みます。
あゆに触ると身が崩れてしまうので、弱火であゆには触らずに煮込みます。
あゆの代表的な調理方法⑦てんぷら
あゆのてんぷらの料理方法・レシピ
やはり小魚はてんぷらにして揚げたてを頭からバリバリいただくのが美味ですね。旬のあゆは新鮮なうちにてんぷらにしていただくのもおすすめです。頭や内蔵が苦手な人は下の写真のように取ってしまってからてんぷらにしてももちろんOK。お好きな方法で美味しいあゆをお楽しみください。
材料
材料 | |
---|---|
あゆ | 人数分 |
小麦粉 | 適量 |
たまご液 | 適量 |
冷水 | 適量 |
作り方
あゆのてんぷらの作り方
1.あゆは水であらってヌメリをとっておきます。
2.内蔵などが苦手な人は先に頭と内臓をとって水洗い。キッチンペーパーで水気をふきとっておきます。
3.天然の川魚は油やヌメリがすごいです。衣が剥がれてしまう心配があるなら先にあゆに小麦粉を薄くふっておきます。
4.てんぷらの衣を作ります。小麦粉にたまご液、冷たい水を入れて4~5回だけかきまぜます。この時にダマがあってもOK。まぜすぎるとサクサク感がなくなるので混ぜすぎないように注意します。
5.あゆに衣をつけ、170度の油でカラリとあげたらできあがりです。レモンなど添えていただきましょう。
まとめ
あゆの生態や旬の時期、有名な鮎料理の作り方・レシピをご紹介してきました。いかがでしたでしょうか。料理レシピの中には数ヶ月かかるものもあり手間はかかりますが昔から日本人が食べてきた鮎の料理方法です。新鮮なあゆが手に入ったらぜひこの機会にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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