スケソウダラで筋肉増?味調理法・生態も知りたい
スケソウダラは切り身を調理して食べるだけでなく、かまぼこやソーセージ、魚卵はたらこや明太子。白子に至るまで日本人には身近にある魚です。近年、このスケソウダラの肉を食べ続けていると運動しなくても筋肉が増えるとの発表がされました。
スケソウダラとは
まずは、スケソウダラがどんな魚なのかその基礎情報を見ていきましょう。スケソウダラの分布や生態、その他の名前についてもご紹介します。
科・属
スケソウダラはその名のとおり、タラ目タラ科の魚です。同じタラの仲間で日本人には馴染みの深い「マダラ」と同じ仲間ですが、マダラの方が少し大きくて、スケソウダラは小さめです。
生態・特徴
スケソウダラは肉食の魚です。小魚や甲殻類などを捕食しています。先ほどマダラよりも小ぶりであるということをお伝えしましたが、その他スケソウダラとマダラの違いは目の大きさにもあります。目が大きいのがスケソウダラ。
広い範囲に回遊せずに小さな群れで生活すると考えられています。
分布
スケソウダラの分布は広くて、日本なら関東より北の太平洋沿岸、オホーツク海からカリフォルニア州沿岸までとなっています。スケソウダラの分布は北太平洋広域と考えてよいでしょう。
スケソウダラ?スケトウダラ?名前について
スケソウダラはスケトウダラとも呼ばれています。この他、この魚の多くの名前で呼ばれていて、スケソ、スケソウからはじまり、ナツトオダラ・ヨイダラ、メンタイやミンタイ(明太子の名前の由来にもなった呼び方)などと呼ぶ地域もあります。
スケソウダラの味・旬
簡単にスケソウダラについてわかったところで、その美味しい時期についてもお伝えしましょう。スケソウダラは身の痛みが早い魚ですので旬の時期を知っておくことで美味しくいただくことができます。
スケソウダラの旬
スケソウダラといえば、お鍋の材料として知る人も多いでしょう。鍋料理といえば冬。スケソウダラの旬も冬です。12月から3月が味ものって美味しい旬だといわれています。その中でも特に1~2月が産卵の最盛期であり、脂も乗って美味しいスケソウダラの旬といわれています。
スケソウダラの味
スケソウダラは白身の魚ですので、味は淡白。あっさりしていて食べやすく、よくフライや鍋物などの料理に利用されます。
身の痛みの早い魚ですので、古くは魚肉加工製品にしか使用されていませんでしたが、新鮮なスケソウダラが食べられる地域の人の間では「上品で柔らかい白身の味で、クセがなく食べやすい」とマダラよりも好まれています。
スケソウダラの栄養素
旬のスケソウダラは美味しいだけでなく体に良い栄養素も豊富に含まれています。スケソウダラを食べるとどんな良いことがあるのか見ていきましょう。
タンパク質
魚肉といえば良質な動物性タンパク質の代表といえるでしょう。特にスケソウダラの身は脂肪が少なく胃腸が弱い高齢者や病後の方がたべるタンパク源としても重宝されます。加熱調理しても硬くなりにくく、身ほぐれもよくて消化が良い食材です。
ビタミン類
スケソウダラにはビタミンAやDといったビタミンも含まれています。白身の魚はサバなどの青ものと比較するとビタミンは少なめではありますが、皮膚や骨の強化に役立ってくれます。
アミノ酸
その他、魚類や海藻類に多く含まれるアミノ酸。スケソウダラもイノシン酸やグルタミン酸も豊富な魚です。アミノ酸は脂肪の燃焼を助け、料理した時の旨みの素でもあります。
しかし、イノシン酸は鮮度とともに減ってしまうので、できるだけ新鮮なスケソウダラを選び早く料理してしまうことが大切です。
スケソウダラは食べるだけで筋肉が増える?
スケソウダラは美味しくて栄養素もたっぷり・・・というだけでなく、最近ちょっと話題になっていることがあります。それはスケソウダラを食べるだけで筋トレせずに筋肉が増えるという研究発表です。これは本当のことなのでしょうか。
「スケソウダラだけで筋肉増加」学会の発表
スケソウダラに限らず、魚類のタンパク質も筋肉を付けるためには必要な栄養素のひとつです。特に、スケソウダラの身は食べるだけで筋肉が増えたという学会の発表がされたことで大きな注目を集めています。
ニッスイと7つの大学の共同研究
スケソウダラと筋肉増加の研究をしているのはソーセージなどの加工で有名なニッスイ(日本水産株式会)。ラットによる研究では筋肉の瞬発力を高める速筋を高めるという研究結果が出ています。
65歳以上の女性でもスケソウダラで筋肉増加?
19名の65歳以上の女性に3ヶ月スケソウダラ入りスープを飲んでもらったところ、運動をまったくしていないのに15名に筋肉の増加が認められました。ラットによる研究から、体重60kgの人なら1日あたり3.3g以上にスケソウダラを食べることで筋肉増加が示唆されています。
スケソウダラの主な調理方法
筋肉がつくと嬉しいのは男性だけではありません。女性も筋肉がつけば基礎代謝があがりダイエット効果も期待できそうです。でも、オールシーズンスケソウダラが食べられるわけではありませんね。ここではスケソウダラを使った加工食品や白子についてご紹介します。
調理方法1:魚肉加工製品
スケソウダラは白身の魚です。その魚肉はかまぼこなど魚肉加工製品として調理されます。日本の近海での漁獲量も多く、その身もたっぷりあって調理加工しやすいスケソウダラは昔から日本人の食卓に様々な形で登場しています。
調理方法2:魚卵加工
日本人に馴染みの深いスケソウダラ。それはかまぼこなどの魚肉加工製品だけではありません。お弁当のおかずに、パスタにも美味しいたらこや明太子としてスケソウダラの魚卵が使われています。
調理方法3:白子
メスの魚卵だけでなく、オスのスケソウダラの白子も大きくて美味です。味噌汁や鍋料理にはあると嬉しい食材ですね。マダラの白子に比べて安価に手に入るのも魅力です。
スケソウダラの下処理
スケソウダラを購入し、鍋などの料理にしようと思ってもその調理方法・下処理の方法がよくわからなくて生臭いニオイが残ってしまったという人はいませんか?ここでは、特にスケソウダラの生臭さ対策のための下処理の方法をご紹介します。
下処理1:余分な水分を抜く
スケソウダラの下処理は切り身にして塩を振り、ザルの上にしばらく放置して余分な水分を抜きます。この水分の中に生臭さがあることがあるので、これだけでもグッと生臭さが減るでしょう。時間は5分ほどで大丈夫です。
下処理2:霜降りにする
スケソウダラの内部にある生臭さ(余分な水分)とりの下処理が終わったら、表面のニオイも取ってしまいましょう。ザルに置いたまま熱湯を軽く回しかけ霜降りにします。これで表面の生臭さも軽減されます。
下処理3:白子がある場合
スケソウダラといえばその白子も鍋に入れると美味しいですね。白子の調理方法(下処理)のコツは、最初に塩もみしておくことです。そして、切り身と同じように霜降りにするのですがそのときあまりしっかりと熱湯をかけないこと。
白子の場合はサッと熱湯をかける程度で十分です。
スケソウダラ料理・レシピ1
美味しい食べ方レシピ:揚げ物・フライ
白身の魚であるスケソウダラは、身が淡白であることから揚げ物やフライにするレシピが合います。白身魚のフライや天ぷらレシピなどがおすすめです。ここでは、一般的な白身魚のフライのレシピをご紹介しましょう。
フライにする前の下処理の方法は上記を参照してください。
材料
スケソウダラの切り身:適量、塩コショウ、おろし生姜:各適量。小麦粉、玉子、パン粉を適量。付け合せにレタスを用意しましょう。
作り方
1.スケソウダラの切り身には塩コショウで下味つけ、生姜を塗って臭みとりをしておきます。
2.小麦粉を薄くまぶし、玉子にくぐらせてパン粉を付けます。
3.熱した油に2を投入、時々裏返しながら両面きつね色になり中まで火が通ったらできあがりです。
4.皿にレタスを敷き、その上にスケソウダラのフライをならべお好みのソースでいただきます。
スケソウダラ料理・レシピ2
美味しい食べ方レシピ:焼き物
白身魚は鍋やフライだけでなく、ソテーやムニエルの焼き物にも向いています。ここではシンプルなタラのソテーにコクがあり美味しい味噌クリームソースをかけていただく美味しいレシピをご紹介します。
旬の新鮮なスケソウダラが手に入ったらぜひ試して見たいレシピです。
材料
スケソウダラの切り身、小麦粉、塩コショウ。ソース用に牛乳、味噌、生クリーム、卵黄、溶かしバター。盛り付け用にあればディルも添えると良いでしょう。
作り方
1.スケソウダラの切り身(片面)に塩コショウをして小麦粉をまぶします。
2.フライパンにサラダ油を熱してほのかに色がつくくらいソテーします。
3.別のフライパンでソース用の材料を入れます。
4.火をつける前にかき混ぜます。
5.弱火でゆっくり加熱してとろみを付けます。
6.2のソテーに5のソースをかけて、ディルを添えたらできあがりです。
スケソウダラは刺身にできないの?
スケソウダラの刺身もある
多くの魚が刺身として食べることができます。でも、スケソウダラの刺身というのは聞いたことがある人は少ないのではないでしょうか。その理由はここまで何度かお伝えしてきた「痛みの早い魚」であること。
スケソウダラも獲ってすぐの新鮮なうちなら刺身にすることは可能なのです。
刺身にするには鮮度が大切
もし、スケソウダラの刺身が食べたいと思うならスケソウダラが水揚げされすぐに市場に並ぶようなところにいくこと。羅臼漁業協同組合直営店海鮮工房では、スケソウダラの刺身が商品名として並んでいます。
美味しいスケソウダラの刺身を食べるならその旬にこだわることも大切ですね。
まとめ
今日は少し難しいお話も出てきましたが、スケソウダラは食べるだけで筋肉が増えるという研究発表がされている、良質なタンパク質食材であることをお話してきました。レシピや食べ方など参考に、ぜひ美味しいスケソウダラ料理を召し上がってください。
肉の痛みやすい魚ですので特に旬の時期に新鮮なスケソウダラを食べることをおすすめします。
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