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「クロサギ」ってこんな魚
クロサギの生態
クロサギという魚を見たことがある、という人は、おそらくキス釣りをした経験がある人に多いのではないでしょうか。クロサギはキス釣りにおいて外道と呼ばれますが、体が大きく引きが強いので釣り人にとっては楽しめる相手です。実はスズキ目スズキ亜目に属し、美しい白身を持っています。
クロサギの生息域・見た目
一見するとまるでタナゴのような見た目をしたクロサギは、琉球列島を除く、房総半島、佐渡島より南側の南日本からインド・西太平洋までを生息域とする内湾性の魚です。大きさは最大25cmほどで、全体的に銀灰色のザラザラとした剥がれやすい鱗に覆われています。目は大きく、口が下方向へ伸びるのが特徴です。
アマギとも呼ばれる
アマギと呼ぶ地域が多く、またその名前でスーパーなどで売られていることもあります。底引き網にかかることも多いのですが、大抵はそのまま捨てられてしまうことが多いようです。また同じスズキ目スズキ亜目クロサギ科クロサギ属の「ダイミョウサギ」と尾ひれのくり込み以外はそっくりで、混同されているケースも多いようです。
クロサギの旬
クロサギの旬は産卵期に入る夏から晩秋ごろとされています。しかし暖かい地方、九州あたりでは10月ごろまで釣れることが多いようです。大きいものでは30㎝に迫り、むっちりと太ります。一方、幼魚は汽水域の干潟などにもよくあらわれるようで、こちらはタモ網を使って捕ることができます。
市場にはまず出回らない
しかし安定して入荷しないこと、一定の評価もなく、市場価値はゼロに等しいためまず販売しているお店の方が珍しい魚です。三重県や鹿児島県、沖縄県などではお目にかかる機会もあるでしょう。
クロサギの評価、釣り人からの声を知ろう!
以外にも嫌う声は見当たらない
外道というと、狙っていた魚ではなかった、ということもあり嫌われてしまう魚もいるのですが、クロサギに関しては「釣って持ち帰って食べたら美味しかった」「食感も悪くなくて、次に釣れたら別の食べ方で食べたい」といった「釣ってから食べてみたら美味しかった!」という意見が多かったです。
また「引きが強いからキスとは違う楽しみ方ができる」という声もありました。
味の評価はかなり高め
美味しさに関してはかなり期待できる魚で、癖も少なくふわふわとした白身魚で、小骨も少なくさばきやすく、鱗もぼろぼろととれるようです。ただし独特の「麦わら臭」があり、全体にやや水っぽいので、鮮度が悪いものを刺身で食べると臭みが強いのが特徴です。
「麦わら臭」とは?
麦わら臭とは、日向臭いとも呼ばれます。「日向に干した布団のようなにおい」「採れたての夏野菜から感じられる芳香」「日向ぼっこ中の猫」とも表現されるにおいで、良いにおいとするか否かは好みが分かれます。
鼻から感じるのは好きでも、口に入れてそれを感じるのが嫌という人もいるでしょう。しかし熱を通した方が美味いとする声が、圧倒的に多かったです。
クロサギの釣り方:キス釣りでの外道
クロサギを狙うならキス釣りの用意を
クロサギをピンポイントで釣る、ということはまずできませんが、キス釣りの用意をして釣り場を選べば釣れる可能性は非常に高いです。旬のキス釣りを楽しむ中でクロサギを見つけたら、美味しく食べるチャンスです。
クロサギを狙う釣り場ポイント
キスと同じく、クロサギも内湾の砂場を好むことが多いようです。基本的にはキスと同様に、砂浜から突き出した堤防部分や、海藻地帯の切れ目、沖に近いテトラポットなど、変化のある砂地を探してみましょう。8月ごろからサイズも大きくなり、引きが強くなるので、よりクロサギ釣りを楽しめます。
クロサギの釣り方:仕掛け
クロサギ用のルアーなどはありませんので、キス釣りの用意をしていけばOKです。オモリ負荷8号、対応ルアーウェイト30gの釣り竿に、2500番から3000番のリール、好みの釣り糸、キス釣り特有の天秤と呼ばれる仕掛けを用意していきましょう。より詳しい情報を知りたい人は、以下のリンクをチェックしてくださいね。
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ルアーならワーム、虫ならジャリメ
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砂底のゴカイをよく食べるといわれているので、より釣りやすくするのならジャリメなどキス釣りに使う虫をつけるか、ルアーならワームを使うことで、キスにもクロサギにもアピールしやすくなります。
クロサギの釣り方:釣るときのコツ、持ち帰り方
群れを探すと大量に釣れる!
外敵に襲われると砂に潜ってしまう性質があるので、釣るときはキスと同様に群れを探しつつ待つのがコツです。キスを狙って多点掛けをいれたらクロサギが爆発的に釣れた、という場合もあるようで、それを良しとするか否かは人にもよるでしょう。
刺身にするなら鮮度維持!
クロサギの場合、身が白身であり、やや水っぽいので刺身として食べるなら鮮度を維持して持ち帰ることがポイントになります。旬のクロサギは脂がたっぷり乗っているので、刺身にも向いています。
火を入れるならもっと気軽に
焼いたり揚げたり、火を通すときは海水入りで冷蔵庫で冷やして2日くらいなら保存も可能です。ただ持ち帰るときに鱗の処理が面倒とする人も多いので、気になるようならほかの魚とは別にしておきましょう。
クロサギの捌き方
3枚おろしでOK
キスというと、刺身用とそれ以外の料理用でさばき方が異なりますが、クロサギは3枚におろせば問題はありません。内臓は臭みが強いと感じる人も多いので、丸ごと煮つけや素揚げにする場合も、取り除いておいた方が良いでしょう。
鱗が多い魚の下処理
クロサギ以外にも、鱗が多い魚はたくさんいます。そんな時に便利なのが、鱗を取る部分にカバーが付いた鱗取りです。鱗が飛び散るのを防げるので、作業がしやすくなります。おすすめは「貝印 SELECT 100 うろこ取り」です。ステンレス一体型なので、衛生面的にも丸洗いできておすすめです。
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クロサギの食べ方:刺身は鮮度の良いうちに!
脂ののった旬のクロサギは刺身で
頭を落とし、内臓を取り出したら、3枚におろして皮を引き、刺身にします。身が柔らかく水っぽいので、軽くあぶってもより美味しくいただけます。ただ鮮度が落ちると味が一気に下がるので、旬のクロサギを楽しむのなら釣りたての活きが良いものを選びましょう。
なめろうもおすすめ
味噌、薬味にネギ、青じそ、ミョウガ、ゴマを加えて細かく叩いたなめろうもおすすめです。お酢との相性が良いので、お酢を少しずつつけて食べるのも美味です。なめろうのレシピはたくさんあるので、自分の好きな合わせ方をみつけましょう。
おすすめのなめろうの配合レシピ
ねぎ1/2本
しょうが大1かけ
みそ大さじ1
青じそ(あれば)2枚
クロサギの身が120gほどあれば、この内容で美味しいなめろうに仕上がります。先に、すべての具材を細かく刻んでおくと、より合わせやすくなりますよ。
クロサギの食べ方:定番メニュー
塩焼きが美味で定番
簡単な食べ方として、鱗と頭を落とし、内臓を取り出したら塩を振って焼くだけの塩焼きが定番で美味です。料理の方法としては簡単ですが、脂ののったクロサギをシンプルに楽しめます。調理をする際は、鱗を綺麗に剥がしておくことがポイントです。
フライや天ぷらでいただく
キスも釣れていれば、一緒に天ぷらやフライにするのがおすすめの料理方法です。この場合は3枚におろして食べやすいサイズにカットしてもいいですし、サイズが小さければ背開きや腹開きにして揚げるのがおすすめです。
クロサギのフライのレシピ
クロサギを食べやすいサイズに下ごしらえを済ませたら、水気をふき取ります。この時、臭みが気になる人はお酢を振りかけると、味も締まって臭みがやや和らぎます。生卵を1個割りほぐし、小麦粉、卵、パン粉の順にクロサギにまぶしたら、180度の高温でカラリと揚げていきましょう。
クロサギの天ぷらのレシピ
手順はフライと同様ですが、衣の作り方に特徴があります。卵1個に対し小麦粉と水は同量(1カップ)を用意し、2つとも調理直前まで冷蔵庫でしっかり冷やしておきましょう。そして油を温め始めたタイミングで、小麦粉と水を混ぜ合わせます。多少ダマが残る程度で混ぜるのをやめ、衣をまぶしたら180度の油で薄く色づくまで揚げて完成です。
クロサギの食べ方:夏らしく頂く
旬だからこそ、夏らしく
8月ごろにサイズが増し、脂も増えてくるクロサギは、夏らしい「酢和え」もおすすめです。また刺身を酢締めにしても、水っぽさがなくなり味わいが増します。調理の手間はかかりますが、おつまみにもぴったりです。
クロサギの酢締めのレシピ
クロサギを3枚におろしたら、塩を振ります。脂ののり具合によって、このあたりの時間は変わってきます。脂がたっぷりとのっていれば30分から1時間を目安にし、漬け終わったら薄い酢水で塩を洗い流し、金属製のバットなどに並べます。
クロサギの身をペーパータオルでくるみ、そのタオルが浸るくらい酢をかけまわします。1時間ぐらい漬け込み、さらに24時間寝かせると味がなじみます。単純に、酢をまぶすだけでも美味しいですよ。
クロサギの酢和えのレシピ
ちょっと風変わりな料理として、ゴマ入りの酢和えです。クロサギは身が柔らかいので、酢が絡むことで身が引き締まり、より美味しくなります。
用意するもの(3~4人前概略) 白身魚刺身用(ヒラメ・鯛等)100g 塩少々 大葉3~4枚 ごま大さじ1 酢小さじ3 塩小さじ1/2 ダシ醤油(自家製・作り方は一口メモに)小さじ1/2
白身魚は細切りにし、全体に少量の塩を振りかけざっと混ぜっておく。 大葉は千切り 合わせ酢を作る。酢小さじ3と塩小さじ1/2、自家製ダシ醤油(一口メモ参照)小さじ1/2をよく混ぜる。 1の魚、2の大葉、ごま大さじ1をよく混ぜ、食べる直前に3の合わせ酢で和えて器に盛りつけ出来上がり。
クロサギの食べ方:おつまみにぴったり
郷土料理「りゅうきゅう」に仕立てる
新鮮な魚の切身を、醤油や酒、みりん、しょうが、ごまなど好みのものを合わせたタレに漬け込み、それから頂く大分の郷土料理です。漬けダレのなかで、水分と塩分が出て身が硬くなり、ぷりっとした食感が出てきます。ご飯に乗せても良し、そのまま食べても良し、卵の黄身をつけても良しの料理です。
りゅうきゅうのレシピ
決まったレシピがないので、調理はとても簡単です。まずクロサギの切り身に、すりおろしたしょうがを好きなだけまぶします。青ねぎはクロサギに合わせた量、刺身が浸かる程度のみりんと醤油を同量、いりごまをお好みで加えて混ぜたタレを注げば完成です。
長時間漬け込み塩分を濃い目にすればねっとりした味わいが、短時間にすればぷりんとした身が楽しめます。
干物にする楽しみ方も
アジのように干物にするのも、旬のクロサギを楽しむ調理方法としてアリです。白身で上品さが漂う干物になります。一般的な干物の作り方でよく、片方に中骨をつけた2枚おろしにしたら、中をよく洗って準備完了です。この時、血合いの部分にレモン汁やお酢を振ると、臭いが断然違います。
塩の量が決め手
中が綺麗になったら水気を拭き取り、10~15%の塩水を作ります。この塩水の加減は、脂の量で異なります。脂が多いほど、15%に近づけていきましょう。
この塩水に20~30分を目安に漬け込み、漬け終わったら表面の塩を洗い流すために、真水で満たしたボウルにさっと浸して、一夜干しなら風通しの良い夕暮れ時から干しはじめ、翌朝取り込みます。目安は、表面が乾いているかどうかでチェックしましょう。
試す価値あり、クロサギは外道とて美味い魚
釣りあげたら持ち帰る価値あり
外道と呼ばれる魚でも、調理方法や料理の内容を工夫すれば、ぐっと美味しいものに生まれ変わります。クロサギは調理の下ごしらえなどは簡単に済ませられるサイズなので、持ち帰るのにも困りにくく、美味しくいただけます。キス釣りで釣り上げたら、嫌わずに持ち帰って美味しく食べてみましょう。
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