トラベラーズチェックを知っていますか?
トラベラーズチェックと言うものを知っていますか?トラベラーズチェックはかつて現金やクレジットカードと並んで海外で使える決済手段として利用されていました。しかし現在ではトラベラーズチェックという言葉自体、あまり聞かなくなってしまいました。
今回はそんなトラベラーズチェックについて、現在の状況や使い方、換金や払い戻し、両替の方法、レートなどについてご紹介したいと思います。
トラベラーズチェックって何?
トラベラーズチェックは海外旅行で使用する小切手のようなもの
そもそもトラベラーズチェックとはどのようなものなのでしょうか。トラベラーズチェックは、簡単にいうと海外旅行の際に使用できる旅行者向けの小切手のようなものです。トラベラーズチェックは現金を外貨に両替するよりもレートが良く、安全性が高いとして2000年代に重宝されてきました。
トラベラーズチェックは銀行や両替所で発行していた
トラベラーズチェックは大手の銀行や郵便局、JTBなどの旅行代理店、VISAやJCBといったカード会社、さらにワールドカレンシーショップなどの両替所などで発行していました。ちなみにトラベラーズチェックの発行数が最大であったのは、アメリカンエキスプレスです。
トラベラーズチェックのメリット・デメリット
トラベラーズチェックは海外旅行の際に多額の現金を持ち歩くのが不安という方を中心に使用されてきました。そのトラベラーズチェックにはメリットとデメリットがありますので、それぞれ簡単にご紹介したいと思います。
メリット①安全性が高い
日本人が海外へ行くと巻き込まれやすいのが、スリや盗難です。現金やクレジットカードは盗られてしまったら終わりですが、トラベラーズチェックは万が一盗難事故にあっても再発行が可能です。使用する際にはサインが必要なので不正使用されることもありません。
メリット②換金レートが良い
トラベラーズチェックのメリットとして、外貨に両替するときに現金よりレートが良いという点があります。ただし両替時のレートは外貨の種類によって異なり、ドルに両替する場合はあまり現金の場合と変わらないことが多いようです。
デメリット①使える場所や換金場所が少ない
トラベラーズチェックは本来小切手のような使い方をするものなのですが、ハワイやグアム、アメリカ本土以外では実はあまり使用できるお店はありません。例えばヨーロッパではそのままトラベラーズチェックを使用することのできる場所はあまりなく、一度換金・払い戻ししてから使うのが普通ですので、あまり利便性は高くないようです。
デメリット②発行に手数料が必要
トラベラーズチェックは大手銀行やVISAやアメックスなどのサービスセンター、旅行会社などで発行可能でしたが、発行時に額面の2%の発行手数料がかかっていました。ただし、現金を外貨に両替するときにかかる手数料よりもリーズナブルであったため、トラベラーズチェックのほうがお得であると言われていました。
デメリット③換金にも手数料が必要
トラベラーズチェックをそのまま使用できない場所や国では、一度外貨に換金・両替をしてから使用しなければなりませんが、その際には両替手数料が必要なことが多いようです。せっかく現金の両替よりレートが良くても、手数料をとられてしまうとあまり現金と変わらなくなるのが現状のようです。
トラベラーズチェックは現在日本で買えない!
2014年3月で日本国内でのトラベラーズチェック販売は終了
トラベラーズチェックは大手メガバンクや郵便局、VISAやアメックス、JTBなど様々な場所で購入することが可能なものでしたが、徐々にVISAやJTBなどの販売所が撤退し、大手のアメックスが2014年を持って新規販売をやめたことをもって国内では購入できなくなり、2018年現在でも日本で購入することはできません。
トラベラーズチェックは換金できる?
現在でもトラベラーズチェックの換金は可能
日本ではトラベラーズチェックの販売はすでに終了していますが、換金は可能です。もし過去に銀行やVISAなどで購入したまま未使用のトラベラーズチェックが手元にある場合、トラベラーズチェックには有効期限がありませんので払い戻しや買取をしてもらうことができます。
トラベラーズチェックの換金場所は減ってきている
未使用のトラベラーズチェックは日本でも買取してもらって換金や払い戻しが可能ですが、年々トラベラーズチェックの換金可能な場所と言うのは減ってきています。例えば、VISAやマスターカードなどのカード会社が発行していたトラベラーズチェックは、提携を終了している銀行もあり、場所によっては買取不可のこともあるようです。
トラベラーズチェックを外貨預金できる銀行もある
トラベラーズチェックを換金すると手数料がかかってしまったり、購入時円安で現在円高なのでなんだか損した気分になる、と言った場合、銀行によってはそのまま外貨預金として預け入れることができる場合があります。このときにも手数料は必要ですが、円に換金した場合とどちらが得か試算してみてもいいかもしれません。
不要なトラベラーズチェックは早めの換金がおすすめ
もしトラベラーズチェックが手元にあって、今後使用する予定がないという場合には早めに日本円に換金することをおすすめします。
ご紹介したようにトラベラーズチェックの買取を行ってくれる場所は年々減少していますので、のちのち取り扱ってくれるところが全くなくなる可能性もあります。使用予定がなければ早めに換金しておくことをおすすめします。
トラベラーズチェックを現在でも換金できる銀行
トラベラーズチェックを換金できる主な銀行
減少してきているトラベラーズチェックの換金場所ですが、現在取り扱いを行っている主な銀行は、下記の通りとなります。
・三井住友銀行 ・三菱東京UFJ銀行 ・みずほ銀行
ただし、これら銀行すべての店舗で両替や換金が可能と言うわけではなく、限られた視点でのみ取り扱うということもあります。さらにそれぞれの銀行が発行したトラベラーズチェックでなければ買取不可、払い戻し不可など条件があります。
トラベラーズチェックを換金できる地方銀行
以前は地方銀行でもトラベラーズチェック販売や換金、払い戻しを行っていましたが、現在はほとんどの地方銀行でトラベラーズチェックの払い戻しや換金は終了しています。地方在住で近くにメガバンクがないという方は、お近くの地方銀行へ問い合わせてみることをおすすめします。
VISAやアメックスなどカード会社発行のトラベラーズチェックは?
銀行以外のVISAやアメックスなどのカード会社もかつてはトラベラーズチェックを発行していました。その換金、払い戻し方法ですが、アメックスは現在でも換金を行ってくれるようです。VISAはトラベレックスなどの外貨両替所で払い戻しや換金が可能となっています。
トラベラーズチェック換金時のレートは?
換金レートは換金時の外貨レートに準ずる
トラベラーズチェックを換金するときのレートは、どのように計算されるのでしょうか。トラベラーズチェック換金時のレートは、購入時のレートではなく現在のレートが採用されます。
円安のときに換金するほうがお得
トラベラーズチェックには有効期限はないため、基本的にいつでも換金や払い戻しはできるのですが、円安のときに換金する方がお得です。トラベラーズチェックの換金は、外貨両替と基本的に同じですので、購入した時より円安のときに両替することでお得になることがありますので、一度試算してみるといいかもしれませんね。
トラベラーズチェックの換金には手数料が必要?
トラベラーズチェック換金手数料
トラベラーズチェックを日本円に両替する場合、場所によっては手数料がかかる場合があります。これは発行元がどこであるかにもよるようで、例えばVISA発行のトラベラーズチェックは換金・両替手数料がかかるが、アメックス発行のトラベラーズチェックは換金・両替手数料が無料、または安いといった違いがあるようです。
トラベラーズチェックの換金には有効期限がある?
トラベラーズチェックの有効期限
トラベラーズチェックは日本での新規販売を終了していますが、トラベラーズチェックはいつまで使用できるのでしょうか。トラベラーズチェックには有効期限はあるのでしょうか。 トラベラーズチェックには有効期限がありません。ですので、すでに購入しているトラベラーズチェックは半永久的に使用することが可能です。
有効期限はなくても換金できなくなる可能性もある?
トラベラーズチェックに有効期限はありませんので、もし将来海外旅行に行く予定があるのであれば、換金や払い戻しをしなくてもそのまま持っておいても良いでしょう。
しかし、有効期限がないからと言っていつまでも換金も使用もせずにもっていると買取してくれる場所がどんどん減っていきますので、ただの紙切れになってしまうリスクがあるかもしれません。
トラベラーズチェックを換金するときの注意点
額面を確認すること
トラベラーズチェックを換金するときには、いくつか注意点があります。まずはじめに確認するのは、トラベラーズチェックの額面です。トラベラーズチェックの換金や払い戻しの場合、1回に換金できる金額に制限があることがあります。多額のトラベラーズチェックを換金するときには、換金所に確認を取っておくことをおすすめします。
保有しているトラベラーズチェックの発行元を確認する
さきほどもご紹介したように、トラベラーズチェックは大手の銀行や郵便局、VISAやアメックスなどのカード会社などさまざまな場所で発行されています。手元にあるトラベラーズチェックがどこで発行されたものであるかを確認しておきましょう。
日本で換金や買取を依頼する場合には、場所によっては取り扱いしてもらえない場合もありますので、こちらもあらかじめ電話などで問い合わせておきましょう。
換金にはパスポートが必要
トラベラーズチェックを換金するときにはパスポートが必要です。これは外国であっても、日本であっても同じですので日本国内でトラベラーズチェックを換金するときでも必ずパスポートを持参するのを忘れないようにしましょう。
換金は正規換金所で行う
トラベラーズチェックの種類によっては、そもそも換金できる場所が限られていることも多いようです。その場合、面倒だからと言って、銀行や両替所などの正規買取ができる場所以外での買取や換金をしないようにしましょう。
正規の換金所でない場合、極端にレートが低かったり、法外な手数料を要求されることもあるようです。面倒でも必ず正規の場所で換金は行いましょう。
トラベラーズチェックの使い方
トラベラーズチェックの番号を控えておく
もし手元に未使用のトラベラーズチェックがある場合、海外に行った際に使用することが可能です。 トラベラーズチェックの使い方ですが、まずはじめに手元にあるトラベラーズチェックの番号をすべて控えておきます。
これは万が一盗難や紛失した場合に再発行をしてもらうために必要だからです。 トラベラーズチェックの番号は、右上に印字されています。
トラベラーズチェックの上の欄にサインをする
トラベラーズチェックにはサインをする場所が上下に2か所あります。そのうち、上の欄にあらかじめサインをしておきます。サインは漢字でもアルファベットでも構いません。間違って2か所ともにサインをしてしまわないように気をつけてくださいね。
トラベラーズチェック使用時に下の欄にサインする
トラベラーズチェックをお店で支払いのため使用するときには、下のサイン欄にサインをします。あらかじめ上の欄にしておいたサインと同じものを記載します。この2つのサインが異なると使用ができないため、トラベラーズチェックは安全性が高いと言われているんですね。
トラベラーズチェックはおつりが出る?
トラベラーズチェックを使って買い物をした場合にもし額面の方が支払金額より大きかった場合、おつりはどうなるのでしょうか。トラベラーズチェックを使っておつりが発生する場合、現金でおつりが返却されます。
ただしお店によっては「おつりは出ません」と言ったり、大きな額面で少額の買い物をした場合に多額のおつりがないため受け取りを拒否されることもありますので、注意が必要です。
トラベラーズチェックは海外で使用可能?
海外でトラベラーズチェックを使用できるところは少ない
トラベラーズチェックは日本円に換金しなくても、海外で使用する予定があるのであればそのまま持っていても大丈夫です。
しかし実際のところ、トラベラーズチェックをそのまま使用できる場所は海外であっても激減しているようです。 特にヨーロッパでは有効期限がないとはいえ、ほとんどそのままトラベラーズチェックを使える場所はないようです。
海外でもトラベラーズチェックは換金可能
海外でトラベラーズチェックを使用するときも実際には両替所や銀行などで一度現金に両替をして使用するというのが一般的なようです。その際は銀行へ問い合わせてみるか、VISAやアメックスなどカード会社発行のトラベラーズチェックならカード会社に問い合わせて換金できる場所を教えてもらうと良いでしょう。
トラベラーズチェックはアメリカで使うとお得?
アメリカにはトラベラーズチェックを使用できる場所がまだある
トラベラーズチェックの取り扱いは国によってさまざまですが、特に普及していたのはアメリカです。ハワイやグアムなどアメリカには日本人がよく訪れる観光地が多く、アメリカでは減少してきてはいるものの、トラベラーズチェックをそのまま使用できる場所が他の国と比較して多く残っています。
アメリカならトラベラーズチェック換金手数料無料
トラベラーズチェックをそのまま使用できない場合、現地で現金に両替しなくてはならないのですが、たとえばヨーロッパではこの時に両替手数料がかかってしまいます。
しかしアメリカであれば、トラベラーズチェックを現金に両替するのに手数料がかかりませんので、他の国よりお得と言えます。 アメリカに旅行に行く予定があるのであれば、無理に日本で換金しない方がお得かもしれません。
トラベラーズチェックの代わりとなるものはある?
トラベラーズチェックは多額の現金やクレジットカードを持ち歩かなくても良い安全性が高いという点でとても優れたものでしたが、残念ながら現在は購入することはできません。
では、トラベラーズチェックの代わりになるものはあるのでしょうか。 トラベラーズチェックの代わりになるものとして最近人気となっているのが、「キャッシュパスポート」というものです。
キャッシュパスポートとは
キャッシュパスポートとは国際プリペイドカードのようなもので、あらかじめ現金をカードにチャージして使用します。そのまま海外でクレジットカードのようにキャッシュレスで決済も可能ですし、提携ATMで現地通貨を引き出すことも可能です。
キャッシュパスポートのメリット
キャッシュパスポートのメリットとして、第一にクレジットカードのように審査や年齢制限がありませんので、未成年でも持つことができるという点があります。
また、事前にチャージして使用するので、クレジットカードのようについつい使いすぎてしまうといったリスクもありません。また、クレジットカードのようにトラブル時に頼れるカードサービスがあるのも魅力です。
紛失・盗難時も安心
キャッシュパスポートは発行時に本カードとスペアカードの2枚が発行されます。万が一本カードを紛失したり盗難にあった場合には、本カードを停止してスペアカードを使用することができます。
トラベラーズチェックも再発行が可能でしたが再発行までお金が使えないため困ることもあったようです。しかしスペアカードのあるキャッシュパスポートならその心配がありません。
キャッシュパスポートは9通貨対応
トラベラーズチェックは通貨ごとに1冊発行されていましたので、複数の国を周遊する場合には何冊もトラベラーズチェックを持たなければならずやや不便でした。
しかしキャッシュパスポートは9通貨に対応していますので、通貨間の両替も不要でとてもスマートです。ちなみにキャッシュパスポートに対応している通貨は、円、米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、カナダドル、シンガポールドル、香港ドルです。
キャッシュパスポートはどこで発行できる?
キャッシュパスポートは、キャッシュパスポートのホームページから申し込みをすることができます。カードの種類は個人向けとビジネス向けがあります。マスターカードブランドなので、世界中のマスターカード加盟店やマスターカード提携ATMで使用可能です。
使う予定のないトラベラーズチェックは早めに換金を!
トラベラーズチェックにはとくに有効期限はありませんので基本的に半永久的に使用は可能ですが、ご紹介した通り年々使用できる場所は減少してきています。日本国内においては換金や買取を行ってくれる場所も限られてきていますので、今後使う予定がないトラベラーズチェックは早めに換金しておく方が良いでしょう。