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高級魚「イトヨリダイ」とは?その生態や釣り方、食べ方まで徹底解説!

黄色い6本線が特徴的なイトヨリダイはマダイと並ぶほどの高級魚です。甘みを強く感じられる繊細な白身は刺身で美味しく、他の食べ方でも絶品の味わいがあります。高級魚「イトヨリダイ」の生態や釣り方、食べ方やさばき方まで分かりやすく徹底解説します!
更新: 2021年10月25日
石倉
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高級魚「イトヨリダイ」とは?

はじめに

カラフルなイエローの線模様が美しいイトヨリダイは見た目だけでなく味も絶品な高級魚です。ただ、魚が好きな方でもイトヨリダイの名前はあまり聞き馴染みがないでしょう。今回は、あまり市場にも出回らないイトヨリダイの生態と味、食べ方や美味しい料理のレシピに釣り方までご紹介します!

スズキ目スズキ亜目イトヨリダイ科イトヨリダイ属

イトヨリダイは科から独立した分類を持っている個性のある魚です。「イトヨリ」の名前で呼ばれる魚は本種以外にも数種存在し、そのほとんどが「イトヨリダイ属」に類しています。イトヨリ「ダイ」という名称からタイ科の魚だと誤認されますが、分類的にはスズキに近い種類の魚です。

名称の由来と地方名

漢字表記では「糸縒鯛(いとよりだい)」と書き、その名称の由来はこの魚が泳ぐ様子にあります。まるで舞を踊っているかのように黄色い線が揺れる姿は実に特徴的です。地方名もさまざま存在し、「アカナ」や「イトヒキ」など、科名と同じく体色に由来した名称が付けられています。

高級魚「イトヨリダイ」の生態

形態

成熟した個体で40センチ以上にまで成長します。画像にあるように細く長い形態をしており、体の厚みは薄く平たいのが特徴です。体色全体は綺麗な桜色で、エラの上に赤い点があり、体の内側に黄色いラインが6本走っています。

特徴的な尾びれ

イトヨリダイは体色にばかり目を奪われがちですが、尾びれから長細く伸びる糸も体色同様にこの魚を象徴するユニークな特徴と言えます。体に走るラインと同じくこの糸もまた、この魚が遊泳するとまるで舞いを踊っているかのようにたなびくのです。

分布

この魚が好む深度は35メートルから250メートルと幅が広く、水底が砂場か泥で覆われた海域に生息します。日本国内以外でも朝鮮半島周辺の沿岸や東南アジア、オーストラリアなど広い海域に分布しており、それぞれの国で水産資源として利用されています。日本国内では太平洋側と日本海側のどちらでも見られる魚ですが、比較的温暖な海域を好むため、太平洋側では茨城、日本海側では新潟近辺の湾より北ではほとんど漁獲されません。

食性

この魚の食性は肉食です。ゴカイなどの水生生物はもちろん、小型のエビやカニなども好んで捕食します。

産卵期

この魚の産卵期は初春から晩夏にかけてとされています。この魚の卵はばらばらになって海中に分離し浮遊します。産卵期のイトヨリダイはあまり食味がよくないとされ、漁獲されても低廉な価格で取引されるか、すり身にして練り物などで利用されます。

高級魚「イトヨリダイ」の味

旬の時期

イトヨリダイの旬の時期は秋から始まります。産卵期が終わりを迎えてからがこの魚の味が美味しくなる食べ頃の季節です。秋口の9月から始まり、冬を越えて春が始まり産卵期が開始する直前までがこの魚の旬の時期なのです。

どんな味なの?

上品な白身で風味に富んでおり、その味はマダイを上回るほどだと言われています。旬のイトヨリダイは刺身にしても絶品で、寿司ネタとしても人気のある素材です。いわゆる青魚の白身とは違い、臭みなどのクセがなく滑らかな味わいで刺身以外にも焼き物や煮物などの食べ方で活用されます。


身質

少し水分が多いのが特徴の白身ですが、味は決して薄くなく噛めば噛むほど白身の甘みを感じられます。マダイの刺身のようにかたさを感じることはなく、口に入れると舌によく馴染む柔らかい身質をしており、加熱する食べ方をするとフワフワの弾力を生み出します。

高級魚「イトヨリダイ」の食べ方

旬のものなら刺身で!

この魚は皮目に独特の風味があります。さばいてから皮を引き、刺身にしてワサビ醤油で食べても絶品ですが、皮目を軽く湯引きしてから食べてもより風味が増して美味しく食べられます。高級魚なのでなかなかお目にかかれませんが、釣りの対象としても人気の魚なので、もしも新鮮な旬のイトヨリダイが手に入ったなら是非試して欲しい食べ方です。

刺身以外の食べ方は?

クセの少ない白身なので、焼き物でも煮物でも絶品です。例えば、開きにしてから軽く塩をふってコンガリと焼いても美味しいですし、切り身の状態にしてから砂糖醤油で甘辛く照り焼きにしても極上の一品に昇華します。沖縄では「マース煮」と呼ばれる塩と沖縄の酒である泡盛で煮込んだ郷土料理が定番の食べ方です。

最高級の練り物素材

この魚は練り物の素材としてもよく活用されます。鮮魚よりもすり身の状態で店頭に並べられることが多い魚で、ご自宅で鍋物料理にイトヨリダイのすり身を使えば絶品のダシが出るのでおすすめです。

高級魚「イトヨリダイ」の釣り方

イトヨリダイを釣り上げよう!

旬の新鮮なイトヨリダイを手に入れる手段としては釣りも選択肢の一つに挙がります。この魚は釣りの対象としても大変人気のある種類のものです。当サイト「暮らし~の」でイトヨリダイの釣り方を知り、最高級の味を思う存分堪能してはいかがでしょうか。

釣りシーズン

イトヨリダイは旬の秋から春先までの期間以外でも年を通して釣り上げられる魚です。ただ、4月から6月と9月から11月の期間は、特にこの魚がよく狙える釣りシーズン!イトヨリダイを狙うのならこの時期に糸を垂らしましょう。

食性からエサを考える

釣りの際には魚の食性からエサを考えましょう。イトヨリダイの食性は肉食でゴカイや甲殻類を食べます。特に小型のエビやカニが大好物なので、エサとしてはオキアミなどを選択するとより食い付きがよくなります。

釣り方はアマダイやホウボウと同じ

イトヨリダイは専門で狙うというよりも他のメジャーな高級魚を釣る際に一緒に狙うという釣り方が一般的です。釣り船を利用し、沖まで行ってから仕掛けを投下します。アマダイやホウボウ、マダイなどを狙う際の釣り方と同じです。

ひとつテンヤ仕掛け

船釣りで狙う場合に、選ぶべき釣り方は「ひとつテンヤ」です。この釣り方はエビが好物の魚を釣る際にベストな手法で、タックルにライン、リーダーラインとテンヤ仕掛けというシンプルな道具でイトヨリダイを探っていきます。

おすすめの道具

オーシャンフィールド ヒトツテンヤ OFHS-250MS

出典:楽天
出典:Amazon
出典:楽天
出典:楽天
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
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ラインはPEの0.6号以上で、リーダーラインは3号以上。テンヤ仕掛けは2号のものを選択しましょう。タックルは他の釣り方のものでも流用できますが、せっかくならテンヤ仕掛け用のタックルを選択してより繊細なイトヨリダイの引きを楽しんではいかがでしょうか。

高級魚「イトヨリダイ」の価格と選び方

キロ単価


イトヨリダイ

出典:楽天
出典:Amazon
出典:楽天
出典:楽天
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
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イトヨリダイは通販でも購入できます。キロ単価は相場により多少変動がありますが、3000円から4000円程度で安定して推移しています。

選び方

瞳が綺麗に澄んでいるものを選ぶのは他の鮮魚選びと変わりません。皮にツヤがあり、色合いがより濃いものがさらに鮮度がよく美味しいイトヨリダイです。

高級魚「イトヨリダイ」のさばき方

イトヨリダイのさばき方を知ろう!

釣りで狙えるこの魚は、ご自宅でさばく場面が多い魚の一つです。是非、イトヨリダイのさばき方を習得し、ご自宅で旬の新鮮な刺身を食べてみましょう!

さばき方.1

まずは鱗を剥がしていきます。鱗を剥がす際にはペットボトルの蓋を使用すると簡単に処理できます。両面の鱗をしっかりと剥がしていきましょう。

さばき方.2

次に頭部を切り落とします。腹部のヒレと胸部のヒレを直線で結ぶ感覚で包丁を当てて、大胆に切断しましょう。

さばき方.3

頭部を落とせたなら、内蔵を処理します。腹に包丁を当てて肛門部分にまで割いていきます。腹部を開くと内臓と血合い、そして腹膜が見えてくるはずです。イトヨリダイは腹膜に少しだけ臭みがありますので、内臓を綺麗に取り出した後でこの膜も血合いと一緒に綺麗に除去していきます。

さばき方.4

焼き魚や煮魚などのレシピで調理するのなら上記までの工程で完了です。刺身などの食べ方をする場合にはここから、三枚に下ろしていきましょう。腹部側から包丁を当てて中骨から削ぐ感覚で尾まで切っていきます。

さばき方.5

身をクルっと回転させて背中側の身を中骨から切り離します。これをもう反面でも行えば切り身が2枚に中骨1枚の三枚下ろしが完成します。

イトヨリダイのさばき方を動画で学ぼう!

文面でのみ見るよりも動画で実際にご覧になられた方がより分かりやすいでしょう。おすすめの動画を一つピックアップしておきましたので是非ご活用ください。

高級魚「イトヨリダイ」のおすすめ料理①

イトヨリダイの煮付け

内臓を処理したイトヨリダイを醤油とざらめ、そして酒で甘辛く煮込んだ煮付けは絶品です。繊細な白身には濃い目の味付けがよく合います。臭みのない魚ですが、風味が少し物足りないのでショウガを加えるとより口当たりが爽やかに変化しますのでおすすめです。

材料 いとより2尾 生姜スライス1片 醤油35cc~40cc ざらめ 15g 酒75cc 水75cc

煮過ぎると身が崩れるので注意!

イトヨリダイを煮込み料理で用いる場合には煮込み過ぎに注意しましょう。例えば、煮付けの場合ですと、煮込み時間は15分前後で大丈夫です。上記でご紹介しているレシピ材料でタレを先に鍋で沸騰させてから魚を投入して、スプーンでタレを身にかけながら中火でグツグツと煮込んでいきます。

いったん冷ませば味が染み込む


15分ほど煮込んだなら、いったん火を止めて冷ましておきましょう。そして食べる前に軽くあたためます。魚の煮付けレシピはこの一手間を加えることでより味が染み込み美味しくなるのです。

高級魚「イトヨリダイ」のおすすめ料理②

イトヨリダイの天ぷら

上品な味わいのイトヨリダイは一流の料亭でよく天ぷらとして調理されます。ホロホロと口の中でほどけるような繊細な食味を堪能するには天ぷらが一番です。切り身の状態にした魚に衣をまぶして180度の油でカラっと揚げていきましょう。

材料 白身魚好きなだけ お酒適量 小麦粉適量 お好きな天ぷら粉

天ぷらのコツは?

天ぷらのレシピを美味しく仕上げるコツは衣作りにあります。必ず冷水を利用して、混ぜすぎないようにさっくりと衣を作っていきましょう。温度が高いと衣にグルテンが生まれてしまい、どうしても食感がベチャっとしたものになってしまいます。

高級魚「イトヨリダイ」のおすすめ料理③

イトヨリダイのアクアパッツァ

アクアパッツァはヨーロッパのナポリ地方で生まれた料理です。魚介類の芳醇なダシとトマトの爽やかな風味が絶妙にマッチしたレシピは新鮮な旬のイトヨリダイを利用すればより美味しく仕上がります。

材料 いとより 中くらい一尾 あさり1パック 白ワイン 100cc にんにく 一片 プチトマト5個 インゲン10本ほど 塩(マジックソルト使いました)適量 醤油小さじ1 あらびきコショウお好みで オリーブオイル 大さじ2

レシピ解説

まず、水気をとったイトヨリダイに塩をふりかけて10分ほど置いておきましょう。その間にフライパンを熱しておきオリーブオイルでニンニクを十分に香りが出るまで炒めます。そしてイトヨリダイを両面に焼き目が付くまで加熱し、白ワインと野菜、そして砂吐きさせたアサリを入れて蓋をしてから煮込みます。アサリの口が開いたら完成です。

高級魚「イトヨリダイ」のまとめ

絶品の高級魚「イトヨリダイ」を是非食べてみよう!

絶品の高級魚「イトヨリダイ」についてはいかがでしたでしょうか。もしもこの魚を手に入れる機会がありましたら、その絶品の味わいを是非体験してみましょう!

他の高級魚について知りたい方はこちらもチェック!

当サイト「暮らし~の」には、他にも絶品の美味しさを持つ高級魚についての情報がたくさん掲載されております。是非、それらの記事をご覧になって美味しい魚についての知識を蓄えましょう。