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小さな害虫、ナミテントウとは?その生態や豊富な模様の種類もご紹介!

ナミテントウは身近にいる益虫ですが他のテントウムシと比べると集団で集まって越冬するので人によっては害虫にもなります。ナミテントウの面白いところは模様にバリエーションがたくさんり同じテントウムシとは思えないにが特徴的です。そんなテントウムシの生態を紹介します。
更新: 2021年6月28日
揚げ餅
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テントウムシとは

エサはアブラムシを食べる益虫

家庭菜園やガーデニングをしているとアブラムシの被害に悩むことが多く、アブラムシはいろいろな種類の植物に被害を与える害虫です。そんなアブラムシをエサとして食べてくれるのがナナホシテントウやナミテントウなどのテントウムシで益虫として生物農薬として使われています。

特に柑橘に寄生する害虫の一種のカイガラムシをエサとしているベダリアテントウは生物農薬として有名です。このようにニジュウヤホシテントウなどを除くとテントウムシは基本的には益虫となっています。

害虫の場合もある

テントウムシはアブラムシやカイガラムシなどの害虫をエサとして捕食してくれるので助かりますが害虫になる時もあります。

肉食ではない種類のテントウムシも存在し、テントウムシダマシとも呼ばれているニジュウヤホシテントウ、オオニジュウヤホシテントウはナス科の葉を食べてしまうので害虫として駆除する対象となっています。

ニジュウヤホシ、オオニジュウヤホシは幼虫もエサがナス科の植物なので卵を見つけたら葉ごと切り取り処分することが大切です。

ナミテントウの生態①

エサは成虫も幼虫もアブラムシ

ナミテントウはナナホシテントウと同じように日本では最も見かける種類のテントウムシです。和名を漢字で書くと並天道虫となります。生態もナナホシテントウとよく似ていてエサはアブラムシで特に幼虫の時はエサをよく取ります。

大きさはナナホシテントウと同じぐらいで平地から山地などどこでも見かけることが多い種類です。地域により若干変わりますが3~11月ぐらいまで見かけます。獰猛で共食いすることも多くあります。

ナナホシテントウとナミテントウの違い

ナナホシテントウとナミテントウは生態もよく似ていますが細かな所で違ってきます。例えば冬眠、越冬する時はナナホシテントウは少数で草の根本にで冬眠、越冬します。

またナナホシテントウは数ヶ月しか寿命はありませんがナミテントウの場合は数年生きるためしっかりとした場所で冬眠、越冬するのが特徴です。体力がない個体は産卵で死ぬこともあります。

ナミテントウの生態②

目立つ配色・模様の理由

ナナホシテントウ、ナミテントウなどよく見かける種類はどれも目立つ配色や模様をしています。これは警戒色の役割があり鳥に食べても美味しくない、食べたらだめだと知らせるための配色、模様になっていて自然界ではよくあることです。

またテントウムシは身の危険を感じると死んだふりをしたり黄色い体液を分泌します。この体液はアルカロイドを含んでいて、特有の臭いや苦味があり蟻などを撃退する役割があり手につくと洗ってもなかなか落ちません。

黄色い体液の正体

黄色い体液は人間で言うと血液にです。体液の出る場所は関節で見の危険を感じると圧力を加え関節の薄くなっている膜を破って体液を出しています。もしテントウムシに触れる機会がある時はそうならないように優しく触ると体液を出されることもありません。

ナミテントウの生態③

越冬する生態が害虫として嫌われる

ナナホシテントウの冬眠、越冬はナナホシテントウの冬眠、越冬とは少し違います。ナミテントウの越冬は寒くなると家屋へ飛来して窓サッシの隙間、壁の間など風をしのぎやすいところに多数入り込むことが多いです。

個体数が非常に多いことから不快感や恐怖感を与え、前述のとおり刺激や危機的状況になると黄色い体液を出し身を守ろうするのでそれがシミとして残ったり集団なので臭いがきつくなり嫌わる原因の1つになっています。

幸い毛虫のように人に危害を加えることはないので緊急性はなく殺虫剤で簡単に駆除することが可能です。

テントウムシ汚染

日本ではあまり被害はありませんが海外ではテントウムシ汚染と呼ばれる現象があり、テントウムシの生態が直接関係しているわけではありませんがワイン用の葡萄をテントウムシが歩いたり体液が付着した葡萄でワインを作ると味が変わります。

この味の変化をテントウムシ汚染と言い大量に発生した場合品質低下に繋がるので注意が必要です。

ナミテントウの卵


黄色で目立つ卵

卵の段階ではどの種類のテントウムシか区別するこは難しくどれも似たような卵をしています。テントウムシの卵は葉の裏などに一度の産卵で15~40個ぐらい産みつけ、形状は楕円形で透明感のある黄色です。

卵から孵化する直前になると透けてきてナミテントウの場合黒くなりなります。共食いの一種としてナミテントウなど成虫が幼虫、卵を食べることがあります。

ナミテントウのオスとメスについて

ナミテントウのオスとメスの見分け方は他のテントウムシより簡単です。ナミテントウは顔、お腹、お尻で見分けれるのですが他のテントウムシはナミテントウほど顔とお腹では区別できません。

オスの特徴は顔の模様に白がおおく、お腹も白っぽいのが特徴です。お尻の特徴は虫眼鏡よく観察すると少しへこんでいます。 メスの特徴は顔の模様が白く、お腹も全体的に黒っぽいのが特徴です。お尻のへこみはありません。

ナミテントウの幼虫の生態

アブラムシをよく食べる大食漢

幼虫の状態だとアブラムシ2~3匹ぐらいの大きさしかありませんが1日で20匹ほど食べます。

昆虫は完全変態なので幼虫と成虫では姿が大きくことなり、てんとう虫の幼虫は種類により個性がありますがナミテントウ、ナナホシテントウは黒くやや細長いのが特徴です。ナス科の害虫として知られているニジュウヤホシテントウなどの幼虫は黄色みがある体に棘状の突起物がたくさんあります。

幼虫の見分け方

ナナホシテントウの幼虫は背中の色はほどんど黒が多く一部オレンジになっています。突起物もあまり多くないのも特徴です。 ナミテントウの幼虫は背中のオレンジ色の部分が多く突起物はナナホシテントウよりも刺々しく黒いなっているのが特徴です。

顔の色もナナホシテントウの幼虫はオレンジ色が含まれるのに対して真っ黒です。

ナミテントウの模様の種類:2紋型

バリエーションが豊富すぎるナミテントウ

ナナホシテントウなど他のテントウムシと比べるとナミテントウは模様にバリエーションがあります。他のテントウムシは色の濃さなどは個体が見えますが、色、模様全て違うのはナミテントウなど少数です。

例えば西日本では良く見られる黒地に赤い2つの斑紋のパターンですがこれだけでもたくさんのバリエーションがあります。

オレンジの斑2つ

大きな斑紋の色がオレンジの種類で個体差に寄っては黄色みの強い場合もあります。このタイプも西日本で見かけることが多いのが特徴ですがナミテントウは日本全国に分布しているためどこでも見つけることが可能です。

変形した2紋

2つの斑紋が丸い形から角のある少し変わった形に変形したバリエーションです。オレンジや黄色の色違いもあります。必ずしも画像のように角ばった斑紋に変わるとは限らず変形した2紋の中でもさらにバリエーションがあるので一部だけ紹介します。

バリエーション①

斑紋のなかにさらに斑紋があるように見える種類で、ここまで変形しているものは珍しい部類に入るかもしれません。さらに個体差で斑紋の大きさも変わってきます。

バリエーション②


珍しいバリエーションでは斑紋がここまで変形しているものもいます。このバリエーションはかなりのレアなので見つけることができたら自慢できるかもしれません。今回紹介したものはごく一部で2斑のものもまだまだバリエーションが豊富です。

かなりレアな変形

既に斑紋はなく帯のようになっています。これが2つの斑紋が変形したものなのか、別のバリエーションの変化なのか正確なことはわかりません。帯のようになっているタイプはあまり見たことがなく少なくとも西日本では非常に珍しいタイプです。

後述しますがナミテントウは班なしのパターンもあるので班なしと2斑の遺伝子を持つとできるのかもしれません。

ナミテントウの模様の種類:4紋型

斑紋が4つでもバリエーション豊富

斑紋が2つ増え4つになりましたがこちらのタイプもバリエーションが豊かです。赤い斑紋のもや黄色みのあるオレンジのも、変形しているものなどさまざまな種類があります。数が多いので一部だけ紹介します。

バリエーション①

上段の斑紋だけが変形したタイプです。下の斑はきれいな楕円形のままですが上段はいろいろ形に変化しています。大抵の場合は画像のように角ばった斑紋になることが多いです。

変形したパターン②

全ての斑紋が大きく変形したものです。別の種類のテントウムシのように見えますがこれもナミテントウの模様の1つで逆に全ての斑紋が小さく変化したものや下半分の方だけ変化したものなどさまざまなバリエーションがあります。今回紹介した4斑はごく一部でしかありません。

ナミテントウの模様の種類:斑紋型

草食のテントウムシと同じような斑紋型

ナス科の野菜の害虫であるニジュウヤホシテントウなどの草食のテントウムシと間違えやすい斑紋がたくさんあるバリエーションです。このバリエーションにも大小の違いや変形などさまざまなパターンがあるので一部を紹介します。

色違い

斑紋が多いため色が違うだけで印象がかなり違ってきます。画像は同じ大きさになっていますが斑紋の大きさは個体差がかなり出てきます。

バリエーション

4斑みたいに見えますが斑紋型です。斑紋同士がつながってしまい黒地がほとんど見えなくなるぐらい変化しています。ここまで変形しているものも珍しいかもしれません。

ナミテントウの模様の種類:紅型

最もナミテントウには見えないパターン


黒地ではなく赤、黄色になるので他のパターンと比べるともっともナミテントウには見えないパターンになります。そのため1番害虫のテントウムシと間違われたり、無地のものは珍しいのが特徴です。

色違い

色違いのバリエーションで、下地の色と斑紋がニジュウヤホシテントウなどに似ていることから間違って駆除されがちです。この紅型もバリエーションが豊富なので一部紹介します。

バリエーション①

完全な無地は珍しく薄く斑紋があるものが多いです。色は赤と黄色の2色ありどのタイプも光沢がありますが無地のためよりより光沢が綺麗に見えます。無地の黄色一色だとキイロテントウと似てきますがキイロテントウの頭部は白地に黒い斑紋があります。

バリエーション②

無地でも斑紋があるわけでもないけど黒い模様が入っている紅型です。別のテントウムシのように見えますがナミテントウの紅型のバリエーションのひとつになります。

ナミテントウのまとめ

模様がたくさんあり、害虫にも益虫になる

冬眠する時に家の中などに大量に集まってしまうため虫が苦手な方は特に不快に感じます。しかしナミテントウは家庭菜園をしている方にとってはアブラムシを食べてくれるのでぜひいついて欲しい益虫の一種です。

ナミテントウの模様は2紋、4紋、斑紋型、紅型がり人間の血液型と同じでそれぞれが混ざることで複雑で多彩なパターンが生まれます。今回紹介したバリエーション以外にもさまざまなものがるので身近にいるので観察してみると新たな発見があるかもしれません。

害虫が気になる方はこちらもチェック

今回紹介したナミテントウは基本的には益虫ですが草食のタイプのニジュウヤホシテントウ(テントウムシダマシ)害虫になります。家庭菜園をする上では避けて通ることはできない害虫についての記事が暮らし~のにはたくさんあるのでチェックしてみてくださいね。