キツネノカミソリとは?
ヒガンバナ科の多年草植物
キツネノカミソリはユリ目ヒガンバナ科の多年草球根植物です。ヒガンバナを知っている方は多いかもしれませんが、キツネノカミソリを知っている方はあまり多くは無いかもしれません。キツネノカミソリは漢字では「狐の剃刀」と書きます。とても面白い、興味深い名前ですよね。
有毒植物
キツネノカミソリは実は有毒植物です。ヒガンバナも有毒植物ですので、その特徴を受け継いでいます。しかし、毒を持っているにも関わらず昔の人は食べていたという情報もあります。毒抜きをすれば食べられるということで、今でもチャレンジしてみる方がたまにいます。今回はそんな特徴的なキツネノカミソリについてまとめていきます!
キツネノカミソリの特徴
葉が無く直立した花
キツネノカミソリの特徴としてまず挙げられるのが、この見た目です。キツネノカミソリは開花時期には葉が無くなり、直立した茎に花がついている見た目になります。世の中には色々な花がありますが、この外見は一度見れば覚えられそうですよね。キツネノカミソリは群生することが多く、この直立した茎と花が沢山並ぶと圧巻の光景になります。
6枚の花弁
キツネノカミソリは花弁が6枚あります。ヒガンバナ科ではありますが、ヒガンバナと比べると花弁の数が凄く少ないですよね。とても美しい6枚の花弁を持ったキツネノカミソリには後述する美しい花言葉もついており、沢山の方の散歩時間を楽しませています。
キツネノカミソリの実は?
この変な形をした実は何の実? 8月中旬に咲いていたキツネノカミソリ:yellow_heart:の結実です!:fearful: 同じ場所で見たので直ぐに実の正体が判明:ok_hand: 花は実になり実は種になり翌年もまたそれの繰り返し:recycle: 花の命は短いけれどその年だけで終わらないのです:thinking: ('17/9/2撮影@青梅、花は8/17の:camera:) pic.twitter.com/Ny3ll3dqYT
— hiron (@mizhuzxn) February 6, 2018
キツネノカミソリの花だけではなく、どんな実なのかも気になりますよね。キツネノカミソリの実はとても特徴的な見た目をしており、中の実は黒色をしています。この実でキツネノカミソリは増えていくのですが、家庭で育てるなら実で増やすよりも球根で増やすのがおすすめです。そのあたりの育て方も後述していきます。
キツネノカミソリの名前の由来
山中の狐が使うカミソリを連想
狐の剃刀という特徴的な名前の由来は、細長い葉が剃刀にように見えたことから来ています。そして「狐」がついている由来は様々な説があるようですが、キツネノカミソリは葉が無い状態で花が咲くので、その姿が狐に化かされたようだ、という説があります。確かに、見た目はまるで開花時期を間違えてしまったようにも見えるかもしれませんね。色合いに狐を感じた、ということもあるかもしれません。
ギリシャ神話からも名前が
リコリスの森のサイト見てなんで彼岸花なんだ?って思ってたけど、学名がLycoris radiataだからなのね
— 桜音(おと)➣5/5・6 ファンミ (@compass_no) December 25, 2017
リコリスの由来がギリシャ神話の海の女神「Lycoris」の名前から、か
赤色のリコリスの花言葉は、情熱・独立・再開・あきらめ・悲しい思い出・思うはあなた一人・また会う日を楽しみに
お話やばそう
狐の剃刀の名前にはもう一つお話しがあります。それは、リコリスの話しです。上のツイートではヒガンバナの学名が書かれていますが、狐の剃刀の学名は「Lycoris sanguinea」で、ヒガンバナと同じくリコリスの名前が入っています。このリコリスというのはツイートに書かれているようにギリシャ神話の海の女神のことなのです。とはいえ、キツネノカミソリの分布は東アジア系ですので、あまり関係無いようにも思えてきますね。
キツネノカミソリの開花時期
夏が開花時期
キツネノカミソリの開花時期は夏です。大体お盆(八月中旬)くらいになると茎をグ―っと伸ばしだし、30~50㎝くらいになったところで花を咲かせます。少し先述しましたが、キツネノカミソリは群生しますので、この時期になるとその辺り一面が長い茎と可愛らしい花で一杯になることがあります。夏散歩の楽しみの一つですね!
球根を太らせる為に葉を落とすキツネノカミソリ
キツネノカミソリは元々葉が無い訳ではなく、成長途中ではちゃんと葉があります。早春の時期から葉を出して栄養を作り、球根を太らせます。そして十分に栄養を球根に溜めた頃になると葉が落ち、茎が伸びて花をつけるのです。葉が落ちてから茎が出てきますので、いきなり地面から茎が伸びてくるように見えてとても面白い花です。
キツネノカミソリの育て方①生育環境
日に当たる場所で
キツネノカミソリを育てるなら、しっかりと日に当たる場所で育てましょう。育て方はあまり難しくないのですが、日光条件は大切です。特に夏までの、球根に栄養を溜め込む時期は日当たりをしっかりと整えてあげたいですね。葉がある時期に日光に当たらないと球根が十分に育たない可能性があります。球根が育たないと当然花や実にも影響します。
冬越しは問題なし
キツネノカミソリなどのリコリス達は、その種類によって耐寒性に違いがあるのですが、キツネノカミソリは耐寒性も耐暑性もそれなりにありますので冬越しが出来ます。ですので、あまり暑い地域でなければあまり細かいことを気にせず育てることが出来ますね。ただし、寒い地域は流石に厳しい場合がありますので、その場合は地植えをせず鉢植えで楽しみ、冬は室内に入れてあげるといいですね。
キツネノカミソリの育て方②植え付け
用土作り
キツネノカミソリは水はけの良い土を好みます。とはいえ、それなりに水もちも必要です。特にこだわって作らなくてもちゃんと育つことが多いですので、お店で販売されている培養土を使うのがおすすめです。地植えの場合は販売されている腐葉土を植え付け前に混ぜておき、しばらくしてから植え付けてあげるといいですね。
地植えと鉢植えの植え付け
キツネノカミソリの植え付け時期は7月~8月上旬に行いましょう。鉢植えではキツネノカミソリの球根の頭がギリギリ隠れる程度に浅植えをします。地植えでは逆に少し深めにし、その球根の高さ一個分くらいあけて植えましょう。また、鉢植えの場合は5号鉢に2球くらいは入れても問題ないのですが、地植えの場合は球根同士の距離を20㎝ほどあけておきます。
キツネノカミソリの育て方③水やりと肥料
水やりは表面が乾いたら
キツネノカミソリは水やりをしすぎると球根が腐ってしまうことがあります。ですので、水のやりすぎには注意して下さい。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら水やりのタイミングです。乾燥させすぎてももちろん良くないので、毎日チェックしてあげたいですね。地植えでは少し深植えしているのもあり、ちゃんと水がとれますので水やりは不要です。
肥料は少しだけ
キツネノカミソリは少し肥料を入れてあげると活発に育ちます。画像のような化成肥料を、葉っぱが出てきて球根を太らせる時期と、花が散った後の二回に分けて与えます。そうすることで球根が太りやすくなり元気に育ちますよ。もちろん肥料のあげすぎは状態を悪くしてしまいますので、少量だけ株本にまくようにしましょう。
キツネノカミソリの育て方④植え替えと増やし方
植え替えは頻繫じゃなくて良し
キツネノカミソリは植え替え頻度が少なめです。地植えも鉢植えも、一度植え付けが完了したら数年間はそのまま放っておいて大丈夫です。むしろあまりいじらない方がキツネノカミソリとしてはありがたく、いじりすぎると体力が減ってしまうのです。球根が沢山増えて窮屈になったタイミングで、夏頃に植え替えをしてあげるといいですね。
増やし方は球根で
植え替えをするタイミングで球根を外し、増やしていきましょう。キツネノカミソリは実もなりますが、球根で増やす方がおすすめ。ただし、外した球根は翌年すぐに花が咲く訳ではなく、大体2~3年ほどかかります。気長に育てていく花ですね。因みに、球根には毒があるため、植えておくだけで庭や畑のもぐらやねずみ避けにもなります。花が出ていない期間でも十分に役立ってくれるありがたい花なのです。ねずみなどに困っている方におすすめですね。
キツネノカミソリの花言葉
キツネノカミソリの花言葉も気になりますよね。キツネノカミソリは毒を持つ特徴もありますので、何か恐ろしい花言葉がついているかもしれないと思う方もいるかもしれませんが、花言葉は「妖艶」。妖艶とは人の心を惑わすような美しさを表す言葉ですが、昔の人はキツネノカミソリにそんな美しさを感じていたのですね。
キツネノカミソリに関するTwitter
毒抜きして食べる人も
夏になると葉が枯れ、くすんだ朱色の花が咲くキツネノカミソリ。花期は8~9月。山野に生えるヒガンバナ科の多年草。東京都、埼玉県などでは絶滅危惧種。有毒だが、その昔、ヒガンバナなどともに救荒植物として、球根を毒抜きして食べたという。 pic.twitter.com/Jy05mVl1it
— 有機農業ニュースクリップ (@OrganicNewsClip) August 2, 2016
こちらのツイートでは、キツネノカミソリの球根を毒抜きして食べたことが書かれています。救荒植物という言葉が書かれていますが、救荒植物とは戦争や飢饉に陥った時に、どうしても食べるものが無い時に食べる植物のことです。救荒植物の多くはあまり美味しくなかったり毒があったりするもので、キツネノカミソリにも毒がありますね。この情報を得て、毒抜きして食べるチャレンジをする方もいます。
オオキツネノカミソリ
オオキツネノカミソリ(ヒガンバナ科)@帝釈峡(0810)
— 広島の生物 (@hirbio14) August 15, 2017
本州や九州の山すそなどに見られる多年草です。キツネノカミソリとは雌しべの長さが異なり、大きく飛び出しているのが特徴です。昨年はあまり見かけませんでしたが今年は良く見かけます。花言葉は「妖艶」だそうです。大人な感じですね。笑 pic.twitter.com/MQcEBm5HSB
こちらのツイートでは、キツネノカミソリの仲間であるオオキツネノカミソリについて書かれています。オオキツネノカミソリはキツネノカミソリに比べて花弁が大きいのが特徴です。こちらも苗が販売されており、育て方も同じですので是非育ててみて下さい。花言葉も同じく妖艶ですが、オオキツネノカミソリの方が妖艶さを感じますね。開花時期も同じです。
東京散歩で
最近の散歩日記(8/6撮影)-18 キツネノカミソリ③(東京都国立市 城山公園) pic.twitter.com/Rf80ouuCQO
— t.charmy (@charmy_t) August 10, 2016
こちらのツイートでは、キツネノカミソリが群生している様子が書かれています。キツネノカミソリはこの画像のように群生することが多く、開花時期にはとても美しい光景を見せてくれます。また、夏前には葉を一回落とすため、いきなり地面から生えてくるような姿も見ものですね。誰かと一緒に散歩をしている時は、由来なども特徴的なキツネノカミソリの知識を話してあげましょう。
蕾にも注目
お早うございます。
— hiron (@mizhuzxn) July 30, 2016
今朝は久しぶりに自宅の近くを
朝花散歩(^^)
いくつか旬の花を紹介します。
キツネノカミソリ
花より蕾が可愛いのです!
初めての投稿:stuck_out_tongue_closed_eyes: pic.twitter.com/iihwj4TDNa
キツネノカミソリの由来や夏の美しさなどについて書いてきましたが、こちらのツイートでは蕾の可愛さに注目しています。ツイートに書かれているように、花よりも可愛らしく思えますね。とても美しい赤色をしています。もちろん開いた方が華やかではあるものの、蕾の方が愛でたくなるような愛らしさがあります。夏前の蕾を見るのもまた楽しいかもしれませんね。
まとめ~キツネノカミソリとは~
今回の「キツネノカミソリとは?気になる名前の由来や花言葉、開花時期などをご紹介!」はいかがでしたでしょうか? キツネノカミソリは名前の由来から開花時期に葉が落ちること、毒を持っていることなど、語りどころの多い植物です。散歩で気軽に見かけられる花ですので、キツネノカミソリに詳しくなっておくと、知識を披露する場面が来るかもしれませんね。キツネノカミソリは安価で苗も販売されていますので、育ててみたい方は是非チャレンジしてみて下さい。
花が気になる方はこちらもチェック!
今回はキツネノカミソリについてまとめさせて頂きましたが、当サイト「暮らし~の」では他にも様々な花に関する記事があります。下記に一部を用意させて頂きましたので、気になる方は是非見てみて下さい。
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