アイリスオーヤマ 培養土 菊の培養土
食べるお花「エディブルフラワー」とは
世界各国には、お花を食べるさまざまな風習があります。日本では、菜の花やふきのとうを春先に食べるのがポピュラーでしょう。中国では、きんもくせいの花を砂糖漬けにして食べるのが人気です。また東南アジアでは、バナナの花をサラダにして食べるのだそうです。ヨーロッパでもサラダにエディブルフラワーを用いられることが多いようです。エディブルフラワーは味を楽しむというよりは、料理に取り入れて料理をさらに美しく見せるためのものでもあります。なお、エディブルフラワーの材料にするお花は、安全に食べる前提として、無農薬で育てられたものを使います。
食用菊はエディブルフラワーのひとつ
エディブルフラワーの種類には、食用菊のほかにも、きんぎょそう、桜、花ズッキーニ、パンジー、ボリジ、ナスタチウム(きんれんか)、薔薇(ばら)など多くの種類があります。なかでも桜は食用菊とならんで日本人に馴染みのあるエディブルフラワーです。
きんぎょそう
きんぎょそうは、ベルのような花模様がかわいいお花です。黄色、赤、ピンク、オレンジ、白、紫など多くのカラーがあります。ビタミンCが豊富に含まれています。熱にも比較的強いので色が変わりにくいです。パスタに和える、サラダにするなどのレシピで食べられています。
桜
桜は古くより日本で親しまれてきたエディブルフラワーのひとつです。塩漬けにしたものをおにぎりにしたり、おめでたい席でのお茶に入れたりします。生のままではあまり流通していません。
花ズッキーニ
イタリアで人気のエディブルフラワーと言えばなんといっても花ズッキーニです。ズッキーニの黄色い花のなかにミンチなどの詰め物をしてカリっと油で揚げる「フリット」という料理にして食べます。
パンジー
パンジーには、とてもたくさんの色があります。黄色、オレンジ、白、赤、ピンク、紫など。見ていても可愛い花なのでガーデニングにも人気がありますが、実は食べられるお花です。味はそれほど強くなくたとえるならレタスのような雰囲気のテイストです。サラダなどに使われることが多いです。
ボリジ
ボリジは、利尿作用があると言われているハーブの一種です。花の色はブルーが一般的ですが、ピンク色のものもあります。食べるとほんのりきゅうりのような味がします。サラダのうえに散らすととても華やかになります。また砂糖漬けにしてケーキやスイーツの飾りつけにも用いられます。
ナスタチウム(きんれんか)
ナスタチウムは、花や葉っぱを利用します。食べるとピリッとした辛みがあり、サラダなどのアクセントになります。ナスタチウムにはビタミンCやミネラルが豊富なので、美肌効果もあるそうです。また貧血を改善に導く効果も期待できるそうです。
薔薇(ばら)
花の女王とも言われる薔薇(ばら)は、古くより食材としても重宝されています。花びらを乾燥させたローズティーや、砂糖を加えたジャムなどといったレシピで薔薇(ばら)の甘い香りを楽しむことができます。
食用菊の栄養と効能
中国では、古来より菊を長寿の植物の象徴とし、漢方の世界でも用いられてきました。なかでも見た目の華やかさはそのままに苦みを抑えて食べやすく改良された「食用菊」は、生ものの添え物やお浸しなどの料理に使われてきました。では食用菊にはどんな栄養と効能があるのでしょうか。
栄養と効能1・豊富なビタミン類
食用菊には、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンEが豊富に含まれています。ビタミンB2やビタミンCは抗酸化作用に優れています。美肌をもたらすそうで女性にとって嬉しい効能です。積極的に摂取したいですね。
栄養と効能2・解毒作用
菊には「グルタチオン」という解毒物質が含有されています。昔からお刺身に菊の花を添えるのは見た目のためだけではなく、菊の解毒作用や殺菌作用といった効能を期待してのことなのです。
栄養と効能3・クロロゲン酸とイソクロロゲン酸
菊には、クロロゲン酸とイソクロロゲン酸が含まれています。これらの栄養素は悪玉コレステロールの発生を抑えて生活習慣病を予防する役割や発がん物質の抑制を期待できるものです。
食用菊の種類
食用菊には、いくつかの種類があります。食用菊の楽しみは味だけでなく料理の見た目。ピンクや黄色の花色があるので、お好みの種類を料理に取り入れるとよいでしょう。
延命菊
「延命菊」は、花びらが長めのピンクの種類です。あまり長く火を通すと色が抜けてしまうのでさっと火を通すようにするとよいでしょう。
松風
「松風」は鮮やかな黄色が印象的な食用菊です。伝統的な菊の雰囲気で、食べずに鑑賞するだけでも楽しいです。
金からまつ
「金からまつ」は可愛らしい雰囲気を持つ食用菊。飾ってもよし食べてもよしです。
もってのほか
「もってのほか」はピンクの可愛い花模様でとても人気のある食用菊です。
食用菊の育て方
食用菊の育て方は通常の菊と同様です。ただし口にするものなので無農薬で育てましょう。肥料もできれば自然由来のものを選ぶとさらに安心です。
育て方1・土づくり
食用菊は、水はけのよい土壌を好む植物です。小玉の赤玉土に腐葉土とバーミキュライトを混ぜたものを準備しましょう。市販の菊花用培養土を利用しても便利でしょう。
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育て方2・肥料
食用菊の花をたくさん収穫するためには肥料を定期的に施しましょう。花の開花時期である9月まで20日に1度の割合で固形肥料を与えると良いでしょう。
育て方3・水やり
食用菊は多湿の環境を苦手とします。あまり水が多いと根腐れを起こして枯れてしまうことも。鉢植の場合、食用菊を植えている土の表面がしっかり乾いたのを確認して水やりしましょう。地植えの場合、よほどでない限り水やりは必要ありません。
育て方4・場所
食用菊は、一日に9~15時間、太陽の光を浴びる場所で育てることが大切なポイントです。菊は日が短くなるのを感じて花を咲かせる性質を持っています。春夏秋冬の季節の変化を感じられる場所で管理しましょう。
育て方5・植えつけ
食用菊の植えつけに適した時期は6月ごろです。食用菊は鉢植え、地植えどちらでも栽培できます。土を準備した鉢もしくは庭などに植えつけます。根がしっかり根付くまで水やりを続けましょう。
育て方6・植え替え
食用菊は多年草なので、鉢植えの場合定期的な植え替えが必要です。1年に一度の割合で植え替えしましょう。食用菊の植え替えに適した時期は6月頃です。これまで植えていたものより一回り大きな鉢に植え替えてあげましょう。地植えの場合も、同じところでずっと管理していると、食用菊の株が弱くなり病害虫が発生しやすくなります。数年に一度植え替えてあげることをおすすめします。
育て方7・病害虫
食用菊には、灰色かび病やうどんこ病といった病気がつくことがあります。これらの病気は多湿の環境に発生しやすいものです。食用菊をできる限り風通しのよい環境で育てましょう。病斑部を見つけたらすみやかに切り取って駆除しましょう。食用菊の根元をもみ殻やわらなどでマルチングすると、泥のはねかえりによる病気のリスクを減らせます。また食用菊にはアブラムシがつくことがあります。食用菊は食べるものなので、手やガムテープなどでこまめに駆除しましょう。自然素材の自家製殺虫剤を作ってもよいでしょう。
育て方8・収穫
食用菊の収穫時期は9~11月です。収穫は花を一輪ずつ丁寧に摘み取りましょう。花は完全に開いたものを選びましょう。収穫した食用菊はさっとゆでて冷凍保存しておくと長いあいだ楽しめます。
食用菊はどんな料理にもアレンジしやすい
食用菊は、くせがなく上品な味なのでどんな料理にも取り入れやすい食材です。おせち料理やちょっとしたお祝いのシーンに使うと料理がぐっと華やぎます。また普段の料理にも上手にアレンジすると楽しいもの。おすすめのレシピをご紹介いたします。
食用菊のおすすめレシピ1「おひたし」
食用菊1を鍋でさっとゆでます。その際、食用菊100グラムに対して小さじ半分くらいの酢を入れると、色落ちしません。ゆだったらざるにあけて冷まします。醤油やだし、砂糖などお好みの味付けをします。酢を入れて酢の物にするとさっぱりと食べられます。食用菊は淡泊な味なのでほかの材料と合わせても美味。きゅうりや昆布、かにかまなどと和えると、レシピの幅がさらに広がります。
食用菊のおすすめレシピ2「サラダ」
食用菊をサッと水で洗い、花びらをちぎります。あとはサラダの材料と混ぜ合わせるだけ。パーティー料理にもなりそうな華やかなメニューのできあがりです。レタスや大根、ブロッコリーなどさまざまな野菜と合わせていただきましょう。魚介を合わせてカルパッチョにしてもいいですね。
食用菊のおすすめレシピ3「お味噌汁」
食用菊はお味噌汁の具にするのもおすすめです。毎朝こんなお味噌汁をいただいたら目覚めもすっきり、一日のやる気が湧いてきそうです。
食用菊のおすすめレシピ4「天ぷら」
天ぷらは素材の風味を閉じ込める極上の料理方法なのだとか。食用菊を天ぷらにすると上品な香りと風味が漂いとても美味しいです。上手に食用菊を天ぷらにするコツは、はじめに食用菊のガクの方を下にして揚げること。しばらくしたら反対にひっくり返して揚げると、きれいな花の形のままの天ぷらになります。また玉ねぎやえびなどと合わせてかき揚げにしても美味しいです。
食用菊のおすすめレシピ5「白和え」
普段の白和えに食用菊をプラスするのもおすすめです。見た目の華やかさとともに、ふんわりと食用菊の香りが漂い、まるで高級料理店でいただくような一品になります。
食用菊のおすすめレシピ6「甘酢漬け」
食用菊をさっとゆでて水けをきります。酢、砂糖、塩を好みの割合で配合したものに食用菊を浸けて清潔でふたのついた保存容器に入れておきます。冷蔵庫で2週間くらいもちます。そのまま食べても美味しいですし、ちらしずしや酢の物に使えば、時間のないときの一品になります。
食用菊を料理に取り入れて食卓を華やかに
食用菊は日本古来より人々に重宝されてきた食べるお花です。観賞用の菊とは違い、品種改良がなされ苦みが抑えられているので、想像以上に食べやすい上品な味です。菊には美肌にしてくれる栄養が含まれているそう。また最近の研究で、菊には中性脂肪を抑制したりガン細胞を抑制する成分が含まれていることがわかりました。美味しくて料理が華やかになる、さらに栄養と効能に優れていると一石三鳥の食用菊。食用菊を普段の料理に使って食卓を華やかに、美しさに磨きをかけましょう。