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ベツレヘム(パレスチナ自治区)とは?イエス・キリストの生誕地の現在は?

イエス・キリストが生まれた地でもあるパレスチナ自治区のベツレヘムについて、行き方や観光ポイントをご紹介します。パレスチナ自治区やベツレヘムは旅行先としては馴染みが薄いですが、独特の文化や歴史が残る魅力あふれる街で一味違う旅行体験を楽しんでみませんか?
2020年8月27日
kishi
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ベツレヘム(パレスチナ自治区)とは?

ベツレヘムは中東のパレスチナ自治区の都市です。紀元前1400年ころに書かれたアマルナ文書という書物にも記述があるほど長い歴史を持つ街で、ローマやペルシャ、エジプト、イスラエルといった国々の統治を経て、現在はパレスチナ自治区によって治められています。イエス・キリスト生誕の地ともいわれ、毎年クリスマスの時期になると聖者の生誕を祝う多くのキリスト教徒で賑わいます。 地図で見るとヨーロッパ、アフリカ、アジアの交差点に位置するため、覇権を争う戦乱にも多く巻き込まれてきた地でもあります。宗教、戦争、民族といったさまざまなうねりの中で生きる街なのです。

ベツレヘム(パレスチナ自治区)への行き方

ベツレヘムへの行き方:飛行機でイスラエルへ

ベツレヘムのあるパレスチナ自治区には直接行けないので、イスラエルのエルサレムという都市を経由します。 日本からイスラエルのベン・グリオン国際空港に向かう直行便がないため、ヨーロッパやアフリカでの乗り継ぎが必要です。所要時間は乗り継ぎも含めて20時間前後が多いですが、場合によっては40時間近く要する場合もあります。 大韓航空やアエロフロート・ロシア航空、LOTポーランド航空、エールフランスなどの路線があるため、旅行の日程や予算に合わせて行き方を検討してみてください。

ベツレヘムへの行き方:エルサレム(イスラエル)からバスでベツレヘムへ

エルサレムのダマスカス門をくぐった先のバスステーションからベツレヘム方面行きバスに乗ります。ベツレヘムまでは約1時間です。ベツレヘムからエルサレムへの帰りのバスは19時頃の出発なので、バス停を地図で確認し、時間に遅れないよう注意しましょう。 エルサレムから、ベツレヘムのあるパレスチナ自治区へ出入りする際には検問があり、パスポートが必要です。

ベツレヘム(パレスチナ自治区)の治安

ベツレヘムの治安①ベツレヘムはどのくらい安全なの?

外務省の海外安全ページによると、エルサレムやベツレヘムの危険度(2018年4月時点)は「レベル1:十分注意してください」であり、「その国への渡航、滞在に当たって危険を避けていただくため特別な注意が必要です」と記載があります。渡航中止勧告には至りませんが、身を守るための十分な注意が必要な地域とされています。

海外安全ホームページ: 危険・スポット・広域情報
海外に渡航・滞在される方々が自分自身で安全を確保していただくための参考情報を公開しております。

ベツレヘムの治安②特に危険な地域はどこ?

イスラエルとパレスチナ自治区との間では、長らく領土をめぐった争いが起きており、特にガザ地区と呼ばれるエジプト近くの地域では今でも紛争が続いており非常に危険です。エルサレムやベツレヘムはガザ地区など戦闘が激しい地域からは少し離れていますが、旅行の際には、事前に地図や外務省などが発表している情報をチェックするようにしましょう。

ベツレヘム(パレスチナ自治区)の文化

どんな人たちが住んでいる?英語は通じるの?

パレスチナ自治区に住む人のおよそ90%はムスリム(イスラム教徒)でキリスト教徒は多くありません。しかし、ベツレヘムでは人口の35%ほどがキリスト教徒であり、キリスト教に根付いた街であることがわかります。 パレスチナの公用言語はアラビア語ですが、英語も通じやすく、多くの標識には英語表記があります。

ベツレヘム(パレスチナ自治区)でのおすすめの食事は?


パレスチナ自治区の食文化は中東のものがベースになっており、ひよこ豆やモロヘイヤ、トマト、きゅうり、パセリといった野菜を使った料理が多いのが特徴です。観光の際にはぜひ楽しみたいですね。

ファラフェ

「ファラフェル」と呼ばれる、つぶしたひよこ豆とパセリなどのハーブを混ぜて丸めて揚げたコロッケが特にポピュラーで、そのままでもサンドイッチにしても食べられます。

マルマオーン

丸いパスタ「マルマオーン」もメジャーな料理です。鶏ガラスープで煮て、鶏肉と一緒にいただきます。

タイベビール

パレスチナ自治区で唯一醸造されているのが「タイベビール」。1994年からタイベ村でつくられているこのビールはすっきりとした後味が特徴です。ちなみに「タイベ」はアラビア語で「おいしい」という意味もあるそうです。

ベツレヘム(パレスチナ自治区)の気候

旅行の際に気になる気候ですが、パレスチナ自治区は日本のように夏は暑く、冬は寒い地域です。気温も日本と近いですが、乾燥しやすい地域なので保湿クリームなどを持っていくとよいでしょう。

ベツレヘムの気候(Wikipediaより)

ベツレヘム(パレスチナ自治区)のお金事情

旅行のポイント!パレスチナの通貨は?

旅行において重要なお金についてチェックしておきましょう。 パレスチナの通貨はニュー・イスラエル・シェケル(NIS、以下シェケル)であり、2018年4月時点で、1シェケルは約30円です。

シェケルはどうやって手に入れる?

円からシェケルに直接両替することは難しいので、次のような手段をとるのがよいでしょう。 ・一度米ドルかユーロに換金してから、シェケルに両替する ・国際キャッシュカードを用いて、Bank of Palestine(パレスチナ銀行)やArab Bank(アラブ銀行)のATMからシェケル通貨を引き出す ・VISAのクレジットカードで支払いをする 安心のためにも、複数の手段で支払いができるようにしておくと安心ですね。

ベツレヘムの見どころ①:イエス・キリスト生誕の地『聖誕教会』


『聖誕教会』とは

『聖誕教会』は聖母マリアがイエス・キリストを産んだといわれる洞窟跡に建てられた教会で、4世紀に建造された後一度は焼失しましたが、再建され今に至ります。世界最古の教会としても知られ、多くの観光客や巡礼者が訪れる聖地です。 2011年には、『聖誕教会』とそこに向かうまでの巡礼路、庭園、修道院や教会を含めて世界遺産に認定されました。パレスチナ自治区にとって初めての世界遺産となりました。

『聖誕教会』はどこにある?

教会はベツレヘム中心の観光案内所のそばにあります。『謙虚のドア』と呼ばれる入り口を通って入ります。この『謙虚のドア』は外敵を防ぐためにとても小さくつくられており、屈まないと通れないようになっています。少しわかりづらいので、観光案内所などで地図をチェックしておくとよいでしょう。

イエス・キリスト生誕の場所に「触れる」?

『聖誕教会』の祭壇横には地下に向かう階段があり、それを降りていくと金色の装飾に囲まれた小さな祠のような場所が見えてきます。イエス・キリスト生誕の地が、そこに保存されています。

イエス・キリストが生まれたといわれる場所には小さな穴が開いており、なんとそこから手を入れて中の岩などにも触れます。穴の周りにはめ込まれた銀製の十四芒星は1717年にフランスから献上されたもので、イエス・キリスト生誕の際に東方の三人の博士を導いたといわれる星を模していると言われています。十四芒星にはラテン語で「ここにてイエス・キリストは生まれたまえり」と刻まれています。 キリスト教徒はこの星におでこをつけたり、キスをして聖者生誕の地に祈りを捧げます。

『聖誕教会』への行き方

エルサレムのダマスカス門近くのバス停から出る、ベツレヘム行きのバスに乗り、終点から徒歩15分ほどで『聖誕教会』に到着します。バスを降りるとタクシー運転手の客引きも多いので気を付けましょう。 聖誕教会には年間を通して多くの観光客、巡礼者が訪れるため、時に数時間待ちということもあります。余裕を持ったスケジュールを立てることをおすすめします。

『聖誕教会』の基本情報

教会への入場は無料です。季節によって開館時間が違いますので、気をつけましょうね!

基本情報 ■開館時間:夏季 6:30~19:30、冬季 5:30~17:00 ■休日:無休 ■入館料:無料

ベツレヘムの見どころ②:聖母の伝説が息づく『ミルク・グロット教会』

『聖誕教会』のすぐそばにある教会が『ミルク・グロット』です。地図で見ると、聖誕教会の東南にあります。 この教会は、ヘロデ王による幼児虐殺からエジプトに逃れるために、聖母マリアがイエス・キリストと身を隠したといわれる洞窟跡に建てられました。イエスに与えていた聖母マリアの母乳が一滴たれた時、赤い岩が白く染まったという逸話をもとに、その名の通り乳白色の建材でつくられています。

ベツレヘムの見どころ③:パレスチナの今を感じる『アパルトヘイト・ウォール』

『アパルトヘイト・ウォール』とは

『聖誕教会』や『ミルク・グロット』とならび、観光客の目を引くのが、イスラエルとパレスチナ自治区の間にそびえ立つ『アパルトヘイト・ウォール』です。『セパレーション・ウォール(分離壁)』とも呼ばれる壁は、2002年からイスラエル政府によって「パレスチナ人による自爆テロを防ぐため」に建設がスタートしました。


紛争問題の象徴である『アパルトヘイトウォール』

高さ8 m、全長700 kmにも及ぶこの壁は、実際にはパレスチナ自治区の領土に侵入しながら建設されていることから国連からも建設中止の勧告を受けていますが、現在も増築が進んでいると言われています。

なぜ『アパルトヘイト・ウォール』に観光客が集まるのか

壁の建造が始まる以前より、パレスチナ自治区に住む人たちは、自分たちの置かれている状況を知らせることや団結を強めることを目的として、壁に絵やメッセージを残すグラフィティ活動を展開してきました。 『アパルトヘイト・ウォール』もグラフィティのキャンバスとして用いられ、イスラエルや世界に向けたメッセージを込めた絵や、平和を訴えるペイントが並びます。

バンクシーの作品とは?行き方は?

中でも、イギリスの覆面芸術家(一人なのか団体なのか不明)であり、世界各地で政治色の強いストリートアートを展開するバンクシーの作品が人気のスポットとなっています。ベツレヘムに残されたバンクシーの作品は5つあり、場所は地図にも載っていないことが多いです。地図を片手に歩いて回る人もいますし、タクシーで回るのもよいですが、料金がピンキリなので気を付けましょう。

ベツレヘムのおみやげ

旅行の思い出ともなるおみやげ。 ベツレヘムでは、キリスト教の聖地らしい十字架をモチーフとしたグッズの他に地域色あふれる伝統的なおみやげも売られています。

オリーブオイルを用いたグッズ

パレスチナ自治区は地中海からほど近いこともあり、名産のオリーブを使ったおみやげが多くあります。 ナブルスという地域では特にオリーブオイルを原料にした石鹸を古くから生産しており、今でも名高いブランドとして知られています。全工程に1ヵ月以上をかけて丁寧につくられる石鹸は、古くは初代エリザベス女王にも愛用されていたとか。もちろんオリーブオイルそのものもおみやげとして売られています。

ベツレヘム(パレスチナ自治区)のまとめ

いかがでしたでしょうか。 イエス・キリストという誰もが知っている聖人の生まれた地、一度は訪れてみたいですよね。教会や街並みを歩くだけでも、紀元前から続く歴史を感じられるのではないでしょうか。 ベツレヘムをはじめとしたパレスチナ自治区の地には、これまでさまざまな宗教、思想、文化、民族が入り乱れてきました。アジアやアメリカとはまた異なる海外を感じられる場所、それがベツレヘムなのかもしれません。 行き方も少し特殊な街です。地図やお金、スケジュールなど準備を整えて、ベツレヘムへの旅をお楽しみください!