ミントってどんな植物?
ミントは、シソ科ハッカ属の総称で、ミントには多年草と一年草の種類があります。ミントのさわやかな香りは、古くより世界中の人々に親しまれ、歯磨き粉などに使われています。日本では北海道などで「ハッカ」「ヒメハッカ」という種類のミントが自生しているのを確認できます。ミントの草丈は、種類により幅があり、だいたい20~100センチくらいです。ミントの葉っぱの形や香りは、品種によりバラエティに富んでいます。ミントは育て方、増やし方ともに簡単。病気にもかかりにくいので、ガーデニング初心者にもおすすめの植物です。ただしミントは生命力が強いので、増えすぎに注意が必要です。
ミントの花の特徴
ミントの花が開花する時期は、7月~9月頃です。ミントの花は、品種により、ピンクや薄い紫、白などがあります。ミントの花はとても小さく可愛らしいもの。細かい綿毛のような雰囲気で、茎に縦長にたくさんの花がつきます。葉っぱと香りが印象的なミントですが、花も可愛らしいのでぜひ鑑賞してみましょう。
ミントの葉の特徴
ミントは、種類によって葉っぱの形が少し違うのですが、だいたい小さめの葉っぱで、細かくギザギザが入っているものが多いようです。ミントの葉っぱの色は、明るいグリーンです。なかには白っぽい斑入りの品種のミントもあります。ミントの葉っぱを少しこすると、爽やかなとても良い香りがします。
ミントの香り
ミントは、鼻に抜けるようなスッキリとした清涼感のある香りを持っていて、古くより人々に重宝されてきたハーブです。ミントのメントール成分を含む香りは、風邪などの病気の際に嗅ぐと、症状が和らぐと言われています。ミントの香りは、人間にはとても心地よい香りなのですが、虫などが嫌う臭いで、そのためミントには防虫効果があります。ハーブティーや歯磨き粉、アイスクリーム、ガムなどの香りとして、ミントが使われているのは広く知られていることでしょう。また、東南アジアの国々では、ミントを香辛料として用いていて、人々のソウルフードとして親しまれています。
ミントの名前には美味しそうなものがたくさん
ミントにはさまざまな種類があり、それぞれに個性的な香りがあります。アップルミント、オレンジミント、パイナップルミントなど、名前を聞いているだけでも楽しくなるような、魅力的な香りのものがたくさんあります。
ミントの花言葉
花言葉1・「美徳」
ミントは、口臭予防や殺菌作用といった効能が期待できる植物で、古くよりハーブティーなどにして利用されてきました。美徳は、人間の身の回りを美しく保ってくれるミントの効能から生まれた花言葉です。
花言葉2・「効能」
ミントには、殺菌作用のほか、胃腸の働きをよくして病気を予防するなどの嬉しい効能があると言われています。「効能」という花言葉は、ミントの特質そのものをあらわす言葉となっています。
ミントの基本データ
科名属名
シソ科ハッカ属
学名
Mentha
和名
ミント
別名
ハッカ
英名
mints
原産国
ユーラシア大陸
ミントの種類
ミントの原種は、およそ25種ほどあるそうです。ただし、ミントは異なる種類どうしでも、簡単に交配する植物なので、雑種を含めると、もっと多い種類があるのではないかとも言われています。清涼感のあるミントの香りですが、品種ごとに香りが異なります。葉っぱの形もさまざま。なおそれぞれのミントの名前には、香りをイメージするものがつけられている傾向にあります。どのミントの香りもとても魅力的なので、ミントの種類を知ってお好みのタイプを植えてみましょう。
ペパーミント
少しやわらかい香りのミントです。ペパーミントの香りは、すっきりしたなかにも甘さの感じられるものです。
スペアミント
スペアミントは、葉っぱがとても可愛らしい品種です。スペアミントはクリアな香りを特徴とするミントです。
アップルミント
アップルミントは、すっきりしたミントの香りに、甘酸っぱいりんごの香りを混ぜたような、とても良い香りのするミントです。アップルミントの葉っぱは、少し丸みがあり可愛らしいものです。
レモンミント
ミントのすっきりした香りに、レモンの爽やかな香り。レモンミントの香りは、気分をリフレッシュしたいときにぴったりです。
オレンジミント
オレンジミントは、ふんわりとオレンジの香り漂うミントです。葉っぱの雰囲気がほかのミントと少し異なります。
パイナップルミント
パイナップルミントは、斑入りの葉っぱがとても可愛らしいミントです。パイナップルのような甘酸っぱい香りとともに、葉色の可愛さを楽しみましょう。
チョコレートミント
チョコレートミント、というまるでスウィーツのようなミントです。ほんのりチョコレートのような香りがします。葉っぱの色も少し茶色味がかっています。
バナナミント
バナナミントは、すっきりした香りのなかに甘い香りがミックスされたミントです。
ミントの育て方と栽培のコツ・土づくりと肥料
育て方と栽培のコツ1・土づくり
ミントは、やや湿気のある環境を好む植物です。ただし、ミントは強健な植物で、多少土壌のよくない環境でも育ちます。鉢植えの場合、小粒の赤玉土に腐葉土やバーミキュライトを混ぜ込んだ土を準備しましょう。市販の草花用培養土やハーブ用の用土を利用しても良いでしょう。地植えの場合には、植えたい場所の土を少し掘り起こして、腐葉土を混ぜ込んでおくとよいでしょう。
育て方と栽培のコツ2・肥料
ミントは、生命力にあふれたハーブで、あまり肥料は必要ありません。ミントの生育をチェックしながら、ミントがよほど元気がないときのみ、少し肥料を施しましょう。暖効性の化成肥料もしくは液体肥料を少し与えるとよいでしょう。ミントに肥料を与えすぎると、生育しすぎて周りの草花などをおびやかすことさえあります。ミントに肥料を与えるときには、注意が必要でしょう。
ミントの育て方と栽培のコツ・水やりと場所
育て方と栽培のコツ3・水やり
ミントを鉢植えした場合には、植えている土の表面が乾いたらしっかり水やりしましょう。地植えの場合には、特に水やりの必要はありません。
育て方と栽培のコツ4・場所
ミントは日当たりのよい風通しのよい場所を好みます。ただし、ミントはとても強い植物で、少し日陰に置いても生育するでしょう。ミントは地下茎を伸ばして、どんどん横に増えていく特質を持っています。とくに地植えの場合には、ほかの植物のゾーンなどに広がりすぎないように、はじめに植えつける場所を設定しましょう。一度増えたミントをすべて除去するのは大変です。ミントは、囲いを作って植えるなどの方法も有効です。
ミントの育て方と栽培のコツ・植えつけと植え替え
育て方と栽培のコツ5・植えつけ
ミントの植えつけに適した時期は4~6月、9~11月頃の気候のよい時期です。ミントは地下茎を張り巡らして育つ植物なので、苗よりひとまわりかふたまわり大きめの鉢に植えましょう。地植えの場合には、風通しのよい場所を選び、株間を20~30センチあけて植えつけます。
育て方と栽培のコツ6・植え替え
ミントの植え替えに適した時期は、4~6月もしくは9~11月です。ミントは生育が早く、すぐに混みあってきます。鉢植えの場合には、半年に一度くらい定期的に植え替えをしましょう。地植えの場合には、特に植え替えは必要ありません。
ミントの育て方と栽培のコツ・病気と害虫
育て方と栽培のコツ7・病気
ミントは、とても強い植物なので、病気の心配はあまりありません。
育て方と栽培のコツ8・害虫
ミントの葉っぱには爽やかな香りがあり、虫よけにも有効。ですから、ミントにはあまり害虫はつきません。ただしまれにアブラムシがつくことがあります。ミントの葉や茎にアブラムシがついているのを確認したら、速やかに駆除しましょう。
ミントの増やし方・種まきと株分け
ミントには、種まきと株分け、挿し木の3つの増やし方があります。ミントは生命力の強いハーブで、ミントを切ったものを花瓶などに挿して、部屋に飾っておくだけでも、根っこが出てくるくらいです。種まき、株分け、挿し木と、どの増やし方も比較的簡単です。
増やし方1・種まき
ミントの種まきに適した時期は、3~5月もしくは9~11月です。育苗ポットに種まき用の用土を入れたものを準備して、ミントの種をばらまきします。ミントの種はとても小さいので、種が流れてしまわないように注意します。種まきしたミントへの水やりは霧吹きで水を吹きかける方法でおこなうとよいでしょう。ミントの種まきをしてからだいたい15日前後で発芽するでしょう。日当たりのよい風通しのよい場所で管理しながら、霧吹きによる水やりを続けます。ミントが発芽したら、発育のよいものだけ残してまびきましょう。残した発芽苗の本葉が5~6枚になったら、ミントの苗の完成です。好きな場所に植え替えましょう。
増やし方2・株分け
ミントの株分けに適した時期は、4~6月もしくは9~11月の気候のよい時期です。ミントは、ぐんぐんと地下茎を伸ばして育つ植物なので、地下茎を株分けすることで簡単に増やすことができます。株分けしたいミントを掘り起こします。清潔なハサミやカッターなどで、地下茎を適当な大きさに切り分けます。ミントは強い植物なので、株分け作業はそれほど慎重にならずとも大丈夫です。切り分けたミントの株を、育苗ポットなどに植えつけましょう。株分けした根がしっかり張ってくるまで、こまめに水やりを続けます。
増やし方3・挿し木
ミントの挿し木に適した時期は、3~11月です。ミントは挿し木による増やし方でも簡単です。ミントの生育のよい茎を選び、10センチ程度の長さで切り取ります。切り取ったミントの茎の下部についている葉っぱは、手で取り除いておきましょう。清潔な水を入れた花瓶などを準備し、切り取ったミントを挿して数時間水揚げします。土を入れた育苗ポットに、水揚げしたミントを挿し木します。日当りのよい風通しのよい場所で管理し、水やりを続けます。数週間で根がでてきます。ミントの苗がしっかりするまで水やりを続けて、好きな場所に植え替えるとよいでしょう。
ミントを育てて香りに癒されよう
ミントの爽やかな香りは、心をすっきりさせてくれ、リラックスした気持ちに導いてくれるもの。ミントから抽出したアロマオイルも人気があります。これといった病気にもかかりにくく、育て方の簡単なミント。育てたミントは、サシェにしたりお風呂に入れる、ミントティーにするといったさまざまな使い方がありますので、ぜひミントを育てて生活に取り入れてみませんか。ミントは、種類により香りが少しずつ違うので、いろいろなミントの鉢植えを作って、香りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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