オレンジミントとは
オレンジの香りが特徴
オレンジミントとは、シソ科の多年草です。ミントの品種のひとつであり、その名の通り柑橘系の良い匂いがします。「雑草化するほど旺盛に育つ」「どんどん広がる」と言われるミントの中でも、比較的丈夫です。なので、初心者の方でも育てやすいですよ。オレンジミントの効能や育て方、室内でできる水を使った「水耕栽培」の方法をご紹介します。
普通のミントと異なる特徴
・オレンジの香りがする ・普通のミントより、ちょっぴりデリケート これらの点が、普通のミントとの違いです。ただし、デリケートとはいえ、普通のミント自体がかなり丈夫で生育の旺盛な植物ですので、「初心者さんには難しい」というわけではありません。初めてでも、充分挑戦できるハーブです。
オレンジミントの栽培スケジュール
水やりだけで基本管理はOK
春か秋に、種まき・苗の植え付けが行えます。多年草なので、1度植えれば枯らさない限り翌年以降も育ってくれますよ。最低限、水やりだけしていれば基本管理はOKです。夏頃には薄紫の花を咲かせます。この夏の時期は特に生育が旺盛で、地下茎を伸ばしてどんどん広がっていきます。他の植物を圧倒してしまうようでしたら、カットしてお茶に入れたり、デザートに飾ったり、乾燥保存したりしてみてください。
オレンジミントの効能
リラックスできる効能あり!
香りにはリラックス効果があると言われています。摘んできたオレンジミントを熱湯と一緒に蒸らし、他のミントと一緒にブレンドすれば、フレッシュな香りのハーブティーができますよ。紅茶ではないので、ちょっと野原っぽい風味がありますが、自然の味わいを感じたい方は試してみてはいかがでしょうか。また、お風呂に散らして浮かべるだけの「ハーブ風呂」もおすすめ。こちらも、カモミールのような他のミントと一緒に混ぜて楽しむことができます。 ミント全般には、虫除け効果があります。アロマスプレーを自作してみても良いでしょう。ゴキブリが嫌いな方は、庭に植えることをおすすめします。完全に出なくなるわけではありませんが、ゴキブリもミントが嫌いです。
オレンジミントの育て方
場所
日当たりの良い場所を好みます。半日陰でも大丈夫です。木の根元や、生け垣の脇、ウッドデッキの陰でもそれなりに育ちます。むしろ、旺盛に広がりすぎてしまうことも多いので、庭の中でも日当たりが最も良い場所は他の植物に譲り、オレンジミントは若干日陰になるようなところに植えるのも賢い選択です。
水やり
やや蒸れと乾燥に弱いです。土が乾いたら、たっぷりと水やりをしましょう。ただし地植えの場合は、雨水だけでも育ちます。夏場は蒸れないよう、昼の水やりを避け、朝か夕方に行うと良いでしょう。
耐暑性・耐寒性
普通のミントより若干デリケートです。暑さ・寒さともに、普通のミントより弱い性質を持ちます。夏は直射日光で発破が焼けてしまうようなら、半日陰に移しましょう。また、蒸れて枯れやすい時期でもあるので、定期的に剪定して病気にかかるのを防いでください。冬は軒下に移したり、ワラを敷いたりして、防寒対策をするのがおすすめです。
土
肥沃なアルカリ性の土壌を好みます。ハーブ用の土か、普通の園芸用培養土でも充分に育ちます。
肥料
肥料は少なめに与えます。肥料が多すぎると、香りが弱くなるので注意しましょう。与える時期は春がおすすめです。
苗の植え付け
ポットから苗を抜き取り、鉢底石を敷いた鉢か、地面に直接植え付けます。終わったら、たっぷりと水やりをしましょう。
植え替え
春か秋がおすすめです。根を傷つけないように土を掘り返し、新しい土を用意した鉢か花壇に植え替えます。すべての株を植え替えるなら、最初に育てていたスペースより、ひとまわり大きな場所に植え替えてあげてください。
収穫
収穫はいつでも行えます。緑の葉っぱさえあれば、それをヨーグルトやフレンチトースト、ホットケーキ、アイスクリームの上に飾って、香りと緑の美しい見た目を楽しむことができますよ。スムージーにトッピングするのもおすすめです。ただし、冬場は地上部が枯れ込んだり、パリパリと硬くなったりするので、若々しいやわらかな新芽を出す春頃の収穫がおすすめです。
オレンジミントの増やし方
こぼれダネで勝手に増えるほか、地下茎を伸ばして横に広がっていきます。意識して増やそうと思わなくても、植える場所さえ悪くなければ、勝手に広がっていく植物です。
オレンジミントの水耕栽培
水耕栽培とは
オレンジミントは水耕栽培が行える植物です。水耕栽培とは、水に茎の切り口をつけて発根させ、そのまま水だけで育てる方法です。土がいらないので、虫が湧きにくく、清潔だというメリットがあります。また、必要な道具が少なく、ペットボトル容器でも簡単に植物の栽培が楽しめます。バジルや普通のミントも、水耕栽培ができる植物として知られていますよ。お花だと、クロッカスやヒヤシンスがメジャーです。
水耕栽培のデメリット
ただし、水耕栽培は土栽培に比べて香りが弱くなるという性質があります。オレンジミントは香りを楽しむハーブですから、お庭やベランダがあるなら、どちらかといえば土栽培のほうがおすすめ。ですが水耕栽培も、窓辺に置くと水と緑が日光に透けて、とてもキレイです。剪定したオレンジミントはそのまま捨てるのではなく、水耕栽培にチャレンジして、また違った楽しみかたをしてみるのも良いですね。
水耕栽培の方法
花瓶やペットボトル容器(500mlサイズ。飲み口の部分をカットして、逆さまにはめ込んだもの)で行えます。オレンジミントの茎を用意し、水に付いてしまう部分の葉を取り除いておきましょう。容器に水を張り、そこに茎を差し込んで、明るいところに置いておくと数日後に発根します。1週間に1度は水を替えましょう。ハイポネックスのような液体の肥料を与えると、よく育ちます。
オレンジミントが広がりすぎたときは
ミント系の植物は、地植えするとどんどん横に広がってしまい、芝生や他の植物のスペースを圧迫しがちです。広がりすぎてしまったときは、レンガやブロックを地面に埋め込み、プチ花壇を作りましょう。こうすることで地下茎がそれ以上横に広がれなくなります。花壇を作らず、地面にポンと庭植えてしまうと、広がりやすいので注意してください。また、蒸れを避けるためにも、混み合っている場所や伸びすぎた茎は剪定します。
鉢植えなら管理しやすい
広がりやすい庭植えで管理する自信がない方は、ちょっと大きめの鉢で育ててみることをおすすめします。オレンジミントが広がっていく様子を楽しむことができ、かつ地下茎で広がりすぎることもないので、初心者さん向きです。大きな穴を地面に掘って、そこに鉢を埋め込んでみるのも良いですね。
オレンジミントをもっと楽しむアイディア
ハーブの寄せ植え、ハーブガーデン
ローズマリー、セージ、カモミール、ラベンダーといった他のミントと一緒に寄せ植えしたり、ハーブガーデンを作ってみたりするのも素敵です。ただしラベンダーは寒冷地向きの植物であり、温暖地で育てるには品種選びが重要になるので注意しましょう。ハーブ類の多くは、種を作ると株が老化し、食用にする葉の部分が硬くなってしまうという性質を持ちます。料理に入れて食べたいなら、やわらかな葉のほうが食べやすいので、花のつぼみをつけた時点で摘みとってしまうのをおすすめします。
オレンジミントの育て方まとめ!
たくさん収穫できる、丈夫なハーブ!
ハーブの代表であるミントの品種のひとつ、オレンジミント。管理は簡単で、基本的な育て方さえ押さえられれば、どんどん増えてくれます。他にもパイナップルの香りがするものや、りんごの香りがするなんて品種もありますよ。いろいろな品種と一緒に育てて、フルーティーな香りを楽しんでみるのもあり!?スイーツとの相性も抜群ですよ!ミント系は丈夫なので、ハーブ栽培の入門にもってこいです。ぜひチャレンジして、たっぷり香りを楽しんでくださいね。