クルクマとは?
エキゾチックなガーデニング植物
クルクマは熱帯地方に自生していた品種です。一般的にガーデニングで利用される花は、夏の猛暑を耐えられないもの多数存在しますが、このクルクマはもともと日本よりもずっと高温高湿度の環境に根を張っていた植物なので、夏になり、日差しが強くなればなるほど元気に咲かせてくれます。
ショウガ科クルクマ属
おはようございます!
— 大西 晴樹【晴ちゃん】倉吉のホムセン (@r34h15_inai) August 12, 2017
気温は23℃、曇りの倉吉。
夏の花が少ない時期に元気に咲く
「クルクマ」ウコンの仲間です。
綺麗なトーチみたいですよね。寒さには弱いので1年草扱いですが、軒下などで冬越しできれば次の年も綺麗に咲きますよ(^^)
今日も穏やかにいこう#ホムセン #クルクマ pic.twitter.com/QoU94u8iRW
ショウガは日本人にとっても馴染みの深い植物です。クルクマはそんなショウガの仲間の一つで、他のクルクマ属の品種も同じく薬用や食用として広く人に活用されています。
仲間には薬用や食用となるウコンが
例えば代表的なものは「ウコン」ですね。インド料理のスパイスとしても知られているウコンも、クルクマの一種です。「クルクマ」とはそもそもアラビア語が由来で、「黄色」という意味が込められています。最近では食用だけでなく薬用として粉末や錠剤、栄養ドリンクなどで活用されています。
クルクマをご紹介!
今回は、そんなユニークな植物、クルクマについてご紹介します。クルクマの基本的な情報から種類、そしてその育て方や増やし方にいたるまでご説明していきましょう。
クルクマの種類
ガーデニングに利用される品種
クルクマにはたくさんの品種が存在します。薬用や食用、栽培用として人の手で改良されたものを除いても、原種だけで約50種類もあるのです。そんななかでも、特にガーデニングに利用される品種として、以下の3種類のものが有名です。
種類.1 クルクマ・シャローム
クルクマ・シャロームは正式には「クルクマ・アリスマティフォリア」と呼称します。日本で主に庭先に植えられている品種です。原産国はタイで、現地の国立公園に自生していることで知られ、またその地方の看板として告知されているほど地域に密着しています。1990年に大阪で行われた花博覧会でタイから来日を果たし、それ以来広く日本中のガーデニング愛好家らによって栽培されています。
種類.2 クルクマ・ぺティオラータ
シャロームは観賞用としてだけでなく、薬用・食用としても広く栽培されている品種です。それに対して、クルクマ・ペティオラータはもっぱら観賞用としての役割のみを目的として栽培されています。花びらを包む部分が淡いピンク色をしており、見る者を楽しませてくれます。
種類.3 ピンクパール
ピンクパールは日本で栽培されている品種としてはシャロームとペティオラータの次に有名な品種です。成熟した個体でも30センチほどの背丈にしかならない小型の品種で、主に鉢植えで育てられます。花びらも同じく画像のように小さく可愛らしいのが特徴で、室内でインテリアとしての役割を担ってくれます。
クルクマの特徴
原産地はマレーシア半島
クルクマの原産地は主にマレーシア半島です。他に、熱帯の東南アジア地方やオーストラリア、アフリカ大陸にも原種が自生しています。
多年草だが耐寒性が弱いという特徴が
多年草とは、一年で寿命が尽きるのではなく年越しをして数年間生育を続けられる性質を有した草を言います。クルクマは多年草です。ただ、熱帯由来の植物なので、耐寒性が弱く、日本の風土環境では工夫をしなければ冬を越すことは基本的にできません。
球根とミルクタンク
クルクマの花びらは画像のような白いものや、パープルのかかった桃色のものが一般的です。品種によってはさらに南国らしいカラフルな色調のクルクマも存在します。この花びらは切花としても非常に持ちがよく、贈答用としても大変好まれます。
背丈と葉の形状
大きさにして約4センチの球根から複数本の細い根を大地に生やして生育する植物で、根の先には栄養を貯蔵するための保管庫を設けます。この保管庫は「ミルクタンク」という名前で呼ばれ、形状はまるで小さな球根状。ここから生長するにしたがって芽や茎、葉っぱを地上に出していきます。
クルクマの花
熱帯が原産の植物は大型になるものがほとんどなのですがクルクマも成熟したもので背丈は1mほどにまで生長を遂げます。葉っぱは長く丸みを帯びた形状をしており、この葉っぱを6枚から8枚程度の束で生やし、夏から秋には茎の先端部分に淡い色合いの美しい花びらを咲かせます。
真の花びらは下部に
クルクマの花びらは一見するとそれなりの大きさがあるように誤認してしまいますが、実際には花びらに見える部分の外側は葉っぱが変化したもの(苞)で、真に花びらに当たる部分はとても小さく、下部にちょこんと鎮座しています。
クルクマの花言葉と別名
花言葉は4つある
クルクマの花言葉は大まかに4つ存在します。「乙女の香り」「因縁」「忍耐」そして「あなたの姿に酔いしれる」です。熱帯地方の品種はエキゾチックなものが多数存在しますが、クルクマの花びらは青春時代を思い起こさせるような淡く繊細な色合いが特徴です。花言葉もそれに由来したワードが選ばれています。
花言葉.「あなたの姿に酔いしれる」
特に「あなたの姿に酔いしれる」という花言葉はクルクマを代表するワードで、この植物を想い人に対して贈答する際に込められる気持ちとして知られます。
花言葉.「忍耐」
「忍耐」という花言葉もこの植物の特徴をよく表現しています。熱帯地方の品種にしては慎ましく、可憐に淡い色合いの花びらを咲かせる様子は、まるで周囲の植物から来るプレッシャーから耐えているようにも感じられます。
クルクマの別名
#花写っと #クルクマ
— VTIFカスタマイズ (@Voltric_i_force) July 20, 2017
最初はバナナの花かと思っちゃいました(汗)w
クルクマ、またの名を菖黄(キョウオウ)、ワイルドターメリック。
食用・薬用はウコンと呼ばれ、花鑑賞はクルクマなんですって。
【クルクマの花言葉】 忍耐 貴方の姿に酔いしれる 因縁 乙女の香り pic.twitter.com/EXM1q5oZ0T
クルクマはその名の他にもさまざまな名称で親しまれています。前述したウコンの名称を筆頭に、キョウオウやヒドゥンリリーの別名でも呼称されます。
春鬱金(ハルウコン)

そんなクルクマの別名のなかでも春鬱金(ハルウコン)という名称は有名です。古く漢方の世界で滋養強壮のために根を加工して病弱な人の体力回復に利用されてきました。クルクマには他にも品種がさまざまあり、それと同じくウコンにもさまざまな種類のものが存在しますが、クルクマ(ハルウコン)はカルシウムやミネラルの含有量が特に豊富なことで知られています。
クルクマの時期に合わせた育て方①:植え付けと植え方
植え方は鉢植えか外植え
まず、植え方を鉢植えにするのか、それとも外植えにするのかを決めましょう。クルクマは熱帯由来の植物なので日本の夏の日差し程度であれば十分に耐えられます。むしろ、猛暑であればあるほど元気になるのです。そのため、外植えで庭先を彩るためによく利用されます。
植え付けの時期
植え付けの時期は5月の中旬頃が最適です。ゴールデンウォークが終了したら植え付けを始めるくらいの感覚で問題ありません。
クルクマ育成に必要な環境条件
クルクマが健やかに育つためには一定の条件が必要です。それは①太陽光を十分に浴びられること。そして②適度に湿気があることです。太陽光については半日陰でも生長自体に問題はありませんが、花びらのつきが悪くなります。また、湿気については水やりをきちんと行えばある程度はカバーできます。
土の準備
土は観葉植物用の培養土か、あるいは自作してもよいでしょう。配合の比率は6対4で赤玉土と腐葉土を混ぜていきます。鉢に植える際には底部に底石を少し設置しましょう。
庭先への植え方
植え方としては、まず外植えの際には用意した土の表面から3センチほどの深さになるまで穴を掘ります。そして、その穴にクルクマの球根を一個ずつ入れて優しく土を被せていきましょう。植え方のコツとしては球根同士をあまり密に植えないことです。根が絡んで生育が悪くなります。15センチ程度は間隔を空けて植えていきましょう。
育て方に鉢植えを選ぶ場合には
鉢植えの際には、重要になるのは鉢の大きさです。サイズの合わない鉢で育てた場合には大きく生長するとバランスを崩して倒れてしまいます。5号から6号の大きさのものを用意して、土を入れて、外植えの方法と同じ植え方で穴を掘り植えていきましょう。
クルクマの時期に合わせた育て方②:水やりと肥料
乾燥は大敵!
クルクマはもともと高温多湿の環境に自生していた植物です。そのため、乾燥には極めて弱いという特徴を有しています。乾いたままで放置するとあっという間に枯れてしまいますので、土の状態は小まめにチェックしておきましょう。
水やりはたっぷりと
たっぷりと土に水気が入るまで与えます。外植えの際はもちろん、鉢植えの際でも同様です。ただし、過剰に水を与えすぎると根を腐らせてしまいます。土が吸収しきれる量であれば大丈夫ですが、それ以上の水を与えてはいけません。
目安は土の色
根を腐らせずに、たっぷりと水やりを行う際に、目安になるのは「土の色」です。土の色が乾燥して白みを帯びてきたなら、水やりを行います。土の色が十分に濃く暗く水気を帯びて変色してきたなら、たっぷりと水やりを行えた証拠です。それから、また土が乾いて白みを帯びてくるまでは水やりを行う必要はありません。
肥料を与えるタイミング
肥料は生長期に与えるのが最善です。クルクマの生長期は植え付けの時期の5月中旬から秋口まで続きます。肥料は肥育成分が均等なものか、リン酸成分がわずかに上回る緩効性のものを、一般的な基準量だけ与えましょう。
植え付け直後は少量を
ただし、植え付け直後は根が張るまでに過剰に肥料を与えてしまうと逆に生育不良を起こしますので、与える量は少量だけです。
クルクマの時期に合わせた育て方③:花の剪定
クルクマの開花時期
クルクマの開花時期はガーデニングで利用される他の品種と比較してもとても長いのが特徴です。梅雨の時期、6月から秋が深くなる10月まで育成期間のほとんどを開花時期としてカバーしています。
しおれた花は必ず剪定を
長い開花期間のうち、早い段階で咲いたものは期間の途中でしなびていきます。しなびたものはそのまま放置してしまうと、これから咲く他の若い花びらの生育を妨げてしまうので剪定をして間引きましょう。
剪定の方法
剪定の方法は簡単です。剪定バサミで花びらを付けている茎の部分からパチンと切断しましょう。この作業を行うかどうかで、開花時期の長短が如実に変わってきます。少し可愛そうにも感じますが必要な作業です。
クルクマの時期に合わせた育て方④:植え替え
外植えの場合には植え替えは必須
クルクマは多年草の植物なので冬が過ぎて年を越したあとでも枯れずに次の年にはまた咲かせてくれます。ただ、耐寒性が弱いので庭先に植えたまま外植えで育てていると冬の寒波に耐えられずに枯れてしまいます。そのため、鉢に植え替えをして温度管理するために室内に避難させる必要があるのです。
球根を掘り起こす
秋になり花弁がほとんど付かなくなってきたなら植え替えのために地中に埋まっている球根を掘りおこしましょう。10月の晴れが2日程度続いた日が最適なタイミングです。適度に乾いた土から葉っぱを傷めないように球根を掘り、根に土を3割程度残して鉢に植えていきます。
鉢は5号から6号のものを
植え付けの項目でもふれたように鉢の大きさには注意が必要です。5号から6号のサイズのものを用意して植え替えていきましょう。冬の間でも太陽光のよく当たる場所に鉢を置き、水やりも土が乾かない程度に与えます。
クルクマの増やし方
増やし方は球根の株分け
クルクマの増やし方は球根の株分けです。観葉植物の増やし方としては種まきや根の株分けが考えられますが、クルクマのように球根を形成する品種の場合には、増やし方として球根の株分けを選択するのが最善です。
上手な増やし方のコツは時期にある
株分けを行う際には開花時期が終了した後で鉢に植え替えをせず、球根を掘り、葉っぱや根を落として乾かしておきましょう。時期としては11月がベストです。快晴が2日程度継続した日に乾いた土から球根を掘り起こします。
刃物で丁寧に分割
掘り起こした球根を水洗いして土を落としてから風通しのよい場所で2週間程度乾燥させます。すると、自然に葉っぱが落ちていくので、葉っぱが落ちたなら球根をピートモスなどに保存して植え付けの時期になったなら刃物で分割していきましょう。
増やし方のポイント
このときに根から伸びた先にあるミルクタンクはそのまま残します。刃物をよく消毒してから作業に入りましょう。分割した球根を植え付けの時期に別の位置に植えていけば、クルクマの株分けが完了します。
まとめ
庭を南国風にアレンジしよう
クルクマは観賞用・薬用・食用と広く利用されている植物です。皆さんもクルクマを庭先に植えて、そのエキゾチックな雰囲気を楽しんでみましょう!
他のガーデニング情報が知りたい方はこちらもチェック!
当サイト「暮らし~の」には他にも面白いガーデニングについての情報が沢山掲載されております。是非、それらの情報をチェックして有効に活用してください。

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