ニゴイの生態を知ろう
ニゴイ慣れしていない釣り人にとって、ニゴイは謎だらけの淡水魚かもしれません。ここではニゴイの基本的な情報をまとめています。
ニゴイはどこに生息しているか
ニゴイはコイ科の日本の固有種で、本州から九州まで生息しています。その生態域は湖や川など、急流ではない場所です。本来のニゴイは、本州の東日本側と北部九州にいる種類です。琵琶湖周辺はニゴイとコウライニゴイが混じり、中国・四国地方など西日本の多くはニゴイではなく、代わりに近縁種のコウライニゴイが生息していると言います。
ニゴイの大きさや見た目
数年生きると、体長50~60センチほどになるのがニゴイです。ウェブの釣果情報を見れば70センチのスゴいニゴイを釣ったとの話もあります。日本の淡水魚のなかでも、かなり大きくなる種類なのです。全体は鯉に似ていますが、体は長く灰色~緑褐色をして、顔は口元が前に伸びてヒゲは2本、尾ひれはV字が深いのが特徴です。産卵期には群れで行動する生態が見られます。
ニゴイの別名はこんなに色々
地域によって、さまざまに呼び名が違っているのがニゴイです。例えば東日本では、青森県でミノ、 関東地方ではセータ、長野県ではアラメ。 京都府や滋賀県のあたりではマジカやミゴ、大阪府ではキツネゴイ、奈良県はヒバチゴイなどがあります。昔からニゴイについては、名称を統一しなかったようです。
ニゴイの旬な時期はいつ?
ニゴイは産卵期になると群れて行動している生態が確認できますが、それは春の4月から夏の7月のあたりにかけてです。特に5~6月頃が活発となり、釣りの旬な時期といえます。ニゴイ釣りをするならこのあたりの時期を狙ってみてください。
ニゴイのルアーでの釣り方
ニゴイの大物の釣り方としては、ルアー釣りが最適と言われています。必要な道具、最適な釣り方を見てみましょう。
ルアー釣りで必要な竿と仕掛け
選ぶべき竿の最優先はスピニングロッド、トラウトロッドが最適です。竿の長さは3.5~5メートル程度です。もし自宅にブラックバス用で使用している竿やワームなどの道具があれば、そのままニゴイ釣りにも使えます。渓流竿や振り出し竿なども、ニゴイ釣りに使われている姿が見られます。
ニゴイのルアーならワームが最適
ワームとは小魚やミミズや水生昆虫のような見た目をしたルアーで、ニゴイがまっしぐらに食いつきます。ニゴイにとっては、ワームがよっぽど好きなエサに見えてしまうのでしょう。ルアー釣りではワームが一番手で、ハズレないルアーです。この他、スピナーベイト、ミノーなども、ニゴイが食いつく種類です。
ニゴイのルアー釣りのコツ
数メートル先のニゴイがいるポイントにルアーを投げて着水、リールをゆっくり巻きつつ、ワームを沈める、水平移動、持ち上げる動きを繰り返します。水底で食事する魚なので、ルアーを水底の方で生物的に動かしてもいいです。ヒットしたら一気に巻き上げずに、巻いては泳がせを繰り返して、ニゴイを疲れさせるのが基本の釣り方です。
ニゴイのウキ釣り方法
ワームなどのルアーだけでなく、ニゴイはじっくり確実にウキで釣ることもできます。この場合にも道具だけでなく、釣る場所にもこだわってみましょう。
ウキ釣りで必要な竿と仕掛け
竿はルアー釣りと同様のもので、スピニングロッド、渓流竿などを用意します。リールは小型のものです。仕掛けは道糸1~1.2号、ウキの位置は水底の深さに合わせてセット。重りはガン玉で良く、先端のハリはバス用でokです。仕掛け全て、ブラックバス用を転用できます。
ニゴイが好むエサは何?
ニゴイについては、特に好き嫌いが無いんじゃないかというほど、いろんなエサに食いつてくる生態があります。エサに用いるのは、例えば釣り店の練りエサ、そのへんのミミズなどでも良いし、人間用のカマボコを刻んだもの、冷凍エビなど何でもです。自宅の冷蔵庫からエサを探すこともできますね。
ニゴイのウキ釣りのコツ
産卵期ならニゴイは群れて泳いでいるので、目視で群れの場所が分かるなら、そこにウキをセットするのが好ましくなります。竿を動かしたりリールを巻いて、ルアーのようにしてエサに動きを付けてみてもヒットしやすくなります。
ニゴイ釣りをすべきポイント
ワームの仕掛けを使うのは、湖や川などの淡水ならばどこでも良いわけではありません。ニゴイが好む場所を、目視によって的確に判断するべきです。
澄んだ水の川だとニゴイがよく見える
濁った水の川を釣りポイントに選んでも良いでしょう。しかしそれでは水底の様子を見ることができません。澄んだ水の川であれば、川底の様子が丸見え状態。ニゴイの大群を、目の当たりにできることがあります。水が澄んでいる場所を選んだら、ルアーでもウキで釣りでも、ニゴイがヒットする確率を格段に上昇できます。
急流ではない場所を狙いたい
川のニゴイは急流や激流は避けて、穏やかな流れの場所を好んで生息する特徴を持っています。したがって川ならば、できるだけ水の動きが遅いところを見極めます。利根川や多摩川など大きな川、霞ヶ浦など湖にもいますが、場所によっては用水路などでもニゴイが釣れます。
ニゴイの下ごしらえ方法
ニゴイは鯉と同様、小骨が多くて食べづらいと、昔から苦言を呈されて雑魚と見なされて来たそうです。しかし現代に至っては、美味しくいただくことが可能です。そのためには下ごしらえが重要になります。
ニゴイを三枚におろして皮引き
ウロコをよく削り落とし、頭と内臓を取ったら、中の血合いを切ってよく洗います。ここからは普通に三枚に卸ろします。煮付け意外なら、肋骨、胸びれ、腹ビレなども削ぎ落としましょう。白身で使うなら皮を引きます。引いた皮は焼いても良いので、残しておくこともできます。人によっては内臓も煮付けにして食べる人もいます。
ニゴイの骨切り
ニゴイの身は綺麗に三枚にした状態でも、小骨が多い状態で知られてきました。唐揚げやフライを作るのであれば、切り身に包丁を細かく入れて、骨切りをすることで問題がなくなります。骨切りはあまり力を入れずに、ゆっくりと進めてください。骨が切れるとバリっと音が聞こえます。
ニゴイの美味しい料理①
ニゴイの唐揚げ
一番人気の食べ方で、小骨のリスクが少ないのがニゴイの唐揚げ。この料理はカラっと揚げると、ニゴイの綺麗な白身を、さっくりとした食感でいただけるのでおすすめできます。小さなニゴイはカラッと揚げるならば、小骨も気になりません。
ニゴイの唐揚げのレシピ
三枚に卸して骨切りを十分にしたニゴイの身を用意します。お酒と醤油と生姜などの汁に浸したり、塩コショウを降って下味を付けても良いです。小麦粉か片栗粉を使って、油は中火でカラッと揚げます。食べるときには塩味で美味しいですが、刻み柚子を乗せてみたり、一工夫して美味しさが向上します。
ニゴイの美味しい料理②
ニゴイの塩焼き
塩焼きの食べ方は、ニゴイ本来の味覚が得られるとしてなかなか評判の食べ方です。塩焼きは最も手間をかけない食べ方になり、男のニゴイ料理を目指すときにも考えられます。
ニゴイの塩焼きのレシピ
ニゴイは全体のウロコをよく削り落とし、頭と内臓を取り、腹の中の血合いも切って流水で洗っておきます。小骨が気になりますが、塩焼きは骨切りをせずに焼いてみましょう。次に用意した粗塩を、ニゴイの全体にまぶしていきます。グリルを使って焼くのが最適ですが、バーベキューグリルや火鉢などを使っても良いです。塩焼きは皮と身の味が楽しめます。
ニゴイの美味しい料理③
ニゴイの洗い
ニゴイは鯉の一種ということで、ニゴイを釣り上げた誰もが「ニゴイの洗い(刺身)ニゴイのは行けるの?」と考えてしまいます。実際ニゴイは臭みがなく洗いにしても大丈夫な魚で、郷土料理としても存在しています。ただしニゴイの洗いは素人には難しく、気になることが幾つかあります。これはレシピをよく見て食べ方を実践してみてください。
ニゴイの洗いのレシピ
下ごしらえを済ませたニゴイの切り身は、骨切りをせず、包丁で薄めな厚さにスライスします。小骨があるようなら、その都度ピンセットなどで引き抜きます。この時ニゴイの切り身に、寄生虫が付いていないかもよくチェックするようにします。そしてスライスした切り身は、流水でよく洗うことが大切です。ワサビ醤油で食べると、歯ごたえがあって美味しい身です。
ニゴイの美味しい料理④
ニゴイのフライ
ニゴイ特有の小骨問題がクリアされて、しかも食べごたえ十分を求めているなら、ニゴイのフライは検討すべき食べ方です。骨切り済みの身を使うことにより、小骨の問題はまず解消されます。付け合せとする野菜もばっちり用意したら、健康面に配慮できるた食べ方になります。
ニゴイのフライのレシピ
フライに使うニゴイは、きちんと下ごしらえをしたものを使用します。小さめサイズのニゴイなら、しっぽ付きでも良いです。ニゴイの身は必ず骨切りを行うことが、食べやすくするポイントなので、忘れないでください。切り身は小麦粉、溶き卵、パン粉の順に付けて、油でカラッと揚げたら、付け合せを用意して完成です。
ニゴイの美味しい料理⑤
ニゴイの煮付け
和食メニューが大好きならば、ニゴイも煮付けの食べ方を選んでみてください。ニゴイの煮付けは、カレイなどの他の白身魚の煮付けにも、負けない味わいがあります。また、ニゴイは内臓も食べられるとのことなので、お好みによっては内臓のほうも美味しく煮付けてみてはいかがでしょうか。
ニゴイの煮付けのレシピ
ニゴイは下ごしらえをしますが、この時お好みで内臓も材料にします。頭、ウロコ、内臓、血合いを取れば、皮引きやヒレを落とす必要はありません。味付けは醤油、酒、砂糖、みりん、生姜です。切り身と内臓を鍋でコトコト煮たら、10分程度でも完成します。
ニゴイの美味しい料理⑥
ニゴイのつみれ団子鍋
寒い日には食べたくなるのが鍋ですが、ニゴイはつみれ団子にして鍋にすると美味しくなります。豆腐、ねぎや白菜やしいたけなど、お好みの野菜をみんな用意して、贅沢な鍋にしてしまいましょう。
ニゴイのつみれ団子のレシピ
ニゴイの小骨は一本一本骨抜きをしてもいいですが、時間がかかりすぎます。それよりミキサーを用意し、下ごしらえをして三枚に卸したニゴイの切り身、卵、それに片栗粉を入れて、ガーッと回したら簡単。これでうるさい小骨もあっという間にお陀仏です。
ニゴイのつみれ団子を入れる鍋のレシピ
野菜などの材料を全て準備し、適度な大きさに切っておきます。鍋の中にに水を入れて火をかけ、出汁を取る昆布、それに酒を入れて、にんじん・大根等の硬い野菜から煮はじめます。醤油、みりんなど加えて味を調整。沸騰してきたら、いよいよニゴイのつみれ団子の投入開始です。ねぎや豆腐を最後に投入、アクを取ったら完成です。
今年はニゴイにチャレンジしよう
ニゴイは意外と身近に泳いでいる巨大魚、しかも釣れたらタダで手に入る美味しいお魚です。今までニゴイは意識してなかった人も、今回を機会にニゴイの生態や釣り方や味わいに、興味が湧いてきませんでしたか?ルアーで釣る楽しみのあとは、美味しい料理を作って楽しんでみてください。
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