蓄光塗料とは?夜光塗料との違いはなに?
暗いところで発光する塗料といえば「夜光塗料」という人も多いでしょう。他にも蓄光塗料や蛍光塗料などというものも暗い所で光る塗料として存在します。この3つの塗料の違いはどんなところにあるのでしょうか。
なぜ、同じような光る塗料なのに名前が分けられているのか?今日はそんな蓄光塗料と他の発光塗料との違いと蓄光塗料の使い方、選び方、おすすめの蓄光塗料の種類をご紹介していきます。
蓄光塗料とは
まずは今回のテーマである蓄光塗料から。蓄光塗料とは光を蓄える(たくわえる)と書きます。その名のとおり光を蓄えて発光する塗料ということなのでしょうか?蓄光塗料の発光の仕組みを見ていきましょう。
蓄光塗料発光の仕組み
先ほど少し触れたように蓄光塗料は光を蓄えて発光する塗料のことです。光といっても太陽光に限定したものではなく、電気の光までもエネルギーに変えて塗料の中にその光るエネルギーを貯めています。
つまり、蓄光塗料は繰り返し使える乾電池でライトをつけているようなもの。明るい時に充電して暗くなると光をつけるけど、エネルギーが切れると光らなくなる塗料です。
夜光塗料との違い
蓄光塗料と比較して夜光塗料というものがあります。例えば、時計の文字盤などが夜目を覚ますと発光しているのを見たことがあるでしょう。あれが夜光塗料です。光らせたいものに塗ると暗い場所で発光するならそれは夜光塗料ということになります。
夜光塗料の仕組み
昔の夜光塗料はラジウムなど放射性物質が多く使われていました。ラジウムが使われているなんてちょっと怖いですよね。最近ではそんな危険な夜光塗料は使われていません。
それでも、今でも夜光塗料という名前が使われるのは、ほとんどが蓄光塗料か蛍光塗料のことを差しています。すなわち、今の感覚だと「蓄光塗料は夜光塗料の一種」といいかえることができます。
蓄光塗料と放射能
夜光塗料の仕組みとして、その原料(光る物質)が放射能であるというデメリットがあります。昔は日本でも放射能を使って夜光続ける夜光塗料が使われていましたが、作業する職人さんにガン患者が多発したので使用禁止となりました。
蓄光塗料は大丈夫?
夜光塗料として、発光しつづける塗料が禁止になったのには「放射能物質」という人体に悪い影響のある材料を使っていることでした。蓄光塗料は全く放射能を使っていないので人体に悪い影響がでることはありません。安心して使うことができます。
蛍光塗料の仕組み
夜に光る夜光塗料の中に蛍光塗料も含みます。この蛍光塗料とはどのような塗料のことなのか、蓄光塗料とはどんな違いがあるのか見ていきましょう。
蛍光塗料の仕組み
蛍光塗料は光が当たると強く発色する塗料のことです。蓄光塗料との違いは、蓄光塗料が暗い中で光がない場所でも光るのに比べ、蛍光塗料は光を「反射して」強く発色するもの。光がない所で光ることはありません。
蓄光塗料の仕組み/時間
夜光塗料、蓄光塗料、蛍光塗料の仕組みとその違いはおわかりいただけたでしょう。暗いところで光ってくれると色々なシーンで便利に使えそうですね。でも蓄光塗料で問題になるのはその光っている時間です。時間が短ければ、夜中に目を覚ましたらもう光っていなくて役に立たないなんてことになってしまいます。
蓄光塗料の光る時間
市販されている蓄光塗料の光る時間を調べてみましたが、ほとんどの商品が4時間から8時間程度となっていました。8時間といってもだんだんと明かりも暗くなってくるので8時間たつころにはほとんど役に立たない光になっている可能性もあります。それでも、夜寝て外が明るくなる時間までには、薄っすらでも光っているということになりますね。
蓄光塗料の仕組み/テープとの比較
蓄光塗料は光らせたいものに塗る「塗料」です。蓄光させたいものに使うものとして、テープという選択肢もあります。このテープと塗料はどのように使い分けたらいいのでしょうか?両者を比較してみます。
時間
先ほど蓄光塗料の光る時間を調べたので今度はテープの光る時間を調べてみました。結果、蓄光テープも蓄光塗料もその光る時間にはほとんど差がありません。光る時間では両者どちらを使用しても良いという結果になりました。
値段
蓄光塗料の値段を調べたところ、10gあたり200円~700円程度となっていました。100mlのスプレー式の蓄光塗料で0.2平米の部分に塗装ができます。テープだと幅20mmで長さ5mのものがAmazon調べてで6,000円程度でした。やはりテープの方が便利だけれど少し割り高といえるでしょう。
使える場所
テープでも使える場所の縛りはありませんでした。野外でも使えると書かれているので粘着度はそれほど弱くはないでしょうが、やはり布の壁紙クロスなど凹凸のある素材では粘着力が弱まるでしょう。
そんな場所には蓄光塗料を筆やスプレーで塗るのが良いでしょう。プラスチックや金属などツルツルした面ではテープの方が安定した粘着力を発揮しそうです。
使う場所や範囲に合わせて
蓄光塗料と蓄光テープはどちらが優れているというものではなく、それぞれメリット・デメリットがありました。蓄光で発光させたい物や使う場所、広さなど、自分のニーズに合わせてそれぞれ選んでいくとよいでしょう。
蓄光塗料の使い方
蓄光テープと蓄光塗料、場所によって使い分けたり容量でどちらがお得かで選ぶと良さそうでしたね。では、実際に蓄光塗料が使われている商品はどんなところに使われているのかその使い方をご紹介していきましょう。
おすすめの使い方/照明のスイッチ
夜中に目が覚めてふとトイレにいこうと思ったとき、真っ暗でまず照明を着けたいけれど、スイッチの場所がわからない。ということがあるでしょう。そんなときに照明のスイッチやリモコンに蓄光塗料が塗ってあると光ってその場所を教えてくれます。
おすすめの使い方/怪我防止
たとえ自分の家でも、暗いところを歩くと思わぬ障害物にぶつかって怪我をしたり、階段を踏み外して転落など、怖い事故も考えられます。階段のステップに蓄光塗料を塗っておいたり、ぶつかりやすい壁の角にも塗っておくと怪我防止の使い方ができます。
おすすめの使い方/防災
蓄光塗料の使い方として、最近注目されはじめているのが防災用品に使う使い方です。たとえば、夜中に大きな地震があった。停電していて大切な物の場所がわからない。
そんなときに、まずライト変わりになるスマホに蓄光塗料が塗ってあると明かりを手に入れることができます。その他持ち出したい重要なものにも蓄光塗料を塗ってあると、夜間でもすばやく持ち出すことができるでしょう。
おすすめ蓄光塗料
蓄光塗料には水性のもの油性のもの、最初から塗料に色がついているものから透明タイプで夜になると光に色がつくものまで様々なタイプがあります。ここでは、それぞれのおすすめ蓄光塗料をご紹介していきます。蓄光塗料選びのお役に立てれば幸いです。
水性蓄光塗料/ルミナイト
蓄光・反射 水性インク「ルミナイトRBW」ブルー発光 100g
内容量:100g 性質:水性 使用できるもの:紙/木製品/布など 価格:2,191円 (2018年3月現在)
Tシャツプリントやアートフラワーなど布などにも使える水性の蓄光インクです。色は写真のブルーの他、グリーンもあります。水性なので水で溶いて使えるので使いやすさがおすすめです。水性塗料でも乾いた後は水濡れしても落ちません。お値段面でもコスパも良い商品といえるのではないでしょうか。
油性蓄光塗料/シンロイヒ夜光ペイント
シンロイヒ ルミノカラー夜光ペイント レモン 30g
内容量:30g 性質:油性 使用できる面:プラスチック、金属、布など
油性の蓄光塗料は探してみたのですがあまり数がありませんでした。この蓄光塗料は乾きが早いのが特徴です。光があたっていない時には蛍光カラーに光ります。人体には使うことができないので(油性塗料を体に塗ろうとする人も少ない?)ので注意が必要です。
油性蓄光塗料2/東邦産業 DIA COLOR
東邦産業 DIA COLOR(ダイアカラー)
容量:10ml
蓄光塗料の油性商品に分類されている商品ですが、蓄光塗料というよりも蛍光塗料と捉えた方が良いかもしれません。釣りのルアーなどの着色に便利です。ウレタンのドブ漬けにも対応していますので、ルアーを魚によりアピールするのに使えます。
透明蓄光塗料/エスコ 蓄光スプレー
スプレー式で広い範囲で一気に透明蓄光スプレーを塗布することができる商品です。カラーは薄っすらついていますが、下地の色が出る透明タイプの蓄光塗料となっています。
スプレーの良い点として1回塗り2回塗りと透明塗料を塗り重ねることができるところです。塗り重ねるほど蓄光効果がアップします。透明タイプなので塗り重ねても悪目立ちすることが少ないでしょう。
透明蓄光塗料/アサヒペン 夜光塗料
アサヒペン 夜光塗料 だいだい色 4ml
容量:4ml 使用できる面:木、壁紙、コンクリート、プラスチックなど
こちらも透明蓄光塗料ですが、薄っすらと黄色がつくタイプです。マニキュアタイプでキャップ部分にはけがついているので細かいところに少しだけ蓄光塗料を塗りたいというときに大変便利です。使用例として車のスイッチ類、自転車やバイクのヘルメットなど。こちらも2回塗りすることで発光する明るさがアップします。
蓄光テープ/LTI 蓄光テープ
高輝度蓄光テープ SUPER α−FLASH 丸型 直径:10mm
材質:PETフィルム、蓄光材、ポリエステル樹脂、アクリル系粘着材、PE 容量:丸型シール(15個入り)
おまけとしておすすめの蓄光テープもご紹介しておきます。例えばリモコンに、部屋の照明スイッチに、スマホのケースにペタッと貼るだけで夜間光るようになって便利です。少々割り高ではありますが、少量でよく、手軽に使えるものと考えているならこのようなシールタイプの蓄光テープは便利でしょう。
まとめ
蓄光塗料と夜光塗料などの仕組み、違い、油性・水性のおすすめ蓄光塗料商品などをご紹介してきました。いかがでしたでしょうか。地震など大きな天災に対する防災意識があがっている中、蓄光塗料の存在は防災持ち出しや避難時の安全なルート確保に役立ってくれそうでした。蓄光塗料など夜光塗料を上手に使って、毎日の安心を手に入れましょう!