プラサフとは
プラサフと聞いて「なんだか変わった名前だな」と違和感を感じたことはないでしょうか。それもそのはず、プラサフというのはプライマーとサフェーサーを合わせたプライマーサフェーサーという下地塗料の略称を商品名にしたものです。
名前を聞いただけで、プライマーやサフェーサーの意味がわかる人なら「その両方の良いとこ取りの塗料である」とピンとくるでしょう。ここでは、はじめてその名前を聞いた人でもわかりやすいように、まずは簡単にプライマーやサフェーサーとプラサフの違いからご紹介します。
プラサフとプライマーの違い
プライマーやサフェーサーなどといわれても普段自宅で塗装をしない初心者にはちんぷんかんぷんですね。まずは、プラサフの元となっているプライマーとサフェーサーとプラサフの違いから見ていきましょう。
プライマー
プライマーをエキサイト翻訳にかけて日本語に訳すと「入門書」と出てきます。primary=最初のという英単語からきています。「はじめて○○するためのxx」というような意味をもつ言葉です。 このことから、自動車の塗装で使うプライマーの意味は「塗装の前に塗る塗料」となります。
プライマーはそれだけで塗料と下地部分の接着力を強くするだけでなく他にも色々な使われ方をされます。プライマーに錆止め剤を合わせたものを吹き付けて錆止め効果を高めたり、絶縁や導電性をもたせたり、下地が塗料を吸収しやすい場合はプライマーをあらかじめ塗ることで塗料の吸い込みムラを防ぎキレイに仕上げる働きもあります。
サフェーサー
一方サフェーサーは「Surface」表面という単語にerがついて~するものとした言葉です。自動車塗装では「表面の傷やデコボコを埋めて均等にするもの」という意味を持ちます。
塗装下地としてのサフェーサーの役割は、傷をパテで埋める他「錆止め」や「傷やへこみなど補修部分をわかりやすくする」という意味もあります。 白いと光の反射で影になる傷の部分がわかりにくくなることから、グレーやブラックなどの色がサフェーサーにはつかわれることが多いです。
合わせた機能がある下地塗料
プラサフは上のプライマーとサフェーサーの両方を合わせた塗料です。 事故やこすってできてしまった車の傷・塗装の剥がれをサフェーサーの効果で埋め、プライマーの効果でその上から塗るボディカラーペイント塗料を定着しやすくします。
プラサフにはプライマーにはない傷などの凹みの補修効果があり、サフェーサーにはない塗料を付きやすくしてくれる効果があるというのが大きな違いです。1本で2つの効果がある便利な下地塗料であるということがおわかりいただけたでしょう。
プラサフの効果と弱点
プライマーとサフェーサーの両方の働きがあるプラサフが登場してから、塗装の下処理としてのサフェーサーはほとんど見なくなりました。プラサフが1本でその働きまでやってくれるからです。それでも、万能のように見えるプラサフにも弱点があります。
鉄以外の効果
1本で塗料を塗る前の下準備は完璧のように思われたプラサフの弱点。それは鉄部分の下地処理には強くても鉄意外のウレタンバンパー部分などへの塗装にはプライマーとしての効果があまり発揮できないことでした。 このため、サフェーサーはあまり使われなくなりましたが、プライマーは現在でもしっかり現役下処理塗料として残っているのです。
大きな傷
プラサフはサフェーサーの効果もあるのである程度の小さな傷には穴埋めパテの役割を果たしてくれます。それでもとても深い傷の穴埋めをプラサフでおこなうことはできません。
そんな深い傷のある部分の修復はあらかじめパテなどでその穴を埋めてから大きく盛り上がった部分をいったん研磨して平にならしてからプライマー、プラサフ、もう一度研磨して表面をたいらにする作業をおこないましょう。
プラサフを使うメリット
プラサフは下地に塗料の付きをよくして、ある程度の傷を埋めてくれるものだというのはわかりました。でも塗料を直接下地に塗ったってよいのではないか?と考える人もいるでしょう。
直接塗料を下地に使わずにプラサフを最初に使うことでどのようなメリットがあるのでしょうか。実際にプラサフを使った人の口コミから、プラサフを使ってよかった点を見ていきましょう。
塗装色の均一
下地をしっかりプラサフで塗ることで、あとから塗る塗料の色の均一化や発色も良くしてくれる効果があります。同じ塗料を使っていても仕上がりがイマイチだという人は、下地にプラサフを試してみてはいかがでしようか。
使った方が断然キレイに仕上がります。発色もプラサフの明るさで安定した色になっている気がします。オススメです。
作業効率アップ
プラサフは塗装の仕上がりの美しさだけでなく、作業のスムーズさにも役立ってくれるでしょう。下地によっては塗料を吸い込んでムラが出来てしまう場合もあります。最初にプラサフを塗ることで下地の塗料の吸い込みを防いで作業時間の短縮につながります。
カラーペイント前の下塗りに数回吹き付け後、カラーペイントをしたが、滑らかに作業が出来た。
コスパ
ワイパーはゴムのブレードが痛むこともあり交換してしまう人も多いですが、ワイパーの鉄の部分が錆びただけならわざわざ全て買い換えるよりもブラサフを使って補修したほうが安上がりです。
今回、ワイパーの補修に使用。とても綺麗に仕上がり、満足です。
プロ並みの美しさ
やはりプラサフを使う一番のメリットは仕上がりの美しさが一番大きいでしょう。自分で修理したとは思えないような美しい仕上がりは多くの人が満足しています。
素人施工でも、プロ施工並に仕上がります。
プラサフの使い方
プラサフとプライマー、サフェーサーの違いがおわかりいただけたところで、実際にプラサフの使い方を見ていきましょう。 プラサフの使い方は簡単です。しかしキレイに元の塗装部分から目立ってしまうことなく仕上げるのにもちょっとしたコツが必要です。そのコツをポイントとしてご紹介しますのでぜひ参考にしてください。
塗装の前に
プラサフをスプレーするまえに、もう一度チェックして欲しいことがあります。
「塗装部分の研磨はできていますか」 「塗料を付けたくない他の部分のマスキングは完璧でしょうか」 「シリコンリムーバーでの脱脂は済んでいますか?」 忘れてしまうとキレイに仕上げるのに無駄な作業をすることになってしまいます。プラサフを吹き付ける前にもう一度確認しましょう。
プラサフに向いている天気
プラサフに限らずに、塗装をする日は風の強い日は避けましょう。風で吹き付ける塗料が飛び散り周りを汚してしまいます。このほか、真夏の炎天下でのプラサフの使用や雨の日や夜間の作業もおすすめできません。 プラサフを使うのなら温暖で静かな季節の晴れ~曇りの日中にしましょう。
使い方①下準備
塗装をする面の素材が鉄以外の場合は、プラサフを塗る前にプライマーを吹き付けておきます。塗料の密着度が格段にあがります。具体的にはバンパーやスポイラーなどのパーツです。
使い方②重ね塗り
プラサフはプライマーの役目とサフェーサーの役目の2役をします。その塗り方は、まずは下地の鉄板が完全に見えなくなるまでプラサフを吹き付けます。このとき、一度でやってしまおうとせずに3~5回の重ね塗りをしていきます。 この重ね塗りもすぐに行うのではなく15分程度時間をあけて乾燥を確認しながら行うとキレイに仕上がります。
使い方③研磨
プラサフを塗っただけでは元の塗装面とのデコボコが目立ってその上に塗料を塗ってもキレイには仕上がりません。プラサフで下地の上にボディーカラーの塗料を塗りやすい状態にしたら研磨でプラサフ作業を仕上げます。
耐水サンドペーパー
プラサフを塗った後の研磨は耐水のサンドペーパーでおこないます。#1000の細かい目のサンドペーパーを使います。最初はサンドペーパーに水をつけながらプラサフ塗装をした面全体を研磨していきます。
プラサフが塗られていない部分との差がなくなり、全体がつるつるなるまで繰り返し研磨していきます。最後は水をつけない#1000のサンドペーパーでプラサフを塗った部分とその周りの部分も軽く研磨して仕上げていきます。
まとめ
プラサフとは?という基本的な疑問からプライマーなどとの違い、使い方を駆け足でみてきましたがいかがでしたでしょうか。
自分で塗装をする人の必需品ともいえるプラサフは、一本持っていると色々な塗装の場面で使える心強いアイテムであることがわかりました。 傷の補修や塗装色を替えて気分転換したいときなどプラサフを使ってみてはいかがでしょうか。