耐熱塗料とは?その成分構成や特性から解説する正しい塗り方をご紹介!

耐熱塗料とは?その成分構成や特性から解説する正しい塗り方をご紹介!

普段の生活の中ではあまり気が付かない「耐熱塗料」。実は皆さんの身近にたくさん使用されていて、熱から素材を守っています。気軽に塗ってしまおう!と思っているアナタに基本と注意点をお伝えし、耐熱塗料の正しい塗り方についてご紹介いたします。

記事の目次

  1. 1.耐熱塗料とは?
  2. 2.耐熱塗料のキホン
  3. 3.耐熱塗料の構成
  4. 4.耐熱塗料と一般塗料の違い
  5. 5.耐熱塗料の塗り方
  6. 6.耐熱塗料の焼付方法
  7. 7.焼付を行う際に絶対にやってはいけないこと
  8. 8.素地に応じた下地処理
  9. 9.素地調整の種類(物理的手法)
  10. 10.化学薬品による表面処理
  11. 11.下地処理の重要性
  12. 12.耐熱塗料オススメ
  13. 13.耐熱塗料の正しい塗り方~まとめ~

耐熱塗料とは?

まずは耐熱塗装を理解しましょう

耐熱塗装とは、その名の通り「熱に強い」塗装を行うことです。ですが、耐熱塗装にはさまざまな「塗装方法」や「塗料」が存在します。例えば、↑の写真のようなアウトドア用品や、ストーブ、煙突、バイクのマフラーなど多岐にわたります。

普通の塗料じゃダメなの?

そんな感覚をお持ちのアナタ!危険です! 熱源の近くを塗装すると、もちろん熱が塗装に伝わりますが、通常の塗料で塗装していた場合.....

こんなことに!

火事になる可能性も?

通常の塗料の耐熱温度は約100度。 さらに、経年劣化などしている場合100度以下で発火してしまう可能性があります。逆に、「木材」などの方が熱に強く、発火するまでの時間はかかり、 塗料発火→木材発火 という順番になります。気を付ければいけないのは、「火」を扱う場所の近くの塗装には気を付けなければならないということ。もしくは、現状が既に危険な場合もあるということを意識してください。

耐熱塗料のキホン

塗料の種類

アクリル系樹脂・ウレタン系樹脂・シリコン系樹脂・フッ素系樹脂 の4つに大きく分類され、価格も耐久性・耐熱性に応じ上昇していきます。フライパンなどに採用されているのは「フッ素樹脂系」の塗料を使用しているので熱に強いのです。 アクリル樹脂系塗料は外壁塗装などの大きい面積、安価の予算の塗装時。ウレタン樹脂系塗料は自動車などの硬度の必要な塗膜を必要とするものへ。シリコーン樹脂系塗料は熱源の近くの耐熱性を求められるものへ。フッ素樹脂系塗料はフライパンなどの直火での高温に繰り返しさらされる環境のものへ。 一般的に、「耐熱塗料」と称されるのは、「シリコーン樹脂系塗料」を指します。耐熱塗料には「顔料」の成分によって、耐熱温度が変わってくるので、「ブラック」「シルバー」などが一般的です。ブラック・シルバー以外の特殊な色を塗装したい場合は、塗料メーカーや塗料卸売店へ相談が必要になります。

耐熱塗料の構成

【樹脂】

構成材料の基本はアクリル樹脂、シリコーン樹脂、などで塗料の主成分となります。アクリル樹脂、シリコーン樹脂以外にも無機性バインダーと呼ばれる、すごく熱に強いものも使用されます。

【体質顔料】

一般的に体質顔料は、増量材として、着色顔料に比べ安価なため利用されることも多いです。ですが、耐熱塗料では塗膜の硬度、密着度を大幅に向上させる効果があるため単なる増量材ではなく重要な構成物質となります。

【着色顔料】

有機顔料・無機質顔料の2種類があり、耐熱塗料で使用さているのは無機質顔料がほとんどです。熱に弱い有機顔料ではすぐにはがれたり、発火のおそれもあります。「金属酸化物」は「樹脂素材」と同様に耐熱塗料の重要な構成要素となります。

【防錆顔料】

錆は鉄などの天敵です。人に例えるなら「ウイルス」とでも言い換えられるほど、切っても切れない関係です。耐熱塗装を行う素地の多くは、鉄やステンレス、アルミなど、錆が付きまとう素材のため、耐熱塗料のほぼすべてに構成されます。主成分は亜鉛、カルシウム塩が使用されます。またアルミなどを構成することにより水分から守る効果も期待できます。

【添加剤】

塗料としての使い勝手を向上させる構成物です。顔料の分散、色の割れを防ぐ、沈殿しにくくする、などの効果のため構成されます。耐熱塗料は一般塗料と成分構成が異なり、使用環境も選ぶため、添加剤は必須といえるでしょう。また、塗膜を安定させるための触媒などもあります。

【溶剤】

粘度調整を行い、作業効率を向上させます。エステル、ケトン、アルコール、キシレンなどが構成されています。ほかにも環境へ配慮された無機質バインダー、水性シリコーンなどは、溶剤に水を指定します。

耐熱塗料と一般塗料の違い

耐熱塗料の構成成分

シリコーン樹脂を主成分とし、ほかに金属酸化物や補強材料によって熱に強い塗料を作り上げる。

膜厚と初期の加熱について

熱に強く、耐久性に優れる耐熱塗装に「膜厚」は重要である。各塗料に設定されている規定の膜厚を守り塗装することが望ましい。また、徐々に加熱を行わず、さらに過剰な膜厚だった場合、塗膜に含まれる成分からガスなどが生じて膨れ上がり、性能低下の原因となります。

一般の塗料では、何度も塗り重ねて塗装に強度を出していきますが、耐熱塗料は膜厚が過剰だった場合、塗膜中にガスなどが発生し、はがれなどの原因となります。各種耐熱塗料に記載されている塗り方を従ってください。

耐熱塗料の塗り方

耐熱スプレー(缶スプレー)→簡易焼付

缶スプレーなどで簡易的に塗装。 その後、180℃~200℃で20分~30分の焼付をすることで、200℃~600℃の耐熱効果が得られます。

刷毛・ローラーなど+簡易焼付

様々な環境、素地へ使用できる万能なタイプ。アルミやステンレスへも可。 乾燥→約5時間、塗装間隔→約1時間、刷毛塗り→1回あたり40g(m2)、2回

スプレーで薄く重ね塗りすることが一番キレイな仕上がとなりますが、スプレーが使えない物などでは、刷毛塗りが一番ベターな塗り方。 この手の耐熱塗料も基本は焼付必須。180℃~200℃で20分~30分など、塗料の指示する焼付を行って下さい。

耐熱塗料の焼付方法

簡易焼付

簡易焼付では、「ガスバーナー」や「オーブン」がカンタン。ガスバーナーだと温度管理になかなか根気が必要なので、「オーブン」がおすすめですね。この時点でお気づきになるとは思いますが、個人でのDIYのレベルだと、せいぜいここまで。 「オーブンで焼付できる」がポイントです。

自発熱焼付

自発熱焼付は文字通り、塗装したものが自ら熱を発する場合の焼付。塗装後は、そのまま利用するだけなのですごく簡単なのです。 ですが.....!! ここにも落とし穴があります。

焼付を行う際に絶対にやってはいけないこと

表面が乾いているからといって安易に触ってしまうこと

例えば、シルバー耐熱塗装がキレイに塗れた!!と思って軽く触って大丈夫だったから、すぐに焼付してしまおう! なんて思わないでください。なぜなら、塗膜の中には水分や溶剤がまだ残っており、強めに触っただけでシルバーがはがれてしまったり、変形してしまいます。

いきなり高温で熱してしまうこと

特にバイクのマフラーなどでありがちですが、いきなりエンジンを高回転させて温度を高くさせたりすると、 塗膜の中の水分や、溶剤が一気に蒸発し、気泡が発生します。そうすると、せっかくキレイに塗った塗膜がボコボコになってしまいます。 他、自発熱焼付の耐熱塗装を行う場合は、いきなり高温度で熱しすぎないよう注意してください。熱に強いですが基本は耐熱塗料メーカーの指定する方法、乾燥後、焼付を手順通り行えば問題ありません。

素地に応じた下地処理

素材を理解しよう!

耐熱塗装を行う際に事前に確認しておきたい素材の耐熱温度。 普通鋼板→600℃ まで 溶融亜鉛メッキ鋼板→400℃ まで 電気亜鉛メッキ鋼板→200℃ まで アルミメッキ鋼板→400~500℃まで アルミ→500℃ まで ステンレス→800℃ まで 素材によって耐熱温度は変わります。加えて「どんな熱源なのか?」を前提にしておけばおのずと耐熱塗料の選び方もカンタンですね!熱に強い塗料ですので、素材にも気を使いましょう!

素地調整の種類(物理的手法)

ブラスト法

サンドブラストなどとも呼ばれる。川砂、硅砂などを高圧で吹き付け、衝撃により錆をおとし、素地にキズをつけて塗料の密着度を上げるための方法。エアコンプレッサーなど必要なもののハードルが高いので業者へ依頼する方法が一般的。ムラなく均一に処理はできますが、コストがかかってしまうが難点です。

電動工具による方法

サンダーや、グラインダーなどを使用し、錆部分や素地を整える方法。100V電源で使えるものもあるので、時間短縮するならコレです。

手工具による方法

一番リーズナブル。 ワイヤーブラシや、サンドペーパー(紙ヤスリ)などで錆を落とし素地を調整する方法。大きなものなどを処理する場合は根気が必要です。他、手工具では繊細な素地調整ができるため、キレイな仕上がりを求める場合は低い番手のペーパーから始め、徐々に番手を上げていくことをお勧めします。

化学薬品による表面処理

脱脂

ラッカーシンナーなどでの溶剤洗浄、脱脂材による油汚れ落とし。 塗装経験のある人には定番中の定番。シリコンオフなどのスプレータイプがお手軽です。スプレーして拭きあげるだけです。

脱錆処理

ストーブやバイクのマフラーの天敵、それは「錆」。 錆の処理をしないまま耐熱塗装をしても、時間とともに錆は進行してしまします。錆転換剤などで赤錆→黒錆に変質させてから耐熱塗装を行えば、耐久性もおのずと向上します。

下地処理の重要性

プロと素人の違いは「下地処理」が違う

塗装に携わったことのある方であれば、皆さん口をそろえて言うのが、「下地処理」です。どんなに高価な塗料を使おうが、「下地処理」がしっかりできていなければ塗装してもすぐはがれてしまったり、耐熱塗装の意味がなくなってしまいます。プロたちは塗装する時間の倍以上を下地処理に時間をかけます。下地処理をしっかりしておけば塗装のミスも少なくなりますし、納得いく仕上がりになりますよね。

プロは「耐熱プライマー」を使う

耐熱プライマーとは、より耐熱塗料を素地と密着させるための「つなぎ役」的な存在。この手順を踏むかどうかで耐久年数が圧倒的に変わります。時間と予算が許すのであれば是非行ってください。熱に強いとはいえ、塗料によって耐熱温度、注意点は変わります。これも事前に確認しておきましょう。

下地処理をするための準備をしっかりしましょう

下地処理の重要性はここまで理解していただけていると思います。なので、しっかりとした準備をしましょう。 素地を理解しどんな下地処理をするのか。そのためにどんな工具や薬剤が必要になるかを調べ、リスト化しましょう。 例) ストーブ耐熱塗装 素材:スチール 現在の状況:錆が激しく、塗装もかなり剥げている。 下地処理方法:ワイヤーブラシ+サンドペーパー+シリコンオフ 塗り方:耐熱プライマー+耐熱塗料スプレー(シルバー) 焼付方法:塗料指定温度(200℃)で約1時間、ストーブを稼働させる すごく簡易的に記載してみましたが、塗り方によって必要な材料などは変わってきますのでご注意ください。

耐熱塗料オススメ

オキツモ ワンタッチスプレー

耐熱塗料でオススメなのは、信頼の高い「オキツモ」のワンタッチスプレー。 ツヤあり~ツヤ消し 最大8色の中から選べメタリックシルバーなどもラインナップ。耐熱温度も200℃~650℃と用途に合わせた選択ができます。 ~用途~ ストーブ補修 自動車関係補修 バイク補修 煙突補修 焼却炉補修 加熱機器や設備外面補修 マフラー用などもラインナップされていますので、シルバー製品をお持ちの方にもおすすめです。

耐熱塗料の正しい塗り方~まとめ~

「焼付」ができるかできないか、どうやって「焼付」するかが肝心。

いかがでしたでしょうか? 耐熱塗料にはアクリル樹脂、シリコーン樹脂などの熱に強い成分を含んだ便利な塗料です。上手に使いこなすことができればいいですよね。 ただ、せっかく下地処理~塗装をしても、耐熱塗装の最終処理の焼付ができなければ耐熱塗装の意味はありません。そこをしっかり理解しておけば、あとは時間と場所さえあれば一般塗装とそんなに変わりませんね!考えていたけどやった事がないから.....と遠慮していた方でもポイントさえしっかり押さえれば大丈夫です。それでも心配な方は塗料メーカーさんなどに問い合わせてみましょう。

アキ
ライター

アキ

ライター初心者ではありますが、幅広い趣味と経験を生かせればを思います。 近頃はIT関連に興味を持ち、勉強しております。 宜しくお願い致します。


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