カンパチとブリの違いとは
釣り人には「青もの」と呼ばれ、代表的で憧れの的でもあるカンパチとブリ。カンパチとブリは、スズキ目アジ科ブリ属に分類さている魚で、見た目ではわかりづらい魚の種類でもあります。
日本人には昔から高級魚とされ祝い事や行事などにも広く使用されてきた「青もの」の魚たち。釣って良し、食して良しの魅力的なカンパチとブリの違いをいろいろな側面からご紹介いたします。
カンパチの特徴と見分け方
カンパチは丸顔で頭の部分を上から見ると、眉間にあたる部分に漢字の「八」のような模様が黒く描かれているのが特徴と言えます。体の厚みもブリと比べると平たいイメージです。
代表的な見分け方としては、全体的に黄色がかっていて口の端部分は顔と同様丸みを帯びた形となっているのが特徴です。
ブリの特徴と見分け方
ブリは体がラグビーボールのような形をしており、口に向かってシャープな体のラインがみられます。体の厚みがあることも目に止まることの一つです。代表的な見分け方としては、口の端部分が角ばっているのが特徴です。
それに合わせて、ブリの体にある黄色いラインに腹びれが重ならないことが簡単に見分けられる特徴と言えます。

体つきはまるでラグビーボールのような形をしています。 肉付きもよく、目から尾びれにかけて黄色いラインが特徴的です。
カンパチとブリは出世魚?!
カンパチとブリはどちらも大きさで呼び名が変わる出世魚です。まずはカンパチです。ショッコ(35センチまで) → シオゴ(60センチまで)→ アカハナ(80センチまで) → カンパチ(80センチ以上) そしてブリです。ワカシ(20センチまで) → イナダ(60センチまで)→ ワラサ(80センチまで) → ブリ(80センチ以上) ※ブリは養殖ものであれば”ハマチ”と称されるようで、40センチから80センチまでの中型が市場に出回ることが多くみられます。
カンパチとブリの大きさと色とは
カンパチは最大記録80㎏とかなりの大型になる魚です。カンパチの体は全体に黄色っぽい色がかかっていて、頭頂部分に漢字の八の黒い模様が入っています。ブリは最大記録40㎏。ブリの体には背中部分の青みがかった黒色と尻尾に向かって伸びる黄色いラインが目をみはります。
カンパチ世界記録の認定
カンパチとブリを大きさ的に比較するとカンパチが優勢で、中肉中背男性の大きさと変わらないくらいの成長を見せます。カンパチの世界記録は日本に認定が下りています。71.15キロ、体長190センチ、胴回り110センチ大変多きく素晴らしいです。

カンパチとブリの旬な時期
ブリは寒ブリが有名です。寒ブリとは産卵期前の冬の時期にとれるものを言います。脂が一番のっていると言われるのはこの寒ブリのことです。冬から春にかけての時期のブリは脂がのって甘みも増してきます。

寒ブリは脂ののりがよく、身も甘みが増しています。 口の中でとろける感覚、大トロの弾力ある歯ごたえもこの時期ならでは。 各部位を楽しめ、高級感あふれる食材です。
カンパチの旬な時期
カンパチは夏から秋にかけてが旬な時期ですが、冬の時期も脂ののりがよく体も大きめだと言われて、通年採れる魚でもあり高級魚でありながら口にすることも多い魚と言えます。

カンパチは脂身に癖がなく、食べやすさでも高評価です。 天然のカンパチは身の締まり具合と脂のまわり具合が違うとされています。
カンパチとブリの鮮度と熟成
カンパチやブリなどの青ものは特に重要視される「鮮度」現在では本来の魚の味を楽しむために活け締めされたのち、最短で丸1日から2日の熟成の時間をかけると最良であるとされています。
しかし、養殖の場合はこの最適な熟成の状態に当てはめると魚の臭みが強くなったり、過剰な脂のしつこさと身の緩みが出てしまったりと養殖魚特有の欠点がありました。カンパチは過剰な脂のしつこさ、ブリは特に臭みも強く残り養殖界においては改善を重ねたと言われています。
現在では活け造り、神経締めを含む活け締めなどのテクニックを応用しより天然に近い味を出すことが可能となって市場に出回ることが多くなりました。
カンパチとブリの値段は?
魚の値段は旬に比例しますが、カンパチにおいては冬以外ブリよりも優勢とされています。ほぼ一年を通し脂がのり、身の締まりもよく身持ちのよい高級魚として食されます。
ブリにおいては同じ大きさであっても、”ブリは寒ブリ”と呼ばれるように冬のほうが高値で取引されています。
カンパチとブリによく似ているヒラマサ
カンパチとブリのことをお話してまいりましたが、この魚たち以外にも姿形などよく似ている魚がいます。それがヒラマサという魚です。希少価値が高くあまり目にすることがない、ブリと似ていると言われるヒラマサについてもご紹介いたします。
ヒラマサの特徴とは
ヒラマサは同属のカンパチやブリに外見のよく似ている魚です。黄色のラインが鮮やかで、胸びれが腹びれよりも小さいことと、黄色のラインに胸びれが重なることが特徴です。
ブリに比べると体が若干平たい感じと、顔つきがカンパチのように丸みがあります。背の深い青色や目を引くラインがブリに似ています。カンパチの顔とブリの体を持ち合わせたような魚それがヒラマサです。
ヒラマサはアジ科で最大
ヒラマサはアジ科の中で実は最も大きくなる種で、2メートル以上100キロ近くにまで成長します。大きさで言えばロウニンアジ(ジャイアンントトレヴァリー=GT)も有名ですが、最大種はヒラマサです。
カンパチやブリに外見は類似していますが、単体もしくは小さな群れで回遊していることもあり水揚げ量は多くありません。
ヒラマサの生態
産卵期は夏から秋にかけてと言われており、旬は産卵期前の春から夏にかけてで体の厚みも増します。泳ぐ時速は50キロ以上、ヒラマサは下にブリは横に走ると言われ釣り人には引きの強い魚としての認識が強いようです。
単体であったり小さな群れでの回遊のため、希少価値が高く高級食材で天然を手にするのは釣りの醍醐味と言えます。
ヒラマサの上品な味とは
もともと、カンパチやブリよりも脂が少ない魚のため、食用としては1メートル弱までの4キロ程度のものが主流です。味はカンパチやブリに比べると脂が少なくあっさりとした味わいで上品ですが、歯ごたえがあり甘みもあります。
刺身にひくと白く透き通り、時間がたっても随分身持ちする魚でもあります。個人差はありますが、魚特有の臭みもあまり感じることもないために刺身が苦手な人にもおすすめできる食材です。

白く透き通り赤身とのコントラストがとてもよく、味は上品であっさりとしています。歯ごたえがあるので、しゃぶしゃぶでも美味しくいただけます。
あとがき
今回はカンパチとブリそして類似のヒラマサまでご紹介させていただきました。素敵な「青もの」釣ってよし、食してよしを是非体感してみてください。
カンパチやブリがさらに気になる方はこちらもチェック!
当サイト「暮らし~の」の中には他にも詳しい生態の説明や、釣り方や仕掛けの解説もあります。カンパチやブリがさらに気になるそんな方は是非下記リンクもチェックしてみてください。

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