人々を魅了する高知県の中津渓谷とは
高知市街地からおよそ50キロ西へ向かった四国山地の山林の中に、観光で一番手に目指したい仁淀ブルーの中津渓谷があります。中津渓谷のことは、これまでにどこかで見聞きしたことがありましたか?県立自然公園に指定されている奥深い大自然の中、中津渓谷の水は何故青くて、どうやって出来たのか気になります。
なぜ青い?透明度と青さを誇る高知県仁淀川の水質
中津渓谷の仁淀ブルーを目にした人なら、誰もが思い浮かべる疑問。それはなんで水が青いの?という単純な発想です。中津渓谷の水質はたいへん澄んでいますが、目に見えない微粒子を含んでいます。それが波長が短い青い光を反射させ、逆に波長の長めな赤い光は押さえ込む効果(チンダル現象)を起こし、全体の水が青く見えるというわけです。
高知県に中津渓谷ができた経緯とは
中津渓谷は高知県の四国山地にそびえる標高1540メートルの中津明神山から流れ下る、仁淀川の上流部に位置しています。渓谷はV字型に削れたり滝が見られる地形です。これは中津明神山に降った雨水が堅い岩石を削り続けたことによって作られてきました。散策するのに申し分ない自然の造形美なのです。
高知の中津渓谷までのアクセスと駐車場
四国の中津渓谷の見たこともない透明な水質、不思議な青さをたたえる渓谷には、電車とバスを乗り継いで行く方法、それに自家用車などで行く方法が一般的です。高知県の山中なので、中津渓谷までのアクセスを把握して、間違ったルートを通らないように行き方を予習しておいてください。
高知の黒岩観光バスによる現地までの行き方
高知県内に入ったら、ひとまずは中津渓谷の最寄り駅である、JR土讃線の佐川駅まで向かいます。この駅は、高知市の西側に位置する町佐川町の駅です。駅前からは黒岩観光バスが出ていますので、川渡・狩山口行きのバスに乗ってアクセスします。9番目の名野川バス停を降りて、徒歩10分で到着します。
自家用車で中津渓谷にアクセスする方法
車で高知県の中津渓谷に向かうアクセスのルートは2つあります。1つは高知県の高知自動車道、いのICから国道33号線を走って現地に入る行き方。いのICからの所要時間は1時間10分程度です。もう一つのアクセスは、愛媛県の松山自動車道の松山ICから国道33号線を通る行き方。こちらは松山ICから1時間40分程度です。
駐車場は「中津渓谷駐車場」
国道33号より中津渓谷へ向かう上り坂を450mほど(約1分)上がった場所、道路左側に「中津渓谷駐車場」があります。普通車は約40台駐車可能です。
※中津渓谷ゆの森へお立ち寄りのご予定の無い場合は「中津渓谷駐車場」に停めることができます。
高知の中津渓谷の魅力に地図で迫る
高知の中津渓谷に到着すると、渓谷の地形に沿って散策できる遊歩道が、水域に沿って整備されています。ここでは水の流れる様子を見て、水の音を耳にして、中津渓谷の全てを五感で感じ取ることができます。現地の地図を理解して、中津渓谷の遊歩道の位置や見どころをチェックです。
中津渓谷は仁淀川の上流部に存在している
仁淀川町の中津渓谷の周辺地図を見ると、渓谷は県道33号線のそばに位置すると分かります。このあたりは高知市の平野部からかなり山道を超えてきたあたりです。中津渓谷の目の前には、温泉や和食処など、観光の時には必ず立ち寄りたくなる施設があります。遊歩道の入り口は、温泉や和食処のすぐ近くです。
遊歩道の全体像を地図で確認してみる
中津渓谷の遊歩道は階段のアップダウンがありつつ、往復しても3キロ程度の距離なので、散策には丁度よい距離だと感じられます。仁淀ブルーの魅力に惹かれて奥まで歩いてみたら、素晴らしい景観と面白い発見が色々とあるはずです。これからたっぷりと、この場でご紹介します。
高知の中津渓谷は七福神が遊歩道でお出迎え
中津渓谷の遊歩道を中津橋から歩き出せば、散策中には何体もの石像がお出迎えしてくれることに気づきます。福をもたらすという七福神が、遊歩道沿いに7体並んでいるのです。彼らは真冬の寒さは感じないので、満面の笑みを浮かべていたりします。中津渓谷の自然の景観の中で見られる七福神の表情を見ていけば、散策の楽しさが増してきます。
なぜ中津渓谷に七福神がいる?
日本全国に七福神の信仰がありますが、四国の高知県の中津渓谷のあたりも、七福神の信仰があったのでしょうか。現地に行ってみれば竜神七福神本陣という祠があり、岩と一体化した大黒天、苔むした姿の恵比寿、険しい場所に立ちはだかる毘沙門天など、多様な姿の七福神を見ることが出来ます。
渓谷の素晴らしさで感動しつつ七福神のご利益
中津渓谷の七福神は渓谷の素晴らしい景観と一体化しているので、造形美を拝見する時には、時々七福神が目に入ります。財宝をもたらす弁財天や布袋、長寿をもたらす福禄寿、五穀豊穣の恵比寿などの姿を拝んで、ご利益が全部得られそう、そんな気持ちも湧き上がります。見つかりにくい七福神もいて、全てを目にできない人もいますが、目を凝らして探してみてください。
高知の中津渓谷の春夏秋冬で表情を変える遊歩道
中津渓谷の遊歩道の景色は、春夏秋冬の季節ごとに、違った表情を見せてくれます。木々が芽吹いた春、深緑の夏、紅葉が綺麗な秋、雪と氷に覆われる冬。さらに夜間は青くライトアップされて、日中との違いが明確です。1回訪れただけでは、中津渓谷の全てを見ることができません。遊歩道からどんな景色が見えるか、ここで確認してみてください。
感動の仁淀ブルーを眺める遊歩道は空中回廊
遊歩道を歩いていれば、どこまでも続いている険しい岩の壁に囲まれている仁淀ブルーから、目が離せなくなります。透き通った水質と青い色の水は、過ごしやすくて住み慣れた普段の街なみでは、絶対にお目にかかれません。足元の遊歩道は空中回廊になっていて、渡っている時のスリルも味わえます。
紅葉の中津渓谷は青と暖色の共演
秋の季節になれば、中津渓谷は人出が多い時期になります。渓谷の岩場で見られる紅葉と、仁淀ブルーの両方を見ることができるためです。青い水面に黄色や赤のモミジの葉が浮かんでいたりして、幻想的な景色は一層引き立てられているようです。
渓谷に架けられたアーチ橋
ここは中津渓谷の奥に進んだ場所に架かっている、赤レンガのアーチ橋です。遊歩道はこんなスリル満点に感じてしまう場所が、いくつも存在しているのです。この橋を渡って行けば、いよいよ中津渓谷の見せ場の主役である、雨竜の滝が待ち構えています。
石柱と呼ばれる高さ7メートルの奇岩
ひと昔前までは観光客にはまったく知られていなかった奇岩の名所が、遊歩道の先の昇雲橋を渡った先の石柱です。高さ7メートルの石柱は倒れそうで倒れない、バランスを保っています。何万年もの長い年月をかけて、中津渓谷の水流が岩を削った結果、こんな姿が出来上がりました。
神秘の光景!雨竜の滝の仁淀ブルー
中津渓谷の遊歩道を奥まできたら、いよいよラスボス的な竜の姿を思い描いてしまう、雨竜の滝の登場です。雨竜の滝は、仁淀川の上流部だけでなくて高知県を代表するほどの滝。だから中津渓谷を訪れた時には確実に訪れたい場所の筆頭格です。
変化に富んだ形状の仁淀ブルーが流れ落ちる滝
雨竜の滝は、水量の少ない時期は幾筋かの流れに分かれていますが、水量がある日は大迫力の滝の流れとなって、訪れる人に感動と水しぶきを与えてくれます。真夏は涼やかな場所で、夏の酷暑とは無縁な世界です。水質は渓谷の水と同様に大変綺麗で、瀑布に溜まった水もまた、仁淀ブルーの色合いをしています。
雨竜の滝の前でマイナスイオンをプレゼント
滝のすぐ近くまで、遊歩道が造られているので、限界まで近づいてみてください。水量が多い日には水しぶきの量が多くなり、全身の衣服が濡れてしまうほどです。雨竜の滝の流れ滝一度滝壺で溜まり、さらにもう一段下に低い滝が見られるなど変化に飛んでいます。
竜宮淵は雨竜の滝の上にある仁淀ブルーの聖域
雨竜の滝よりもさらに上に向かって遊歩道を散策してみれば、しばらく歩くと竜宮淵と呼ばれる、もう一段の滝にたどり着きます。滝の様子は雨竜の滝より小型ですが、木の葉の後ろの岩石の上から流れ落ちる光景は、中津渓谷の見どころに数えられます。
青き水たまりを見れば竜が住んでいそうな気配
この場所は中津渓谷で観光客が訪れる場所の最深部にあたります。到着してみれば、青く透明な水質を誇る池が、人を快く迎えてくれます。この青い池の竜宮淵とは、竜の宮殿の意味なのでしょうか。もしかして伝説の竜が住んでいて、ひょっこり顔を出すかもしれません。
高知の中津渓谷の湯の森でゆったりしたい
はるばる遠くから中津渓谷へ観光に来たら、渓谷のお風呂でゆったりした過ごし方もできます。「湯の森」は中津橋のすぐ横に建っている温泉宿だからアクセス容易で、温泉だけでなく予約を入れれば宿泊をすることもできます。そして四国の高知ならではのお料理も味わえるということだから、中津渓谷での観光が何倍も充実します。
湯の森は周辺の山林の景色が見られる露天風呂が中心
湯の森の温泉は樹木感がいっぱいな純和風の内湯と、渓谷の近くの自然が目に入る露天風呂が自慢です。お湯はアルカリ性単純硫黄冷鉱泉で、効能は神経、筋肉の不具合や、生活習慣病にも威力を見せます。遠路春爆中津渓谷まで来た疲れや、日常のもやもやした気分もここで改善されそうです。
高知県仁淀川町の自慢のお食事ができる
居酒屋のように多彩なおつまみなど、高知県産の食材を使用した和食と洋食を幅広く提供しているのは、湯の森内のレストランポンテ。お昼ならパスタ、オムライス、シェフと3種のランチメニューがあります。シェフのおすすめとされているのが、湯の森弁当、田舎定食などの定食メニューです。
宿泊すれば中津渓谷の青いライトアップも見れる
湯の森の和風なお部屋の窓からは、屋外の山林や中津渓谷の景色が常に広がっています。宿泊客ならば、ブルーフェスタの期間中、夜間の中津渓谷のライトアップの様子も見やすくなります。仁淀ブルーと同じく青い照明に照らされた渓谷の岩場は、険しい印象から幻想的なイメージへと切り替わって心奪われます。ブルーフェスタ開催は、毎年1~2月の冬の時期です。
高知の中津渓谷周辺の見どころを一挙ご紹介
中津渓谷の観光をする時には、渓谷だけではなくて、四国でも有名な観光地も一緒に訪れてみてはどうですか?近場だから中津渓谷からの行き方は容易で、いずれの見どころも数十分で到着できるので、アクセスに困りません。桜、山、ダムなど魅力的な名所をご紹介します。
春なら近くのひょうたん桜も見たい
ひょうたん桜は中津渓谷から国道33号線を東へ向かい、仁淀川町に向かった斜面の公園に生えている、樹齢500年の桜の大木です。樹高は21m、根元廻りは6mもあり、高知県の天然記念物にも指定されています。つぼみの形を見ればひょうたん型をしていることで、ひょうたん桜と呼ばれています。景色は良く、春の時期は周囲の桜も咲き乱れて、お花見の名所となります。
中津山はハイキングにキャンプにもってこい
中津渓谷の西の中津明神山は、家族連れでハイキングしたり、自然に親しんで過ごすなら間違いない場所です。夢の森公園キャンプ場でキャンプをしたり、吾川スカイパークに行ってパラグライダーで山中を滑空したり、色んなアウトドアの時間を満喫できます。
高知の山々に抱かれた大渡ダムの水面
仁淀川水系での見どころの一つとなっているのが、広い湖面に水質の良い透き通った水を蓄えた大渡ダム。中津渓谷からも30分圏内で、行き方も単純な順路です。茶霧湖とも呼ばれるのは、大渡ダムの付近がお茶の名産地だからです。見残しの滝という隠れた名所が存在しています。
中越家しだれ桜は高知県を代表する桜
大渡ダムの西で、高知県を代表する桜の名所となるのが、中越家のしだれ桜。江戸時代の佐川領主の休憩地だった庄屋中越家の土地に、今から200年ほど前に植えられたエドヒガンの桜です。桜の花が滝のようにしだれる姿を見るため、春には大勢の観光客が訪れます。中越家の桜を見る散策はおすすめです。
高知の中津渓谷の仁淀ブルーで心に安らぎを
四国を代表する水の名所な、中津渓谷の青い水質。そして中津渓谷を取り巻く仁淀川町の観光地の数々。その魅力は、写真を見ただけでも把握でき、現地に行ってみたい気持ちが湧き上がってきませんでしたか?四国の観光をするときには、仁淀ブルーを中心とした場所の散策を、忘れずに取り入れてみてください。