アースダンボール ソーラークッカー
ソーラークッカーとは
ソーラークッカーという言葉を聞いたことはありますか?ソーラークッカーとは、太陽の光を熱源とする調理器具、つまり太陽熱調理器の総称です。
太陽の光を集め、それを鍋などの調理器具に当てて得られる熱を使って調理をします。そのため、数時間日当たりがよいことが必要。また、ガスなどに比べて調理に時間がかかるため、痛みにくい食材を用いないといけません。しかしその条件を満たせば、さまざまな調理が可能だと言われています。
薪や化石燃料を使わずに調理することは、二酸化炭素や大気汚染物質の排出を削減することにつながります。地球に優しい調理法ですね。
海外だけでなく、日本でも商品化が行われ、エコロジ―でエコノミーな調理法として紹介されています。長い時間を太陽の下で過ごすアウトドアやキャンプを楽しむ人にとって、太陽の熱での調理はうってつけですね!
ソーラークッカーの種類
ソーラークッカーには、大きく分けて3種類の物があります。蓄熱ボックス型、パラボラ型、パネル型です。それぞれの種類には、さまざまなバリエーションがあり、今では世界中で使われています。
1.蓄熱ボックス型
蓄熱ボックス型ソーラークッカーとは、太陽の熱を反射する鏡面シートを張り、鍋などの調理道具をガラスで覆ったものです。ボックスの内部は140度ほどに上昇すると言われています。
メリットとしては、調理の時にやけどをしたり、周りの物に燃え移ったりする心配が少ないこと。デメリットは、手作りするには、材料集めと作り方が比較的難しいことです。
クッキーや蒸しパンのようなオーブン料理や、煮込み料理に向いています。
2.パラボラ型
パラボラ型とは、パラボラアンテナの形からその名がつけられています。晴れた日の火力は、ガス火でいうところの弱火くらいで、ソーラークッカーの中では火力が強いというのが特徴です。大型の物を使えば、火力はガス火の中火くらいになり、大量の本格的調理ができます。
焦点を見つめると目を傷める恐れがあるので、紫外線をカットするサングラスが必要です。また、焦点がずれると周りの物が燃える危険があるので、注意してくださいね。 太陽の向きに合わせて、頻繁に向きを変えることも忘れずにおこないましょう!
3.パネル型
パネル型ソーラークッカーとは、反射するパネル状のものを衝立のように立て、光を集めるもの。構造がシンプルで、手作りするのに最も向いているタイプです。保温するために、透明な容器や袋を利用します。作り方が簡単というメリットがある一方で、耐久性はさほどなく、風に弱いというのがデメリットです。
アルミのレジャーシートで手作りするなど、お手軽、簡単に制作できます。風で飛んでしまわないように石などで固定する必要や、鍋などを保温袋に入れる必要もありますが、ソーラークッカーを試してみたいという方は一度チャレンジしてみましょう。
ソーラークッカーは自作できる?!
本格的で完成されたものもありますが、その分お値段はお高めです。ソーラークッカーは身近にあるもので自作できるので、興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。
小学生がソーラークッカーを手作りしてみた!
我が家の長男クン、夏休みの自由研究を兼ねてソーラークッカーを手作りしてみました!
パネル型ソーラークッカーの作り方
今回、参考にしたのはこちら。ボックス型やパラボラ型の作り方も載っていますが、今回は材料が手に入りやすく、小学生でも簡単に作れるということで、パネル型ソーラークッカーを作りました。この本の51ページからパネル型ソーラークッカーの作り方について書かれています。
材料
材料はこちら、ガスレンジの下に敷くアルミシート、ペットボトル、アルミ缶(コーヒーなどボトルタイプで栓ができるもの)、塗料(今回は黒と白、割りばし、洗濯ばさみを用意しました。
パネルの自作方法
まず、設計図を見ながら線を引きます。真剣です!頑張って!!
ハサミで切って・・・ちょっと切りすぎちゃったけど、大丈夫!裏にテープで補強しました。
張り合わせ(光を反射させることを考えるとアルミのテープが望ましいですが、裏からガムテープで固定してもOK)、下からも反射光が当たるよう立ち上げて洗濯バサミで固定。洗濯バサミが出ている部分は切り込みが入れてあり、切り込みを通して固定します。
パネル部分はこんな感じ。一番上のちょっと短い部分が、切り取って貼り合わせた箇所です。設計図の移し方など大人のサポートが必要な場面もありますが、思ったより時間もかからず、簡単に手作りできました。
調理道具も自作で
次は、調理道具です。飯盒など真っ黒な調理道具を使ってもいいのですが、せっかくなので調理道具も手作りしました。と言っても、作り方は、栓ができるアルミ製ボトルに色を塗るだけで簡単。今回は、色の違いで水の温まり具合の比較をするため、黒と白に塗りました!何度か重ねて塗るときれいに仕上がります。
熱を逃さない保温容器も自作しました
せっかく集めた太陽光から得た熱を逃さないために、保温容器も作成。作り方は、ペットボトルにコの字型に切り込みを入れ、アルミのボトルが入るようにします。
カッターでの作業なので、子どもがする時には注意しましょう。これで、温まったボトルが保温されます。透明の熱に強い袋でもよいようです。
また、ペットボトルの中に、適当な長さに切った割り箸を置きます。そしてこの上にアルミ缶を置くと、アルミ製ボトルの周りで空気が対流するので、より温まりやすくなるのです。これで全て完成となりました!
白ボトル用も完成!
もう1セット、同じ作り方で手作りしました。違いは、中の調理道具が白ボトルということだけです。
自作のソーラークッカーでお芋を調理!
今回調理するのはこちら
さあ、早速調理してみましょう!本格的な調理ではないですが、アルミのボトルに入る食材ということで、細めで小ぶりのサツマイモを茹でてみました。容器に入れれば、他の野菜でももちろんOK。ご飯を炊いてみてもおもしろいかもしれませんね(長いスプーンで取り出さないといけないですが)。
黒、白のアルミボトルにそれぞれ300ccずつの水を入れ、サツマイモを入れました。食材だけ入れて蒸し焼きにした方がより速く調理できますが、黒ボトル、白ボトルの中の温度の違いを見るために、あえて水を入れて茹でています。
太陽が高くなってきた時間帯にスタート!
2017年8月4日、午前10時、晴れ。テーブルの上の気温35.8度、湿度68%。実験スタートです!
水温の測り方
15分おきにペットボトルから調理道具を取り出し、水温を測りました。暑い中ですが、長男クン、頑張ってます。この後、すぐ帽子をかぶりました。調理には強い太陽光が必要ですが、この時期、人が直射日光を浴びっぱなしは危険です。熱中症対策はしっかりしましょう!
30分おきに、太陽の動きに合わせてパネルの向きも変えていきます。今日は晴れていますが、時折雲も流れてきました。
次第にボトルが熱を帯びてきて、触ると熱く感じてきます。軍手をつけてゆっくり開けましょうね。とても日差しが強い日には、プシューッと中の熱いお湯が飛び出すこともあるようなので、要注意です!
自作ソーラークッカーの性能は?:水温の変化
結果は、こちらです。黒ボトルの方は、グングン上がり、3時間後には80度に達しました!一方の白ボトルの方は最高で55度まで。色の違いでこんなに差が出るのですねぇ。「ソーラークッカーでは、調理道具の色を黒にする」という理由がよく分かります。
実験してみて気付いたことは・・・
今回は、水温の変化を見るために、こまめに水温を測りました。頻繁に調理道具を外に出した分、水温の上昇が抑えられた可能性があります。前出の参考文献によると、黒く塗った缶では、「2時間半で92度に達する」とありました。
文献とは場所や日射状況に違いがあるとはいえ、しばらくボトルを開けずに放っておくとさらに水温が上がり、より早く茹で上がったのではないかと思います。
自作パネル型ソーラークッカーの注意点
もう一つ、パネル型ソーラークッカーならではの注意点があります。本体が軽い分、風に弱いです。この日も、何度か風で動いてしまいました。裏に石やレンガなど、重石になるものを置くとよいです。また、厚手のアルミシートを用いたり、裏にダンボールなどを貼って補強するとよいでしょう。
自作したソーラークッカーでお芋が茹で上がったのか!?
さて、肝心のサツマイモは茹で上がったのでしょうか?黒ボトルの方は、2時間半で簡単に真ん中までくしが通るほどになりました!しっとりと茹で上がっていますよ。一方、白ボトルの方は、4時間後も芯が残った状態でした。
黒ボトルの圧勝!お芋は茹で上がった!!
茹で上がったサツマイモは美味しくいただきました!電気やガスを使えばアッという間にできあがりますが、手間と時間をかけてゆっくり調理したサツマイモは、何とも言えない優しくてあたたかい味でした。環境にも優しい調理法、太陽の熱に感謝です!!
お手頃なキットもあります!
アースダンボール ソーラークッカー
材料から集めて自作するのはちょっと時間や手間が・・・とためらう方には、簡単に組み立てるだけの商品もありますよ。この商品は、下の箱の部分に重りを入れられるようになっていますので、風に飛ばされる心配も減るでしょう。
ソーラークッカーで作れるものを3つご紹介!
今回は、ボトルの入口が狭かったので入れられる食材が限られましたが、みなさん上手にソーラークッカーを活用されています!その中から少しですがご紹介しましょう。
①ポップコーン
太陽の熱でとうもろこしがポンポンとはじける様子は、見ていて楽しいでしょうね!
②蒸し料理、煮込み料理
食材を蒸したり煮込んだりできます。特に、コトコト煮込むのには蓄熱式ボックス型のソーラークッカーがおすすめ。材料を入れてセットしたら、あとは太陽にまかせてゆっくり過ごしましょう。
③焼き物
魚やバナナを並べて焼いていますね。日差しの強い日にはこんなこともできちゃうんですね。ただし、火や電気に比べて時間はかかりますので、調理中に痛みやすいものは避けましょう。
さいごに
ソーラークッカーを自作してみて思うこと
キャンプやバーベキューを楽しむ時、太陽光をいかに遮るかばかりを考えていました。今回ソーラークッカーを作ってみて、太陽の熱を借りて調理すれば、時間はかかるけれども環境にも優しい料理ができることが分かったのです。
テントを張ったら、ソーラークッカーに飯盒をセットしてみてはどうでしょう?おしゃべりしたり、遊んだりしている間に1品できちゃいますよ!太陽を味方につけて、スローライフを楽しみましょう!!
キャンプご飯が気になる方はこちらをチェック!
今回はソーラークッカーで楽しむ調理をご紹介しましたが、アウトドアで楽しめるご飯の調理法や、料理はもっとたくさんあるのです。以下の記事はキャンプやアウトドアで楽しめるご飯の紹介をしているので、ぜひ合わせてチェックしてみてはいかがでしょうか。
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