冬キャンプは焚き火がおもいっきり楽しめる
焚き火は暖房にもなる
冬キャンプは気温が低いため汗をかくことが少なく、不快感がない状態で焚き火を長時間楽しめる絶好の機会です。また、冬キャンプでは焚き火が暖房の役割をしてくれるため非常に重要なアクティビティとなります。
そのため料理しやすかったり、二次燃焼して燃えカスが少なくよく燃えたりするなどのさまざまな特徴を持つ焚き火台が発売されています。このように違いが大きいため、こだわりを持って焚き火台を選んでいる方も多いでしょう。
薪にもこだわるとより楽しめる
焚き火をするには薪を使用しますが、薪の種類(樹種)により火持ちが長くなったり火起こしがやりやすくなど差ができます。また、薪の種類により香りも異なってきます。焚き火台をこだわって選ぶように、薪も使い方に応じた適切な種類を選ぶことで焚き火がやりやすくなったり、より楽しめるようになるでしょう。
今回紹介する薪の種類はほんの一部にしか過ぎませんが、代表的な種類となるため薪選びの参考にしてください。
薪の大まかな種類は2つ
1:火持ちがいい広葉樹
広葉樹は葉が楕円形になっていたり丸かったりする木です。秋から冬にかけて落葉するものが多くさまざまな樹種があります。そのため、広葉樹の薪は種類が豊富にあります。また、価格面では後述する針葉樹より2~3割ほど少し高くなりますが、火持ちがいい点を考えると大きな差は少ないと言えるでしょう。
火持ちがいいということは、ゆっくり燃えることを意味することから冬キャンプのように長い時間焚き火をしたい時に向いている薪です。
2:火起こしがしやすい針葉樹
針葉樹は葉の形が針のように尖っている木で常緑樹が多い樹種です。秋や冬になっても枯れ葉が大量に落ちることは少な性質がります。木質も広葉樹と大きく異なり密度が低いため柔らかいため、バトニングや薪割りがしやすいでしょう。
また、針葉樹には油分が多いため高い火力を発揮して燃えやすいことから火起こししやすい特徴があります。さらに、広葉樹よりも少し安い価格で販売されています。
特徴ごとのポイント
長く焚き火を楽しみたい方は広葉樹がおすすめとなり、反対に火起こしやBBQをする際など火力が火強なシーンでは針葉樹がおすすめです。また、広葉樹はカタ薪と呼ばれ、針葉樹はバタ薪と呼ばれることもあるため注意しましょう。
代表的な広葉樹の薪3選
1:ナラ
ナラ 薪
ナラは広葉樹の薪の中では非常にスタンダードな種類です。また、価格も比較的安く、販売している箇所が多い特徴があります。そのため広葉樹としか書かれていない薪はナラを使用しているものが多くなります。
ナラは釘を打ち込むだけでも割れるほど柔らかいため、バトニングや薪割りがしやすいことから焚き火だけではなく薪ストーブにもおすすめの種類です。
2:カシ
カシ 薪
ブナ科のさまざまな種類の樹種を総称してカシ(樫)と呼びます。硬い木のためバトニングや薪割りが少し大変ですが、その反面火持ちがよく嫌な臭いもせず薪ストーブにもおすすめの上質な薪として重宝されています。また、火力も高くなりやすいため焚き火だけではなく、BBQにも向いているでしょう。
なおウバメガシは最高級炭の備長炭の素材としても活用される樹種です。
3:クヌギ
クヌギ 薪
カブトムシが捕れる木として人気のクヌギも広葉樹の薪として代表的な種類の一つです。少しだけ針葉樹のような特徴も持っており、あくまでも広葉樹としてはの話になりますが燃えやすい特徴があります。また、火持ちのよさを併せ持ちナラやカシと同じように使いやすく高品質な薪です。
ただしクヌギには嫌な臭いはありませんが、特有の香りある違いがあります。
キャンプでも人気の針葉樹の薪2選
1:松
松 薪
防風林として海岸沿いに植えられていることが多い松は針葉樹の代表的な樹種の一つです。松はティンダーウッド(ファットウッド)として着火剤に使われるほど油の多い木となり、薪にしてもよく燃えるため火起こしに使うときには非常に便利です。
ただし、松脂が多く煙も多いため、すすなどの汚れの原因になることから薪ストーブには大量に使わないほうがいいでしょう。火持ちが短いため焚き火の火起こしにおすすめです。
2:杉
スギ 薪
日本では杉が非常に多いため、手に入りやすい針葉樹の薪です。松ほど油は多くありませんが、針葉樹のため燃えやすい木です。植林されている面積が広く数が多いことから価格も安めで手に入ることを考えると非常に使いやすいでしょう。
広葉樹の薪と比べるとどうしてもすぐに燃え尽きます。そのため長く焚き火を楽しみたいときは、火起こしや最初のほうだけ杉を使い徐々に広葉樹に変えるといいでしょう。
香りのある種類もおすすめ
香りのある木も人気
薪としてはあまり出回らない種類ですが、特有の香りがあるため密かに人気のある樹種も豊富です。香りのある木は燻製の材料としても利用されるものが多く、燻製を作ったり食べるのが好きという方には下記の樹種は向いているでしょう。
桜とりんご
どちらもバラ科の木でスモークチップやスモークウッドとして活用されます。桜は燃え出すとすぐに特有の香りが漂い、針葉樹と比べると広葉樹のため火持ちするところも便利です。ただし、ナラやカシと比べると火持ちは劣るとされており香りを楽しみたい時におすすめです。
りんごも同様に香りを楽しみたい時におすすめの木となり桜と比べるとほのかに香ります。また、火力が高いためBBQや焚き火、薪ストーブにもおすすめです。
ヒノキ
ヒノキは檜(ヒノキ)風呂で有名な特有の香りがする種類となり、薪にしても特有の香りはきちんとあります。リラックス効果もあるためサイトに置いておくだけでも癒やされます。薪の分類としては、針葉樹のため火持ちはよくありません。そのためメインで使うのではなく、ワンポイントや火起こしの時に使うといいでしょう。
薪は選び方と組み方も大切
薪の選び方とは
薪は乾いていない火に燃やしときに内部の水分が水蒸気となり爆ぜる原因になり危険です。そのため、よく乾いている薪を選ぶことが非常に重要です。よく乾いている薪は水分量が減るため軽いものが多くなります。また、断面には細かなヒビが入っていたり、叩いた時に高い音がする特徴があるため薪選びの参考にしてください。
前述した広葉樹と針葉樹の違いと合わせて使い方に応じた薪を選んでください。
空気の通り道を意識した組み方が大切
薪には種類がありそれぞれ燃えやすかったり、火持ちがよかったりしますが薪の組み方が悪いと持ち味を引き出せません。組み方が悪いと空気の流れが悪いため燃え残りが増えやすかったり、燃え残りによりさらに空気が通りづらくなりますます燃えにくくなる可能性があります。
薪をきれいに燃やすには、立体的に薪を組んでいき空気を取り込みながら燃えるようにしましょう。
焚き火の注意点
焚き火台が必須
国内のキャンプ場で焚き火を楽しむには焚き火台が必須になる場所が多く、基本的には直火で焚き火が楽しめる場所は珍しいと言えます。また、近年人気のコンパクトな焚き火台は炭床までの高さが低い物が多く焚き火台は地面への影響が大きいことから、遮熱板や焚き火シートを活用しましょう。
風に注意
焚き火をするときは風に注意しないと火の粉が舞い上がります。火の粉が舞い上がると化繊の服に穴が開いたり、テントやタープにも穴が開く可能性があります。また火が煽られて安定しなかったり周囲に燃え広がる可能性もあるため、風が強いときは風防を立てたり焚き火を控えるようにしましょう。
ウルシとキョウチクトウは薪にしない
キョウチクトウは成長することで樹高5m程度になります。
— NO name (@zouen_syukyaku) December 3, 2022
樹勢が強く夏には赤・ピンク・白・黄色の美しい花を咲かせるのが特徴です。 pic.twitter.com/pMCNzQCUj6
薪はさまざまな木を乾かせば簡単に作れますが、樹種によっては有毒なものもあります。特にキョウチクトウは有毒なため非常に危険です。間違って薪にしないように注意しましょう。また、かぶれることで有名なウルシも同様に薪には適しません。キョウチクトウがどんな木かわからない方は画像を参考にしてください。
樹種の違いにこだわってみよう!
一言で薪と言っても大きく分けると広葉樹と針葉樹にわかれさらに個別にさまざまな樹種に分かれていきます。樹種により使用感が大きく違うため、薪にもこだわって焚き火をしてみるのもおすすめです。
今回紹介した薪はごく一部となっており、ウルシとキョウチクトウ以外のさまざまな木を薪にしてみるのもおすすめです。樹種の違いが楽しめるでしょう。
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