釣っても食べても楽しいイカ
「ヒイカ」は標準和名を「ジンドウイカ」といい、ツツイカ目ヤリイカ科ジンドウイカ属に分類されるイカです。「神頭(じんどう)」という矢じりの1種に似た形をしているためジンドウイカと名付けられました。
正式名称はジンドウイカですが、地域によってコイカやボウズイカヒイカと呼ばれることもあります。冬の時期によく釣れるイカで、サイズは大きくても15センチほど、だいたいが10~12センチほどのサイズのイカです。
ヒイカってどんなイカ?
主に波が穏やかな湾内に生息しており、ヒイカのエサは小型の海老やしらす、鰯などの小さい魚、プランクトンなどです。地域によって若干違いがありますが、秋から冬にかけて湾内で産卵します。
全国で水揚げされるイカなので、市場やスーパーマーケットなどで流通することもあるほど食用としてメジャーです。比較的値段も安く味もよいイカとして知られています。
ヒイカの特徴
ヒイカは釣り初心者でも比較的狙いやすいイカで、食べておいしいだけでなくゲームフィッシングとしても人気があります。ヒイカは50グラムほどの小さなイカですが、やや腕が太く、大きさの割に吸盤が大きいという特徴があります。ヒイカの生息地域はとても広く、北海道の南部より南の沿岸部から朝鮮半島の南部そして中国の北部までです。
ヒイカがよく釣れる時期
ヒイカは冬釣りというイメージがありますが、実は1年中釣ることができます。とはいえ、水温が低い秋から冬の終わりごろまでがもっともよく釣れる時期と言われており、初心者の方が釣るなら12月から1月の時期がよいでしょう。ヒイカは11月下旬〜3月の冬の時期に産卵しますが、この時期のヒイカは岸に最も近づくためです。
ヒイカは冬の時期によく釣れる
多くの場合、深さ3メートルから10メートルの波が穏やかな湾内が産卵場所です。釣れる魚が少なくなってくる冬の時期によく釣れるので、冬の風物詩ともいわれています。ヒイカは昼間は深い場所を泳いでいますが、夜になると浅い水面でよく見られるイカです。冬の時期の漁港や防波堤内など波が穏やかな釣り場でよく釣れます。
冬の時期の常夜灯近くがおすすめ
夜は光に集まってくるという習性があるので、漁港や防波堤の常夜灯の近くで釣ってみるとよいでしょう。たいていが群れでいるので、1匹釣れればそのあとも続けて釣れることが多いという特徴があります。その反面、群れに出会わなければ1匹も釣れないこともあります。
どんなタックルが必要?
ルアー用ライトゲームタックルがあれば大丈夫
ヒイカ釣りはヒイカ専用の道具を揃える必要がなく、初心者でも気軽に始めやすいというメリットがあります。タックルはライトゲームタックルを使用し、エサ釣りまたは「エギ」というイカ釣り用のエビのような形のルアーを使用したエギングで楽しむことが可能です。
ヒイカはとても小さなイカで、エギも小さいため、ロッド(釣り竿)はLやMLなど柔らかめの竿がよいでしょう。リールはライトゲーム用の小型リールを使用します。
PEラインがおすすめ
釣りを始めたばかりの人でも楽しみやすいヒイカ釣り。初心者でも取り扱いやすいナイロンラインでも楽しむことができますが、もっとも適しているのは、強度が高くて細いPEラインです。
PEラインとはポリエチレンの略語で、細いポリエチレンを何本も組み合わせて編んだラインのことで、PEラインは伸びが少なく感度が高いという特徴があります。ゲーム性を高めたいときにはPEラインがおすすめです。
ヒイカ釣りで使うエギと仕掛け
ヒイカ釣りには、ヒイカ用として売られている1.5号か1.8号のエギを選びます。いくつかのサイズのエギを持っていき、反応を見ながら使ってみるのがおすすめです。ヒイカ釣りの仕掛けはとても簡単で、エギについている輪っかにラインを結ぶだけで完成します。
たくさん釣るためのコツ
ヒイカの釣り場
ヒイカは冬の時期は産卵のために防波堤や漁港の近くにやってきます。ヒイカは夜釣りがほとんどで、特に波が穏やかな防波堤内、漁港などでよく釣ることができます。それは防波堤や漁港にあるライトの周りにプランクトンがたくさん集まってくるためです。
ヒイカのエサはプランクトンではなく、そのプランクトンを食べる小さな魚などなので、プランクトンが集まる場所には必然的にヒイカも集まってきます。
釣果は群れに出会えるかで決まる
ヒイカの群れがあればたくさん釣ることができますが、そうでなければなかなか釣果を期待できないのがヒイカ釣りの難しいところです。漁港で釣るなら、漁船の出入りがない時間にしましょう。そうしないと船によって作られる波でヒイカが逃げてしまいます。
また特に初心者が注意するべきは、必ず足場のよい釣り場でヒイカ釣りを楽しむことです。釣果も重要ですが、それ以上に安全確保が大切なので、足場が不安定な場所では絶対に釣りをしてはいけません。
キャストの方法
まず、ロッドを振ってエギを飛ばしてキャストします。ロッドのしなりとエギの重みを利用してなるべく遠くに飛ばしますが、初心者には少し難しく感じるかもしれません。数をこなして慣れていきましょう。
キャストしたらロッドを上下に素早く動かしながらしゃくります。1、2回しゃくり、エギが沈むのを待つのを繰り返します。エギが沈むまでの時間は5~10秒ほどで、この時間はしっかり待つようにしましょう。このときにヒイカがかかることが多いためです。
おすすめの食べ方
①丸ごと食べるヒイカのアヒージョ
ヒイカの下処理が面倒だと感じたら、ヒイカを丸ごと使うアヒージョはいかがでしょうか。まずヒイカに酒をまぶして15分おいて下味をつけ、舞茸を小さくほぐします。
小さめの鍋またはフライパンにオリーブオイル、鷹の爪、にんにくを入れ、焦げないように弱火で熱します。にんにくの香りがオリーブオイルに移ったら、ヒイカと舞茸をオリーブオイルに入れてさらに熱していきましょう。バケットなどのパンをオリーブオイルにつけて食べるのもおすすめです。
材料 (2~3人分)
ヒイカ(小イカ):250g位、酒(下処理用):大さじ4杯位、舞茸:100g位、☆にんにく(粗みじん切り):1片、☆鷹の爪(輪切り):一つまみ、☆オリーブオイル:150㏄位、イカの塩辛(あれば):大さじ1杯、塩:適量、コショウ:適量
②ヒイカをシンプルに楽しむ「バター醤油炒め」
新鮮なヒイカのうまみを存分に楽しみたいならシンプルなバター醤油炒めはいかがでしょうか。まずヒイカを水洗いし、水気を切ります。フライパンにバターを溶かしてヒイカを中火で炒めていきましょう。水分が飛んだら弱火にして醤油をかけて完成です。
少ない材料で作れるシンプルな炒め物で、バター醬油の香りがとても病みつきになります。調理工程がとても簡単ですが、大人から子供まで人気のヒイカ料理です。
材料 (3~4人分)
ヒイカ(ジンドウイカ):15杯、バター:大さじ2、醤油:大さじ1
冬におすすめの獲物
冬の時期に釣れることが多いヒイカ。ヒイカは冬になると産卵のために岸に近づくので、冬の時期に狙いやすい獲物です。ヒイカは釣って楽しいだけでなく、とてもおいしく食べられます。エギングでもエサ釣りでも釣れますが、比較的初心者でも狙いやすいイカなので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
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出典:https://www.photo-ac.com