海況情報「うねりの間隔(波周期)」を解説!
台風後は必ずチェックしたい海況情報
連載第118回!今週は台風後の釣行前に必ず確認しておきたい「うねりの間隔(波周期)」の解説です。この情報は天候と同じように天気予報サイトなどで確認できる予報のひとつで、出発前に海の荒れ具合を予測するひとつの指標になります。
寒い時期は陸で感じる通りの海況というケースが多いですが、夏~秋は天候が回復しても海は荒れているという日が少なくありません。効率的な釣行計画、そして安全に釣りを楽しむために、うねりの間隔(波周期)の見方を覚えておきましょう!
うねりの間隔(波周期)とは
うねりの周期を表す予報
今回ご紹介するうねりの間隔(波周期)は、うねりがどの程度の周期で岸に向かうかを表す言葉です。うねりの間隔(波周期)が4秒であれば、4秒に1度程度のリズムでうねりの波が波打ち際に訪れます。
このリズムは規則的で、うねりの大きさ、つまり海の荒れ具合と密接なかかわりを持っています。うねりの間隔(波周期)の予報をチェックして釣り場をイメージすることで、現地まで行かなくても釣りができる状態なのか、カヤックやボートは出せるのかを予測できるというわけです。
風波とうねり
今回は特にうねりについてご紹介をしていますが、実際の海では風による波(風浪)と遠くからやってきた元風浪であるうねりが混ざって海の状況を作り出しています。この2つの波を合わせたものが注意報などで使われる波浪です。それぞれについての細かい知識まで一気に覚える必要はありませんが、波には2つの種類があることを覚えておきましょう。
風浪が強い場合、風さえ止めばすぐに海面が穏やかになって釣りをはじめられますが、うねりが強い場合はうねりを作り出している沖合の台風・低気圧が遠くへ離れてしばらく経つまでずっと海は荒れ続けます!
うねりの間隔(波周期)予報の確認方法
各天候予報サイトで確認可能!
うねりの間隔(波周期)予報の確認は各天候予報サイトで確認できます。波情報・波周期という言葉を使っているケースが多いです。3日間ほどの予測を掲載しているサイトが多いので、数日前から釣行計画を立てておきたいときは必ずチェックしておきましょう。
台風が通過した後はうねりがある、というのは容易にイメージができますが、台風が向かってきている時や沖合を通過した時は陸の天候とリンクせずイメージが難しいケースが出てくるので、夏秋は心配しなくていいかなという日でもチェックしてみてください!
スマホアプリならWindy
スマホアプリは定番のWindyがおすすめです。アプリを起動した後、地点を指定して「この位置の予報」、下部の「表示」から「波」を選択して数値表下段にある「うねりの間隔」をチェックしてみてください。こちらも数日先まで確認が可能です。
予報の精度が高く釣りに必要な情報も完全網羅、ショアゲームからオフショアゲームまで役に立つので、まだお持ちでない場合はこの機会にぜひ導入してみてください!
うねりの間隔(波周期)の数値について
平時の間隔は3秒前後
ここからは具体的にどの程度の数字なら気にするべきか、という部分についてです。
場所それぞれに違いがありますが、平時の海のうねりの間隔(波周期)はおおむね3秒前後。この程度の数値だとうねりではなく風波で、大きなうねりがくると10秒、13秒という数値になります。Windyだと黄色の表示。10秒という数値はサーフィンで喜ばれるような海況なので、岸からなら釣りはできるけど割れた波を越えたくないカヤックフィッシングは難しいかなという程度の値です!
周期が大きいうねりはスピードがあってパワフル
うねりの間隔(波周期)は波のスピードやパワーにも関係しています。
例えば静かな砂浜を想像すると、ザー、ザーと波は3秒周期程度で優しい波打ち際が頭に浮かびますが、激荒れのサーフだとどんな感じでしょうか。ドーン…ドーンと10秒周期程度で割れた波が大きく波足が長いかと思います。災害を起こすようなうねりは30分、1時間といった間隔です。
うねりの間隔(波周期)が長いと波はスピードが速く、動く水の量が多くてパワフル。波打ち際がハードでカヤックの出艇は難しいし、岸から釣るにしても底荒れしやすくなります。周期が長ければ長いほど、大きく力強い波になる可能性が高いことをチェックしておきましょう。
波高とうねりの間隔(波周期)を組み合わせよう
例えば波高0.7m、うねりの間隔(波周期)4秒という条件は、0.7m程度の波が4秒おきに訪れます。波高はちょっと気になりますが、うねりの間隔(波周期)が短いことからこれはおそらく風波で、うねりはほとんど無さそうです。
では波高0.7m、うねりの間隔(波周期)10秒ではどうでしょうか。0.7m程度の波が10秒おきに訪れると読み取れますが、うねりの間隔(波周期)10秒はそれなりに大きな数値。沿岸の浅場に入ったうねりのパワーの増幅で、ときどき平均値の倍ぐらいの波が来る可能性があります。
地形や釣り場の条件にもよりますが、釣りはできるがやや荒れ気味なイメージです!
オフショアは事情が違う
先ほどご紹介した例は岸釣り目線で、オフショア目線になると事情が少し変わります。
例えば沖側で波高1.5m、うねりの間隔(波周期)12秒という状態は、遊漁船であれば問題なくクリア可能。この程度であれば沖側で波が立って割れるということはあまりないので、ゆっくり大きく上下を繰り返す状態になります。
逆に波高1.5m、うねりの間隔(波周期)6秒というような風波が強い状況だと、細かく上下するので荒れていると感じます!
うねりが釣りに与える影響
各釣りへの影響を3つに分けてご紹介!
最後はうねりが各釣りに与える影響をご紹介!影響を受けやすい砂浜・磯・カヤックフィッシングの3つに分けて、注意したいポイントを紹介します。
ある程度釣りの経験がある方であればうねりの強い海でこの釣りをするとこうなる、というのが想像できると思うので、今回は初心者向けの内容を中心に解説!釣りはできるけどうねりで釣りにくいという場合の対処法についてもご紹介します!
①サーフゲーム
うねりが強いと波足が長く、波打ち際の砕ける波が大きくなります。うねりの間隔(波周期)が大きい場合やうねりの強い日が続くと濁りや底荒れが発生し、キスやフラットフィッシュが姿を消すことも。風が弱くてもうねりがあると釣りにくいです。
うねりの影響で起きるトラブルのうち、代表的なものは仕掛けが転がる、ルアーが流されるといったもので、どちらも仕掛けの重さを重くすることである程度対応できます。投げ釣りならオモリを重く、ルアーなら重めのメタルジグにローテーションです!
②ロックショアゲーム
磯はうねりの間隔(波周期)が大きいと強く大きな波が足場を越えてきます。少しうねりがあると感じたら、エントリー前にしばらく波を観察する、立ち位置をいつもより手前にするといった安全面への配慮が必要です。
うねりがあるが釣りはできる程度の荒れ具合だった場合、注意したいのは道具が流される、飛沫や波をかぶるといったトラブル。パワフルな波が急な水深の変化で勢いを増して、足場を乗り越えてくる可能性があることを常に意識しておきましょう。うねっているときは急に大きな波がくる可能性があります!
③カヤックフィッシング
沖へ出て浮いていれば上下に揺れてうねりをやり過ごせるカヤックですが、浜から出る場合は要注意。離着岸時、パワフルな波でカヤック本体が横を向いて次の波で沈するというトラブルが起きます。うねりが強いときはカヤック本体のコントロールが難しいこと、割れた波の対処が難しいことから、出艇は慎重に判断するのがおすすめです。
対処法はなるべくカヤックを波に対して縦にすること。縦向きならうねりを乗り越えますが、横を向くと幅が無いので簡単にひっくり返ります。離着岸時は波の間隔を見て、なるべくスピーディーに沖へ漕ぎだしましょう!
適切な釣行計画で安全に楽しもう!
うねりの間隔(波周期)予報を上手に利用しよう
活用すれば効率よく、安全に釣りが楽しめるうねりの間隔(波周期)予報。台風が多い今の時期はチェックするだけ得だと考えてこまめに確認するのがおすすめです。
さて、今週の連載がなぜこのような内容になったかというと、梅雨明け宣言から大雨台風が通過して…今週のうねりの間隔予報が9.9秒だったから!風は2m、波は0.8mですが浜からカヤックを出すのは難しいかなという感じです。マゴチをやりたかったんですが残念。
釣りは安全第一、微妙な海の状況で釣っても安全面が気になって仕方がないので、気持ちよくやれる日を探して気持ちよく遊びましょう!
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出典:unsplash.com