刺し身や煮付け用の捌き方をご紹介
少し特殊な捌き方をするカワハギ
カワハギは皮が手でぺろっと剥げる魚でそれが名前の由来にもなっています。しかし内側に薄皮を持つことから、刺し身にする時と煮物にする時にこの皮の取り除き方に違いを持たせるのがポイントです。捌き方に少しだけ気を使うことで調理が楽になる魚ですので、この機会に簡単な捌き方を覚えてみてはいかがでしょうか。
一般的な3枚おろしの方法と刺し身用の捌き方も解説
今回は基本的な3枚おろしのやり方・刺し身にする場合の3枚おろしのやり方の変更点をレクチャーいたします。3枚おろしの方法を中心として、煮物用のレシピ紹介では簡単なカワハギの下処理の仕方から捌き方についても触れていきますので、カワハギの下処理や捌き方ヒントとしてお役立てください。
カワハギの基本情報と旬の時期
カワハギの基本情報
名前・和名 | 皮剥、鮍 |
分類 | フグ目カワハギ科 |
学名 | Stephanolepis cirrhifer |
分布 | 北海道以南から台湾、東シナ海まで |
カワハギについて
釣りのターゲットとしてもゲーム性が高いカワハギは人気の魚です。釣りだけでなく食用としても、刺身や煮物・鍋物の具材として・干し魚・唐揚げといろいろな料理に使われます。
また刺し身や煮物に調理する時は身だけでなく、大きく育った肝を食べるレシピもたくさん開発されているのも特徴です。そのためか肝が大きく育った個体に対してはキモパンと呼び、釣れたら当たりという風潮もあります。
カワハギの釣りの時期と美味しい旬の季節
カワハギは日本ではほぼ全国沿岸で釣りあげることができ、釣りの時期は通年となっています。船釣りも盛んな魚類ですが、こちらは秋10月ころから翌年の3月くらいまでのシーズンがキモパン狙いの釣り人で賑わいます。
食としての旬は、春にたくさんエサを食べて大きくなることから、それが身になって大きく育った6-8月頃といわれています。
捌き方の前に!カワハギの下処理と注意点
カワハギの下処理の方法!
カワハギは名前のとおり皮を手で剥き捌くことができる魚です。まずはこの手で皮を剥いて捌く方法からご紹介いたします。カワハギは出刃包丁など刃が厚くてがっしりとした包丁を必要とせず、家庭用の小型の包丁でも簡単に捌ける魚です。まずは下処理の方法からご覧ください。
カワハギは肝が人気!アニサキス予防には冷凍が必須
下処理の最初は、頭部分に包丁を入れることからはじめます。頭は切り落としてしまわないのがポイントです。この切込みを手で握り下に向かって割くようなイメージでひっぱると頭に肝が付いた状態で簡単に身と分けることができます。
下処理では身に残っているそのほかの内臓類は、取り出して洗っておくことになりますが、その作業の前に手早く肝を処理しましょう。
肝は鮮度が大切!優先的に捌くのがおすすめ
肝はカワハギの過食部分の中でも人気が高い部位といわれます。特に釣りたてのカワハギの場合は、新鮮であれば肝醤油・肝和えなど生でもいただくことが可能なので、できるだけ素早く身よりも先に処理してしまうことをおすすめします。
処理方法は包丁を肝と頭の付け根に入れて切り離し、血やそのほかの汚れを流水できれいに洗い流して保存します。この時付いた水気をそのままにしておくと生臭さが立ってしまいますので、水気は十分に拭き取ってから保存してください。
アニサキスが心配な人は冷凍庫に2日保存してから食べる
アニサキスは魚類に存在し、宿主となっている魚が死亡すると身などに移動をするという性質を持った寄生虫です。生きたまま人の体内に入ると胃壁に入り込み毒素を発生、激しい痛みと中毒症状を引き起こすと危険視されています。
カワハギの肝できるだけ早く捌くのにはその対策という理由も含まれるのですが、自分で捌いたものは生で食べるのは心配という方は一度冷凍してから召し上がることをおすすめします。冷凍時間の目安としては十分にアニサキスが死滅する2日間にしてください。
初心者でも簡単なカワハギの捌き方
3枚おろしの方法が少し違う!カワハギの捌き方ポイント
肝が取り外せたら身を3枚におろしていきますが、まずは刺身用ではなく一般的なカワハギの3枚おろしの方法を紹介いたします。まずは頭を落とした切り口から皮と身をしっぽ方向へ手で剥がしていきますが、この作業はひっくり返して両面おこなってください。
カワハギのおろし方は背から包丁を入れる
今日も、カワハギ(勿論、肝付き)を(-_^)。その場で、生きた状態から、3枚におろしてくれて、身と肝と残りのぶつ切りをゲット!鯵も3枚おろし。イオンのべちゃべちゃの刺身とはワケが違う! pic.twitter.com/LZZnBRHEHP
— kabukiti (@Golgo_kabukiti) September 19, 2014
ここで気をつけていただきたいのが3枚おろしの包丁を入れる順番です。通常の3枚おろしは腹・背・背・腹という順番で包丁を入れますが、カワハギは背から包丁を入れ始めます。骨にそって中骨に当たるまで、できるだけ少ない引く回数で切ってください。
上下を逆にして腹から同様におこない、骨が組まれている部分を包丁で切り落とすことで半身に分けられます。次もまったく同じ手順で背・腹という順番で包丁を入れ半身を分けて腹骨を取り除いたら3枚おろしは完成です。
カワハギの刺し身と煮付けのおすすめレシピ
カワハギの刺し身の作り方・薄造り
カワハギを刺し身にする場合は、3枚おろしにしたものから血合い骨を抜いてください。そのあとは皮と薄皮を一緒に引きます。動画は皮付きと薄皮のみの2パターンの解説です。3枚おろし時に皮を手で剥いているという方は、後半の薄皮のみの皮引き方法もご参照ください。
薄造りの刺し身の切り方と飾りつけポイント
薄造りの切り方をするときは、皮目の方を上にしてまな板にセットしてください。包丁を持った手と反対側の端から薄くそぐように刺し身を作っていきます。
包丁の刃が厚いとどうしても薄くそぐことは難しいので、料亭で出されるような薄造りを目指すと、包丁と合わない場合は身が崩れてしまう原因となるのでご注意ください。
ほどほどの薄さを目指すことをおすすめいたします。盛り付け時は端を少しだけ折り返し、指でつまんで角を立てながら皿に並べていくと見栄え良くしあがります。
刺し身レシピのポイントとコツ
カワハギは刺身にする時には捌く時に先に皮を剥かない方が、薄皮を取り除く難易度が劇的に下がります。通常の3枚おろしの方法とほぼ同じ(包丁を入れる順番は違うが)と考えるとわかりやすいです。刺身用のカワハギの薄皮は、手で剥がせる皮と一緒に柵を取ってから包丁を入れて皮といっしょに引きます。
カワハギの煮付けの作り方レシピ
煮汁
水 雪平の半分より下程度
砂糖 大さじ2程度
濃口醤油 動画参照
味醂 醤油よりも少なめ
酒 みりんと同量程度
ごぼう 1本
ししとう 2本
長ネギ 適量
カワハギを使った人気の料理の代表格が刺身と煮付けです。ここではごぼうやししとう、ネギと一緒に肝も加えて作る煮魚の作り方をご紹介いたします。
煮汁はあらかじめ鍋にお湯と調味料をあわせておきます。煮汁が沸騰したら下処理ずみのカワハギとごぼうの細切りを入れて落し蓋で煮ます。
ねぎとししとうは網焼きして軽くこげめを付けてから、ししとうは丸で、ねぎは1枚皮をはがしてからぶつ切りにして後から入れて煮付けていきましょう。最後に肝を入れひと煮立ちさせたら完成です。
煮付けレシピのポイントとコツ
肝は煮えすぎないよう、かつアニサキスのことを考えると1分程度は加熱したいので、それを目安に最後に入れて、中火からやや強火の火力でひと煮立ちさせるように調理しています。加熱時間と火力にご注意ください。
美味しい魚を自分で捌いて食べよう
今回はカワハギの基本的な3枚おろしの方法と、刺し身・煮付けにするレシピをご紹介いたしましたがいかがでしたでしょうか。カワハギに限った話ではないですが、魚を食べる際はアニサキスに注意してください。
自分で下処理する場合は、鮮度が心配であれば一旦冷凍保存したものを使うか、煮物にしてしまう(アニサキスは60度で1分で死滅します)のがおすすめです。正しい下処理を行い、カワハギをおいしく調理してお召し上がりください。
カワハギのほかの魚の捌き方が気になる方はこちらもチェック
暮らしーのでは、カワハギのほかにもいろいろな魚の捌き方や料理方法を解説しています。いろいろな料理に使えて値段も安くて人気のアジや、アニサキスが心配なイカの捌き方が気になるという方はぜひこちらの記事も合わせてご覧くださいね。
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出典:https://photo-ac.com/