人気の海産物を自分で捌いて食べる
イカの捌き方はやってみると簡単
イカは美味しいけれど自分で捌いたことがないという方も少なくありません。その大きな理由のひとつがイカによくいる寄生虫のアニサキス問題があるからではないでしょうか。
しかし正しいイカの下処理方法を覚えれば、釣り上げたりスーパーで安く手に入ったイカを自分で安全に捌いて食べることも簡単です。鮮度が落ちる冷凍イカや切り身売りではなく、丸のままの新鮮なイカを自分で捌いて美味しく食べてみてはいかがですか。
イカの捌き方やアニサキス対策の下処理などを解説
今回は人気のイカの捌き方を詳しく解説していきます。また生イカで問題視されるアニサキス問題に対する下処理での対処の方法も、簡単なやり方を解説いたしました。内蔵やゲソを上手に使ったイカの料理レシピなどと合わせてイカを美味しく安全に食べる方法としてぜひお役立てください。
イカの基本情報と旬の時期
イカの基本情報
名前・和名 | 烏賊 |
分類 | 十腕形上目 |
学名 | Decapodiformes |
分布 | 世界全国の海に分布 |
イカが釣れる・美味しい旬の時期は
イカにもいろいろな種類がありますが、その中で人気のアオリイカを例に例えるならば、産卵を控えたものであれば3-6月ころ、まだあまり大きくなっていない小さなサイズのイカは夏7-8月ころが釣りシーズンとなります。
食用とする場合も、冬から春にかけてが大きな型の親イカと呼ばれるものの出回り・美味しい旬になり、その年生まれた小さなやわらかなものを召し上がるなら夏場が旬の季節です。
イカの捌き方の基本・下ごしらえ
内蔵の処理
イカをまるまる1パイ購入または釣りで手に入れたら、まずは内臓を取るという処理をしていきましょう。右利きの方は左手で頭を押さえ、胴体部分に指をひっかけてひっぱります。
パキッと音がするので、その音が確認できたら頭を引っ張り胴体から内臓と肝を取り出してください。肝の上の部分を頭に付けて、下の黒っぽい部分と裏にある黒い筋(墨袋)を取り除いて完成です。
目やくちばしの処理
肝は塩辛などを使う時には使いますので、使う場合は頭の目のすぐ下のあたりから切り取り、別に取っておきましょう。塩辛を作らないようであれば捨ててもかまいません。
ここで目とくちばしを取る処理をして足だけのゲソにします。目の近くに切り込みを入れ指で取り外します。くちばしはゲソの足の間にあります。足と反対方向から押し出し指でつまんで引くと取れるので、こちらも食べないのであれば捨ててください。
胴体の処理
次は胴体部分の下処理です。こちらは中に軟骨が入っています。透明な細長いプラスチックのようなものなので、指を入れつまんで引き抜いてください。
煮物にするなら胴体の下処理はここで終わりですが、刺し身にする場合は皮をむきます。エンペラーを剥がして下に引けば中央の皮は剥けます。残りの皮は持つ所がなくすべって剥きにくいので、ふきんやキッチンペーパーなどをかぶせた上から押さえ滑らないようにしてすべて剥いてください。
簡単にできるイカの刺し身の捌き方
イカの刺し身の下処理
上記まででゲソと胴体・エンペラー・肝の部分に分けて、下処理が終わりました。ここからは生でいただく刺身の捌き方の下処理の方法を解説いたします。
刺身で食べる場合イカはアニサキスが心配ですので、主にその処理となります。上の動画では2分からがそのシーンとなります。対処方法を早く知りたい方はそのあたりからご覧ください。
イカの刺し身のアニサキス対策
イカ調理のアニサキス対策には、加熱・冷凍・切ると主に3種類の方法がなされています。刺し身にはこの中の切るを主に使います。まずは目視できる寄生虫はピンセットで取り除きます。
次に隠し包丁という切込みを入れてアニサキスを切ってしまいます。こちらは動画4分56秒あたりのシーンです。イカの胴体の身をすべて切らずできるだけ狭い間隔で包丁を入れていきます。これを表と裏両方でおこなってください。
イカを刺し身にする作り方とコツ
イカの刺身の作り方ですが、胴体の身を触っていくといくつか軟骨があったり端が硬い部分があります。この部分が刺身にすると食感も悪く感じますので、胴体の端を中心に手で触れてみて硬い部分は包丁で取り除いてから刺し身にする作り方がおすすめです。
捌いたイカの食べ方おすすめレシピ
イカのおすすめレシピ1.塩辛
イカの肝(内蔵) スルメイカ5-6匹分
塩 強めに適量
日本酒(身を洗うのに使用) 適量
イカの身 3-4匹分
頭部から内臓部分を切り離し、濃いめに塩をふっておいてから身(胴体)のアニサキス対策をしていくとちょうどいい塩梅に塩が内臓に入ります。
塩漬けですが生で食べるので、安心な刺し身で食べるイカの下ごしらえを前述の通り済ませると安心です。身(胴体)は食べやすい大きさにカットし、内臓の袋から取り出した肝と和えます。冷蔵庫で1晩寝かせてお召し上がりください。
イカのおすすめレシピ2.煮物
子ヤリイカ 6匹
塩 ひとつまみ
みりん・砂糖・醤油・酒 濃いめの煮汁に仕立てる
やわらかな子ヤリイカを煮物にしていきましょう。イカはあまり高温で煮過ぎると美味しくありません。そのため最初にゆでこぼす湯の温度は沸騰させないように、煮る場合もあらかじめ煮汁の調味料を合わせて煮詰めてからイカを入れるようにすると失敗しづらいです。
イカのおすすめレシピ3.くちばしの唐揚げ
イカのくちばし お好みの量
小麦粉または片栗粉 適量
揚げ油
イカのくちばしは焼き物として串焼きなどにされ、珍味として屋台などでも売られています。煮付けにされる方もいるようですが、ここでは唐揚げにする調理方法をご紹介しましょう。
作り方はとても簡単で、くちばし部分に粉をまぶして揚げ油で薄くきつね色になるまで揚げるだけです。塩や一味マヨネーズなどお好みの調味料で召し上がってみてください。
注意しよう!イカの寄生虫アニサキス
とても怖いアニサキスの症状
アニサキスは魚やイカの内臓の中にいて、釣り上げられることで身の方へ移動してきます。人体の中に入ると、胃の壁に入り込みそこからアニサキス症という食中毒をおこす危険な寄生虫です。
症状は腹痛・嘔吐・悪心で食後数時間から10時間以内に発生するといわれています。このような症状が起こったらすぐに医療機関を受診してください。医療機関でのしかるべき処置が絶対に必要です。
イカの刺し身以外のアニサキス対策の仕方
捌き方でご紹介した刺し身の例では、ピンセットで取り除くのと隠し包丁を入れることでアニサキスの胃壁への侵入を防いでいました。そのほかの調理で召し上がる場合は、60度で1分以上の加熱・魚やイカの身を一度冷凍してしまうことでアニサキスは完全に死滅します。
加熱時間や温度が心配な方はあらかじめ1度冷凍してから食べることで、安心してお召し上がりいただけます。
イカの捌き方を覚えて内臓まで堪能しよう
今回は人気の海産物イカの基本の捌き方から刺し身の切り方まで詳しく解説してまいりましたがいかがでしたでしょうか。胴体の部分だけでなくゲソは焼き物や煮物に、珍しいですが中にはくちばしを焼いて食べるのがお好きな方もいます。
内蔵は塩辛にすることもできますし、あまり捨てるところがない優秀な海産物です。ぜひ捌き方を覚えて、イカ1匹をいろいろな調理方法で余すことなくお楽しみください。
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