カブトムシを外で育てるメリットと注意点
カブトムシ飼育の悩みは屋外飼育で解決できることもある
あらゆる生き物を飼う時に直面する問題ですが、特に興味のない家族からはにおいが気になる・飼育ケースが場所を取るので何とかして欲しいといわれることがままあります。飼育している本人も、好きだけれど時々はそう感じることもあるでしょう。それらの屋内飼育の問題点は屋外で飼うことで解決出来ることがあります。
屋内飼育にはない注意点もご紹介
しかし人以外の天敵が少なく室温管理もしっかりとされている屋内と違って、屋外でカブトムシを育てる場合は、いつも気にかけておきたいことやお世話も増えるのでご注意ください。今回はカブトムシの屋外飼育で必要なものや飼い方・メリットや注意点を詳しく解説いたします。
屋外飼育で用意するもの
屋外飼育は屋内の飼育セットを基本に考える
まずはカブトムシ飼育に必要なものは一通り準備します。それにプラスして、屋外での飼育環境を整えるものを足していく形です。ただしカブトムシはクワガタムシとは違いマット(土)に産卵しますので、屋内でも屋外でも特別な産卵施設は不要となるのは変わりありません。
1.飼育ケース
カブトムシの成虫を入れておく飼育ケースは、屋内飼育用と別のものである必要はありません。オスメスのつがいであれば、中サイズの市販の飼育ケースが必要です。
ただし猫などが中のカブトムシを狙っていたずらする心配が出てきます。そのため人には開けられるけれど、動物にはケースの蓋が開けられないような構造のものがおすすめです。
飼育ケースの蓋に重しを置く
野生動物に蓋を開けられたり、タックルされて飼育ケースごとひっくり返されないよう、蓋の上にブロックを置いておくのがおすすめです。大きなものでも空気穴を塞がないものであればなんでもいいですが、中でもピンコロなどと呼ばれる小さなコンクリートブロックは昆虫飼育ケースの蓋の上に置くのに適したサイズとしておすすめします。
2.飼育マット(土)
飼育マットの種類も屋外・屋内で変える必要まではありませんが、屋外では室内に比べて菌類も多く浮遊していて、よりカビやすかったり腐りやすくなります。野外飼育では飼育マットの交換を頻繁に行うようにしましょう。
購入する時は小さな袋入りのものよりも大きなサイズのものをまとめ買いしておくと、飼育にかかるコストも抑えられておすすめです。
3.保冷・保温用ケース
カブトムシの中でも北海道に生息するコカブトムシは成虫でも冬眠して春を待つ個体が出てきます。その場合は主に冬の寒さ対策に飼育ケースを保温する入れ物があると屋外飼育が簡単です。
特別な暖房器具がなくても、北風や外気温から遮断するだけでも違います。飼育ケースが入るサイズの発泡スチロールの箱をご用意ください。夏場の場合は日陰目的のすのこなどがあるとカブトムシも涼しく快適に過ごせます。
屋外飼育をすることのメリットは
1.においが気にならない
カブトムシ飼育は、醗酵マットのにおい・カブトムシやエサの熟し過ぎたバナナのようなにおい・木の根が腐って来たにおいなどいろいろな人にとってあまり好ましくないにおいが付き物です。
飼育している人は我慢できても、家族や来客に迷惑がかかる場合があります。屋外であればにおいがこもりやすい屋内よりもほかの人のかかる迷惑が減るでしょう。
2.室内のカブトムシによるコバエ被害がなくなる
カブトムシ飼育の悩みにコバエがわくことをあげる人も少なくありません。コバエは土・カブトムシのエサ・朽木と飼育のために必要なセットのほとんどにわく可能性があります。
コバエ防止飼育ケースなどもありますが、どうしてもエサ交換で蓋を開けた時に気づかず入ってしまいます。屋外であれば多少ケース内にコバエがわいていても、室内にコバエが飛ぶということはありません。
3.部屋が広くなる
カブトムシの繁殖をする方は特に、成虫でも多頭飼育であればケースもたくさん必要になり部屋が狭くなるのも問題です。もっと飼いたいけれど部屋のスペースがないという人にも、家族から場所を開けて欲しいと頼まれた時にも屋外飼育を考えてみるタイミングとなります。
屋外飼育の上手なやり方とポイント
飼育ケースの置き場所は夏涼しく冬暖かいところ
飼育ケースを屋外に置く時には、夏場は特に涼しい場所に設置するようにしてください。冬になると羽化を待つさなぎや羽化ずみで土の中で冬眠している成虫しかいなくなるので、ケースごと発泡スチロールの箱に入れてしまえばよく、管理も簡単です。
マットの交換は屋内よりも頻繁に匂いで判断する
成虫が活動しているうちはマット交換は頻繁に行います。室内管理では3ヶ月に1度のマット交換が必要といわれますが、屋外では腐りやすいためもっと頻繁にするのが一般的です。
交換の目安は時期ではなく、マットの品質により判断してください。見方としては飼育マットの匂いを嗅いでみて、新品と違う匂いが強く感じられた時(マットの腐敗が懸念される時)です。
エサやマットに雨がかからないようにする
雨はカブトムシにとっても飼育ケース内の環境にとってもよい影響はありません。あてないようにするのが基本です。夏の日陰を作るためにも普段から屋外飼育している方は、屋根付きの場所を用意している人も少なくありません。
飼育ケース自体をネットを張った鳥小屋のような作りのものに変えている人もいます。ただしこの小屋は、木だと幼虫が噛み壊し脱走するので自作する場合は素材に気をつけましょう。
屋外のカブトムシ飼育は冬の時期も気を抜かない
先に紹介した北海道に生息するコカブトムシの場合は、交尾が9月頃におこなわれた場合産卵が遅く、冬にはマットの中で羽化し春になるのを待って冬眠しているものもいます。成虫が死んでしまったあとも冬も引き続き雨にあてないなど注意点は守ってください。
そのほか屋外飼育で気をつける2つのこと
1.夏は30度以下の場所が好ましい
カブトムシは夏の昆虫ですが、自然の環境でいるのは涼しい林です。日中は活動せず日陰にこもり涼しい夜になると動き出すことからも、暑さ寒さに弱いデリケートな虫と考えられています。30度以上になると弱るともいわれていますので、夏の気温には気をつけてください。
2.動物に狙われることに気をつける
カブトムシを狙う動物に猫やイタチ・アライグマ・カラスなどがいます。これらの動物を見かけるような場所では特に、屋外飼育で準備するもので解説した蓋の重石は重要なアイテムとなります。
敷地内に動物が入ってこないように猫よけのペットボトル・動物の嫌がる目玉のオブジェも配置するとよいでしょう。飼育ケースのまわりをしっかりとした天井付きの柵で囲んでしまうのもひとつの方法です。
気温や動物に注意しカブトムシを外で育てる
カブトムシを屋外で飼育する方法について解説してきましたがいかがでしたでしょうか。室内で飼うよりも手間はかかりますが、部屋が広くなる・においが気にならないなどよいこともあるのがカブトムシの屋外飼育です。
できれば屋内で飼う方がより簡単でカブトムシに対してもよい環境に整えやすいですが、どうしても屋内で飼えないという場合には考えてみるのもよい方法ですね。
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暮らしーのではこのほかにもカブトムシ飼育の記事を多数ご用意しています。屋内飼育の詳しいやり方や、オスメスつがいで飼う時の産卵から羽化までのお世話について気になる方はこちらの記事も是非ご覧くださいね。
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出典:https://photo-ac.com/