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イシモチという魚の特徴を徹底解説!釣り方のコツや美味しい食べ方もご紹介!

イシモチは体長20cm〜40cmのニベ科の海水魚で、投げ釣りなどでよく釣れる魚です。また癖がない白身魚なのでさまざまな料理で美味しく食べることができ特に刺身は絶品。今回はイシモチの生態や特徴と釣り方のコツや美味しい食べ方を詳しく紹介しましょう。
2022年3月26日
eiji0601
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イシモチとは

イシモチはスズキ目ニベ科の海水魚

イシモチは東北地方以南の近海に生息するスズキ目ニベ科の海水魚。20cm〜40cm前後の体長があり、投げ釣りなどでよく釣れる魚です。スーパーや魚屋さんでも鮮魚として販売されており、白身でクセがないので塩焼き・煮魚やムニエル・唐揚げなどさまざまな料理に利用されています。

イシモチの最高に美味しい食べ方は何と言っても刺身でしょう。しかし鮮度落ちが早いので刺身で食べることができるのは釣り人だけの特権と言っても過言ではありません。

イシモチは「シログチ」と「ニベ」の総称

イシモチという正式な和名はありません。スズキ目ニベ科シログチ属の「シログチ」とニベ属の「ニベ」という2種類の魚の総称がイシモチです。一般的に関東では「シログチ」のことをイシモチと呼び、関西ではシログチまたはグチと呼んでいます。

かまぼこや練り製品の原材料欄によく見られる「グチ」はイシモチのことです。今回の記事の中でイシモチと表現されている場合は「シログチ」を指しています。それではイシモチの生態や釣り方のコツ、美味しい食べ方を紹介していきましょう。

名前の由来とイシモチ(シログチ)の別名

イシモチの和名漢字は「石持」

イシモチは漢字で「石持」と書きます。イシモチは頭部に「耳石(じせき)」と言われる耳のような働きをする大きな石を持っています。このことから「石を持つ魚」が「石持ち」に転じたのがイシモチの名の由来です。

耳石の部分は硬く食感が悪いので食べることはできません。またイシモチは成長とともに耳石も大きくなるので、年齢を調べるときに利用されます。

イシモチの別名とその由来

イシモチを釣り上げたときに体内の浮袋を振動させ「グーグー」と鳴き声のような音をたて、まるで愚痴(グチ)を言っているように見えることからシログチと呼ばれるようになったと言われています。また、イシモチの口内が白いので「白い口」が転じて「シログチ」になったとする説もあります。

暖流を好むイシモチの生態

①生息域

出典:unsplash.com

イシモチは南方系の魚で、東北地方以南の暖流の影響が強い海域を好んで生息しています。水深は20m〜40mほどの沖寄りで底が砂泥になっている場所を好み、砂に潜む生物や甲殻類、貝類や小魚などを捕食する肉食魚です。

浅い海で群れを成し海水が濁ったときや夜に動きが活発になる習性を持っています。イシモチを釣るなら、その生態と性質をうまく利用しましょう。

②形態

イシモチは銀白色に淡い褐色が混じった体色をしていて、エラブタの上や後部に黒い斑点があります。イシモチ釣りでよく間違えるのが親戚魚の「ニベ」。ニベは淡い青色に全体に黒褐色の斑点があるので、体色で見分けるのがよいでしょう。

またイシモチは大きさが40cm以上にはなりませんが、ニベは70cmにも成長します。大きなものがかかったならニベと思って間違いありません。


ニベの歴史と文化

余談ではありますが、合成接着剤がなかった時代に粘着剤として使用された「ニカワ」は、ニベの浮袋を煮詰めて作っていました。また愛想がなくそっけないさまを「ニベもない」と言いますが、これはニカワの原料であるニベにたとえ、粘着力が薄い=そっけなく愛想がない=「ニベもない」に転化したとされています。

③主な産地と旬

出典:pixabay.com

イシモチは主に東シナ海の底引き網で捕獲され、長崎県や九州で多く水揚げされています。また福井県から山陰地方や、太平洋の沿岸部や瀬戸内海でも漁獲される魚です。

投げ釣りでは産卵のため浅い沿岸に寄ってくる梅雨から秋まで、冬場は沖にでる船釣りが主流になります。イシモチの旬の時期は、脂がのって美味しい冬と、多く漁獲される産卵の時期の2通りがあります。どちらもそれぞれの美味しさがあり甲乙がつけられません。

投げ釣り・沖釣りのイシモチの釣り方

①仕掛けとエサ

イシモチ釣りは、好物のアオイソメなどの生エサを針に付ける仕掛けが基本です。アオイソメは気持ちが悪く苦手という場合は、秋刀魚(サンマ)の切り身をエサに使ってもかまいません。釣り上げたイシモチは鮮度落ちが早いので、刺身で美味しく食べるためには必ず活じめにして血抜きしておきましょう。

②投げ釣りのシーズンと釣り場所

イシモチはシーズンによって釣れる場所が変わるので、季節ごとの生息場所を把握しておくことが大切です。海底が砂泥部に多く集まるので、砂泥部を狙い仕掛けをしっかり海底付近まで沈ませるようにしましょう。イシモチは水深があまり深い場所には生息していないので、タックルも深さに合わせて用意してください。

5月〜8月産卵期

産卵期には比較的浅い内湾の沿岸を回遊するので、河口付近の浜辺や防波堤などから投げ釣りで狙ってみましょう。岸寄りにはニベもたくさん生息しているので、ニベが釣れることがあるので注意してください。見分け方は前章のイシモチの形態を参照して体色・斑点と大きさで区別しましょう。

9月〜11月秋のシーズン

この時期が沿岸の投げ釣りでイシモチを狙うラストシーズンになります。イシモチは寒さを嫌い、冬になると水温の高い深場に移動してしまうので秋が投げ釣りのラストチャンスです。肌寒い日であたりが来ないようなら、仕掛けを少し深く沈ませる調整が必要かもしれません。

③12月〜3月は沖釣りのシーズン


この時期にイシモチは脂がのり最も美味しい旬を迎えます。脂がのった大物の旬のイシモチを狙うには、深い水深にアタックする沖釣りがおすすめです。この時期の東京湾では、遊覧船からイシモチを狙う沖釣りが盛んに行われています。ぜひ試してみてはいかがでしょう。刺身で最高に美味しい大物が釣れるかもしれませんよ。

釣り上げたイシモチは調理前の下処理が基本

釣り上げたイシモチは鮮度を落とさず臭みを抑え、清潔にする下処理が美味しく食べるために必要です。下処理が完全でなければ、どんなに鮮度がよくても美味しくなりません。ここから下処理のやり方の手順と基本の秘訣を解説します。

①鱗(うろこ)取りと水洗い

イシモチを流水できれいに水洗いをしてから、新聞紙を敷いたまな板に乗せます。鱗取り器または出刃包丁でウロコをこそぐように取っていきます。腹ビレや胸ビレの下はウロコが残りやすいので、ヒレを軽く持ち上げるようにしてしっかり取り除きます。

慣れないうちは大きめのビニール袋の中で行うとウロコが飛び散らずに済みます。最後に魚体に張り付いているウロコを流水できれいに洗い落としてください。このとき下にザルを置いて受ければ片付けが簡単になります。

②水分を拭き取り頭を落とす

小型のイシモチや料理の種類によっては頭をつけたまま調理する方法もありますが、ここでは頭を落とす下処理をします。水分をよく拭きとった魚体をまな板に乗せ、胸ビレの付け根から腹ビレの下まで斜めに包丁を入れ背骨に当たったら裏返します。

裏も同じように包丁を入れ背骨に当たったら包丁を立ててストンと切り落とせばOKです。背骨は意外に固いので注意しましょう。

③腹ワタ(内臓)を抜き血合いを落とす

腹を包丁で開き内臓を抜き取ります。開いた腹骨の両側には赤黒い血合いが(血液のかたまり)があるので、腹骨の両側の薄皮に軽く包丁で切れ込みを入れてから、歯ブラシや竹串を数本束ねて丁寧に血合いを落とし素早く水洗いをしてから、氷を入れた薄い塩水につけます。

血合いを丁寧に落とし氷塩水で冷やすことがイシモチの鮮度落ちと臭みを抑える秘訣です。ただし長く漬けすぎると塩味がついてしまうので注意しましょう。引き上げて水分を拭き取れば下処理の終了です。

釣ったイシモチは刺身で食べるのがベスト

先にもお伝えしましたが、イシモチは鮮度が落ちるスピードが早い魚なので、刺身にするには釣り上げてから、なるべく時間を置かずに調理することが大切です。下処理をしたイシモチを美味しい刺身にする手順と、作り方のコツや包丁の使い方などをわかりやすく解説しましょう。

①三枚おろしにする

刺身の基本は三枚おろしです。三枚おろしとは魚体を表裏の半身と中骨の3枚に切り分けることです。まず頭を落として下処理をしたイシモチをまな板に乗せます。

頭を落とした切り口から平らに中骨まで包丁を入れ、魚体の方向を変え尾の付け根から同じように包丁を入れ、今度は中骨に沿って水平に中骨を切り落とします。半身が外せたら次に裏返しにし同じように包丁を入れれば、3枚に切り分けることができ完成です。

②腹骨をそぎ落とす

刺身は鱗や骨が少しでもついていると、歯に引っかかり食感が悪く美味しさが半減します。三枚におろした半身には腹骨がついているので、丁寧にそぎ落とすことが大切です。

いきなり包丁を入れると身あれするする場合があるので、包丁の切っ先でまず腹骨の付け根部分の薄皮に切れ目を入れてから、腹骨に沿って斜めに削ぎ切りをします。手で触ってみて骨が残っていないかを確かめましょう。

③皮を引く


刺身では皮も歯にあたり食感を損ねるので取り除きます。包丁は出刃から刺身包丁(柳刃)に持ち変えるのがベストですが、ない場合はできるだけ刃渡りの長い包丁を用意してください。尻尾部分を手で押さえ付け根に軽く切れ目を入れてから包丁の腹を平らにし、手で尻尾を引っ張りながら同時に一気に包丁を滑らせます。

魚体が大きい場合の皮引き

魚体が大きい場合は中骨の両側に包丁を入れ、背身と腹身の二つに切り分けてから皮を引きましょう。切り分けるのは2度手間のように感じますが、刺身で楽しむのであればプロでもこの方法を取るので安心しておすすめできます。

カットと盛り付けで決まるイシモチの刺身

①刺身用カットのコツ

イシモチに限らず、刺身の食感と美味しさを左右するのは切り口の断面のシャープさです。包丁は押し切りをせずに、刃渡りをできるだけいっぱいに使って、引切りまたは削ぎ切りをすると断面がきれいになります。どんなに下処理が完璧でも刺身の切り方が雑では、せっかくのイシモチの美味と食感が台無しになってしまいます。

②盛り付けは食欲と美味しさをアップさせる

切り終えたなら、お皿に好みのツマを添え盛り付けましょう。刺身の味は調理技術と盛り付けのセンスで決まると言っても過言ではありません。釣り人らしいワイルドな盛り付けもあり、繊細で美しい盛り付けもあります。「終わりよければすべてよし」という諺があるように、盛り付けは刺身の味を盛り上げるセンスの見せ所なので頑張ってみましょう。

イシモチを釣って美味しい刺身を堪能しよう!

出典:unsplash.com

イシモチは暖流を好む体長20cm〜40cmの海水魚です。クセのない白身の魚で、刺身や塩焼き・煮付けにムニエル・唐揚げなどさまざまな料理で美味しく召し上がれます。しかし、鮮度落ちが早いので刺身を堪能できるのは釣り人だけの特権です。

ここまでイシモチの特徴や生態、釣り方や刺身の作り方などを解説してきました。これらを参考にしてイシモチを釣って釣り人の特権である刺身を堪能してください。

イシモチ釣りの仕掛けや食べ方が気になる方はこちらをチェック!

当サイトではイシモチに関する記事をたくさん掲載しています。イシモチ釣りの仕掛けや美味しい食べ方に興味がある方はぜひ参考にしてください。