イナダはまずい?美味しくする調理方法は
イナダとは
科・属 | アジ科ブリ属 |
分類 | 青み魚 |
サイズ目安 | 35-60cm |
捕れる場所 | 北海道や青森・本州日本海側と四国高知・長崎など |
イナダの呼び方の分類は諸説ある
ブリの小さなサイズをイナダと呼びますが、ハマチとの呼び分け方は時代や地域であいまいです。関東では主に35-60cmの大きさのブリの幼い魚をイナダと呼称していますが、関西ではイナダという呼び方をせず、同レベルのブリの幼い魚のことをハマチと呼ぶといわれます。
養殖天然説とハマチ以外のイナダの呼び方
また近年は養殖をハマチ・天然物をイナダと呼び分ける方法もあり、これも混乱を招く原因です。京都よりも西の地域ではイナダという名前がなく同様のブリの幼魚の呼称であるツバスやメジロがイナダにあたる大きさの魚となります。逆にハマチに関しては三陸を除き、ほぼ日本各地で通じる呼び方なのも面白い傾向です。
イナダは生臭い魚なのを知って調理の工夫をする
イナダやハマチの値段は安いため、まずい魚なのではないかという先入観も働いているといわれています。イナダ・ハマチとブリとの違いは、脂ののり具合です。
イナダやハマチのまずい理由ですが、食べた人の感想では生臭いという意見が目立ちます。これも美味しい時期を選んでしっかりと下ごしらえし、調理方法を選ぶことにより十分このまずさを消して美味しくいただける魚です。
イナダがまずいと感じる3つの理由
イナダをまずいと感じる方は多いです。どこがまずいのかよくお話を伺ってみると、その原因は生臭さと脂ののりに関する意見のふたつに分かれます。またそれだけでなくイナダに合った調理方法をしていないというのも、まずい理由として浮かび上がってきました。こちらではイナダがまずいと感じる3つの理由を詳しく解説いたします。
1.イナダまずいのはイナダのせいではない?
まず鮮魚がまずいと感じる理由として、新鮮さは重要です。新鮮なイナダを選ぶ時のポイントは、全体に青く光っていて張りがある・エラの内側が覗けるならできるだけ鮮やかな紅色をしたもの・切り身の状態ならばつやがあり色がきれい・血合いが黒ずんでいないの4つです。
さっぱりとしたイナダは2日後が美味しいと言われる
淡白な魚の食べごろは、タンパク質がイノシン酸に変化する死んでから2日後ころといわれています。それまでできるだけ新鮮に保存する方法をご紹介いたしましょう。
イナダの保存のコツは冷蔵庫で寝かせる時に、新聞紙でくるむ・腹の中にキッチンペーパーを詰めておくことです。これにより身から出た、まずい原因であるぬめりを紙で吸収・身に再付着させずに美味しくなります。
2.イナダがまずいのは調理方法に問題がある場合も
イナダは高級魚として知られるブリの稚魚なのでまずい魚ではありません。ただし脂ののりに関しては、ブリと比べるとあっさりと淡白で人によっては物足りなさを感じるため、まずいといわれがちです。そんな場合はさっぱりとしたイナダの身に合う、レシピを試してみてください。
味の好みとイナダの調理例
マグロなら大トロよりも赤身が好きという方なら、イナダの刺身も美味しく召し上がっていただけます。カルパッチョにしてもイナダの淡白さはオリーブオイルの風味や香りを活かして、美味しく仕上がる魚といわれています。このように魚に合った調理方法を選ぶことで、まずい魚も美味しくいただけるでしょう。
3.旬の時期でないイナダはまずい
魚は旬の時期があり、その時期が美味しいとされています。まずいイナダはその旬の時期をはずれている可能性が高いです。イナダの旬は夏から初秋で、ここから外れた時期にはショウガを入れたり濃い味付けの煮付けにしていただくとよいでしょう。
イナダは調理方法を選んで美味しく食べる
イナダは生でも煮物でもフライにも美味しく使える魚です。こちらではイナダを美味しくする調理方法をご紹介いたします。スーパーでは安い値段で売られているイナダは、家計にも優しくぜひ活用して欲しい食材です。
まずいイナダを美味しく調理する方法1.
生でいただくおすすめの調理方法
まずいといわれるイナダを美味しく食べるコツに、イナダに合った調理方法を使うというものがあります。新鮮な釣りたてのイナダなら生で召し上がってみてはいかがですか。
イナダの生での食べ方は刺身のほかに昆布締め・カルパッチョがあります。生臭いとまずいので血抜きをしっかりとおこなうこと・釣りたてでまずいと感じたら1日寝かせて翌日食べると美味しく感じるという人もいますので、こちらの方法もお試しください。
まずいイナダを美味しく調理する方法2.
イナダは焼き物にしても美味しい
イナダの焼き物の種類は、先程ご紹介した香草焼き・照り焼きのほかにバターしょうゆ味の洋風レシピや、しょうがを効かせたしょうが焼きもおすすめです。
特にイナダの生臭さがまずいという方には、臭みをとるスパイスであるしょうがを使った調理方法が美味しく召し上がっていただくコツとなります。
まずいイナダを美味しく調理する方法3.
さっぱりとした身で揚げ物にしてもしつこすぎない
イナダの味の好みは人それぞれですが、刺身だとさっぱりしすぎていると感じる方はフライ料理がおすすめです。
淡白なので油であげてもしつこくなさすぎません。下味付けにしょうがをたっぷりと使ったぴりっとパンチのあるイナダの唐揚げや、アジフライならぬイナダフライも身にしっかりと塩コショウをしてから衣をまとわせることで、簡単に美味しく仕上がるおすすめレシピです。
おすすめの美味しいイナダレシピ
生臭いというイナダの欠点をカバーして、より美味しく食べられる簡単にできる料理方法をご紹介いたします。作り方も簡単ですので、ぜひイナダ料理のレパートリーを広げるヒントとしてご活用ください。
まずいイナダを美味しくする料理法1.
イナダ唐揚げの材料・レシピ
イナダ 1尾
酒・しょうゆ 少々
片栗粉 適量
揚げ油
イナダは生食ではまずいと感じる人は、揚げ物にすることで油効果でまろやかになるため、召し上がりやすくなります。イナダを切り分けたら酒で下ごしらえをすることで、生臭さを抜いてより食べやすくしていきましょう。(動画でヤズと言われる魚は、島根県でのイナダの呼び方です)
イナダの唐揚げの作り方
イナダ1尾は内蔵を取り除き、頭とかま部分を落としてからまずい原因ともなる血合いを竹串をまとめたもので洗い流してください。
皮をひき中骨など取り除いたら、食べやすい大きさにカット後酒と醤油で1時間ほど漬け込みます。キッチンペーパーで身の余分な水分を取り除き、片栗粉を薄く衣にして油でからりと揚げれば出来上がりです。
まずいイナダを美味しくする料理法2.
ふっくら魚の照り焼きの材料・レシピ
いなだの切り身 3枚
小麦粉 適宜
砂糖 大さじ1
酒 大さじ3
みりんと醤油 各大さじ2
臭み取りとしてネギとショウガ
煮付けをふっくらと作るにはコツが必要です。イナダの淡白さや生臭さをフォローしてくれるこってりとした照り焼きの煮付け方は、ほかの魚で作る時にも応用できる便利で簡単な作り方のポイントがあります。
イナダの煮付けの作り方
切り身には味を染み込ませやすくするために薄塩をして下ごしらえしてください。このとき水分と一緒にまずい生臭みも抜けるためイナダには特に有効な下ごしらえとなります。調味料のみりん半量は、最後の照りだしのため残しておきます。
一度切り身のみを油で焼いてから調味料をあわせて煮汁で先にネギとショウガを入れた煮汁を煮詰めます。ある程度汁に濃度が付いてから魚を戻し残したみりんを加えて仕上げましょう。
まずいイナダを美味しくする料理法3.
イナダのカルパッチョの材料・レシピ
白身魚(イナダ) お好みの量
ミニトマト 1パック
バジル 少し
塩、砂糖 1g
ケーパー(蕾のピクルス)5g
めんつゆもしくはポン酢 3g
赤ワインビネガー 3ml
オリーブオイル 15〜20ml
カルパッチョは本来新鮮な牛のフィレ肉で作られたレシピですが、刺身を食べる風習のある日本でアレンジさせ人気となった新しい生の魚を食べる簡単な調理方法です。
濃厚な脂ののった刺身で作ってもまずいものではありません。しかしソースの味がカルパッチョの決め手となりますので、それを前面に押し出すためにイナダなど淡白な魚との相性もよく、おすすめのレシピとなっています。
イナダのカルパッチョの作り方
イナダのカルパッチョを美味しくいただくコツは、事前に2-30分オリーブオイルと香草でマリネにしておくことです。このとき下味つけとして魚の重さの0.8%の塩と砂糖を混ぜたものを全体にまぶします。
プチトマトと香草をカットしレシピの残りの調味料と混ぜ合わせソースを作っておいてください。冷蔵庫に入れてマリネしておいたよく冷えたイナダを食べやすく薄くスライス。お皿に盛り付けてソースをかけて完成です。
まとめ
まずいイナダも時期や調理方法を選んで美味しく食べる
スーパーで売られている安い刺身として逆にまずいのでは?と敬遠されがちなタイプのイナダですが、食べ方次第で和風や中華風・洋風とさまざまなレシピに使える食材の優等生です。
生臭さが気になる方は新聞紙やキッチンペーパーを使ってぬめりを吸わせつつ翌日や翌々日まで寝かせてみてください。まずい理由となるぬめりを取り除くことができるので、さらに食べやすくなりおすすめです。
安いイナダの美味しいレシピを活用しよう
イナダの欠点であるまずい生臭さをできるだけ感じさせないようなスパイス使いや、淡白で物足りなさを補ってくれるボリュームを感じさせる食べ方とイナダレシピもご覧いただきました。
毎日の夕食の献立選びやおべんとうのおかずとしても、ぜひ安い魚であるイナダをまずいと敬遠せず上手に活用することで、食生活を豊かに楽しくしていただければ幸いです。
魚の調理方法が気になる方はこちらもチェック
今回はまずいといわれがちなイナダについてご紹介しましたが、ほかの魚の美味くいただくレシピや絶品料理にする食べ方記事もご用意しています。まずいといわれる魚の上手な食べ方や、あまり目にしない魚の調理方法のヒントにも暮らしーのの釣りカテゴリをご活用くださいね。
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出典:https://photo-ac.com/