山善キャンパーズコレクション「アウトドアベッド」
バンドック「フォールディングマット」
Maone「エアーベッド」
ホークギア「マミー型シュラフ」
One Tigris「ダウンブランケット」
読者さんからの質問にお答えします!
連載開始から3ヶ月……少しずつ読者さんも増えてありがたい限りです。この場を借りてお礼申し上げます。毎回感想をいただけたり、『キャンプに行きたくなった!』と言っていただいたりと、『連載を始めてよかったな』と思っています。
私も冬ソロキャンプを始めたばかりですので、初心者と技量はあまり変わりません。しかし、だからこそ初心者が悩んでしまうポイントには敏感です。
今回は、お寄せいただいた質問から「キャンプにおける寝心地」について私の経験を元に解説します!
寄せられた質問はこちら
寝袋の寝心地ですかね
僕はキャンプに行ったのが昔なのでそんなにいい寝袋じゃ無かったので寝た時に床の感じの伝わりづらさや朝起きた時の身体の痛みが無いかなどが最近気になってます
冷缶さんが昔キャンプに行ったときの思い出から『朝起きた時の身体の痛み』が気になると質問いただきました。私自身も冬キャンプは初めてなので、寝心地もそうですが、寒さで風邪をひかないための対策は自宅で何度もテストを行いました。
寝心地・暖かさの面から、関係するアイテムの特性を知ると快適な眠りに近づきます。
寝心地に関わるギア1:コット
コットはベッドやベンチとして使えるアイテムです。アウトドアで眠るとき、気になる地熱の影響を抑えられます。コットの種類と特徴、選び方を解説しますので、チェックしましょう。
コットの種類
コットにはハイ・ローの主に2種類があります。それぞれにメリットとデメリットが異なりますので、自分の目的に合わせて最適なものを選ぶようにしてください。
ハイコット
ハイコットは高さがあるため、ベンチとしても使えます。また、コット下のスペースに荷物を収納可能なのもポイント。冷気の影響を抑えられ、冬キャンプに最適です。デメリットとしては大きさ・重さがあるものが多く、種類によっては設営する際、力を必要とするものがあります。
ローコット
ローコットは地面からの高さがないため、安定感があります。ハイコットよりも軽量・コンパクトな種類が多く、持ち運びやすいものが豊富です。ソロ用テントなど、天井が低い場合は圧迫感を減らせます。
デメリットとしては、地面との距離が近く冷気・熱気を感じやすいことと、コット下のスペースに荷物を置けないことが挙げられます。
コットの選び方
コットを選ぶ際、収納性・高さ・使い方の3つから考えましょう。収納性については、フレームを分解してコンパクトにできるタイプを選んでみてください。
寝相が悪い人はフレームがコット上部に出ていないものを選ぶとよいでしょう。
高さは地熱の影響を最小限にしたい人はハイ・携行性を重視したい人はロータイプがおすすめです。また、シーンによって高さを使い分けられる2WAYタイプもありますので、チェックしてみてください。
寝心地に関わるギア2:キャンプマット
コットを持ちたくない人でも、必ずそろえて欲しいアイテムがキャンプマットです。コットよりもコンパクトで、持ち運びやすく、寝心地を良くしてくれるアイテム。
寝心地を向上させたい人は、複数重ねて使用すると自宅で眠っている感覚を味わえるでしょう。キャンプマットにも種類がありますので、それぞれの特徴と選び方を解説します。
キャンプマットの種類
キャンプマットは、エアマット・インフレーターマット・ウレタンマットの3種類があります。それぞれの特徴を紹介しますので、チェックしておきましょう。
エアマット
エアマットは、バルブにポンプなどで空気を入れて使うタイプです。フワフワとした寝心地のため、快眠できるでしょう。
地面と体の間に空気の層を挟むため、地熱を遮り、体を冷えから守れるのもメリットです。また、空気を入れる加減で、好みの厚さや硬さに調節できます。注意点としては、パンクしてしまうと使えなくなるため、敷く前に尖ったものがないか確認しましょう。
インフレーターマット
インフレーターマットは、バルブキャップを開くと自動的に膨らむタイプです。中に入った断熱材が膨らみますので、自力で空気を入れなくてもある程度まで膨張します。
エアマットと比較すると、楽に設営できるのが魅力です。バルブから空気を調整できるため、好みの硬さに調整できます。
注意点は、パンクすると断熱材以上に膨らませなくなること、エアマットより重たくなることなどが挙げられるでしょう。
ウレタンマット
ウレタンマットは、凹凸が付けられた折りたたみ・ロール式のタイプです。ウレタンにアルミが蒸着され、エアポケットとアルミによって、断熱性に優れています。
軽量なものが多く、折りたたむだけで携行できるため、設置・撤収が最も簡単です。膨らませる必要もなく丈夫なため、取り扱いに神経質になる必要はありません。
しかし、先に紹介した2タイプよりコンパクトにならないため、収納性を求める人にはあまり向かないでしょう。
キャンプマットの選び方
キャンプマットを選ぶときは、携行性と設置方法をチェックしましょう。携行性はエアマット・インフレーターマット・ウレタンマットの順で持ち運びやすいと言えます。
設置方法については、ウレタンマットが最も簡単に設置でき、インフレーターマットは半自動的に膨らみます。エアマットは、エアポンプや口から膨らませるものが大半ですが、最近はポンプが内蔵されているタイプも豊富です。
荷物を減らしながら携行したい人はポンプ内蔵式エアマットを選んでみてください。
寝心地に関わるギア3:シュラフ
夏場は、シュラフがなくても眠れるかもしれませんが、それ以外の季節では欠かせないアイテムがシュラフです。キャンプする際、外気温の変化から体を守ります。
シュラフには型やインサレーション(断熱材)によって適した利用環境が異なりますので、選ぶときは表記をしっかりと確認しましょう。シュラフについても種類と選び方を解説します。
シュラフの種類
シュラフには大きく分けて、封筒型とマミー型の2種類です。それぞれの特徴を解説します。最適なものを選ぶ参考にしてみてください。
封筒型
封筒型のシュラフは、長方形で上から下までの幅が同じタイプです。自宅の布団に近い使い心地が魅力ですが、密着性が低く、保温性の面では劣ります。サイドファスナーで開閉でき、温度調節も可能です。
また、同じシュラフであれば複数つなげられるため、掛け布団としても使えます。そのため、夏場のファミリーキャンプにもおすすめです。
マミー型
マミー型シュラフは、体のラインに合わせた形状をしているため、密着性が高く、体温を逃がしにくいのが特徴です。冬キャンプや登山、寒さが苦手な人におすすめします。
しかし、密着性の高さから寝苦しく感じる人もいるかもしれません。封筒型と比較すると、軽量・コンパクトなものが多く、携行性を優先したい人に最適です。
シュラフの選び方
シュラフを選ぶときにチェックしたいのは、先に紹介した形状の違いとインサレーションの種類、利用温度です。形状については種類の項目を参照してください。
インサレーションは、ダウンと化繊の2種類です。ダウンは軽量かつ、保温性が高く寝心地にも優れていますが、メンテナンスを怠るとカビが発生しやすい点に注意しなければなりません。
化繊は保温性・耐久性もあり、ダウンよりも手頃な価格で買えるのが魅力です。また、ほんどのシュラフには「最低温度域」や「下限温度」など、快適に使用できる目安温度が表記されています。
使用するシーンで想定できる気温から5℃引いた温度で使えるシュラフを選ぶと安心です。
そろえておくと安心できるアイテム
ブランケット
思っていたよりも寒いときに役立つのが、ブランケットです。素材によって特徴が異なります。
主な素材としてはフリースやウール、ダウンが挙げられ、フリースはリーズナブルなものが多く、肌触りがよいのが特徴です。ウールは吸った汗などが乾きやすく、保温性に優れています。
防寒アウターにも使われるダウンは、高い保温性と圧縮するとコンパクトに携行できるのが特徴です。
電気毛布
電気毛布は厳寒期のキャンプにおすすめです。アウトドアで使う場合、モバイルバッテリーで駆動するものであれば便利に使えます。バッテリータイプは、取り外して丸洗いできるため、メンテナンスも簡単です。
ライターのキャンプ就寝アイテム!
私は極度の寒がりです。自宅で実験を重ねてデビューし、失敗した経験からコットとマット2枚、シュラフを集めました。それに加えて防寒対策と寝心地を向上させるため、ダウンブランケットを使っています。それぞれの使い心地とスペックを紹介していますので、チェックしてみてください!
コット:山善キャンパーズコレクション「アウトドアベッド」
山善キャンパーズコレクション「アウトドアベッド」
私が使っているコットは、ファミリーキャンプから使っている山善の「アウトドアベッド」です。キャンバス生地の通気性が高く、夏場でも快適に眠れます。3つたたみタイプとなっており、携帯性には劣りますが、車で移動する人におすすめです。
スペック
山善キャンパーズコレクション「アウトドアベッド」
- 本体サイズ:幅57.5×奥行182.5×高さ25.5-82.5cm
- 本体重量:5kg
- 座面高さ:24.5cm
- 耐荷重:80kg
マットは2枚使い!
寝心地のよさと、断熱性を高めるため、フォールディング・エアーマットの2枚を使用しています。
マット1:バンドック「フォールディングマット」
バンドック「フォールディングマット」
バンドック「フォールディングマット」は、折りたたみ式、凹凸部分がエアーポケットとなっており、保温性と寝心地のよさを両立しています。
スペック
バンドック「フォールディングマット
- 展開サイズ:約1820×560×20mm(突起部含む)
- 収納サイズ:約560×145×150mm
- 重量:約430g
- 材質:発泡ポリエチレン・アルミ蒸着フィルム
マット2:Maone「エアーベッド」
Maone「エアーベッド」
Maone「エアーベッド」は、ポンプが内蔵されており、足や手で踏んで簡単に膨らませ、簡単に設営可能です。ピローも一体となっているため、快適な睡眠を得られます。空気を抜くとコンパクトに持ち運べるのもポイントです。
スペック
Maone「エアーベッド」
- 展開時:(約)193cm×60cm×6cm
- 収納時:(約)直径18cm×22cm
- 重量:(約)680g
シュラフ:ホークギア「マミー型シュラフ」
ホークギア「マミー型シュラフ」
ホークギア「マミー型シュラフ」は、化学繊維を封入したタイプです。重量も約1.6kgと持ち運びにも便利。寒がりの私としては、少し保温性が足りないと感じてしまいますので、単体で使う場合は外気温5℃程度を目安に使うとよいでしょう。
スペック
ホークギア「マミー型シュラフ」
- 展開サイズ:長さ210×最大幅80cm
- 収納サイズ:39×29×18 cm
- 重量:1.6kg
- 最低使用温度:-15度
ブランケット:One Tigris「ダウンブランケット」
One Tigris「ダウンブランケット」
One Tigris「ダウンブランケット」は、アウターだけでは凌げない寒さから体を守ってくれるアイテムです。就寝時、ダウンブランケットに包まってからシュラフへ入ると、寒さを感じません。シュラフとダウンブランケットを併用すると、自宅での睡眠に近い環境に整えられます。
スペック
One Tigris「ダウンブランケット」
- 収納サイズ:35×16cm
- 展開サイズ:195×135cm
- 重量:735g
初心者にとって寝心地のよさは重要!
キャンプ経験がない人にとって、眠れる・眠れないはその後、キャンプを好きになれるかのターニングポイントです。私個人の意見ですが、他のアイテムはあり合わせでも構いません。しかし、寝具周りだけは温度、快適な寝心地を得られるものを選びましょう。
季節ごとの組み合わせ例を挙げると、春・夏はコットとマット、封筒型シュラフを選ぶと涼しい環境を整えられます。
秋はコットとマット、マミー型シュラフに、冬はこれらに加えて保温性を高められるブランケットやカイロ、電気毛布を組み合わせるとよいでしょう。
これでキャンプデビューも安心!
今回は、読者さんからの質問「寝具周り」について解説しました。キャンプの寝心地に不安がある人は、当記事をチェックしてからフィールドへ出かけてみてください!
寝具をそろえて、快適な睡眠環境を整えられるとキャンプを好きになれる可能性が高まりますよ。
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