大菩薩嶺で日帰り登山を楽しもう!
ソロでもグループでも楽しめる登山が近年人気となっています。初めて登山にトライする初心者も増えてきており、日帰り可能でしかも難易度のそれほど高くない山は週末を中心に登山客で大賑わいです。
登山コースの途中や山の頂からの眺望は素晴らしく、春夏秋冬季節によっても眺望は大きく変化します。登山の魅力を一度味わったならきっとその魅力に取り憑かれてしまうに違いありません。今回はハイキング気分で気軽に登山が楽しめる「大菩薩嶺」にスポットを当てていきます。
大菩薩嶺についておさらい
大菩薩嶺は山梨県の甲府盆地の北東に位置する山で、お隣の埼玉県と東京都にまたがる秩父多摩甲斐国立公園に属しています。大正2年に執筆が始まった中里介山の小説「大菩薩峠」によって、大菩薩嶺の名前が全国的に知られるようになりました。
標高は2,057メートルですが現在では車で1,585メートルの地点までアクセスすることが可能です。戦前からハイキングのメッカとして人気の山ですが、車で途中までアクセスできるようになってからはより人気が高まっています。
大菩薩嶺は日本百名山の一つ
登山愛好家の中には日本百名山に選定されている山を選んで登る人もいますが、今回ピックアップする大菩薩嶺も日本百名山の一つに数えられています。大菩薩嶺にある大菩薩峠は江戸時代には武蔵の国と甲斐の国を行き来する旧青梅街道の峠としてたくさんの人々が往来していました。
標高も1,500メートル以上あり日本百名山の選定基準に見事に当てはまっています。登山初心者でも3時間台で登ることのできる日本百名山は大変魅力的です。
眺望の素晴らしさも大菩薩嶺の魅力
大菩薩嶺は眺望の素晴らしさも魅力の一つです。多くの山は山頂からの眺望が最も感動的ですが、大菩薩嶺の山頂は背の高い木々が生い茂っていて周りの景色はほとんど見ることができません。
夏場は虫なども多くのんびりと休憩できる場所とは言い難いものがありますが、山の尾根を歩くコースはそれとは打って変わって絶景を堪能できます。雄大な富士山や乗鞍岳、八ヶ岳などの景色を眺めることができ、美しいカラマツ林や群生する山野草などの自然にも触れることが可能です。
大菩薩嶺で季節を感じよう!
眺望の素晴らしさもさることながら大菩薩嶺で体感する季節感も大変魅力的です。6月ごろに大菩薩嶺に登ると、レンゲツツジやサラサドウダンの花が登山者を迎えてくれます。淡い黄色と赤の花やオレンジ色の花の咲く中を歩く気分は最高ですね。
また秋の季節の大菩薩嶺も素晴らしく、10月中旬から下旬にかけては山の斜面にまだら模様の紅葉が広がります。さらにアイゼンを用意すれば冬の雪化粧した大菩薩嶺の景色も楽しむことができるでしょう。
大菩薩嶺の登山コースはいろいろ
大菩薩嶺には初心者向きからベテラン向きまでいくつかの登山コースがあるため、自分の体力やレベルに合わせて登山コースを選択するといいでしょう。3時間台の短時間で楽しめる登山コースもあれば、一日めいっぱい歩く健脚向きの6時間台の登山コースもあります。
季節によってペース配分にも差が生じる可能性があるため、登山コースによっては日帰りよりも泊まりでの登山が最適な場合もあります。気軽に登れる山とはいえ無理のない計画で楽しみましょう。
山小屋を上手に活用
大菩薩嶺の登山口や登山コース上にはロッジや山小屋などの施設がいくつかあります。トイレを借りたり売店を利用したりできるため、休憩スポットとして前もってチェックしておくといいでしょう。
宿泊が可能な施設もあるので、無理をせずに泊まりで大菩薩嶺登山に臨むという選択肢もあります。特に早朝から登山を楽しむ場合には、前日に訪れてロッジなどで宿泊して体力を蓄えると、時間的にも体力的にも余裕をもって登山に臨むことができるでしょう。
キャンプ&登山も人気
ロッジや山小屋で屋内宿泊もできますが、テントを持参してキャンプで一泊してから登山を開始するのもおすすめです。登山コースの途中にある「山小舎福ちゃん荘」では、大菩薩嶺登山を楽しむ登山者が利用できるキャンプスペースを設けています。
水道と流し台が設置されていて一泊400円という格安料金で利用することが可能です。あくまでも大菩薩嶺に登る人のために開放しているボランタリーなキャンプスペースとなっているので、宿泊する際にはマナーを守って利用しましょう。
初心者向けの3時間コースが人気!
それではこれから登山初心者におすすめの大菩薩嶺の登山コースをご紹介しましょう。ハイキングに近い感覚で登山ができる標高差の小さい登山コースで、所要時間は3時間ちょっとと大菩薩嶺の登山コースの中ではお手軽です。
登山口は標高1,585メートルに位置する「上日川峠」で、登山口には大菩薩嶺の登山ガイドマップが掲げられています。登山道のスタート地点は登山口の近くに建つ長兵衛というロッジの脇です。そこから登山道を少し進むと前述の福ちゃん荘に到着します。
福ちゃん荘から大菩薩嶺頂上へ
福ちゃん荘からまず目指すのは大菩薩嶺の頂上です。カラマツの林の中を比較的急な登り坂が続いていて、途中には大きな石が積み重なっているガレ場のような場所もあります。足元には注意が必要ですね。
急な登り坂がいったん途切れた場所が大菩薩嶺の稜線上にある雷岩の分岐点となっていて、この分岐点を大菩薩嶺方面に進むと木々が生い茂る大菩薩嶺の頂上に到着します。大菩薩嶺の頂上を示すポールが立っているのでこちらで登山の記念撮影などはいかがでしょうか。
大菩薩峠を目指して歩こう!
いよいよここから眺望の素晴らしいエリアに突入です。大菩薩嶺の頂上から再び雷岩のある分岐点まで戻り今度は大菩薩峠へと向かいます。天候に恵まれれば雷岩から感動の絶景が眺められるのでぜひ一休みしながらしばし景色を楽しみましょう。
雷岩から大菩薩峠までの間は標高2,000メートル級の尾根道を歩きます。登山口からたったの2時間ほどで稜線歩きができるのは大菩薩嶺ならではですね。しばらく進むと右側に避難小屋が見えてきます。
大菩薩峠で一泊もアリ!
大菩薩峠に到達する前に避難小屋の近くにある展望スポットに立ち寄りましょう。展望スポットがあるのは大菩薩峠へ向かう道とは反対の方向です。ここからは富士山や南アルプスの山々が見え、眼下には大菩薩湖の姿も確認できます。大菩薩嶺に登って本当によかったと思える素晴らしい瞬間ですね。
絶景を満喫した後はいよいよ大菩薩峠へと向かいます。「介山荘」という山小屋が見えてくるとそこが大菩薩峠です。介山荘は宿泊ができるので泊まりでの登山を計画するのもいいでしょう。
登山口を目指して下山
大菩薩峠から下山する登山コースは上りとは異なるルートです。介山荘の管理するトイレの脇からスタートして下山しますが、下りのコースは上りとは打て変わって非常に歩きやすくなっています。
遊歩道と言ってもいい緩やかな登山道が続いていて、特別荒れた路面状況の場所も見当たりません。しばらく下ると沢があるのでそれを渡って道なりに進むと福ちゃん荘が見えてきます。最後は車道を歩いて登山口まで到達して大菩薩嶺での日帰り登山は終了です。
別の登山コースもおすすめ!
今回ご紹介した登山コースにバリエーションをプラスしてみるのもおすすめです。上日川峠をスタートして上日川峠でゴールというパターンは同じですが、大菩薩峠から少々大回りをして熊沢山と石丸峠を回ってから上日川峠へと戻る登山コースとなります。
熊沢山周辺は深い森が広がっていて、登山コースは緑豊かな樹林の中を歩きます。また、石丸峠には広大な笹原が広がっていて、見渡す限りの草原の中を気持ちよく歩けるのが魅力です。
登山初心者もOK
大菩薩峠から熊沢山と石丸峠を通る登山コースも前述の登山コースと同様に初心者向けのルートとなっています。標高差が200メートルほど大きくなっていますが、難易度としては決して高いものではありません。
前述の大菩薩峠からの下山コースは少々単純ですが、こちらの大回りルートは変化に富んでいてきっと楽しめるに違いありません。所要時間は前述の登山コースよりも30分ほど長い3時間45分ほどとなっています。
大菩薩嶺までのアクセス
それでは最後に今回ご紹介した大菩薩嶺の登山コースを楽しむ際のアクセス情報をご紹介しましょう。前述のように現在は標高1,585メートルの場所にある上日川峠までは車やバスでアクセスすることが可能です。
電車と路線バスを使ってアクセスする方法とマイカーを使ってアクセスする方法の二通りが選択できます。これからその両方のアクセス方法について解説します。ぜひ参考にしてみてください。
電車でのアクセス方法
最初にご紹介するのは電車と路線バスを利用したアクセス方法です。東京都心からアクセスする場合にはJR中央本線に乗り「甲斐大和駅」で下車します。駅前から路線バスが出ているのでバスに乗り換えて登山口となる上日川峠へと向かいます。
登山のトップシーズンの週末は一日5便ほどが運行していますが、注意しなければならないのが帰りのバスの便です。最終便が午後3時台となっているため、それに乗り遅れないように登山のプランを立てる必要があります。
マイカーでのアクセス方法
次にご紹介するのはマイカーを利用したアクセス方法です。マイカーなら帰りの時間を気にする必要はありませんね。登山口となる上日川峠には第1駐車場から第3駐車場まで全部で125台分の駐車場が整備されていて、登山者は誰でも無料でマイカーをとめることが可能です。
東京方面からアクセスする場合には中央自動車道を利用して「勝沼IC」で降り、国道20号線と県道218号線を走って上日川峠へと向かいます。別ルートもありますがこのルートが最も走りやすいでしょう。
大菩薩嶺の住所・問合せ
大菩薩嶺
- 住所山梨県甲州市、北都留郡丹波山村
- 電話番号0553-32-2111
- 公式サイトURLhttp://www.daibosatsukankokyoukai.net/
大菩薩嶺の詳細情報はこちら!
大菩薩嶺についてのさらに詳しい情報はこちらのサイトをご覧ください。
大菩薩嶺に出かけよう!
ここまで大菩薩嶺の登山コースについて解説してきましたがいかがでしたか?首都圏からも日帰りで出かけることができ、初心者でも登山にトライできる大菩薩嶺は大変魅力的です。次のお休みは日本百名山にも選定されている大菩薩嶺で登山をエンジョイしてみてはいかがでしょうか。
大菩薩嶺以外の山情報が気になる方はこちらもチェック!
魅力いっぱいの大菩薩嶺ですが、登山ファンならそれ以外の山情報も気になるに違いありません。他の山情報を入手したい方はこちらの3つの記事が参考になるでしょう。金峰山と天城山、川苔山についての詳しい山情報が掲載されています。本記事とあわせてご覧いただければ幸いです。
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