U字溝とは
道路の排水のために設置されている側溝
U字溝は道路にたまった雨水を排水するためや、用水路などに設置されている連結式の側溝です。コンクリート製で断面がU字型をしているので「U字溝」または「U字側溝」と呼ばれています。
サイズや形状はJIS規格で定められ、工場で大量生産されるのでコストが抑えられているのがU字溝です。道路ではU字溝に足や異物が落ちないように、金属製で網状のグレーチングと呼ばれる蓋がついているのが一般的になっています。
U字溝でお手軽バーベキューが楽しめる
コストが安いU字溝で手軽にバーベキューが楽しめると今話題になっています。高いBBQコンロを買う必要もなく、使用後も簡単に洗い流せて便利なのでU字溝バーベキュー愛好者が増えているのです。
しかしU字溝には注意しなければならない点もあります。今回は手軽なU字溝バーベキューのメリットとデメリット、問題や危険性を回避する方法とサイズ選びのコツなどを詳しく解説していきましょう。
U字溝バーベキュー4つのメリット
①コストが掛からない
U字溝バーベキューの最大のメリットはコストが掛からないことです。BBQコンロやグリルは5000円〜10000円以上しますが、U字溝ならホームセンターで1500円前後で購入でき、あとは網と炭さえあれば気軽にバーベキューが楽しめます。
必要な網と炭にブロックなどを購入しても2000円程度なのでコストが掛からないのです。浮いた費用で食材を豪華にすれば大いにバーベキューが楽しめます。
②安定感がある
U字溝はずっしりと安定感があるので倒れる心配がなく、安心してバーベキューが楽しめるのがメリットです。通常のBBQコンロで高さがある4つ足は、重たい鍋やフライパンをバランス悪くのせたり、激しく扱えば倒してしまう危険があります。
U字溝バーベキューなら安定感があるので、鉄板をのせて焼きそばを作ってもびくともしません。高さが必要な場合は下にブロックを敷いて高さ調節ができるので便利です。
③後片付け(洗い)が簡単
U字溝バーベキューは使用後に燃えかすの炭を火消しツボに入れ、冷えてから簡単に水洗いができるので後片付けが簡単です。一般的なBBQコンロは洗うのも結構大変で、金属なのでサビが出やすいのに比べ、U字溝はコンクリート製なのでサビることがありません。
細かな手入れが必要なくサーっとホースで水洗いで流すだけで手入れ不要です。野ざらしでも心配ないのがU字溝のメリットと言えます。
④連結してサイズを変えられる
U字溝は長さや幅と高さが規格でが決まっているので、同じ規格のものを2つ〜3つ連結すれば、大人数でバーベキューが楽しめるのも大きなメリットです。BBQコンロを2台3台と揃えるのは費用が高くなり、グループも分けれてしまいます。
U字溝は連結しサイズを人数に合わせ調整できるので、大勢が一緒にバーベキューを囲むことができるのです。1つのテーブルで焼きながら会話もはずむのがU字溝バーベキューの魅力です。
U字溝バーベキュー4つのデメリットと危険
①重量が重すぎる
U字溝は厚みがあるコンクリートなので、非常に重いのがデメリットです。小さいサイズでも20〜30kg、大きいサイズになれば100kgを超えるものもあり、とうてい一人では運べません。
U字溝バーベキューは持ち運びが必要なアウトドアやキャンプには不向きで、家庭の庭などに設置するバーベキューに適しています。また場所の移動が大変なのもデメリットです。
②外側が熱くなる
U字溝でバーベキューをすると、外側が非常に熱くなり直接触れると火傷する危険があります。特にお子様がいる場合は注意してあげましょう。また使用後に炭を片付けても、U字溝のコンクリートは熱の伝導率が悪いので、冷めるまで時間がかかるのもデメリットです。
③火が遠い
U字溝は深さがあるので、バーベキューの炭と食材の間に距離ができ、焼き上がるまでの時間が遅くなるデメリットがあります。火が遠いからと炭をたくさん入れればU字溝の温度が高温になり過ぎ危険です。また炭の量も多くなり費用がかさみます。これらの解消法は次の章で紹介しますのでご参照ください。
④熱いうちに水をかけると爆発の危険
U字溝バーベキューで使用後、早く冷まそうと熱いうちに水をかけると大変危険です。そもそもU字溝は雨水を排水するアイテムなのでコンクリートの耐熱温度はせいぜい200℃前後、いっぽう炭は800℃〜1000℃にもなります。
そこにいきなり冷たい水をかければ、温度差が大きいため爆発や割れる危険があるのです。割れることがなくても、熱い水蒸気が立ち上がり火傷をする危険があるので注意しましょう。
U字溝バーベキューの問題点の解消法
U字溝バーベキューは非常に手軽でロウコストにできるバーベキューです。しかし前述のようなデメリットや危険があります。U字溝バーベキューの問題点や危険を回避する解消法を3つ紹介します。これらを参考にして安全で快適なバーベキューを楽しみましょう。
①外側の熱を和らげる方法
U字溝をバーベキューで使用すると外側がかなり高温になり危険です。その高温を和らげるために周りにコンクリートブロックを設置します。コンクリートブロックは熱の伝導率が低いので、バーベキューで高温になる輻射熱を軽減する効果があるのです。
またU字溝の下にブロックを敷くことでバーベキューの熱が地面に与えるダメージを防ぎます。コンクリートブロックはホームセンターなどで数百円で購入できるので費用も掛かりません。
②火が遠いのを解消する方法
U字溝バーベキューで火が遠いのを解消する方法は2つあります。1つは耐火煉瓦をU字溝の底に敷き、その上に炭を置くことで食材と火の距離を縮め焼き上がりを早くできるのです。
もう1一つは百均などで売っている金網を丸めてU字溝の底に敷く方法で効果は耐火煉瓦と同じになります。どちらも費用がかからず、U字溝自体の温度が高くなり過ぎないで、安全にバーベキューが楽しめる解消法です。
③爆発や割れるのを防ぐ方法
爆発を防ぐには鉄筋の入ったU字溝を選べば、熱いうちに水をかけても割れることがあっても爆発はまぬがれます。しかし熱い水蒸気の危険は避けられません。やはりU字溝バーベキューの使用後は焦らずに冷めるのを待ってから水洗いをしましょう。事故が起きては楽しいはずのバーベキューが台無しになってしまいます。
U字溝のサイズを選ぶ3つのコツ
U字溝はJIS(日本産業規格)規格によってサイズや品質が定められています。U字溝は道路の排水目的に使われるアイテムなので、強度や耐久性がJIS規格により保証されていて、バーベキューに使用しても強度の点では問題ありません。バーベキューに適したU字溝のサイズを選ぶコツを紹介します。
①U字溝の溝幅で重量や高さが決まる
U字溝の高さや重量は溝の幅で決まります。バーベキューで使いやすい長さ60cmで比較してみましょう。溝幅の外寸が14cmでは高さ11.5cm重量は約11.8kg、溝幅21cmでは高さ18.5cm重量24kg、溝幅25cmでは高さ22cm重量約33kg、溝幅が40cmになれば高さ22cm重量は約72kgにもなります。
このようにU字溝は溝幅の外寸が数センチ変わるだけで、高さと重量が大きく違うのです。
長さ100cm(1m)タイプでは重量は1.67倍
バーベキューで長めのU字溝(100cmタイプ)を選べば、高さは変わりませんが重量は60cmタイプの1.67倍になります。溝幅25cmで長さ60cmで33kgだった重量が約55kg、溝幅40cmの場合は重さが120kgを超えてしまうのです。とても一人では運べない重量になるので注意しましょう。
②バーベキュー向きのU字溝のサイズ
U字溝バーベキューに最も向いているサイズは、溝幅外寸25cmで高さ22cm重量約33kgです。33kgなら一人でなんとか持ち上げ運ぶことができます。
長さがもっと欲しい場合には縦に2つ連結し、大きな鉄板や網を使用し横幅が欲しい場合には横に2つ並列すればよいのです。2つ並列すれば横幅が約50cmになり大きな網や鉄板でも十分な広さになり、焼きそばなどバーベキューの調理アレンジが広がります。
連結はU字溝バーベキューならではの魅力
バーベキューで焼き面の広さや長さを、連結で自由に調節できるのがU字溝バーベキューならではの魅力です。BBQコンロでは絶対にできません。バーベキューに参加する人数に合わせ臨機応変に対応できるサイズを選んでおくことが、U字溝バーベキューを最高に盛り上げるコツです。
ただ単に多人数対応の大きいサイズのU字溝を選ぶより、さまざまなシーンに対応できる最適なU字溝サイズを選びましょう。
③使用後にU字溝が冷める時間
U字溝バーベキューでは、使用後熱いうちに水で洗うことは危険がともなうので、冷めるのを待つ時間が必要です。サイズが小さいほど冷める時間は短いのですが、バーベキューを楽しむには小さ過ぎると不満が残ります。冷めるまでの時間や使い勝手を考慮し、最適なサイズを選ぶのがポイントです。
U字溝バーベキューの最適サイズ
U字溝バーベキューはU字溝サイズの選択が最も重要です。撰択を間違えれば使い勝手が悪いだけでなく危険にも繋がります。冷めるまでの時間と使い勝手を考慮し最適なサイズは、長さ60cm溝幅外寸25cmで高さ22cm重量約33kgです。
このサイズなら一人で持ち運びができ、連結が可能で使用後の冷める時間も比較的短時間ですみます。すべての条件をクリアできるバーベキュー用U字溝がこのサイズです。
U字溝でお手軽バーベキューを楽しもう!
U字溝バーベキューのまとめ
U字溝は道路の雨水などを排水するアイテムですが、U字溝をバーベキューで利用すれば、高いコンロ不要でロウコストで気軽に楽しめると評判になっています。しかしU字溝はコンクリート製で、バーベキューで使用する際には熱に対する不安がある素材です。
ここまでU字溝バーベキューのメリットとデメリットや危険性を解説してきました。これらを参考にして安全で楽しいU字溝バーベキューを満喫してください。
U字溝以外のギアが気になる方はこちらをチェック!
当サイトではバーベキューに関する記事をたくさん掲載しております。バーベキューでU字溝以外のアイテムや、火おこしのコツや使用ずみ炭の処理などに興味がある方はぜひ参考にしてください。
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出典:photo-ac.com