キャンプギアの陣幕とは?
陣幕の意味
陣幕という言葉は日本には古くからあったもので、文字の通り陣地とそのほかを分ける幕のことで屋外だけでなく屋内でも武士が用いました。現代でキャンプでいう陣幕は昔のそれとは少し違って屋内ではほとんど使わずアウトドアで使われる地面に立てる幕のことをいいます。
キャンプでの陣幕の役割り
キャンプでの陣幕の役割りは焚き火の風よけやテント内を覗かれないようにする目隠しの役割りが大きいです。特に陣幕があると多少の気候の悪さも風よけになって気にならないため、その目的で使う人が多いキャンプギアとなっています。
あるといろいろと便利な陣幕は自作も可能!
市販の陣幕もサイズはいろいろで、小さな焚き火台が隠れるくらいの大きさからキャンプサイトをほかのキャンパーからの目から遮る大きなサイズまで豊富です。
購入すると結構なお値段がしてしまう陣幕は、素材を選ぶことで簡単な設計図で自作することができます。風防や目隠し・おしゃれな飾りとして陣幕の自作をしていきましょう!
自作の陣幕を作る準備・材料と道具類
材料1.陣幕用の布
自作の陣幕を作るならその材料として布が必要です。陣幕用には丈夫な天然素材の生地が化学繊維よりも燃えにくいため適しています。帆布(中でもコットンと麻など天然素材の混紡)やデニムといった生地がよいでしょう。
帆布とはキャンバス生地とも呼ばれている、厚みのある布ですがこの名前は折り方による分類なので素材はいろいろあります。帆布を選ぶときにはコットンや麻といった天然素材のものを選んでください。
燃えにくい陣幕におすすめの布
自作におすすめは帆布のほかに厚手コットン素材もあります。コットンは難燃性が高い素材です(燃えないわけではないのでご注意を)。石油系を使用した化学繊維と比較してというわけ程度と考えましょう。
コットンや麻の特徴として、火がつきにくい・火が付いても黒く焦げるだけで高く炎を出さないため周りに延焼しづらい性質があります。このほかデニム・ツイルなど厚手コットンが自作の陣幕作りにおすすめの布です。
材料2.陣幕を立てるポール
陣幕用のポールはほかのタープなどキャンプギア用のポールで代用できます。お手持ちのポールの太さに合わせて設計図を少し修正して自作してください。ポールをお持ちでない方は、代用品として100均アイテムも使えます。
ポールは100均商品で代用できる
今回大小2種類の陣幕の自作方法をご紹介します。そのどちらもダイソーのジョイントラック用ポールを使用して作れるのでうれしいところです。大きな陣幕の自作ではポール1本だけでは長さが足りませんので、1箇所に2本使います。
それに合わせてポール自体をジョイントするパーツも合わせてご用意ください。コンパクトサイズの陣幕自作にはポールはつなぎ合わせる必要はないのでこれは不要です。
材料3.そのほかの材料
ポールにロープを掛け地面にペグで固定するため、ロープやペグ・布にロープを通すためのハトメを2個使います。こちらは固定の仕方によって使う材料は変わってくるので注意が必要です。
コンパクトサイズの陣幕はロープではなく布に直接ベルトを縫い付けてロープを使わず、そこにペグを通して固定する作りになっています。それぞれの作り方をまずはご参照されてから必要なものを揃えてください。
陣幕の自作に必要な道具類
布で陣幕を自作するには厚手の布が縫えるミシンは必須です。大きな陣幕を自作しようとすれば、手縫いでは時間がかかるだけでなく手が痛くなってしまいます。
ミシンの目安としては家庭用ミシンで帆布の11号(市販の帆布の中でも一番薄手のもの)がぎりぎり縫えるが、針を合わせないと目飛びする(縫い目の糸がところどころ飛び出たり、縫い目幅が2目つながったりすること)と考えてください。
厚手の布ならそれにあった道具を選ぶのがポイント
自作で厚手布を縫おうとした場合、安い家庭用ミシン(目安として1万前後の簡単なミシン)ではまず無理です。金額的には5万円以上のミシンであれば、家庭用やコンピューターミシンでも縫うことが可能とお考えください。
職業用ミシンであっても必ず針は厚手生地用の針と交換して、スピードを落としてゆっくりと縫うようにしましょう。厚手布を重ねて縫おうとすると、針が折れることがあるので危険なためです。
キャンプで役立つ!大きな自作陣幕の作り方
自作陣幕DIY1.布の設計図
それでは早速、大きな目隠しや焚き火の風よけにもなる陣幕の自作方法を解説します。大きなこの陣幕の図面は動画の5分19秒あたりにありますので、一時停止をご利用になって確認してください。
こちらはダイソーのポールを2本つなぎ合わせてちょうどよいサイズになっています。幅などはご自分の使い勝手のよい長さにアレンジすることが可能です。
自作陣幕DIY2.布端の始末
こちらの自作図面では92cm幅の帆布をできるだけ裁断せずに使っているので、布端は生地の耳を折っただけのところが大部分です。アイロンで耳を折り返し使えますがななめのラインだけはカットするので、布端は厚くならないようジグザグミシンを掛けるかロックミシンで始末してください。
自作陣幕DIY3.角の布を2重にする
布端の始末をしたらぐるりと縫い代を折り返してステッチで縫うだけです。長さは長いのですが直線に縫うだけなので、ミシンパワーがあるものであれば簡単に縫えます。
ただ両端のななめのラインはバイアス目になるため、1重では伸びてしまいひと手間が必要です。そのため角の部分は布を重ねて2重になるように仕立てます。
自作陣幕DIY4.ポールを通す輪を作る
帆布の11号で自作する陣幕は、ひとえ仕立てなのでポールを通す輪は縫って作らないといけません。動画と同じくダイソーポールを使用する場合は6cmを真ん中で折り縫い合わせ、輪を作ってポールを通せるようにする方法が簡単でおすすめです。
これが帆布ではなくもっと薄手のデニムやツイルで2重にして作るのであれば、その部分だけ縫い合わせずに穴を開けた状態で両脇にステッチをかける方法もあります。
自作陣幕DIY5.ハトメ打ちなどの仕上げ
ここまで出来たら最後はペグをひっかけるためのハトメを斜めの辺の角に取り付けましょう。こうすることでロープを通しても布に力がかかって切れることを防げます。
ソロキャンに!コンパクトな陣幕の自作方法
小さな陣幕の作り方1.設計図
大きな陣幕だけでなくちょっとした卓上やソロキャンプの小さな焚き火台でも使えるようなコンパクトな陣幕もあると便利ですよ。
小さなサイズの陣幕の自作の特徴は何といっても縫うところが少ないのですぐできあがるところです。小さな陣幕の設計図・図面は動画の3分52秒で表示されています。
デニムも陣幕自作におすすめの素材
こちらは素材としてコットンデニム使用が特徴です!デニムも天然素材なので難燃性が高いだけでなく、デニムの青色染料は虫の忌避効果もあるためアウトドア向けとなっています。
小さな陣幕の作り方2.裁断
デニム生地は裏が白いので裏から見ても格好が付くように2重仕立てにするのがコツです。その分縫う時も重なり分が厚くなり縫いにくくなりがちですが、シンプルな縫い方をしているため帆布を縫うのとそれほど違いはないです。
台形の上の辺を輪にするようにななめの辺と下の辺は縫い代をつけて縫い合わせていきます。特に両端の地面にペグで留める部分は、ゴムベルトを挟んで縫うため尖らせず裁断するのがポイントです。
小さな陣幕の作り方3.縫製と仕上げ
陣幕の上部を輪にして生地を裁断しているので、ステッチを掛けるとはいえ重なりは薄くなり縫いやすく、アイロンがけをする場所も少なくて済みます。
ただ斜めのラインはやはりどうしてもバイアスになってしまうので、強く引っ張られるたびに伸びてくるでしょう。強度を上げたいという方は縫う前に接着芯(テープ状が便利)をアイロンで貼り付け伸び留めをすると安心です。
自作陣幕のおしゃれな活用例
大きな陣幕は目隠しになる
自作してみたものの陣幕はどうやって使うの?という初心者の方へSNSで見かけたおしゃれで便利な使い方例を見ていただきましょう。最初にご紹介した大きな陣幕は、このように外からの視線をシャットアウトしてアウトドアでもプライベートが保てます。
自作方法をアレンジすればツールも下げられる
市販の陣幕でも自作してツールを下げられるように改造している方は少なくありません。いわばキッチン前の壁のような使い方もできるのが自作陣幕の便利なところです。ポールとポールの間に棒を渡して、いろいろなものを吊り下げられるようにアレンジしてみましょう!
キャンプ場で自分のエリアを強調
アウトドアは目隠しだけでなく以外と自分のエリアが曖昧で、ファミリーキャンプの小さな子どもが勝手に入ってきてテント内を覗き込んだりして困る・自慢のキャンプギアの盗難が心配という方も少なくありません。
自作の陣幕を立てているだけでここからは入ってこないでという、自分のキャンプエリアであることの強調ともなってくれます
まとめ
風防として使える陣幕を自作しよう!
焚き火の風防や自分のエリアを強調するためにも使える陣幕を自作してみよう!という解説記事をお送りしました。形はシンプルな台形でポールがあれば設営も簡単となっています。
作り方のポイントは、燃えにくい天然素材を選ぶこととななめになっているラインが伸びないような縫い方のふたつです。
大きなものは縫う長さは長いのですが、直線にカットして縫うだけなのでパワーのあるミシンをお持ちの方は、チャレンジして作ってみてはいかがでしょうか。
キャンプギアの自作が気になる方はこちらもチェック
今回はいろいろと便利に使える自作の陣幕の作り方を解説してきました。暮らしーのではこのほかにもたくさんのキャンプギアの自作解説記事を用意していますので、こちらも合わせてご覧くださいね!
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出典:https://pixabay.com