クロスバイクはパンクしやすい?
タイヤゴムが薄めで異物が刺さりやすい
スリムなデザインでありながらロードレーサーのようなよそよそしさがなく、アウトドアだけではなく気軽に街乗りもできるクロスバイク。中でもスリムなタイヤはマウンテンバイクなどは一線を画すデザインを実現しています。
でもタイヤがスリムだと気になるのがパンク。クロスバイクのタイヤはスリムにするがためにタイヤゴムが薄めで、異物が刺さると中のチューブまで貫通してパンクしやすく注意が必要です。
タイヤ幅が広めで異物が刺さる確率高し
クロスバイクのタイヤはスリムといっても、ロードレーサーに比べると幅は広め。道路上にある異物を踏む確率はロードレーサーより高めになります。それでいてタイヤゴムが薄めとなれば、どうしてもクロスバイクのパンク頻度は高くなるでしょう。
また街乗りだけでなくアウトドアでも使えるだけに、悪路など異物以外でのパンクも注意が必要になってきます。
クロスバイクのパンク頻度
長時間乗る時にパンクしやすい
タイヤが丈夫なマウンテンバイクなどに比べ、クロスバイクはパンク頻度が多くなりそうですが、実はクロスバイク本体の問題よりも街乗りもアウトドアでも使える利便性の高さがパンクの原因になることが多いです。
一度に乗る時間は、マウンテンバイクなどに比べてクロスバイクはロングライドになる傾向。異物に遭遇する頻度も増えますし、さらにアウトドアともなれば悪路走行も多くなりリスクが増大します。
慣れない道を通るときにパンクしやすい
遠出しもやすいクロスバイクですが、そうなるとどうしても慣れない道を通る機会が増えます。街乗りの慣れた道ならどこが危険かはすぐに判断できますが、慣れない道だと危険性を判断しにくく、ついつい異物が多い場所も通ってしまいがちです。通った後に危険だったことに気づいては時既に遅しということになります。
パンクの直接的な原因となる異物の有無は運次第
クロスバイクで慣れない道を通ると異物を踏む確率が高くなりますが、そもそも道路上の異物の有無は「運次第」。遠出しても異物を一切踏まない場合もありますし、街乗りで慣れた道を通っただけでもパンクする場合もあります。まずはパンク原因を知って自らリスクを減らすのがポイントです。
クロスバイクのパンク原因ランキング
1位・路面に落ちている異物
クロスバイクだけではなく自転車全般でもパンク原因1位は「路面に落ちている異物」です。釘などの金属片から、ガラスの破片まで、タイヤに刺さりうるものはパンクのもととなります。小さすぎて目視できない異物もさることながら、目視できても前輪では避けたつもりが後輪に刺さってしまう場合もしばしばです。
2位・空気の入れすぎ
クロスバイクには独特の「空気の入れすぎ」によるパンクもあります。クロスバイクに乗る人は自分で空気を入れる頻度が高いですが、念のために空気を入れすぎてしまう傾向になりがちです。空気を入れすぎるとちょっとした道路の凹凸でその圧力に耐えきれずチューブが破裂。通常のパンク修理では直せないレベルになります。
3位・悪路走行
空気を入れすぎていなくても、走行路面が悪路の場合はその凹凸だけでパンクすることもあります。また悪路ともなれば異物も多いので、悪路走行は先の1位2位のパンク原因の両方をともなうことでしょう。ただ悪路は意識すればその部分を回避できますので、パンクランキングとしては低めです。
番外・日なたに長時間駐輪
パンク原因としては季節限定なので番外としてランキングしたのが「太陽の日差し」。真夏の日なたにクロスバイクを駐輪するとタイヤ部分に直射日光が長時間あたり、チューブ内の空気が膨張してパンクすることもあります。クロスバイクのようにタイヤゴムが薄い場合はなおさらその頻度は高いかもしれません。
クロスバイクのパンク修理便利アイテム
プラスチック製のタイヤレバー
実はパンク修理は道具さえあれば初心者でも自分で作業できます。まずはタイヤからチューブを取り出しますが、そのために必要なのが「タイヤレバー」。タイヤとリムの間に挿入してリムからタイヤを外すための道具で、金属製のものもありますがリムを傷つけてしまうことから、プラスチック製のものがおすすめです。
百均のパンク修理セット
パンクした部分を塞ぐために必要なのが「パッチ」で、合わせて「ゴム用接着剤」も必要となりますが、実は百均で普通に売っているのです。しかも接着をよりよくするヤスリも付属しており、タイヤレバーも同梱されているものもあります。ただタイヤレバーは百均のものだとやや使いにくく、専用のものを別に買うのがおすすめです。
替えのチューブ
初心者の場合、パンクを修理するのではなく、中のチューブを交換してしまうのも有効です。またチューブを交換してしまえばパンク箇所を探したり補修したりする手間を省くことができます。ただし替えのチューブはタイヤサイズはもちろんのこと、バルブの形式も現在と同じものにする必要があるので注意しましょう。
軍手・空気入れ
クロスバイクのパンク修理作業の際、特に後輪は必ずチェーンを触りますので軍手などの手袋は必要不可欠です。またパンク修理の際は、作業中も空気を入れる必要がありますので、空気入れも常に必要なアイテムとなります。
クロスバイクの簡単パンク修理方法「脱輪」
空気を抜いてバルブ金属を外す
初心者でも自分でできるクロスバイクのパンク修理方法。まずはクロスバイクからタイヤの脱輪になりますが、その前にタイヤの空気を完全抜きバルブの金属を外します。最初にやっておけば金属部品を紛失することも少なくなることでしょう。
クロスバイク本体からタイヤを外す
クロスバイクのタイヤは前輪も後輪も工具なしで簡単に外せます。外した際は部材を元の状態に組み立てておけば、紛失するはないでしょう。タイヤを外す際も、通常はブレーキワイヤーを緩めますが、クロスバイクによってはタイヤの空気を抜いておけばブレーキそのままで外すこともできます。ただし後輪はチェーンが絡むので要注意です。
タイヤレバーでリムからタイヤゴムを外す
タイヤを外したらパンク修理のメインイベントとも言えるのがタイヤレバーによる「タイヤゴム外し」。リムとタイヤゴムの間にタイヤレバーを差し込んで脱着するのですが初心者だと大変かもしれません。コツは1本のタイヤレバーを挿したままで固定し、他のタイヤレバーで取り外しする方法です。慣れれば数分も、慣れないと30分以上もかかります。
クロスバイクの簡単パンク修理方法「補修」
チューブを取り出しパンク箇所を探す
大変なのはクロスバイクのリムからタイヤの取り外しで、あとの作業は初心者でも簡単です。チューブを取り出したら、エアーを多めに入れパンク修理部分を探します。大きな穴の場合は空気漏れの音でわかりますが、小さな穴の場合は洗面台などに水を貯め、そこに入れれば泡が出るのですぐに分かります。その際はテープなどでパンク箇所に印をしましょう。
パンク箇所をパッチで塞ぐ
パッチで塞ぐ前に穴周辺をヤスリで擦って表面を荒くし、パッチを剥がれにくくします。穴を中心に接着剤を多めに塗り、すぐにパッチを貼ります。パッチには薄いビニールが付いていますがそのまま貼って構いません。貼った後は抑えるのではなく叩くのがポイント。トンカチがベターですが、出先でトンカチがない場合は空気入れで叩いても構いません。
パンク箇所のチェック
パッチを何度か叩いたら乾くまでしばらく待ちましょう。夏なら10数分で済みますが、冬など気温が低い時はもう少し長い時間必要です。そして穴がきちんとふさがっているか否かをチェック。水を貯めた洗面台などに入れて泡が出なければ無事塞がっている証拠となります。
クロスバイクの簡単パンク修理方法「装着」
チューブをタイヤに装着
最後はクロスバイクへの装着ですが、脱輪の逆をすればいいだけなので基本的に装着は簡単です。まずはチューブの空気を完全に抜き、タイヤの中にチューブを挿入します。その状態でバルブ穴に合わせてクロスバイクのリムに取り付けますが、その際はタイヤの方向に注意しましょう。方向を間違えると走行中に水しぶきが自分にかかってしまいます。
タイヤレバーでリムにタイヤを装着
タイヤとリムの準備ができたら、脱輪時に苦労したタイヤレバーの作業です。でも脱輪より装着は簡単で、リムの片側ずつタイヤレバーで作業すれば意外とスムーズに装着できます。コツはタイヤレバー1本で少しずつ装着していき、最後は2本で一気にはめるイメージです。
クロスバイク本体にタイヤ装着
空気が抜けた状態でクロスバイクにタイヤを装着します。その際注意したいのが後輪の場合は「スタンド」。スタンドを貫通して器具を取り付ける場合は、穴を間違えて装着するとスタンドが下りなくなります。またブレーキを緩めた場合は、このタイヤ装着後にブレーキを正規の位置に戻しましょう。
バルブ金属を装着し空気を入れる
クロスバイクにタイヤ装着できたら、バルブ金属を元に戻してタイヤに空気を入れましょう。その際はブレーキがリムに当たりすぎていないかチェックし、ブレーキも調整しながら作業するのがおすすめです。ちなみにここまでの作業時間は30~40分でしたが、慣れれば30分以内で作業完了できます。
パンク修理時の要注意ポイント
タイヤの表と裏
クロスバイクのパンクを自分で修理する場合に注意したいのがタイヤの状態チェック。パンクの原因となった金属片やガラス片がタイヤに刺さったままの状態になっている可能性が高いからです。そのままだとパンク修理しても、ふたたびパンクする可能性があります。タイヤゴムを外した際は、タイヤの表も裏もチェックしましょう。
バルブからの空気漏れ
タイヤの空気漏れはチューブではなくバルブから起きている可能性もあります。穴によるパンクと違って原因がいろいろあり、バルブゴム交換だけで済まない場合も多いです。この場合はチューブを丸ごと交換してしまうのが無難かもしれません。
リムテープの劣化
チューブと接するリムには、リムテープと呼ばれるテープが貼ってあるかと思いますが、このテープの劣化によってチューブの内側がパンクする可能性もあります。その場合は、リムテープの交換も必要になりますので注意しましょう。
安心してクロスバイクに乗ろう
パンク修理グッズはクロスバイクに常備しよう
街乗りもアウトドアも楽しめるクロスバイク。パンク修理方法を知り、自分でできるようになれば、パンク修理グッズ常備で安心してクロスバイクで出かけることができます。どんなに郊外へ行っても安心。自由気ままにクロスバイクで出かけましょう。
クロスバイクのタイヤや選び方が気になる方はこちらをチェック!
クロスバイクのタイヤには、実はパンクしにくいものもあれば、パンクしないものもあります。そんなタイヤについて詳しくご紹介。さらに初心者におすすめのクロスバイクガイドなど、参考になる内容がいっぱいです。

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出典:ライター撮影