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観葉植物・ビカクシダ(コウモリラン)の種類一覧。品種別の管理方法や見分け方も!

ビカクシダはコウモリランとも呼ばれる通り、コウモリが羽ばたいているような特徴的な葉姿から、インテリアとして多様な飾り方が楽しめることで人気のある観葉植物です。ビカクシダには交配種類などを含めて数種が育種されていますので、種類を挙げて管理方法などをご紹介します。
2021年12月15日
Meigen Oka
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目次

ビカクシダ(コウモリラン)の概要

Photo bysandid

ビカクシダはウラボシ科ビカクシダ属の多年草で一般的にコウモリランと別名で呼ばれています。熱帯地域原産で主に樹木などに着生するシダ類の仲間です。アフリカ、アジア、南米、オーストラリア、太平洋の各諸島に18種類が確認されています。

ビカクシダは葉姿が特徴的ですが、2種類タイプの葉があることも特徴です。株の基部に張りついている様に出た葉の「貯水葉⦅ちょすいよう:外套葉(がいとうよう)ともいう⦆」と鹿の角を思わせる形の「胞子葉(ほうしよう)」とを持ちます。

貯水葉(外套葉)・胞子葉とは

ビカクシダには株の基部にある「貯水葉(外套葉)」と広がる様に伸びる「胞子葉」の2種類の葉をもっています。どちらもビカクシダの生長には欠かせない役割を担っているのです。

貯水葉(外套葉)

貯水葉はビカクシダの株の基部にあり、構造がスポンジ状で名前の通り水を貯える役目をします。古い葉を包み込むように緑色の新しい葉を出して生長し、大きく葉を広げると茶褐色に変色して枯れたようになります。

水を貯めるだけでなく、虫の死骸や朽ちた葉などから栄養分を吸収する力もあるので、栄養葉や落ち葉止め葉、泥除け葉などの呼び名もあります。

胞子葉

胞子葉は葉を大きく伸ばして光合成をします。葉の裏側に胞子が付いているのでこの名が付いています。別に“繁殖葉”とも呼ばれていて、鹿の角のように見える葉を大きく生長させます。

名前の由来と花言葉

ビカクシダは葉の形が二股に繰り返して裂けてゆき“鹿の角”のように見えることから「麇角羊歯(ビカクシダ)」という和名が付けられました。また、コウモリの羽にも似ていることから「コウモリラン」の呼び名があります。

ビカクシダは着生植物ですので樹木などに着生しますので、樹木と共生して生育することから助け合いの意味を含めて「信頼」「助け合う」「魔法」の花言葉が付けられています。

ビカクシダ(コウモリラン)の種類

ビカクシダ属の原種には18種類が確認されていますが、原産地域にはアフリカ、アジア、オーストラリア、南米など四つの熱帯地域を中心に別けられ、それぞれの種類に個性的特徴が見られます。

近年では交配も行われていて、インテリアにマッチした小型種などの園芸品種が生まれています。四つの地域別に原産地域別にビカクシダ属の種類をご紹介します。

アフリカ系の種類

アフリカ・マダガスカル系とも呼びます。比較的陽の光を好む系統です。園芸品種では明るい陽射しを当てるように管理するとグリーンの色もよく映えて育ちます。

アルシコルネ

ビフルカツムに似ていますが、貯水葉には丸い縁の部分の切れ込みがないことと、胞子葉はシャープな印象で幅が狭いのが違いであり特徴です。耐寒性はあるが真夏の高温期は弱いのが特徴ですので、室内で管理する場合は室温が10℃以上あれば育てられます。


エレファントティス

エレファントティスという名は胞子葉の形状が象の耳によく似ていることから名付けられた品種です。ビカクシダの種類のなかでも特に寒さに弱いことから、日本では管理が難しい種類とされています。

エレシー

エレファントティスと同様寒さに弱く高温多湿を好む種類です。ビカクシダの他種に比べて胞子葉が濃いグリーンであるのが特徴で、大きな葉は切れ込みが少なく横に広げて生長します。

ステマリア

エレシーと同じく濃いグリーンで先端が大きく二つに分かれたクサビ形をした胞子葉が特徴です。耐寒性はなく高温多湿を好みますので冬季の管理は15℃以上を保って管理します。

マダガスカリエンセ

貯水葉に格子状の模様があり、“緑の脳みそ”と呼ばれているのが特徴であり魅力となっています。育てるのが難しい種類で、常に水を補給し湿らせておく必要があり、温室での管理が必須となります。

クアドリディコトマム

アン ディヌムによく似ていて小型にした様な種類です。上方にのばした貯水葉の先端は浅い切れ込みがあり、下方に垂れ下がる胞子葉は二つに切れ込んで裂片が四つになることから、ラテン語の“quad(4つ)”が名の由来です。

アジア系の種類

アジア系は原産地も熱帯地域ですので耐寒性はありません。真夏の高温でも十分耐える性質ですが冬季は15℃以下にならないように注意が必要です。

コロナリウム

ラテン語で“corona(冠)”を意味していて、貯水葉が王冠の形に似ていることが名の由来です。胞子葉は細かい切れ込みが多く、よじれながら下方に垂れ下がるように伸ばします。

グランデ

“森の王冠」と呼ぶ別名がある大型の種類で、大きな貯水葉とやはり巨大な胞子葉を持ち、1.5mほどにもなります。大型ですので広い場所での管理が必要ですが、耐寒性がありますので育てやすく人気品種です。


ホルタミー

高温多湿を好む大型の種類で環境がよければ2mほどにも生長します。胞子葉の葉脈が太いことから垂れ下がらず前方に張り出す様に伸ばすのが特徴です。鮮やかなグリーンが魅力です。

リドレイ

ビカクシダのなかでも大変人気のある品種です。貯水葉がシワのある模様で“キャベツ”とも呼ばれるほど特徴的です。耐寒性はありませんので冬季の管理が難しいのですが、一度冬越しに成功できれば環境が変わらない限り順調に育てることができるでしょう。

ワリチー

平べったく大きい胞子葉と葉脈が白っぽいのが特徴です。貯水葉は上部に切れ込みが入った状態で立ち上がり、胞子葉は翼を広げた様になって垂れ下がります。休眠期はまったく生長を止め、低い気温になると胞子葉を内側に丸めて休眠してしまう特徴がある種類です。

ワンダエ

大型の種類でビカクシダの女王とも呼ばれる華やかさのある貯水葉とドレスを思わせる胞子葉が特徴です。環境が悪いと根腐れを起こしやすい品種ですので、風通しのよい場所で管理し、冬季は温度12℃以上にします。

オセアニア(オーストラリア)系の種類

オーストラリア(オセアニア)系は比較的乾燥に強く低温にも耐える品種が多いのですが、ビカクシダを日本で管理する場合は10℃以上の温度設定が必要です。

ビフルカツム

ビカクシダのなかでは比較的育てやすく、最も多く流通しているポピュラーな観葉植物として人気品種です。日当たりを好み乾燥にも強く寒さにも強いので環境への適応性もあります。室内での越冬も可能な種類です。

ヒリー

ビフルカツヌに生態はよく似ていますが、ヒリーの方が貯水葉の切れ込みが浅く、胞子葉は長く伸びず幅広になっているのが特徴の種類です。ビカクシダのなかでも育て方は比較的に簡単でビギナーの方向けといってよいでしょう。

スパーバム

貯水葉が王冠の様、胞子葉はドレスを思わせる草姿であることから名は“気高い”“上品”の意味があるのです。耐暑性、耐寒性ともにありますのでビカクシダのなかでも育てやすい部類に入ります。


ベイチー

胞子葉に長く細い切れ込みが深く入っていて、星状毛が葉全体に覆われていることから、きれいな銀白色に見えるのが特徴のビカクシダです。原産地の環境に適応していますので乾燥に強く、小型種ですので室内で容易に管理できる種類でしょう。

ウィリンキー

ビカクシダでは大型の種類で、貯水葉が細く下方に伸び、星状毛が多く生えているのでベイチーと同様銀白色に見え大変きれいな品種です。乾燥に強いのですが耐寒性はありません。

南米系の種類

南米系のビカクシダはアンディナムの一種類のみです。比較的標高の高い地域が原産ですので高温多湿を嫌います。水をなるべく切らさないようにして風通しのよい場所で管理します。

アンディナム

南米の高地が原産ですので耐寒性があり、日本でも冬季の寒さに対応の可能性があります。大型の種類で胞子葉が株元から2つに大きく分かれて垂れ下がり2mほどにも生長しますので広めの場所で管理する場所が必要でしょう。

ビカクシダのまとめ

ビカクシダ(コウモリラン)は熱帯地方原産で樹木などに張り付いて生育する着生植物です。冬季の温度管理と日当たり、風通しに気を付けていれば比較的管理しやすい観葉植物の種類でインテリアの個性的なポイントとして楽しめるでしょう。

ビカクシダの種類とその見分け方、および種別の管理の目安などをご紹介しました。それぞれの特徴などを理解して、ご自分に合った園芸品種を選んでみてはいかがでしょうか。

ビカクシダが気になる方はこちらをチェック!

ビカクシダの種類や管理方法など詳しい内容をもっと知りたい方は「暮らし~の」のWEBマガジンでもご紹介している記事がありますので、ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。