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防虫ネット 0.6
モモアカアブラムシとは
有名な害虫の一種
アブラムシは体長が2mm程度の小さな害虫です。ほとんどの植物に発生する厄介な害虫として知られています。特にモモアカアブラムシは、広範囲の野菜に発生しやすいです。モモアカアブラムシの色は緑色、黄緑色だけではなく暗褐色や赤褐色などの赤っぽいものなど他のアブラムシと比べ色味がたくさんあり、葉に群棲します。
モモアカアブラムシとワタアブラムシの見分け方は腹部の斑紋有無です。
モモアカアブラムシの生態
モモアカアブラムシは、アブラムシ科の昆虫です。桃に発生しやすいアブラムシですが、食性が広く桃以外の作物も被害を受けます。越冬するときは、桃に寄生し卵を産み付けますが、アブラムシの仲間ということで暖かい時期では卵を産まずにどんどん増えることも。一度寄生するときちんと駆除しないと深刻な被害を受けます。
食性が広く、さまざまな作物に発生することから本種とワタアブラムシなどを一括にしてアブラムシと呼ばれている害虫です。
モモアカアブラムシの発生時期
モモアカアブラムシの発生時期は3月頃となり、桃の枝に産み付けられた卵が孵化するところ始まります。卵から孵化した個体はなんと全てメス。孵化したアブラムシは単為生殖により、1匹だけでもどんどん増えていく特徴的な生態の害虫です。
暖かくなる初夏手前の5月中旬になると、羽の生えた個体が生まれるようになり、桃以外の作物にも発生しやすくなり被害がどんどん広がっていきます。
夏以降の発生傾向
モモアカアブラムシは夏以降の生態にも特徴で、夏では被害が一旦収まりますが秋になると、再び被害が発生しやすいです。また、夏になると桃ではなく他の植物が被害を受けやすく、冬も暖かい地域では一年中発生するなど地域差もあります。
そのため、モモアカアブラムシの発生時期は3~5月までは主に桃、以降は被害が少しずつ減りますがアブラナ科の野菜やナスやピーマンなどの夏野菜に移り、秋になるとまた被害が増えていくのです。
越冬について
モモアカアブラムシなどのアブラムシは寒い時期は、卵で越冬するため冬は被害を受けません。前述したように基本的にモモアカアブラムシは単為生殖により、メスの成虫から直接メスの幼虫が生まれるのですが、一定の気温になるとオスが発生し、卵を生む個体も発生します。
そのため、暖かな地域では越冬することなく永遠と成虫が直接幼虫を産み、爆発的に増えるため特に注意しましょう。寒い地域では冬になると一旦姿を消します。
暖地では桃以外で越冬
モモアカアブラムシは、暖地では桃以外で越冬します。前述したように幼虫のままで越冬するため、アブラナ科の野菜、野草(野生化したアブラナ)などで越冬し、羽の生えた個体が出現する5月頃に野菜などに飛来する地域差が大きい生態です。
被害に遭う作物と被害内容
被害に遭いやすい植物とは
モモアカアブラムシの被害は桃、スモモ、花桃から始まります。初夏など暖かくなるとナス、じゃがいも、食用ほうずき、ピーマンなどのナス科の野菜や水菜、大根、白菜やコマツナ、キャベツなどのアブラナ科の野菜などが被害を受けやすいです。
また、ナス科、アブラナ科以外の植物でも被害を受けることが多くウメや梨、さつまいもなどにも発生します。ウリ科にも発生することから夏野菜は全体的に発生しやすく対策が必須です。
直接的な被害
モモアカアブラムシの被害は植物の葉に大量に群棲し汁を吸うことで葉の黄化や萎縮の原因になることです。植物は光合成により成長するため葉が黄色くなったり萎縮してしわくちゃになったり縮れることで正常に成長しなくなります。
ナスなどの身を食べる果菜では、正常に成長できなくなったことで味が落ちたり、花芽ができなかったりと収穫量や品質などが落ちるなどの被害を受けやすいです。放置すると枯れる原因になるため駆除しましょう。
排泄物による二次被害
ワタアブラムシなどのアブラムシの排泄物は甘い汁のため、すすのような黒いカビ(すす病)が発生する栄養源になります。カビは排泄物により葉の表面を覆うように増えていき、光合成ができなくしてしまうことから作物の成長を阻害し葉が黒くなることから見た目も悪化してしまう病気です。
範囲が狭いうちは葉ごと切り取って対処できますが、根本的な原因がモモアカアブラムシの排泄物のためアブラムシを駆除しない限り発生します。
病気の原因にも
モモアカアブラムシなどのアブラムシは汁を吸うときに病気も広げます。モザイク病にかかると葉がモザイク状に変色し、正常に光合成できず、株全体が弱る病気です。治療薬はなく、一度発生してしまうと抜き取って他の株に影響がないように処分するしか方法はありません。
モモアカアブラムシだけではなく他の害虫でも広がる病気ですが、数が多いアブラムシの二次被害として有名です。
アリの発生
モモアカアブラムシなどのアブラムシはアリとの共存しやすいです。アリはモモアカアブラムシから甘い汁を貰う代わりに、アブラムシの天敵となるテントウムシから守ります。アリ自体は作物に悪影響を与えませんが、バラなどの花だと見た目が気になる場合もあるため二次被害と言えるでしょう。
バラにはモモアカアブラムシとは違う種類のアブラムシが発生しやすいですが、ウメや桃はバラ科の木です。そのため、モモアカアブラムシも発生します。
有効的な駆除方法
予防方法について
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モモアカアブラムシの予防方法は、銀色のマルチや虫よけネットを使うことです。害虫は銀色を嫌う傾向があり、アブラムシ類には有効的な防除方法になります。防虫ネットを使う場合は、目が1mmより小さいネットを使いましょう。1~2mm以上だとアブラムシが中に入ってしまいます。
また、風通し確保して過密に植えすぎないことも重要です。過密に植えすぎると風通しと日当たりが悪く、病害虫の発生しやすい環境になります。
農薬を使わない駆除方法
モモアカアブラムシは小さく弱い虫です。寄生蜂、テントウムシなどの害虫も多く無農薬でも駆除する方法がたくさんあります。薬を使わず手軽に駆除する方法は、霧吹きやスプレー容器に牛乳を入れてよく晴れた日にまんべんなく噴霧するだけです。
牛乳が乾いたときに、モモアカアブラムシを閉じ込めてしまい駆除できます。牛乳が乾いたとはしっかり洗い流しましょう。牛乳が残ると、他の病害虫の発生する原因んなりやすいです。
牛乳以外の方法もおすすめ
体長が小さいモモアカアブラムシは牛乳以外の方法も多いです。例えば木酢液を800倍程度にうすめて噴霧するだけでも木酢液の臭いにより害虫が発生しにくい環境になります。同じように竹酢液でもアブラムシ対策が可能です。
木酢液、竹酢液を使う場合はラベルを確認して使うようにしましょう。希釈する量は使う木酢液、竹酢液によって異なる場合があります。
農薬を使う
オルトラン粒剤
モモアカアブラムシを含むアブラムシは有名な害虫です。そのため登録されている農薬は非常に多く、一般家庭で使いやすいものから広範囲で使いやすいタイプなど多種多様な農薬があります。
例えばオルトラン粒剤は薬の成分が根から吸収され植物全体に広がり、アブラムシのように汁を吸う害虫に効果的です。また、スプレータイプの薬剤は病害虫に効果がありアブラムシだけではなく、うどんこ病などにも効果が期待できます。
モモアカアブラムシのまとめ
アブラムシと同じように対処
モモアカアブラムシはアブラムシの一種で基本的に対処方法は変わりません。発生しやすい春、初夏、秋に防除していきましょう。桃に発生しますが、さまざまな野菜に発生するため植物の様子をこまめに確認することで被害に気づきやすくなります。ナス科、アブラナ科、ウリ科を育てている方は注意してくださいね。
対処方法は多いため環境に合ったものを使うといいでしょう。小さなスペースでは、牛乳を使った手作りの農薬で駆除、防除できます。
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