ウスカワマイマイの生態
紫陽花が咲きそろう時期に目にするカタツムリの名称は、ウスカワマイマイと言います。殻が薄く内臓が透けてみえることが特徴です。ここではウスカワマイマイの生態についてご紹介します。
日本に広く分布するウスカワマイマイの寿命は1年ほどです。カタツムリ全体では種類やサイズが大きいほど寿命が長く、10年以上生きる個体もいます。世界一大きいカタツムリはアフリカマイマイで、成虫になるとそのサイズは20cm以上にもなるようです。
ウスカワマイマイの誕生
ウスカワマイマイは、メス・オスの区別がなく1個体で自家受精できます。また、より強い遺伝子を残すため、複数個体でも繁殖活動できるのが特徴的です。
卵の直径は2~3mmほどで、ふ化した幼虫はすでに殻を背負って生まれてきます。殻は成長とともに大きくさせる必要があり、カルシウムを多く摂取しなくてはいけません。そのため、硬いコンクリートや昆虫の死骸を食べ、徐々に大きい殻へと成長させます。
ウスカワマイマイに生息する寄生虫
ウスカワマイマイをはじめカタツムリに生息する主な寄生虫は、『広東住血線虫』です。線虫の幼虫や卵が人間の体内に侵入した場合、激しい頭痛や吐き気、痙攣などの症状を引き起こし、最悪は死に至ります。
そのため、素手でカタツムリを触ってしまったときは必ず手を洗いましょう。また、家庭菜園などで収穫した野菜は粘液が付着していることがあるので、入念に洗浄してから食べることが大切です。
カタツムリと鳥の中で生きる寄生虫
他にも恐ろしい寄生虫であるロイコクロリディウムは、鳥とカタツムリの体内が生活圏という奇妙な生態です。
ロイコクロリディウムは鳥の腸内で産卵し、鳥はその卵を糞とともに排出します。その糞を食べたカタツムリの体内でふ化した幼虫は、カタツムリの目に集まるのです。まるで鳥の餌であるイモムシのように擬態し、グネグネとうごめきます。鳥はそのカタツムリを食べ、ロイコクロリディウムはまた鳥の中で成虫となり産卵する寄生虫です。
ウスカワマイマイ駆除におすすめ農薬3選
ウスカワマイマイは山林ではなく、人家の花壇や明るい環境で生息する特徴があります。柔らかい葉や新芽を好んで食べてしまうため、農家にとっては招かれざる害虫です。
農作物の葉に大きい穴を発見したら周辺をよく観察しましょう。1匹でもウスカワマイマイを発見したら、汚染レベルは黄色信号です。ここからは、ウスカワマイマイの食害を抑えるために役立つ農薬をご紹介します。
おすすめ農薬1:【ナメトール】ハイポネックスジャパン
ナメトール 300g
内容量 | 300g |
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粒上撒き餌タイプです。1平方メートルあたりに1~5gを粒のまま撒きます。自然の土壌にある成分が主原料のため、有機野菜や花など植物自体への影響はありません。
犬猫などペットのいる家庭でも安心して使用可能です。湿気に強く雨の日でも効果は持続します。食べ残された薬剤は微生物が分解して土壌に戻るので環境にも優しいのが特徴です。
おすすめ農薬2:【ナメトリンキング】キング園芸
ナメトリンキング 250g
内容量 | 250g |
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粒上撒き餌タイプです。1平方メートルあたりに4.5gを粒のまま撒きます。ウスカワマイマイが好むビール酵母を配合しており、誘引性は抜群です。ですが雨の日に巻くのは効果が薄いので避けてください。
おすすめ農薬3:【マイキラーL】サンケイ化学
マイキラーL 500ml×3本
内容量 | 500ml |
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液体タイプで、農産物の種類に合わせて200~500倍で薄めて使用します。一度で広い範囲に散布できるため経済的です。薬剤に触れただけで脱水症状になり、即効性があります。
ウスカワマイマイ駆除におすすめ食材3選
すぐに農薬が手に入らないけど早く退治したい時に、身近にある食材で対処できます。また、無農薬野菜の栽培行っている場合、農薬によって農作物への影響が不安です。
そこで、人間の体内に入っても問題のない食材によってカタツムリを駆除する方法を紹介します。
おすすめ食材1:【塩】
塩をかけるとナメクジが駆除できることは、よく知られている知識です。これは、ウスカワマイマイにも効果があります。
水分の多いウスカワマイマイが塩を被ると、浸透圧により体の塩分濃度を薄めようと体内から水分が抜けていくのです。みるみるうちに縮んでいき、最終溶けて見えなくなってしまいます。
おすすめ食材2:【ビール】
ウスカワマイマイの不思議な習性は、ビールの匂いに集まってくることです。仕掛けは簡単で、高さ6~7cmの容器を土壌に埋め、中にビールを入れます。
数日後、ビールにおびき寄せられたカタツムリが容器の中に落ち、溺死するのです。デメリットは、死骸を目の当たりにしてしまうため、虫が苦手な方にとっては壁が高いかもしれません。
おすすめ食材3:【コーヒーかす】
ウスカワマイマイはカフェインを嫌う特徴があり、防虫作用があります。大切な農作物や花の回りの土壌に直接コーヒーかすを巻くだけです。
駆除はできないものの、ウスカワマイマイが近づかなくなるので、作物を保護できます。コーヒーかすは、作物に必要な栄養素を含むため、土壌の肥料としても役立つのです。
まとめ
日本に分布するウスカワマイマイは危険害虫という認識が低く、かわいらしい外見から駆除するのを後回しにしがちです。ですが、放っておくと爆発的に繁殖し、植物は甚大な被害を受けてしまいます。
大切な農作物や花を守るために、1匹でもカタツムリ・ウスカワマイマイを発見したときは、今回ご紹介した駆除方法をお試しください。
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