パンジーについて
鉢植えでも地植えでも育てやすいパンジー
パンジーは、鉢植えでも地植えでも育て方が簡単です。初心者向けで、花色が多く、万人に人気の花と言えるでしょう。日当たりを好み、開花時期は10月から5月ごろ。草丈は10cmから30cmぐらいで、寒さに強いですが暑さには弱く、夏を越して栽培するのは難しい植物です。
パンジーの開花を楽しむためには、冬の育て方と日当たりが大事。栽培のコツや、花壇を彩る人気の花色をご紹介します。
パンジーとビオラ
パンジーは黄色や紫、ピンク、青、白と花色が豊富。パンジーは、ビオラの原種のビオラトリコロールを品種改良したものです。パンジーもビオラも育て方は同じなので、鉢植えでも地植えでも一緒に栽培できます。
パンジーとビオラを組み合わただけで、色とりどりの花色の寄せ植えができるでしょう。日当たりのよい花壇で、たくさんのパンジーが咲いていると、冬の庭が明るくなります。
花色が人気のパンジーの品種
薄紫から濃紫まで色が変わるぞうさんビオラは、下花弁がカールしていて種をつけません。そのため花柄摘みをしなくても、花が長くたくさん咲きます。育て方も楽なので人気の品種です。
ミュールの花色はワインから紫、黄色が混じり、フリルの花びらが豪華。気温が高くなっても、草丈が伸びないので、切り戻しの必要がありません。この種類も育て方が楽と言えるでしょう。花色に幅があるので、一株を鉢植えにしても華やかです。
パンジーの種類分け
大輪種には、コンパクトな草丈で大きな花が咲くパシオやデルタがあります。顔のようなかわいい花で、昔から栽培されているパンジーです。中輪種では、色鮮やかな虹色スミレや、フリンジ咲きが華やかなフリズルシズルが人気。黒やワインなど個性的な色もあります。
小輪種は、おもにビオラです。黄色と紫のコントラストが美しいピエナや、ブロッチが印象的なフローラルディズが、寄せ植えに人気が高い種類となります。
種からの育て方
種まきのポイント
気温に注意すれば、パンジーは発芽しやすい植物と言えます。18℃から20℃の秋分の日の前後が、種まきに適した時期です。土の温度が高いと発芽率が落ちますので、暖地では気温に注意してください。
10月から花を咲かせたい場合は、7月下旬から8月上旬に種をまきます。早まきをする場合は、気温が高いので温度管理が育て方のポイント。クーラーボックスや冷房を使って、温度調節してください。
種まきの注意点
種が小さいので、地植えにする場合でも直播きは避けてください。肥料が入っていない新しい土を用意し、鉢やセルトレーに土を入れ、じゅうぶんに水をかけて土全体を湿らせておきます。
かさならないように種をまき、薄く土をかけてください。直射日光の当たらないところに鉢を置きます。発芽までの育て方は、水やりが大事。種が細かいので、ジョウロで静かに水やりをします。種が露出しないように、鉢を水に漬ける方法もあります。
発芽後の育て方
種をまいてから発芽までは、15日間ぐらいとされています。発芽したら、すぐに日当たりのよい場所に移してください。日影で育てると、ひょろひょろの弱い苗になりやすいです。この時期の育て方で、苗の勢いに差がつきます。
本葉が少し出たら、薄い液肥をやりましょう。本葉が触れ合うほど込み合っていたら、ピンセットで間引きしてください。日当たり、水、肥料のバランスがよい育て方をすると、丈夫な苗になります。
植え替えの時期
本葉が2枚から4枚になったら、根を傷めないように注意して、育苗用のポットに植え替えます。培養土を自分で作る場合は、赤玉土5、腐葉土3、堆肥2の割合でブレンドしてください。
パンジーの苗を植えたら、根元を軽く押さえます。底から水が出てくるまで、ジョウロで静かに水やりしてください。植え替えは、根を傷めないことがポイント。この時期の育て方も日当たりが大事です。
パンジー栽培のポイント
鉢植えの場合の植え付け
育苗用ポット全体に根が伸びていたら、定植する時期です。育て方しだいでは、開花していることがあります。鉢やプランターに鉢底用の土を2cmぐらい入れ、元肥を入れた草花の培養土を鉢の縁から2cm下ぐらいまで入れてください。
ポットと同じ大きさの穴を掘り、パンジーの苗を植えます。植え付けたら水をたっぷりやって、日当りのよい場所に置きます。日当たりが悪いと、花色が薄くなってしまいます。
地植えの場合の植え付け
花壇に植える場合は、日当たりと風通しのよい場所を選び、2週間ぐらい前に苦土石灰をまきます。パンジーは日当たりを好むので、他の植物の影にならない場所を選びましょう。
植え付けるときに、たい肥と化成肥料を土に混ぜ込みます。地植えでの育て方のポイントは、土作りです。数株植えるときは、20cmほど離して穴を掘り、水をやってから、子葉が土に埋まらないように植え付けます。
プランターや鉢植えの場合の育て方
鉢植えでは、冬でも土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりします。特に開花株は、水切れに注意。午前10時から正午ぐらいの日当たりのよい時間に水やりしましょう。花が咲いている間は、リン酸の多い肥料を追肥してください。
鉢植えやプランターは、動かせるのが利点。日当たりのよい方へ花が向くので、ときどき鉢植えの向きを変えると、バランスよく育ちます。
地植えの場合の育て方
地植えでは、水やりはほとんど必要ありません。晴天が続いて乾燥しているときだけ、水やりしましょう。
地植えでの育て方の注意点は、土が付きやすいということです。雨が強いと、葉や花に泥がついてしまいます。株元にバークたい肥やウッドチップを敷いておくのがおすすめ。霜が降りる地域では、霜よけにもなります。グランドカバーになる植物を植えておくのも、人気の手法です。
開花を促す育て方
パンジーをたくさん咲かせるための育て方
育て方がかんたんなパンジーですが、植え付けるときにひと手間かけると花数が多くなります。茎が1本しか出ていない場合は、花が付いていても茎の半分ぐらいのところで切ってください。植え付けるときにカットしておくと、枝分かれして花芽がたくさん付きます。
茎の半分ぐらいの高さのところで小さな芽が出ていたら、そのすぐ上で切りましょう。カットした枝は、さし芽ができます。
パンジーを長期間楽しむための注意点
咲き終わった花は、根元からカットしてください。そのままにしておくと種を付けてしまい、開花がストップしてしまいます。しぼんだ花は翌日には咲きませんので、花柄の根元から摘んでしまいましょう。
春先のパンジーの育て方
冬の間は成長がゆっくりですが、3月になって気温が上がると急に丈が伸びます。伸びすぎると、葉が多くなり花が目立たなくなり、花壇では倒れることもあるでしょう。
思い切って地面から5cmぐらいのところでカットします。葉が付いているすぐ上で切るのが、切り戻しのポイント。そこから新しい枝が出て、花芽がつきます。全体に半円状にカットすると、こんもりと形よくなり、花の数も増えるでしょう。
パンジーの開花のポイント
パンジーの花をたくさん長く咲かせるためには、摘芯と花柄摘みが育て方の中でも、とくに大事になってきます。毎日、花のようすを観察するのも、育て方の大事な作業のひとつです。花びらの縁が丸まってきて、開かなくなったら、摘み取りましょう。花が咲くようすを楽しみながら、花をたくさん咲かせる育て方のコツをつかんでください。
吊り鉢での育て方
パンジーの吊り鉢は、狭いスペースでも楽しめます。吊り鉢やリース型のプランターに植えた場合は、乾燥しやすので、ハンギング用の土を使い、水やりを忘れないように。肥料も水と一緒に流れてしまうので、液体肥料を追肥するといいでしょう。
水と肥料が不足すると、開花が止まってしまいます。通常の鉢とは育て方が違うので、注意が必要になります。
プランターや花壇で作る寄せ植え
寄せ植えの植え付け時期
パンジーの開花時期は長いので、冬でも春でも寄せ植えが作れます。特にポッドから植え替えるときは、チャンスです。鉢やプランターに植え付けるときに、いろいろな植物を一緒に植え付けてみましょう。
二度目のチャンスは、春になって切り戻したときです。丈を詰めて株の負担が小さいときに、鉢植えで育てていたパンジーを花壇に植え付けるのもいいでしょう。地植えの苗を掘り上げて、プランターに植え付けることもできます。
寄せ植えでの植え付けの注意点
日当りや育て方が、パンジーと似ている植物を選んで植え付けましょう。育て方が同じ植物なら、均等に花が咲きます。植え付けて1週間ぐらいしたら、日当りの良い所へ置いてください。
冬に作る寄せ植えは、アリッサムやガーデンシクラメンなどの日当りを好む花がおすすめ。春には花が咲いている苗をじっさいに配置して、デザインを考えてください。プリムラやアネモネ、日当たりを好む球根が向いています。
花壇で作る寄せ植え
花壇でも最近は、いろいろな植物をバランスよく配置する育て方が増えてきました。鉢植えで作る寄せ植えと同じように、相性のよい植物を探してみましょう。地植えの場合は、育て方が似ている種類を近くに植えると、よく育ちます。
ボーダー花壇は、奥のほうへ背の高い植物を植え、手前に背の低いパンジーを配置します。円形で全方向から見られる花壇は、中心に背の高い植物を植え、周囲にパンジーを植えましょう。
寄せ植えにしたパンジーの育て方
寄せ植えは、苗の間隔を詰めて植えたほうが、ボリュームが出てきれいです。そのかわり葉や枝が混みあって、日当りや風通しが悪くなります。黄色くなってきた葉や咲き終わった花は、こまめに摘み取りましょう。
日当たりを好むパンジーは、ほかの苗の隙間から上へ伸びます。中心の芽を摘んで枝を多く出すようにしてください。パンジーは開花時期が長いので、冬の花や春の花と組み合わせて、育て方に注意して、長く楽しみましょう。
パンジーの増やし方
さし芽による増やし方
枝を増やすために剪定したときに、さし芽をしてみましょう。カットした枝の一番下の葉を取り、小粒の赤玉土に挿します。葉がついていた部分が土にかくれるように挿してください。根が出るまで乾燥させないように、水やりをします。
パンジーの種の採り方
5月になってそろそろパンジー栽培を終わりにしてもいい時期になったら、咲き終わった花を残して種を取ることもできます。種を取ったら紙に包んで、種類や花色を書いておきましょう。F1という種類は、種ができないものもあります。
さし芽や種を採るときの注意点
さし芽の適期は、10月と3月、4月です。それ以外の時期に芽を挿したい場合は、温室や発泡スチロールの箱などで栽培しましょう。3週間ほどで根が出ますので、それまで直射日光の当たらない場所で、乾燥させないようにします。
種を採取するまでの育て方で気をつけることは、病気や害虫です。株の力が落ちてきますので、余分な枝はカットします。病害虫を防ぐために、株元にオルトランをまいておくと安心です。
増やした苗の注意点
登録された植物は、種苗法によって保護されています。さし芽や種で栽培した苗が登録品種の場合は、販売はできません。パンジーの苗や種を購入したときに、登録品種の場合は、育て方のそばに注意書きが付いていますので、確認してください。
人気の高い種類は、登録品種になっていることが多いです。増やしたパンジーは、個人で栽培して楽しみましょう。
パンジーの育て方をマスターしよう
育て方のコツを押えよう
パンジーは育てやすい花ですが、育て方のポイントを知ることで、見栄えがよくなります。種まきのポイントは、18℃から20℃の気温です。発芽後の育て方のポイントは間引き。芽が混みあわないように間引きしましょう。芽が出た後の育て方で、苗の成長に差がつきます。
人気の品種は、早く売り切れてしまいます。人気の苗は、予約できる園芸店で探しましょう。苗が届くのを待ちながら、育て方を学んでおくのも楽しいものです。
パンジーの開花を楽しむコツ
植え替え後の育て方では、摘芯が大事。開花中は、花柄摘みが育て方のポイントです。春先の育て方では、徒長に気をつけて、草丈が高くなり過ぎないように、剪定をしてください。よく咲くスミレのように、大株になることで人気の品種もあります。種類に合った育て方が大事です。
栽培のコツをつかんで、次々とかわいい花を咲かせましょう。寒い冬もパンジーの世話をして、楽しく過ごせます。
寄せ植えでも楽しめるパンジー栽培
日当りのよい場所でさまざまな花が咲くようすは、寄せ植え花壇のだいご味です。パンジーは丈夫で植え替えしやすいので、場所が合わないようなら、切り戻して別の場所に移してみましょう。移植した後の育て方は、定植したときの育て方を参考にしてください。
パンジーは徒長して、育て方を失敗したと思っても、ほかの植物の間へ植えて寄せ植えのあしらいに使えます。自由にいろいろな植物と取り合わせてみましょう。
パンジーの花言葉が気になる方はこちらをチェック!
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