カフェと喫茶店の違いを知る
カフェと喫茶店の違いは?
カフェと喫茶店、どちらも飲み物と軽食を楽しみながら寛ぐお店です。思い描くイメージやお客さんの雰囲気でなんとなくカフェと喫茶店に分かれていますが、カフェと喫茶店の定義にははっきりした違いがあるのでしょうか?
違いを知って納得!喫茶店とカフェ
実は、喫茶店とカフェは同じようなもので違いがない、というのも違いがあるというのも正しいのです。利用者が描くイメージによる違いや営業許可の種類による違いなどはありますが、名称としての違いにはあまり意味がありません。今回はそんな喫茶店やカフェの定義や営業形態の違いを詳しくご紹介します。
カフェと喫茶店の定義
カフェの定義
カフェの語源はcafé=コーヒーです。したがって、コーヒーなどの飲み物を楽しみながら寛ぐお店をカフェといいます。イギリス、イタリア、フランスなどで発展した形態で、コーヒーを中心としながら、軽食やスイーツも楽しむお店です。
喫茶店の定義
喫茶店は喫煙とお茶を楽しむ場所だと勘違いされがちな喫茶店ですが、喫茶店の喫とは喫煙という意味ではありません。お茶の味や効能を喫する(楽しむ)ことを喫茶と略したのが喫茶の語源です。
つまり、日本にあったお茶を楽しむ喫茶の文化と西洋から入っていたカフェの文化が合わさり、喫茶店が生まれました。元々は日本茶を喫することを意味した喫茶ですが、日本茶よりもコーヒーをメインにしたお店が多いです。
定義の違い
- カフェの語源はCafé
- 喫茶の語源は茶を楽しむこと
- カフェも喫茶店も定義ではコーヒーを楽しむお店で同じである
カフェと喫茶店イメージの違い
おしゃれで開放的なカフェ
多くの人にとってカフェのイメージは、開口部が広くテラス席を備えた開放的でおしゃれな雰囲気です。これは、ヨーロッパのスタイルをそのまま輸入しています。特にフランスでは店内が禁煙のため、テラス席は喫煙席としての役割もあるためカフェには必要不可欠なものです。
日本ではテラス席は必須ではありませんが、窓を大きくとった明るい雰囲気の店内が多くなっています。また、この開放的な造りは気軽に入りやすい雰囲気です。
落ち着いた雰囲気が魅力の喫茶店
多くの人にとって、喫茶店のイメージは、カフェのイメージとは異なった落ち着いた雰囲気を思い浮かべる人が多いでしょう。古くからある喫茶店では奥まった席やボックス席を備えていて、店内でゆっくりお茶を楽しめます。
また、喫茶店といえば、トーストとコーヒー、卵料理などをセットにしたいわゆる”モーニング”のイメージも強いです。ジャズ喫茶など趣味性の高いお店も多くあり、常連さんが集うお店というイメージもあります。
イメージの違い
- カフェは開放的な造り
- 喫茶店は落ち着いた造り
- カフェは気軽に立ち寄ることができる雰囲気
- 喫茶店は常連客が通う雰囲気
カフェと喫茶店メニューの違い
カフェのドリンクメニューは多彩
もともとは、コーヒーを楽しむことがメインだったカフェですが、流行に合わせて様々な飲み物を取り入れる傾向にあります。紅茶専門の紅茶カフェや日本茶を専門にした和カフェ、中国茶を専門にした中国茶カフェなども増えています。
カフェのフードメニュー
カフェは、軽食などドリンク以外のメニューも充実しているのが特徴です。ランチメニューやスイーツメニューなどを看板メニューとしているお店も多く、コーヒーなどのドリンクは食後の一杯という位置づけで訪れる利用者も多くなっています。
パンケーキがおしゃれで華やか
カフェでは”パンケーキ”
カフェでは、ホットケーキではなくパンケーキと表示するのが特徴の一つです。生地にも特徴があります。甘さ控えめの薄焼きの生地のにたっぷりとメープルシロップをかけて食べるアメリカやカナダスタイルのパンケーキです。近年は、分厚く膨らませて焼き上げたスフレパンケーキもカフェで出されるパンケーキもみられるようになりました。
トッピングで華やかに
見た目が華やかなのもカフェのパンケーキの特徴です。ベリーなど果物のソースやチョコレートソース、キャラメルソース、アイスクリーム、生クリームなどをおしゃれにトッピングします。また、食事としてのパンケーキがあるのもカフェの特徴です。薄焼きのパンケーキに、野菜やベーコン、目玉焼きなどがトッピングされています。
- コーヒーメニューだけでなく、流行の飲み物も充実
- ランチメニューやスイーツメニューも豊富
- パンケーキはのトッピングはフルーツソースなどで華やか
喫茶店のドリンクメニューはコーヒーメイン
喫茶店は、概してコーヒーのメニューが充実しているのが特徴です。コーヒーだけで数種類、多いところでは数十種類のメニューを揃える店もあります。したがって、カフェとは違い、純粋に美味しいコーヒーの味を求めて訪れる利用者が多くなります。
また、日本の喫茶店独自のコーヒーといえば”アメリカン”です。アメリカンは、浅く炒った豆を使って淹れます。アメリカから伝わったのもではなく、日本生まれのコーヒーです。
喫茶店ならではの懐かしフードメニュー
喫茶店の定番メニューといえば、ナポリタン、ピラフ、プリン・ア・ラモード、クリームソーダなどです。ナポリタン、プリン・ア・ラモードは日本生まれの料理で、喫茶店の定番メニューとして親しまれています。また、関西の方にとっては、ミックスジュースも外せないメニューです。
バターが香る厚めのホットケーキ
喫茶店では”ホットケーキ”
カフェではパンケーキですが、喫茶店では”ホットケーキ"と表示されます。ホットケーキは和製英語ですが、喫茶店で出されるホットケーキも日本スタイルです。甘さが感じられるやや硬めの生地を厚めに焼き上げます。
角切りバターとはちみつ
カフェとは違い、喫茶店のホットケーキに乗せられるのは角切りにされたバターです。定番のスタイルは、そこにはちみつをかけて食べます。バターではなく、生クリームと缶詰のサクランボが添えらるスタイルも喫茶店ならではホットケーキです。
- コーヒーメニューが充実
- 日本の喫茶店発祥のメニューが楽しめる
- ホットケーキはバターとはちみつ
カフェと喫茶店歴史の違い
フランスやイタリアのカフェがルーツ
世界初のカフェは16世紀のイスタンブールで生まれました。そして初めて”カフェ”という名前の店が出されたのは、17世紀にフランスに出店したカフェ・プロコープです。そのスタイルは現在とは少し違い、コーヒーを飲みながら社交を広げたり、議論をしたりするサロンのような形態でした。
イタリアやフランスで大きく発展したカフェ文化
フランスやイタリアを中心に発展したカフェは、朝昼は朝食やランチを食べ、午後にはコーヒーブレイクを楽しみ、夜は軽食とアルコール類を楽しむスタイルに定着します。まさに、喫茶店とレストラン、居酒屋が一つになった便利なスタイルです。一日に何度も同じ店に立ち寄る常連客も少なくありません。
ヨーロッパスタイルカフェの定義
- ヨーロッパスタイルのカフェ発祥は17世紀
- 文化サロンとしての役割から日常使いの役割に発展
- フランスやイタリアでカフェの定義は、喫茶店、カジュアルレストラン、居酒屋の機能がある店
喫茶店は純喫茶とカフェ―がルーツ
世界的には15世紀からあるカフェ文化ですが、日本ではおよそ明治の終わりごろに初めての”カフェー”が開業しました。そのころのヨーロッパではバリスタ文化から男性がコーヒーを入れて提供するスタイルでしたが、日本では事情が違い、女給と呼ばれるウエイトレスが給仕する形態でした。
後に、女性店員との会話を目的とした利用者が多くなり、現在のホステスのような役割をウエイトレスに求め始めます。これは、日本ならではのカフェーの雰囲気でした。
純喫茶の登場
純喫茶の定義
すっかり風俗営業店のイメージがついてしまった”カフェー”という形態を嫌い、純粋にコーヒーを味わう店を定義として看板に掲げたのが純喫茶です。つまり、純粋に喫茶を楽しむ店というわけです。
”カフェー”はその後、ウエイトレスによる接待が規制されて現在のカフェへと生まれ変わり、ガラリと雰囲気を変えます。カフェの定義が変わり、喫茶店とカフェの違いが薄まりましたが、純喫茶という言葉はそのまま残りました。
昭和レトロの代名詞
現在の純喫茶は、懐かしいレトロな雰囲気や落ち着いた高級感を醸し出す喫茶店として認知されています。大人のお店として、あえて純喫茶という名前で営業するお店もあり人気です。昭和レトロの雰囲気をあえて演出しているおしゃれなお店も多く出店し、注目を集めています。
日本スタイルの喫茶店と純喫茶の定義
- 日本のカフェーは明治後期に登場
- 純喫茶はカフェーとは違い純粋にコーヒーを楽しむ店
- 純喫茶ではアルコールの提供はしない
- 昭和レトロを売りにした店が多い
喫茶店ならではの営業許可制度
これまで、喫茶店とカフェのイメージやメニューの定義や雰囲気の違いを説明してきましたが、喫茶店とカフェには明確な違いがあります。それが、営業許可証の違いです。厳密にいうと、喫茶店とは、喫茶店営業許可証を取得して営業しているお店です。
営業許可証制度
営業許可証とは
営業許可証とは、飲食店など食べ物を扱う店が保健所に申請して貰う許可証のことです。食品衛生法で定められている手続きで、食中毒など食品による重大な過失を防ぐために必ず申請しなければなりません。審査では、食品を扱う店として適当な設備を備えているか、食品衛生責任者を置いているかなどの基準をクリアしているかをチェックされます。
カフェに必要な営業許可証とは
カフェの営業許可証区分は飲食店営業許可証になります。食堂やレストラン、バー、弁当屋などほとんどの形態でこの飲食店営業許可証が必要です。この許可証があれば、自店で調理した食品の提供が可能になります。
カフェは軽食を提供することが多いですが、許可内容としては本格的に調理したものを提供しても問題ありません。もちろん、アルコールを含んだ飲み物の提供も可能です。
喫茶店営業許可証とは
喫茶店営業許可証は、飲食店営業許可証と違い、より簡便に取得することができる許可証です。ただし、アルコールを含んだ飲み物の提供ができません。また、店内で調理された食べ物を提供することも禁止されています。喫茶店といえばモーニングに付いているトーストですが、パンをトーストするなどの簡単な調理は許容範囲です。
変わる営業許可制度
喫茶店営業許可が生まれた理由
喫茶店営業許可制度は、喫茶店などごく一部の営業形態にしか適用されません。なぜこの制度が生まれたかというと、食品衛生法が発足した当時は、喫茶店といえばあくまでもコーヒーを楽しむ場所だったからです。
他の飲食店よりも設備面での基準を低くする代わりに調理を禁止した許可制度は、喫茶店の実情に合わせたものだったのです。また、設備を充実させることが物理的に不可能な狭い喫茶店が多く存在していたこももあります。
飲食店営業許可を申請する喫茶店
時代が移り変わり、現在ではコーヒーだけを取り扱う喫茶店は少なくなりました。温めるだけのトーストや既製品のジュースだけでは客のニーズにこたえることができず、店内調理した軽食や生絞りのジュースなどを提供しています。つまり、大手チェーン店を含めた殆どの喫茶店は飲食店営業許可を取得しているのが実情です。
喫茶店営業許可制度がなくなる
喫茶店営業許可証は、令和3年6月より新規申請ができなくなります。これは、食品衛生法の改定によるものです。喫茶店営業許可は飲食店営業許可に組み込まれ、これまで喫茶店営業許可証で営業していた店も更新の際には飲食店営業許可に移行する必要があります。
今ある喫茶店はどうなるか?
喫茶店営業許可証で営業している喫茶店は、更新までそのまま営業することができます。更新時には、食品衛生法の基準に基づいて飲食店営業許可を取得することが必要です。もちろん、飲食店営業許可で営業する場合に喫茶店と名乗っても何の問題もありません。現在でも多くの喫茶店では飲食店営業許可証を取得して営業しています。
カフェと喫茶店の見分け方
営業許可証の違い
カフェなのか喫茶店なのかは、その形態区分が飲食店営業許可なのか喫茶店営業許可なのかで見分けることができます。営業許可証は食品衛生法に基づいて取得されて店内に必ず掲示されています。喫茶店営業許可証が掲示されていれば喫茶店です。
メニューの違い
営業許可証が見当たらない場合は、メニューの違いに注目します。おしゃれなメニューがあるかどうかではなく、調理を伴ったメニューがあるかどうかに注目しましょう。喫茶店ではも軽食の提供は可能ですが、調理をすることはできません。
また、喫茶店ではアルコール類の提供もできませんから、飲み物の種類にも注目です。
雰囲気の違い
カフェも喫茶店も飲み物や軽食だけでなく店内のスタイルを含めて楽しむために、おしゃれなお店が増えています。テラス席を設けるなど明るく開放的なスタイルはカフェです。薄暗く古臭いイメージだった喫茶店は、今や昭和レトロの代名詞でおしゃれなスポットとして再注目されています。
名前の違い
最終的には、お店の名称で区別するといいでしょう。営業許可証が飲食店営業許可であっても喫茶店を名乗るお店は多くあります。軽食やアルコールを取り扱うためにはどうしても飲食店営業許可が必要になるからです。
カフェと喫茶店の見分け方
- 営業許可証に違いをチェック
- メニューの違いをチェック
- 雰囲気の違いをチェック
- お店の名称でチェック
喫茶店/カフェが気になる方はこちらをチェック!
喫茶店とカフェにはイメージに違いはあるものの、その垣根はあいまいになりつつあります。あえて違いを際立たせる戦略のお店もあり、これからの喫茶事情には目が離せません。当サイトではおしゃれなお店のご紹介もしていますので、でひ、こちらをチェックしてみてください。
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