はじめに:花かんざしの育て方講座
人気の花である花かんざし
花かんざしは魅力的な手触りの、可愛らしい花を沢山咲かせる植物です。春に花を咲かせるタイプで、小さく綺麗な花が揺れる姿から「冬の妖精」とも呼ばれており、多くのガーデニングファンに愛されています。
原産地はオーストラリアで、本来は多年草の草花ですが、日本で育てる場合は一年草扱いで育てると良いでしょう。軽い霜には耐えられるのですが、耐寒性・耐暑性のどちらも高くありませんので、一年草として育てる形になります。
植え方、植える場所、手入れなど花かんざしの育て方を解説!
小さい花が寄せ植えに合いますので、よく育てられている他、ドライフラワーの用途でもよく使われています。ドライフラワーがお好きな方にもおすすめできる可愛らしい植物です。
今回はそんな花かんざしの基本情報から、使用する用土、植える時期、場所、植え方、肥料の与え方や日常の手入れなど、栽培していく上で知っておきたい全般的な情報をお伝えしていきます。ぜひ参考にして育ててみて下さい!
育て方の前に知りたい!花かんざしについて
花かんざしの基本情報
学名 | Rhodanthe anthemoides |
形態 | 多年草 |
原産地 | オーストラリア |
草丈 | 10~20㎝ |
開花期 | 3~5月 |
花色 | 白色 |
花かんざしの特長や性質
花かんざしの一番の特徴は、白くて小さなお花が株一面に咲くことでしょう。とても可愛らしく、寄せ植えによく利用されています。また、よく枝分かれしますので、花が終わる時期まではどんどん咲いてくるのも特徴です。
触った感触にも特徴があります。花かんざしは触ってみると「カサカサ」とした、少し不思議な感触を感じるでしょう。花の大きさは大体2㎝ほどしかなく、草丈も20㎝未満で、非常に扱いやすいサイズの植物です。
花かんざしの名前の由来
花かんざしという名前はなぜ付いたのでしょうか?これは実は、花の見た目からではなく、つぼみの見た目から付けられたとされています。「簪(かんざし)」とは女性の髪を飾る髪飾りのことで、日本の伝統的な装飾具です。
花かんざしの花は白色なのですが、蕾は丸くて赤い色をしており、その蕾が簪によく見られる先端部分に見えたのかもしれません。簪と花かんざしの蕾を見比べると、納得する方も多いのではないでしょうか。
花かんざしの開花時期と花言葉
花かんざしの開花時期は春ごろ、3月~5月に可愛らしい花を咲かせます。冬から春にかけて、寄せ植えでよく利用されているお花というイメージです。育て方や育てる地域によっては、少し早い2月頃から花を見られることもあるかもしれません。
開花時期は3月~5月あたりですが、苗が販売される時期は12月頃からになります。冬の間から植え付けなどを始めて、春に花を楽しむという流れです。流通し始める時期に購入しましょう。
花かんざしの花言葉は優しい言葉が多い
花かんざしの花言葉は、「思いやり」を始めとして、「明るい性格」、「変わらぬ思い」、「終わりのない友情」、「温順」、「伝わる気持ち」、「同情からの愛」など、明るくて優しい言葉がつけられています。
優しい言葉については、夜になると花を閉じて包み込むような見た目になる性質から付けられているようです。また、「終わりのない」や「変わらない」といった表現は、ドライフラワーとして長く利用される部分が関係しています。
日常の手入れも!花かんざしの育て方
花かんざし栽培に必要なもの
花かんざしは一般的に、苗から育てる形となります。花かんざしを有名なネットショップなどで検索してみますと、別種ではありますが同名で扱われることがある花が出てきたり、全く違う植物が出てくることもありますので注意して下さい。
先述しましたが、苗が流通し始める時期は12月頃からです。開花時期である3月頃までは流通していますので、時期が来たら苗を探してみましょう。お近くに花屋さんがあれば花屋さんで、なければネットショップを見てみて下さい。
使用する土
使用する用土は「水はけ」を大切にしましょう。水はけの良い用土とは、粘土質ではない、余分な水分を外へ出せる土を指します。一般に販売されている草花の用土で構いませんが、山野草用の用土がベストな選択となります。
鉢の大きさ
花かんざし自体は大きな草花ではありませんので、鉢もまた、大きなものは必要ありません。手にもちやすい丁度良いサイズの鉢を選ぶと良いでしょう。寄せ植えする場合は、寄せ植えの予定に合わせて選びます。
使用する肥料
花かんざし栽培では肥料は大切です。液体肥料を使うと良いでしょう。開花時期までは肥料は与えなくても大丈夫です。開花が始める前の2月頃から、薄くした液体肥料を週1回程度与えておくと花が沢山咲き続けてくれます。
花かんざしの好む日あたり
植物栽培において日当たりもとても重要です。花かんざしは日当たりの良い場所が大好きな植物ですので、日のよく当たる場所で育ててあげて下さい。また、ジメジメとした空気は得意ではないので、風通しのよさも重要となります。
ただし、極端な高温・低温を苦手としますので注意が必要です。冬時期に苗を購入して育てていく際、凍結しますと枯れることがありますので、冬は軒下などで管理してあげると良いでしょう。
花かんざしの植え方と植え替え
植え方はシンプルです。用意した用土に穴を用意して、購入した苗を植えましょう。特に植え方で気をつけなければならない点はありません。また、地植えでの植え方も鉢植えでの植え方も変わりはありません。
植え替えについては、日本で栽培する場合は一年草扱いが基本となりますので、あまり植え替えする機会は無いでしょう。夏越しを狙う場合は、株を切り戻して蒸れないようにします。その場合も植え替えず、そのまま育てていくと良いでしょう。
花かんざしの病気と害虫
病気は「灰色かび病」などにかかる場合があります。灰色かび病とは、「Botrytis cinerea」という糸状菌による植物の病害を指します。これは日当たりが悪い・風通しが悪い場合に起きやすいので、良い場所で育てることで防げます。
また、害虫については「アブラムシ」にだけ注意しましょう。アブラムシは至るところのあらゆる植物についていますので、いつでも発生します。見つけ次第駆除して、増えないように管理して下さい。
花かんざしの日常管理
開花時期に入りますと、花が沢山咲き始めます。良い条件下で育てていればどんどんと花をつけてくれますが、同時に枯れる花も沢山出ますので、花がらはまめに摘み取ってあげましょう。放っておくと病気の原因にもなります。
花かんざしの水やり方法
基本的には乾燥気味の、多湿ではない環境を好みますので、水のやりすぎには注意が必要です。ポイントは「土が乾いてからたっぷりと水を与えること」です。土の表面が乾いたことを確認してから、たっぷり水やりして下さい。
花かんざしの剪定
茎や葉が混み合ってくると蒸れの原因となります。モサモサと混み合ってきたら、少し枝をすかしてあげましょう。どんどん新しい枝や新芽が出てきますので、古い枝は切ってしまっても大丈夫です。むしろ、その方が株が長くもってくれます。
花かんざしの増やし方
植物の増やし方と言えば種を採種して増やしていく形ですが、花かんざしは日本の環境ですと種をあまり付けてくれません。一年草として毎年苗を購入して楽しむのが基本ですが、増やしたい方は「さし芽」を検討しましょう。
開花時期である3~5月に、茎をカットして用土に植えて管理をします。しばらくすると発根してきますので、その株を暑すぎない場所で管理して、涼しい時期に入ってきたら植え付けして育てていきましょう。
白花が基本!花かんざしの種類
種類①花かんざし
一般に花かんざしとして流通しているのが、「Rhodanthe anthemoides」、アンテモイデス種になります。「ハナカンザシ」という和名の植物もありますが、そちらとは別種になりますので注意して下さい。
種類②ペーパー・カスケード
ペーパー・カスケードもアンテモイデス種ですが、やや開花時期が遅めなのが特徴です。また、本種と比べますと花弁の先端が少し尖っており、茎の長さも少し長く伸びます。どちらも可愛らしいので、好みで選んでみて下さい。
種類③ヒロハノハナカンザシ
花かんざしと言えば白花のイメージですが、一般に「ローダンセ(Rhodanthe manglesii)」の名前で流通するヒロハノハナカンザシは赤花の場合が多いです。かなり印象が違いますので、どちらも育ててみて下さい。
まとめ:花かんざしを気軽に栽培しよう
可愛らしい花かんざし
今回は花かんざしの基本情報、育て方や植える場所、肥料の与え方や日常の手入れなど、栽培に関する知識を全般にわたってお伝えしてきましたが、魅力は伝わりましたか?多年草として育てるのは大変ですが、一年草として育てるのなら誰でも可能です。
開花時期に入ったら液体肥料を与えることや、アブラムシがついたら除去してあげること、水やりのしすぎに注意することなどを守って、ぜひ楽しく育ててみて下さい。
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今回は花かんざしの育て方についての解説をお届けしましたが、暮らしーのではこのほかにもガーデニングに関する記事を多数ご紹介しています。もっとガーデニングのことが知りたい方はぜひチェックしてみて下さい。

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出典:https://www.photo-ac.com/