検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

鉢植え栽培も◎、木蓮(モクレン)の育て方を解説。植え付け時期や手入れの方法も!

木蓮(モクレン)は、春になると外側が紫色、内側が白色の花を開花させ、その後に葉が出てくる中国原産の花木です。樹高はそれほど高くはなく、樹形も整えやすく、厚さにも寒さにも強いので育て方も難しくありません。今回はそんな木蓮の育て方についてご紹介します。
2021年10月13日
水木誠人
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

この記事で紹介しているアイテム

木蓮(モクレン)の育て方をご紹介します

Photo byFelixMittermeier

木蓮(モクレン)は、中国原産のモクレン属の落葉低木です。木蓮の名は、ハスの花に似ているから付けられたというのが定説で、春になると外側が紫色、内側が白色の印象的な花を開花させます。木蓮には白花を咲かせるハクモクレンという種類のものがあるほか、園芸品種のマグノリアと称されるさまざまな種類の花も人気です。

今回は、春を告げる人気の庭木である木蓮の育て方についてご紹介します。鉢植えでコンパクトに育てることも可能ですので、春を告げる花を育ててみたい方は必見です。

木蓮は香り高い春の花

L’INSTANT DE GUERLAIN

出典:Amazon
出典:Amazon

木蓮はさわやかな柑橘系の香りが特徴です。さほど強い香りではありませんが、上品な印象を与える香りで知られています。木蓮が咲いている木のそばに近寄ると、ほのかに香りが漂い、春の訪れを知らせるような印象です。

ちなみに、この木蓮の香りをオーデトワレとして使っている商品が、ゲランのランスタン・ド・ゲランです。興味のある方はぜひ試してみましょう。

木蓮の一年のサイクルと育て方

Photo byHans

木蓮は、開花した後に葉が伸びてくる庭木です。冬枯れの木にまるで春の訪れを知らせるように花が開いていきます。開花時期は3月~4月ごろです。開花期間が比較的短く、開花すると数日で散ってしまいますが、花が咲くと葉が伸びるなど、花木の変化を楽しめます。

10月ごろにはボコボコした特徴的な赤い実をつけます。この実の中にあるのが赤い種です。冬になると葉が落ちてきますが、寒さに強いため、そのまま春の開花を待つというサイクルで一年を過ごします。

木蓮の種類と育て方の違いとは

モクレン属の花には実にさまざまな種類があり、その品種も多様です。いずれも木蓮の名で呼ばれることがありますが、実はそれぞれの木蓮には名前があります。いくつかの代表的な木蓮の種類についてご紹介しましょう。

木蓮の種類①紫木蓮(シモクレン)

Photo by Anémone 29 ( Ipernity )

花びらの内側が白く、外側が紫色の木蓮は、ほかの木蓮と区別して、紫木蓮(シモクレン)と呼ばれることがあります。この木蓮は、花びらが6枚、蕾が開きかけたような状態で咲き、開花中に葉が伸びて来るのが特徴です。樹高は4~5mほどの中高木で、「木蓮」というとこの種類の花を指すのが一般的となっています。

木蓮の種類②白木蓮(ハクモクレン)

Photo byHeungSoon

木蓮の花の中に、コブシの花によく似た白い種類があります。これが、白木蓮(ハクモクレン)です。白木蓮は、樹高が10m以上にもなる高木で、白い花は日中開花し、日が暮れると閉じるという特徴があります。また、春になると花が開き、花が終わると葉が出てくるというのも特徴です。

なお、白木蓮は上を向いて咲きますが、コブシの花は花の向きが散逸なので、その違いで区別することができます。

木蓮の種類③更紗木蓮(サラサモクレン)

Photo byJillWellington

紫木蓮と白木蓮の交雑種がこちらの更紗木蓮(サラサモクレン)です。花色が白と紫がきれいに混ざり、薄いピンク色から濃いピンク色まで個体によって微妙に異なります。街路樹や庭木などに植えられ、春先の風景を華やかに演出する美しい姿が人気の種類です。耐寒性や耐暑性も強く、樹高は10mほどにまで大きくなり、管理しやすい花木として知られています。

木蓮の育て方【管理場所や手入れの方法】


木蓮は日当たりのよい場所で管理する

Photo byCouleur

木蓮は、寒さにも暑さにも強い花木で、育て方もあまり難しくありません。木蓮の置き場所は、日当たりがよく、風通しのよい場所です。開けた庭、明るいベランダなど、管理する場所をしっかりと見極めるようにしましょう。冬の間は防寒対策などの必要はなく、猛暑時の水やりに配慮するぐらいで、育て方はとても簡単です。

木蓮は鉢植えでも育てることも可能

Photo bydewdrop157

木蓮は、樹高4~5mほどの中高木です。基本的には地植えで育てていきます。しかし、鉢植えでコンパクトに育てることももちろん可能です。ただし、木蓮は根が粗く、細根が少ないことから、根が張った後の植え替えを嫌います。このため、育て方のポイントとして植え替え時には細心の注意が必要となりますので気を付けましょう。

地植えの木蓮は広い場所で育てていくことが大切

木蓮は地植えに適した中高木です。日当たりがよく、風通しのよい場所で管理していくと、枝を広げて大きく生長していきます。このため、木蓮を地植えで育てる際、広い場所が必要です。狭い場所に植えると、こまめに剪定する必要が出てきますので、3~4m四方ほどの広さの場所に植えるのが育て方のポイントとなります。

木蓮の栽培では水はけのよい土で育てるのがおすすめ

Photo byHans

木蓮は、水はけがよく、栄養豊富な土を好みます。 鉢植えの木蓮では、市販の花や野菜用の培養土を使うほか、赤玉土を多めに腐葉土を混ぜた土を使うのが、育て方のポイントです。

一方、地植えの木蓮では、土の状態を見ながら耕した土に腐葉土などを少々混ぜて使います。水はけが悪い土であれば川砂を混ぜるなどして土壌を調整することが可能です。なるべく水はけをよくして育て方を工夫して、元気よく木蓮を育てていきましょう。

水やりは土が乾いたら行う

Photo byRatfink1973

木蓮の水やりは、鉢植えか地植えかによって、多少異なります。鉢植えの場合、土の表面が乾燥したらしっかりと水やりを行いましょう。水のやりすぎも水不足も、木蓮を枯らせてしまう原因です。育て方のポイントを押さえて行いましょう。

地植えの場合、植え付けた後は根がしっかりと張るまで水やりをしっかりと行いますが、根づいた後は猛暑時以外はとくに水やりを行う必要はありません。株の様子を見ながら育て方に配慮しながら対応しましょう。

木蓮の育て方【植え付けなどの栽培方法】

木蓮の育て方のポイント①植え付けの時期は2~3月ごろ

Photo byJillWellington

木蓮の植え付けは、休眠期に当たる2~3月ごろが適期です。植え付けで使用する用土に緩効性肥料を混ぜ込んでおきましょう。鉢植えの場合、鉢底石を敷いて鉢内の水はけをよくします。苗を入れて土をかぶせたら、苗が倒れないように支柱を立てるのも育て方のポイントです。植え付けの際、根を傷つけないように十分に留意しましょう。

地植えの場合も方法は同じです。植え付ける場所をしっかりと考えてから作業に取りかかりましょう。植え付けたあとはたっぷりと水やりをします。

木蓮の育て方のポイント②植え替えが必要な場合は2~3月ごろに

Photo byHeungSoon

地植えの木蓮は、定期的に植え替える必要はありません。むしろ、植え替えはむずかしく、植え替えずに育てられるように、植え付ける場所をしっかりと決めるのが育て方のポイントです。

一方、鉢植えの木蓮は、2~3年に一度、2~3月の時期に植え替えを行います。ひと周り大きな鉢植えに植え替えをして根詰まりを予防しましょう。植え替えの際、根についた土を無理に落とさず、根を傷めないように行うのが育て方のポイントです。

木蓮の育て方のポイント③肥料を与えるタイミングは様子を見ながら

Photo byJing

木蓮の育て方では、肥料を与えるタイミングは重要です。植え付けや植え替え時の元肥として緩効性の肥料を与えますが、その後、寒肥として2月、若木の場合、成長期の5月ごろにも与えて成長を促します。

9月ごろに追肥を与えてもかまいませんが、肥料が多いと害虫も寄りやすくなります。育てている木蓮の様子を見ながら肥料を施すのも育て方のポイントです。木蓮は肥料がなくても育ちます。

木蓮の育て方のポイント④花後は剪定しやすい

Photo byCarlottaSilvestrini

枝を伸ばして生長する木蓮を栽培する上で重要な育て方の作業のひとつが剪定です。木蓮の剪定の時期は、新芽が出る前または落葉の時期となります。

開花後に剪定する際、花芽を切り落とす心配がありません。基部から数芽残して、伸びすぎた枝、込み入った枝などを剪定しましょう。徒長枝は基部から切り落としてしまっても問題ありません。木蓮は短い枝の先に花芽ができるため、短い枝には注意する必要があります。

木蓮の育て方のポイント⑤落葉時期の剪定には注意が必要

Photo byKateCox

木蓮の育て方で重要な剪定は、冬の落葉時期も適しています。この11月~2月ごろは、込み入った枝や伸びすぎている枝などを整理しやすい時期です。ただし、花芽と葉芽を見分けるのが難しく、新芽も切り落としてしまう可能性も高くなりますので、剪定には十分に注意しましょう。花芽と葉芽の違いがよくわからない場合は、開花した後に剪定するようにします。

木蓮の育て方【増やし方のポイント】

木蓮の育て方はさほど難しくありません。育て方のポイントを押さえれば、大きく生長し、毎年、花を咲かせます。そんな木蓮の増やし方はいろいろありますので、挑戦してみたいという方はぜひチャレンジしてみましょう。

種まきで育てる育て方①種の採取方法

木蓮の種は秋に成る実から採取することが可能です。ただし、木蓮の実はなかなか成りません。受粉する確率が低く、果実が成りにくいからです。もしも受粉に成功したら、赤いボコボコした形の実が成ります。熟すと実がはじけて、赤い種が見えてきますので、この種を採種し、乾かさないようにすることが育て方のポイントです。

種まきで育てる育て方②種まきの方法

採種した種は9月~10月ごろに種まきをしましょう。水はけのいい赤玉土などを使って、鉢植えに植えていきます。種が隠れるぐらいに土をのせ、発芽するまでは水が切れないようにしっかりと管理していくのが育て方のポイントです。春になって発芽したら、本葉が出てくるまでそのまま育てていきましょう。その後は苗の大きさに合わせて鉢を変えていきます。

接ぎ木で育てる育て方

接ぎ木による木蓮の増やし方とは、削り取った葉芽を、切り込みを入れた台木に接ぐ方法です。台木にはコブシの木を使うのが一般的で、接ぎ木を行うのは冬の休眠期を選びます。削り取った葉芽を台木に合わせ、テープを巻いて固定させたら、鉢植えに植え付け、通常の育て方で管理していくという方法です。

うまくいけば葉柄が落ち、春に成ったら新しい芽が出てきます。なお、接ぎ木の方法について、バラを使った接ぎ木の動画を参考にしてみてください。


挿し木で育てる育て方

Photo byebor

木蓮の増やし方の中で最も難しいとされるのが挿し木による増やし方です。挿し木に使う枝は、花後に伸びてきた新しい芽で、10cmほどカットします。切り口を斜めに切り、十分に水に浸けておき、挿し木用の鉢に水はけのよい赤玉土などの用土に挿すという育て方です。

最後に水を十分に与え、日陰で管理していくのが基本です。水が切れないようにしっかりと手入れし、根が育ったら植え替えます。発芽するのは難しいとされていますが、興味のある方はぜひ挑戦してみましょう。

木蓮の育て方【栽培上の注意点】

木蓮の育て方で注意したい病気

Photo by Plant pests and diseases

木蓮は育て方が簡単で、寒さにも暑さにも強い庭木です。しかし、梅雨の時期になると、うどん粉病にかかりやすくなります。うどん粉病とは、うどん粉のようなカビが葉の表面につく病気です。うどん粉病は乾燥しているときに発生しやすく、梅雨のころの昼夜の温度差が大きくなったころなどは注意しなければなりません。

病気になった葉は切り落とすか薬剤を散布します。風通しをよくしつつも、乾燥させないように注意し、苗の様子を小まめにチェックすることで予防に努めましょう。

木蓮の育て方で注意したい害虫

Photo by chidorian

木蓮の育て方で気を付けたい害虫はカイガラムシです。カイガラムシとは、貝殻のように厚い皮をした害虫で、木蓮の幹などに住み着き、その排泄物はすす病の原因となることがあります。カイガラムシを見つけたら、すぐに駆除しましょう。必要に応じて薬剤を利用することも考えるようにしたいです。

なお、カイガラムシは、風通しが悪く、暗くてジメジメとした場所を好むため、日当たりがよく風通しのよい場所を選んだ育て方をすることで予防することが可能です。

木蓮のある庭でガーデンライフを楽しもう

Photo bypixel2013

木蓮は育て方が簡単で、春先に芳香のよい花を咲かせる庭木です。花の種類はいろいろありますが、日当たりがよく、風通しのよい管理場所で、植え付けや植え替え、水やりや剪定など、日ごろの育て方や手入れの方法をしっかりと留意していくことで、枝を大きく広げながら美しい花をつけていきます。

気を付けたい病害虫には注意してぜひ鉢植えや地植えで育ててみましょう。実をつけたら種を採種して増やすこともできます。

もっと木蓮の種類や育て方が気になる方はこちらもチェック!

もっと木蓮の種類や木蓮に似た花の育て方などについて知りたいという方は、ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。ステキなガーデニング作りに役立つはずです。