検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

果樹への被害多発、赤星病の症状&原因を徹底解説!最も有効な予防法もご紹介!

赤星病は果樹の果実や葉っぱに被害をおよぼす病気です。うっかりしていると果実に大ダメージを与える病気ですが発生の原因を知り適切な時期に予防や初期の対策をすることで症状を軽くすませることが可能です。赤星病の原因や対策方法と駆除のために散布する農薬の解説をします。
2021年9月29日
佐藤3
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

この記事で紹介しているアイテム

はじめに:赤星病とはどのような病気か

赤星病は特定の果樹では注意しなければいけない病気

赤星病は果樹に発生する心配な病気として知られていますが、発生するのは果樹だけではありません。被害が大きい病気ともいわれる赤星病。しかしその感染方法や気をつける植物の種類にはある決まりがあるため、その原因や対策方法を知っていればある程度は防げる病気といわれています。

赤星病の症状や発生時期・予防や駆除などを詳しく解説

赤星病を心配される方々のために、今回はなった植物に見られる症状と予防の方法、適切な時期におこなう駆除方法と赤星病の基本情報と効果的な対策のやり方を解説していきます。

赤星病が心配される種類の植物をこれから育てようと思っている・現在すでに育てているという方にはぜひ知っていて欲しいことばかりです。

赤星病とは?見た目や気をつける時期の基本情報

赤星病になった植物の見た目

出典:https://photo-ac.com/

赤星病に感染すると葉の表側から見ると、赤い斑点が発生するのがこの病気の見た目です。それだけでなく裏側から見ると病原菌である菌糸が育ち、最終的には星のように病気の部分を中心として菌糸が星の輝きのように広がるために赤星病と名付けられたといわれています。

赤星病はカビ菌類で伝染するやっかいな病気

ごらんの通り赤星病には感染した葉っぱの裏側に胞子が確認できるようになります。このくらい育ってしまうと胞子がはじけ他の植物を感染させてしまうでしょう。葉っぱの裏の胞子を成長させる前に予防・駆除して感染を断つことが必要となってきます。

赤星病が発生する季節は

赤星病の菌が活発に動き出すのが春です。冬の間は少しずつ胞子を成熟させていて病気に感染したり症状が動き出すようなことはないので、赤星病に新たにかかってしまったと発見できるのは、暖かくなった春以降となっています。

逆にいえば寒い時期には感染・発症の心配はありませんので、前年感染してしまったケースはこの時期にしっかりと農薬などを準備してその年の赤星病対策に備えておきましょう。

リンゴや梨は注意!赤星病の症状と被害について

先程も赤星病になった葉っぱの見た目についてご紹介しましたが、具体的なこの病気の症状や被害について触れていきましょう。春から秋までと秋冬では赤星病は気をつける植物の種類が変わってきます。

赤星病の症状は:イブキの冬胞子

まずは冬の時期の赤星病の症状ですがこれはイブキやネズといった針葉樹の枝先に見られる茶色の塊となっています。暖かい時期に梨やリンゴに見られた葉っぱに赤い斑点ができるものとは違うので注意が必要です。

これは赤星病の冬胞子と呼ばれる姿となっていて、活動するのに適した季節になるまでじっと姿を潜めている状態となっています。

雨が降るとゼリー状になるのが赤星病の特徴

一見硬いこのイブキやネズについている赤星病の冬胞子。温かい時期になると雨によってオレンジ色のゼリー状にふくらんで中で胞子を作ります。

針葉樹の枝先にこのオレンジ色の物体が見えたら赤星病の感染に要注意です。成熟した胞子がこのあと風に乗り、梨やリンゴなど主に果樹の成長を脅かす病気に感染させてしまいます。


赤星病はビャクシン属からリンゴや梨に伝染する

冬には針葉樹(ビャクシン属)で暖かくなったらバラ科の植物に飛来して交互に病気にしていく赤星病。イブキやネズでは赤星病の胞子が成熟するところまでで症状が止まるため、決して怖い病気とはなりません。

ただし赤星病の冬の間の温床となりますので、その後感染される可能性のあるバラ科の植物には駆除してもまた翌年もやってくるやっかいな病気といえるでしょう。

気をつけなければいけない赤星病が伝染する時期

赤星病は冬の間は気になる果樹や植木にはあらわれませんので、気をつけるのは暖かくなってから。具体的には4-6月ころに症状が現れます。もし昨年も赤星病になったようであれば、その前に駆除用の農薬などを準備しておいた方がよいでしょう。

赤星病の被害はどのようなものか

葉や幼い果実を枯らすのが赤星病の症状

赤星病の症状はひどくなると葉っぱを枯らしてしまいます。それ以前は葉に赤い斑点ができ裏側に菌糸が付いて見栄えが悪い程度。症状も軽度でうっかりしていると見過ごしてしまうこともあるでしょう。

特に春に結実した幼い実が感染するので深刻な病気

ただしそれが梨やリンゴなど幼い果実に赤星病が現れることもあるのはやっかいです。菌にやられた果実は大きくなれず枯れ落ちてしまいます。葉っぱが落ちるのも程度によって、株にとって手痛いダメージとなりますが直接的な収穫量の減少は農家はもちろん家で育てている場合でも非常に残念な被害です。

赤星病の被害が大きく出る夏の時期

春の時期に見逃していると夏に赤星病被害が来るので注意する

感染してすぐはそれほど症状もひどく出ないのが、赤星病の落とし穴といえるところです。感染してひどく症状が出るのは夏頃です。夏前に赤星病の感染を見つけるように注意して、できるだけ早めに駆除しましょう。

秋になると赤星病はこれらの木では菌が育たずビャクシン属へと移り住むことになります。春に感染して夏にひどくなり秋から冬は停滞するのが果樹の赤星病の変化の様子です。

果樹や庭木が赤星病になってしまう原因は

赤星病は一度かかってしまうと何年も悩まされるなかなか完治するのが難しい病気といわれています。その原因は赤星病の感染ルートが大きく関係するでしょう。

赤星病はバラ科の植物がかかりやすい

赤星病は前述のようにビャクシン属にも感染します。しかしビャクシン属においては単純に胞子の育て役としての被害しかなく胞子を撒き散らしてそれ以上の被害はないため、さして怖い病気とされていません。

しかしビャクシン属から感染するバラ科の植物になると、葉っぱや果実が枯れる・落ちると被害が大きくなるのが特徴です。

バラ科とビャクシン属の植物が近くにあることが赤星病の原因

このことからバラ科の植物が赤星病になる原因は、赤星病に感染したビャクシン属が1km(2kmともいわれる)以内にあり、胞子が飛来することに由来するといわれています。

現実問題としてバラ科の植物への被害が大きく問題視されますが、それ以前に赤星病に感染したビャクシン属が近くにあってはじめて、かかってしまう病気ということができるでしょう。

赤星病の原因で注意したいこと


果樹のダメージが大きい赤星病だがビャクシン属では軽視されがち

梨やリンゴなど作物を収穫する目的があるバラ科の植物では、手痛いダメージとなる赤星病。葉っぱが落ちれば作物の養分も不足したり果実自体も落ちてしまったりと、農薬で対策できるとはいえ問題となる病気です。

その反面原因となるビャクシン属においては軽視されがちで、いつまでも赤星病を保持したままとなっているのが実情となっています。それほど被害もないビャクシン属の赤星病を、こまめな農薬散布までして治そうとする人はいないからです。

梨からビャクシン属には感染して拡大するので注意が必要

ビャクシン属がある限り一度感染してしまった梨やリンゴの木はその年に農薬散布して予防や駆除しても、翌年もまた赤星病になる可能性が非常に高くなってしまいます。

守りたいバラ科植物の近くのビャクシン属を処分できる場合は、そちらを優先した方が根本的な原因対策となるのでおすすめです。

赤星病の原因とはならないこと

梨とリンゴ間など異種では赤星病は伝染しないので安心できる

植物が病気になってしかも胞子が付いていると、まわりに感染してしまうのではないかと心配される方もいるのでしょう。しかし赤星病は梨どうし・リンゴどうしでは感染することがないのが救いとなっています。

伝染性が高いカビ類の病気ではありますが、かかってしまったとしても同じ種類の植物からの胞子は原因とはなりません。あくまでもバラ科からビャクシン属へと感染しバラ科植物に戻ってくるという、この中間宿主制があるため広まる病気と考えてその年は安心してよいです。

赤星病に有効な予防・駆除方法と農薬をご紹介

赤星病は春の感染してすぐに対処しないと葉っぱや果実が落ちてしまうだけでなく、翌年の赤星病感染への驚異となってしまいます。最後になりますが赤星病に有効な予防策といわれている方法と、かかってしまった場合の駆除方法・効果的な農薬を紹介していきましょう。

赤星病の予防対策方法1.

イブキやネズの仲間の木を近くに植えない

Photo by harum.koh

現在赤星病に一番効果的なのはネズやイブキの仲間の針葉樹をバラ科の植物のそばに植えないということです。果物を栽培している農家の多い地域では、これらの針葉樹を植え付けることを控えて欲しいとアナウンスしている場所もあります。

ビャクシン属を遠ざけるのが一番の赤星病予防の近道

赤星病の一番の感染源・原因となる病原菌はバラ科とビャクシン属の間でいったりきたりして、長く生き続ける(なかなか完治しない)ます。赤星病を完治させ翌年以降の予防をするには、病原菌の胞子が届かない遠い距離までビャクシン属の植物を遠ざけてください。

赤星病の予防対策方法2.

農薬散布して遠いビャクシン属から飛来する病原菌を防ぐ

サンケイオーソサイド水和剤80

出典:Amazon

果樹園である程度広さがある場所であれば十分なビャクシン属との距離も取れますが、実際1kmの距離では感染範囲内で2km以上の距離がないと安心できないといわれています。

ビャクシン属の植物からできるだけ遠ざけるとともに、感染してしまう可能性を考えて予防として農薬散布をしておきましょう。かび(菌糸類)が原因の病気の保護殺菌剤であるサンケイオーソサイド水和剤80を4月ころに1週間ごとに数回散布します。


赤星病にかかった時の駆除方法1.

適切な時期に適切な農薬を散布することで赤星病を駆除する

サンケイエムダイファー水和剤

出典:Amazon

それでも赤星病に感染してしまった場合でもサンケイオーソサイド水和剤80は効果がありますが、サンケイエムダイファー水和剤は特になしの赤星病に効果が高い農薬ですので利用するとよいでしょう。

人の口に入る作物ですので薄める濃度・利用回数限度・散布から収穫までの日数など、守らなければいけないことがたくさんありますので注意して使用します。

赤星病にかかった時の駆除方法2.

病葉はすぐに取り除いて処分することで感染拡大をする

Photo byartursfoto

バラ科の植物からビャクシン属への感染も防ぐことで、翌年の赤星病予防・対策となります。そのためにはすでに感染してしまった葉から胞子が飛ばないように病葉は胞子が成熟する前に取り除き、すぐにビニール袋などでしっかりと封をして処分します。

秋になるとバラ科からビャクシン属へと感染してまた翌年(または翌々年)の春にバラ科植物へと再び戻って感染するのが、赤星病が治りにくいといわれるところです。

まとめ:赤星病は農薬で対処するのがおすすめ

赤星病は放置せずに初期に対処する

出典:https://photo-ac.com/

赤星病は早めに薬剤を使用することで予防・駆除することができ病葉を取り除くことで被害は大きくならない病気です。しかし安心できないのは対策が遅れて広い範囲に感染してしまい、葉がほとんど落ちてしまったり幼い果実がかかって大きくならずにだめになってしまうことです。

また被害にあった木だけでなく中間宿主となっているビャクシン属の赤星病をなくさないかぎり、何年も続けて苦労させられる手間のかかる病気なのが嫌われる原因となっています。

しかるべき時期に農薬で対処するのがおすすめ

赤星病は原因となるビャクシン属の宿主植物さえなければ、梨やリンゴなどのバラ科の植物が赤星病にかかることはありません。まずはこれらの植物を取り除けるかを考え、それが無理である場合は無農薬はあきらめ農薬散布による駆除に移行してください。

前年に赤星病被害があった木に関しては、また感染する可能性が高いためできるだけ早く予防からはじめるのが植物を健康的に栽培するポイントです。

植物の病気が気になる方はこちらもチェック

今回は梨やリンゴといった果樹の被害が主に懸念される赤星病について、その原因や症状・気をつける時期と対処法を解説してきました。暮らしーのではこのほかの植物の病気についてもそれらの原因や対処法解説をしています。これらの気になる病気についても暮らしーのの記事をぜひご活用くださいね。