赤玉土について解説!
赤玉土の特徴、そして用途をご紹介!
栄養たっぷりの土で植物を育てることは、ガーデニングの最初の一歩です。土というのは植物の成長を支え、水や養分を供給する大切な役割を担っています。植物にとってよい土とは、排水性や保水性に優れているなど、さまざまな要素があります。
土に求める要因は植物の種類によっていろいろですが、赤玉土はそんな要因をバランスよく備えている土です。今回は基本用土の1つの赤玉土の特徴や、植物に合った配合などを解説します。
赤玉土とは
赤玉土は基本用土の1つ
土がよければ、植物は根をしっかりと張り、必要な栄養分や水分をきちんと吸収することができます。そのため植物にとってよい土で育てることが大切なのです。基本用土にそれを補う調整用土を補って、その植物に適した土の状態で育ててあげましょう。
赤玉土とは土作りの基本用土の1つで、土を配合する時のベースとなる土の1つに数えられています。赤色の土を球状にしたもので、通気性、保水性、保湿性などに優れた基本用土です。
赤玉土の成分は火山灰起源の地層群の土
赤玉土を手に取ってみると、丸くてコロコロとしています。赤玉土の成分は、関東平野の火山灰が降り積もった関東平野を広く覆う火山灰起源の地層群にある赤土が成分です。それを乾燥させてふるいにかけ、球状にしたものが、ガーデニング用品店に流通しています。
この形状なので土に混ぜると隙間ができて水はけや水もちがよくなるのです。赤玉土の大きさは大中小と細粒があり、大きさによって最適な使い方が異なります。
赤玉土の大きさによる特徴
赤玉土は大きさによって使い方がある
ガーデニングや野菜の栽培などで使う基本用土の中でも最もベーシックな用土だといえる赤玉土は、盆栽、山野草、観葉植物、多肉植物、塊根植物、花木、野菜類と幅広い植物に活用されます。
赤玉土の成分である関東平野の火山灰でできた土壌(関東ローム層と呼ばれている)の赤土を乾燥させ振るいにかけた赤玉土は、粒の大きさごとに分類されます。その大きさによる適切な使い方を以下で解説しましょう。
大粒の赤玉土
赤玉土の大粒の種類は12~20mmくらいの大きさの球状をしています。大粒タイプの赤玉土は特に排水性(水はけがよいこと)が高い特徴があります。ただ保水性はあまり望めません。
大粒の赤玉土の使い方は、鉢植えやコンテナなどに草花や野菜を植える場合の鉢底石や軽石の代用として使うのがおすすめの使い方です。
赤玉土大粒
赤玉土・大粒 | 16L |
---|---|
赤玉土・大粒 | 14L |
赤玉土・大粒 | 14L |
中粒の赤玉土
赤玉土の中粒の種類は6~12mmくらいの大きさです。中粒の赤玉土は、果樹や野菜栽培の基本用土に向いています。
たとえば果樹や庭のシンボルツリーなどは、いったん植えたら何年も同じ場所で育てることになるので、よい土作りは何より大切な作業です。中玉の赤玉土の排水性および保水性のバランスがとれているので、長年植え続ける場所の基本用土におすすめだといえます。
赤玉土・中粒
赤玉土・中粒 | 18L・2袋 |
---|---|
赤玉・中粒 | 5L・1袋 |
赤玉・中粒 | 1.2L・1袋 |
小粒の赤玉土
赤玉土の小粒の種類は3~6mmくらいの大きさです。小粒タイプの赤玉土はノーマルな草花の用土や、野菜栽培向きの基本用土に最適となります。
このタイプの赤玉土はほとんどの植物に適応する基本用土として使えます。排水性や保水性も高いのが特徴です。たとえば植物を挿し木で増やす場合などの用土としても最適です。粒がそろっているので室内の植木鉢の用土の上土にすると見た目もきれいです。
赤玉土・小粒
赤玉土・小粒 | 18L・2袋 |
---|---|
赤玉土・小粒 | 5L・1袋 |
赤玉土・小粒 | 16L・1袋 |
細粒の赤玉土
赤玉土の細粒の種類は1~3mmくらいの大きさです。とても細かい土で赤玉土にしては水はえがよくありません。ただし保水性は一番高いタイプです。
最適な使い方は植物を種から育てるときの育苗用土としたり、カキツバタやハナショウブなど湿地を好む植物や、多肉植物の鉢の上土としても活用できます。
赤玉土細粒
赤玉土・細粒 | 14L・1袋 |
---|---|
赤玉土・細粒 | 13L・1袋 |
赤玉土・細粒 | 14L・1袋 |
赤玉土のメリットとは
ほとんどの植物の成長に都合のよいバランスのよさ!
赤玉土のメリットは、ほとんどの植物の成長に都合のよい排水性、通気性、保水性、保肥性のバランスンのとれた用土であることです。
植物にとって「よい土」とは、適度な水はけと水もちがよい土で、肥料もちがよいことです。また通気性がよいことも必要となります。花壇に植えるほどんとの植物にとっては根を支える適度な重さも必要となります。こんな条件をバランスよくを備えているのが赤玉土の大きなメリットです。
無菌で清潔であることもメリット!
赤玉土は保肥性はありますが、そもそもこの用土の中には有機物が含まれていません。赤玉土は無気質な用土であるため、雑菌などが繁殖しにくく清潔であるというメリットがあります。
無菌な用土であるため株を増やすための挿し木の用土にもおすすめなわけです。たとえば使い方として基本用土としてではなく、観葉植物などの上土にしておくと、有機土を狙ってやってくるコバエなどの害虫を抑制することもできます。
赤玉土は弱酸性である
植物を栽培するのに、種類によっては酸性の土を好む植物もありますが、多くの植物は中性~弱酸性の土を好みます。通常、中性とは6.0~8.0、そして弱酸性はpH3.0~6.0程度です。
赤玉土の酸度はpH5.5~6.5程度なので弱酸性の土とされています。ほとんどの植物は弱酸性の土を好むので、赤玉土はほとんどの植物が好む酸度をそのまま持っている用土だというメリットがあります。
赤玉土はこんな点に注意が必要!
赤玉土は、最初はコロコロとした粒状の形をしていますが、水やりをしたり雨が降ることでだんだんと赤土になってしまいます。
粒の形が排水性を高め通気性をよくするため、赤土に戻ってしまっては、その役目が軽減してしまい水はけが一気に悪くなってしまい根腐れの原因になることもあります。その予防として定期的に赤土になっていないか確認する必要があり、赤土化していれば調整用土などを加え、通気性や排水性を高めてください。
用途別の赤玉土の配合
基本的な植物の赤玉土の配合
赤玉土は土作りの基本用土です。赤玉土に腐葉土やピートモスなど改良・調整用土を補ってその植物の種類に最適なよい土を作ることが大切なこととなります。植物に適した基本の配合比を知っておくと、さまざまな植物に赤玉土を応用して使うことができます。
ほとんどの植物に使える基本の配合は、赤玉土6:腐葉土4です。この比率で作った用土は、多くの植物にとって根を伸ばしやすい土で、丈夫に育てられる基本の配合比となります。
腐葉土とは
腐葉土というのは、調整用土の1つです。広葉樹の落ち葉を処理して、腐塾させたものとなります。有機質に富んで土を肥えさせ、保水性、保肥性を高めるメリットがあります。
使い方はこのように赤玉土に混ぜて使うほかに、庭に地植えする場合の土壌作りの際に、土壌を掘り返して適量混ぜ込んで耕したり、植え付けた植物の株元に保湿目的として撒いて使うことも可能です。
草花用の用土にする赤玉土の配合
花壇や鉢植えなどに植える草花用の用土は、水はけがよく、水もちのよい土を作ります。赤玉土は長期間使用すると、粒が小さくなって水はけが悪くなるというデメリットがあります。
ですから排水性を高めるために、赤玉土にバーミキュライトを加えて土を作ります。配合は赤玉土6:腐葉土3:バーミキュライト1がおすすめの最適な配合比です。
バーミキュライトとは
バーミキュライトというのは調整用土の1つで、ケイ長質岩に含まれる有色鉱物が風化した水分をたくさん含んでいる鉱物である蛭石(ひるいし)を焼いたものです。苦土蛭石とも呼ばれています。
表面に小さな穴が開いている多孔質の調整用土となります。保水性、通気性、捕肥性に優れ、種まきや挿し木や葉刺し用に土にもおすすめです。
ハーブ用の用土にする赤玉土の配合
ペパーミントやバジル、ローズマリーなどのハーブ類の用土作りは、水はけのよさにこだわった土を作ることがポイントです。
長期間、適度な湿度と通気性を必要とするので、赤玉土に水はけのよい調整用土を加えます。最適な配合は赤玉土6:腐葉土3:バーミキュライト1がおすすめの配合比です。バーミキュライトの代わりに軽石や川石などを代用とするのでもよいでしょう。
花木用の用土にする赤玉土の配合
赤玉土で花木用の用土の作り方は、水はけと通気性のよい土を作るのが最適です。樹木の中でも特に花が美しい庭木として楽しむ花木には、たとえばボタン、アジサイ、ウメ、バラなどがあります。
赤玉土にバーミキュライトを多めに配合して土作りをします。配合は赤玉土5:腐葉土3:バーミキュライト2の割合がおすすめです。ただし花木は極端な土質を好む種類もあるので、その花木がどのような土質を好むかチェックしてください。
グリーン用の用土にする赤玉土の配合
アジアンタムやアイビー、グリーンネックレスなど美しい葉を観賞するグリーンは、ほとんどが常緑で四季を通じて長い期間楽しめる重宝な植物です。グリーン用の土の作り方は、根腐れをしないように特に通気性のよい土を作るように工夫しましょう。
グリーン用の用土にする最適な赤玉土の配合は、赤玉土4:腐葉土4:バーライト2の割合で土作りをするのがおすすめです。
パーライトとは
パーライトというのはガラス質の流紋岩である真珠岩を急激に焼いたもので、通気性や排水性を高める調整用土です。
パーライトも表面に小さな穴が開いている多孔質で白色をしています。
赤玉土のほかの基本用土とは
基本用土は赤玉土にほか主に4種類
草花や野菜の栽培を手軽に鉢植えやプランターで楽しむときは、市販の培養土を利用すると便利です。しかしこだわって土作りから始めるときには、赤玉土などの基本用土に調整用土を配合し、育てる植物に適応したよい土を作り、そこに肥料を加えながら育てます。
基本用土の中でも赤玉土は、植物を育てるためのよい条件がバランスよく整っている用土です。基本用土には赤玉土のほか、こんな用土もあることをご紹介しておきます。
黒土の特徴
黒土は有機質をたっぷりと含んだ柔らかな基本用土です。成分は赤土と同じように関東平野を広く覆う火山灰起源の地層群の表層部分から採取される土で、黒土の成分はその黒色がかった火山灰土です。
黒土は火山灰土と枯れた植物が交じり合ってできており、枯れ葉や枯れ木などが腐敗した有機質を多く含んでいます。特徴は保水性、保肥性は高いのですが、通気性と排水性は望めません。
田土の特徴
田土は水田の下層土や河川、沼地などの周辺の重い粘土質が成分となる土です。荒木田土とも呼ばれています。ガーデニングの基本用土としてはあまり利用されませんが、スイレンなど水生植物の土として使用されます。
保水性や保肥性は高いのですが、粘土質で重たい土です。そのため通気性に欠けるので、普通の草花の土を作るときは、必ず腐葉土などの有機質の調整用土を混ぜて使います。
鹿沼土の特徴
鹿沼土の成分は栃木県鹿沼市付近で産出される軽石質の砂れきが風化したものです。特徴は軽く柔らかく粒の大きさが一定なので通気性、排水性、保水性は高くて、赤玉土同様に基本用土として重宝されています。
しかし鹿沼土は酸性度であるので、一般的な草花や酸性を好まず弱酸性を用土を好む植物を植える際は、用土の酸度を調整する苦土石灰などを加えて利用しなければなりません。
桐生砂の特徴
桐生土の成分は群馬県桐生市付近で産出される火山性の砂です。鉄分を含んでおり赤みのある黄褐色をしています。
桐生砂の特徴は通気性は高いのですが保肥性はよくありません。基本用土としては多肉植物の用土として利用したり、東洋ランの栽培に使います。 また土壌を耕すときに通気性を高めるための配合土として使うこともある土です。
赤玉土の特徴を知って上手に土作りしよう!
植物はよい土によってその成長を支えられています。育てる植物にふさわしい土作りの土台となる基本用土の中で、赤玉土はどの植物にとってもよい条件となる特徴を、バランスよく備えている用土です。
赤玉土に調整用土を補って、その植物に最適な土を作ってあげることは、ガーデニングの最初の一歩となります。おおよその配合を知り上手に土作りをして、植物の栽培を楽しんでください。
土の情報についてもっと知りたい方はこちらもチェック!
当サイト「暮らしーの」では、ガーデニングの最初の一歩となる土に関する情報をほかにも掲載しています。植物にとって、その成長に欠かせない土の情報をもっと知りたい方はこちらもチェックしてみてください。

鹿沼土の特徴や使い方を徹底解説!赤玉土との違いや用途別の適切な使い方とは?
鹿沼土という名前を聞いたことがあっても初心者の方の多くはどのような土でどう使ったら良いのかわからないという意見が多いようです。特に似たような...

黒土とは?その使い方や用途を解説!気になる赤土との違いや混ぜ方も!
園芸用土として販売され手軽に手に入る黒土ですが園芸で黒土を使う場合にはその使い方にはコツがあります。黒土の用途、使い方、混ぜる肥料によって変...

土作りの基本ガイド!作り方と畑やプランターでも活かせる作り方をご紹介!
野菜つくりは土作りから始まると言われているように病気になりにくく、おいしい野菜を育てるには根をしっかり這わせることが大切になります。そのため...
出典:ライター撮影