黒土とはどんな土?
黒土はベースとなる園芸用土
園芸店、ホームセンター、インターネット通販などでは、いろいろな種類の園芸用土を取り扱い販売しています。園芸用土にも、さまざまな種類があり、盆栽、ガーデニング、家庭菜園、畑などの、育てるモノ、育てる場所や条件によって、これらを使い分けることでいい土壌をつくることができます。 また、黒土は基本用土です。黒土を基礎の土壌として、さまざまな用土を混ぜて土壌をつくります。
黒土は畑に最適な用土
この黒土は、黒くほくほくした土であることから黒ボク土と記載し販売されているものもありますが、黒土に同じ用土となります。 黒い土は落ち葉や枯れ木などからつくられた有機物が、たくさん含まれる用土となります。さらに、太陽の熱を吸収し、土壌をあたためてくれる黒土は、野菜など畑の土壌をつくる用土としては、とても適した用土となります。
黒土の主な用途
球根や花を育てる用途
黒土の用途として、球根や花を育てる用途におすすめの用土です。黒土のように有機物をたくさん含む用土は、球根や花の栄養分を多くたくわえてくれます。 また、黒土の購入における注意点として、園芸店などの大袋で売られている黒土には焼成済みとそうでないものを取り扱っています。焼成済みでない黒土は、雑草や雑菌などが混ざることがあります。 そのため、プランターや花壇で球根や花を育てる用途に使う場合は、加熱処理をして雑菌や雑草の種を除菌、消滅しているものを選ぶか、使う前に日光殺菌することをおすすめします。
野菜づくりの土壌としての用途
そして黒土の使い方の用途として、野菜づくりなどの畑の土壌としてもおすすめです。やわらかい用土では、根菜などの根を張るような植物が成長しやすく、さらに土の温度を高めてくれることで野菜がよく育ちます。 こちらも、焼成済みの黒土を選べば、雑草が生えにくい土壌がつくれます。
黒土の主な使い方
赤土と混ぜる使い方
黒土を園芸用土として使う場合には、まず黒土だけで土壌をつくることは、ほとんどありません。用途として多いのは、赤土と混ぜる使い方です。なぜなら黒土だけではいい土壌はつくれないからです。 そのため、土壌の水や空気の通りをよくし、バランスの整った土壌へと改良を加えるために赤土を混ぜます。
そのほかの用土と混ぜる
そして、赤土以外にも黒土に混ぜる用土にはさまざまな種類があります。 育てたい植物の特徴に合わせて、それぞれの用土の特徴を考えた上での配合による土壌改良が大切です。このあとに改良や用土の調整に使うそのほかの用土についてもご紹介します。
基本用土の違いとは
採れる層に違いがある
基本用土の中でも、とくによく使われる用土には、黒土のほか、赤玉土(赤土)と、鹿沼土(かぬまつち)があります。この3つの用土の違いは、堆積した層です。 積もった層は鹿沼土→赤玉土(赤土)→黒土の順に堆積します。また、採れる層の違いによって、それぞれの特徴にも違いがあります。 赤土や鹿沼土は雑草が生えないもしくは生えにくいのに対して、黒土は上に積もることで、雑草や雑菌が含まれることがあり、そのまま使えば雑草が生えやすいなどです。そのほかの特徴についても見比べてみましょう。
それぞれの特徴と違い
○赤玉土(赤土)・・・色は赤茶色で弱酸性の用土。そのままでは園芸には向かず、乾燥や加熱などの加工処理されたものが赤玉土として販売されます。加工処理した赤玉土は、水はけや空気の通りのいい用土となります。 ○鹿沼土・・・色は黄白色。弱酸性の土で酸度は赤土より強い。保水性、保肥性、水はけ、空気をよく通すバランスがいい用土です。粒の大きさがさまざまあるが大きい方が水はけがいいとされます。
黒土の特徴:良い点
植物を育てる際によく言われるのは、植物に必要な水分、成長するための栄養分、水はけ、空気の通り、この4つのバランスが、栽培する植物にあったバランスであることが大切ということです。黒土は、植物に必要な水分のもちと、成長するための栄養分のもちがいい用土です。
保水性の高い土壌をつくる
黒土は植物に必要な水分をたくわえる保水性に優れた用土です。つまり、植物に必要な水分が常に維持できることで、水枯れする心配が少ないということです。 また、水分を多く必要とする植物を育てる際は黒土はおすすめです。
保肥性の高い土壌をつくる
また黒土は、保肥性がよく成長するための栄養分をしっかりとたくわえてくれます。肥料などの栄養分のもちを良くするため、これにより栄養分を吸収した植物は大きく、元気に成長できます。 ただし、リン酸肥料の栄養分に関しては、黒土が奪ってしまうという特徴があるので、こちらは注意が必要です。
黒土の特徴:悪い点
土壌の水はけが悪い
黒土はもともと水分が多く、さらに水を蓄えてしまうために土壌の水はけを悪くしてしまいます。水はけが悪いことで、土壌の中の酸素が足りなくなり、それが原因で植物の根が腐りやすくなってしいます。黒土を使う際は、水はけをよくする用土を混ぜることをおすすめします。
土壌の通気性が悪い
また、空気の通りである通気性が悪いのも特徴です。植物がすくすくと育つためには、酸素も大切な要素となります。酸素が十分に送られないことで、植物は呼吸ができなくなり、花の咲き方や実のつけ方などの発育に影響を与えてしまいます。 こちらも、通気性をよくする用土を混ぜることで土壌を改良します。
リン酸肥料の栄養分を奪う
さらに黒土には、リン酸肥料の栄養分を吸着しやすいという特徴があります。 肥料としてあげたはずのリン酸を、植物が栄養分として吸収する前に黒土が奪ってしまうのです。そのために栽培する植物がリン酸不足になりやすくなってしまいます。 栄養不足になった植物は、やはり発育が滞り花の咲き方や実のつけ方に影響が出てしまいます。 この場合は、リン酸肥料の割合を増やしてあげるか、もしくは黒土の割合を少なめにするなどして土を改良してみましょう。
黒土に混ぜる改良用土
植物を育てるために大切なのは、栽培する植物に最適な土壌をつくることです。 黒土には、良い面がある反面、黒土単体で使うには向かない面も持ち合わています。そこを改善するためには、黒土のデメリットを補うように改良を加える必要があります。 植物に最適な土壌をつくるための基本的な土の種類や特徴についてをご紹介します。
腐葉土を混ぜる
腐葉土は黒土の通気性を補う改良用土です。保水性、水はけ、通気性、保肥性がよく保温性もあるため、改良用土の中では最も一般的に利用される改良用土です。この腐葉土は、広葉樹の落ち葉を発酵しつくられる用土となります。
ピートモスを混ぜる
水苔が堆積し分解され泥炭化した改良用土であるピートモスは、保水性が高く、他にも保肥性に優れているとされる代表的な改良用土のひとつです。このピートモスは酸性が強く苦土石灰などで中和し使われます。
黒土に混ぜるその他用土
ここで上げる用土は、改良用土と同じように土壌に改良を加える際に使われます。それぞれの特徴を把握して上手に配合しましょう。
バーミキュライトを混ぜる
バーミキュライトは黒土の通気性を補うために混ぜ合わせます。 バーミキュライトの主な特徴としては、軽くて通気性が高く、保水性、保肥性に優れています。また、このバーミキュライトは、蛭石(ひるいし)を高熱処理したもので、腐葉土と同じような使い方ができます。
苦土石灰やパーライト
ほかにも、苦土石灰やパーライトなどの調整用土があります。苦土石灰は土の酸度の調整に、パーライトは通気性や水はけの調節に使われます。状況に応じてこれらの用土を加え調整しましょう。
川砂を混ぜる
川砂で黒土の水はけをよくします。とくに多肉植物やサボテンなどの、水分を多く必要としない植物によく使われますが、黒土でも水はけのいい環境を好む植物を育てる場合にはおすすめです。
堆肥を混ぜる
腐葉土と同じような使い方で堆肥も使われます。堆肥の場合、腐葉土よりも栄養分が多いです。用途としては、肥料として栄養分をプラスするのに使われるほか、水や空気の通りをよくするのに使われます。
黒土の基本の混ぜ方
草花や球根の場合
【一般的な配合例(草花・球根)】 1、『基本用土7:腐葉土3』・・・最も基本的な配合例。基本用土には黒土をメインに配合してもいい。 2、『基本用土5:腐葉土3:川砂2』・・・川砂を配合することで水はけがよくなる。 3、『黒土2:赤玉土6:腐葉土2』・・・基本用土の赤玉土をメインに配合する例。 4、『黒土2:赤玉土3:腐葉土3:バーミキュライト2』・・・バーミキュライトで通気性を上げ空気の通りをよくする。
花木や野菜の場合
【一般的な配合例(花木・果樹)】 『基本用土7:腐葉土3』・・・さきほどの草花の配合に同じ。花木や果樹でもあり。 【一般的な配合例(野菜)】 1、『黒土5:腐葉土3:ピートモス2』・・・ピートモスは苗を育てる時期に利用される。 2、『黒土3:赤玉土5:腐葉土2』・・・ベーシックな配合。 3、『黒土4:堆肥3:腐葉土3』・・・堆肥で栄養分をプラス。 4、『黒土2:赤玉土3:堆肥2:腐葉土3』・・・ベーシックな配合。通気性がよく、栄養分を多めにしている。
そのほかの配合例
【プランターで育てる場合】 『黒土4:赤玉土2:腐葉土2もしくはバーミキュライト2』・・・プランターで育てる場合は通気性と水はけが重要。 【バラを育てる場合】 『黒土3:赤玉土3:腐葉土2:牛ふん2』・・・通気性と水はけに気をつけ、牛ふんで肥料をプラスする。 【土壌を改良する場合】 『黒土2:堆肥3:古くなった土5』・・・基本の配合例だが栽培する植物に合わせて手を加える。
黒土のまとめ
黒土の特徴を活かした使い方を
黒土は有機物も多く、花や野菜などの育ちを良くしてくれる反面、とても気難しい土でもあります。黒土の特徴や、そのほかの土との違いをよく理解した上で、栽培したい植物に合わせた自分だけの土作りをしてみましょう。
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