銀杏(イチョウ)の盆栽育て方講座!
種から育てられる?銀杏を盆栽にしてみよう!
銀杏は、初心者でも種を採集して簡単に鉢植えや盆栽として仕立てられる植物です。銀杏栽培の流れをチェックし、実際に盆栽として仕立てる方法や育て方、お手入れ方法を解説します。
盆栽の管理は時期や季節によって変わりますので、ポイントを押さえておきましょう。銀杏の育て方をチェックして、四季の移ろいを感じられる盆栽を飾ってみましょう!
銀杏(イチョウ)一年の栽培カレンダー
銀杏栽培の流れをチェック!
街路樹として季節の移り変わりを楽しませてくれる銀杏は、盆栽にもおすすめです。まずは、植え付けや成長の時期など、一年を通じた栽培の流れを紹介します。庭植えの場合、盆栽の場合も栽培の流れは同じです。銀杏栽培の流れを理解して、盆栽づくりにも役立てましょう!
銀杏の栽培カレンダー1:11月〜3月
銀杏を植え付ける時期は11月から2月です。寒冷地の場合は3月が適した時期となります。銀杏は雌雄異株であるため、結実させるには1kmの範囲に雌雄それぞれの株が必要です。街路樹や庭植えの場合、近隣の銀杏から受精し結実しますが、実を結実させる可能性を高めたい場合は、雌雄の株を揃えて栽培しましょう。
銀杏の栽培カレンダー2:4月〜7月
数年経って、成木となった銀杏は4月〜7月に成長し、開花時期を迎えます。花粉を広い範囲に飛散させて、結実に向けて準備する時期です。実を取るために栽培する場合は、5月〜6月上旬に化成肥料を施します。この頃の葉は新緑ですが、秋が近づくごとに黄色く色づき、表情を変えてくれるのが魅力です。
銀杏の栽培カレンダー3:9月〜10月
銀杏は9月になると葉の色を鮮やかに変えます。結実した銀杏の実は、成熟すると木から落ちます。銀杏並木で実がたくさん落ちているのを見たことがある人もいるのではないでしょうか?
採集した実から種を取り、育てることもできます。その場合、果実を水につけて、果肉を腐らせてからよく洗い、植え付け準備をしてください。
種からの育て方は後ほど解説します。収穫時期が終わったら12月に肥料を与え、年が明けて1月から2月頃に剪定するのが銀杏を栽培する流れです。
銀杏(イチョウ)を盆栽に仕立てる方法!
種から育てる場合と苗から育てる場合に分けて解説!
銀杏は実を採集して、種から育てることもできますし、盆栽に最適なサイズまで育てられた苗も販売されています。ここでは、種から育てる場合と苗から育てる場合に分けて、銀杏を盆栽に仕立てる方法をご紹介。自分好みの盆栽を仕立ててみましょう!
銀杏を盆栽に仕立てるのに必要なもの
盆栽を仕立てるには、質の良いハサミを揃えなければなりません。盆栽を仕立てる前に種類ごとに揃えておきましょう。剪定や葉刈りするためのハサミとは別に、枝掛けした針金を切る「針金切り」、根や枝を切るための「枝又切り」が必要です。
こんなハサミがおすすめ!
日立ヤスキハガネSLD 小枝切
「ヤスキハガネSLD」は刃部に「YSS(ヤスキスペシャルスチール)」と呼ばれる刃材を使用した園芸用ハサミです。
耐摩耗性・耐久性ともに優れているため、長期間切れ味が持続します。価格も品質を考えるとリーズナブルなことがポイント。生木であれば3mmの太さまでの剪定や葉刈りを快適にできます。
また、持ち手から先端までが細長く、混み入った部分を剪定しやすいことも特長です。
他に必要な道具
ピンセットや歯ブラシ、ふるい、土入れ、針金、鉢底網、じょうろ、噴霧器を揃えておきましょう。歯ブラシやピンセットは、汚れ落としや細かな作業に必要。ふるいや土いれは、土の粒子を揃えたり量を足したりする際、使用します。
ふるいは網の目が異なるものを何種類か揃えておきましょう。針金は銀杏を自分好みの樹形に仕上げるために欠かせない道具です。
また、銀杏は根がよく発達するため、鉢は成長に応じて植え替えるようにしなければならないことを覚えておきましょう。
苗から育てるのが手軽!
園芸店や通信販売で植え替えれば盆栽にできる苗から銀杏を仕立てると、簡単に盆栽を始められるため、初心者におすすめです。品種によっては雌雄株を揃え、長期間栽培することで、銀杏の実を採取できる場合もありますよ。
銀杏盆栽の仕立て方1:準備
銀杏盆栽の作り方は、鉢やを選び、用土準備、植え付け作業から定着するまでの管理が必要です。使用する鉢に鉢底網を底に敷き、針金を通しておきます。銀杏は真っ直ぐと伸びるため、必要ありません。
しかし、自分好みに曲げた樹形にしたい場合は準備しておきましょう。そこへゴロ石を敷き、赤玉土7、腐葉土3の割合で混ぜてふるっておいた土を入れ、遅効性の元肥を混ぜて植え付けの準備は完了です。
銀杏盆栽の仕立て方2:根の剪定
銀杏をポットから取り出し、根についた土を落としてください。残った小さなゴミなどは歯ブラシで軽く払っておきましょう。
このときに根の状態を確認し、不要な根や傷んだ根を切っておきます。幹から伸びる根だけではなく、横方向に伸びる根を残すように剪定します。大きく切り取る必要はありませんが、鉢の大きさに合わせて、根を剪定してください。
銀杏盆栽の仕立て方3:鉢へ仕立てる
銀杏の準備が整ったら鉢に苗を置き、最適な場所を探しましょう。盆栽としての形を決めたら、揺すりながら用土を入れると隙間を埋めるように土が入りやすいため、試してみてください。土を入れたら軽く表面を押し固めて、水やりすれば植え付けは完了です。
銀杏がしっかりと定着するまでは乾燥を防ぎましょう。水ゴケを表面に敷くのがおすすめです。毎日、土の状況を確認しながら水やりを欠かさないようにしてください。
じっくり種から育てることもできる!
銀杏の盆栽は時間を必要としますが、種から発芽させて簡単に作れます。小さく仕立てた銀杏の盆栽はいろいろな場所に飾れるため、種を収集して種からじっくりと育ててみてはいかがでしょうか?銀杏を採集するときの注意点と発芽させる手順、芯止めの手順をそれぞれ解説します。
銀杏の実を採集するときの注意点!
銀杏は、直接手で触るとかぶれてしまうことがあります。そのため、銀杏を収穫する場合はビニール手袋などを使用してください。もしも直接触れてかぶれてしまった場合、石鹸でよく洗い、病院での診察を受けるようにしましょう。
種から銀杏を育てる手順1:発芽まで
銀杏の実を秋に収集します。収穫したら数日間水に浸けて、周囲の果肉を腐らせてからしっかりと洗い、乾燥させておきましょう。時期は種にしてからすぐにまくか、翌年の1月から3月頃にまく、いずれかの時期を選んでください。種まきポットに土を入れ、2cm程度の穴を空けてから、軽く土を被せて水やりすれば種まきの手順は完了です。
種から銀杏を育てる手順2:芯止め
種から発芽させた銀杏の苗は好みの長さになるまで育て、先端をはさみで切り、芯止めをします。いちょうは大きく幹が伸びるため、盆栽として仕立てるには欠かせない作業です。芯止めをすることで、横から芽を伸ばして、ボリュームのある見た目に仕上げられます。また、葉の数が増えると、比例して1枚1枚の葉は小さくなります。
銀杏(イチョウ)盆栽育て方の基本!
仕立てた銀杏盆栽を元気に育てよう!
仕立てた銀杏盆栽は毎日観察しながら育てなければなりません。ここでは、銀杏盆栽の育て方の基本となる水やり、肥料の2つに分けてそれぞれ解説します。育て方の基本を押さえて、元気な銀杏盆栽を育ててみましょう!
銀杏盆栽育て方の基本1:水やり
銀杏の水やりは季節に応じて変えなければなりません。3~5月は、水を切らさないように1日1、2回水やりしましょう。土の表面が乾いていたら、その都度水やりしてください。
6~8月は、より水切れに注意しましょう。盆栽は土の量が少ないため、気がついたときにはカラカラになっていることがあります。水切れを起こさないように1日に2~3回の水やりしてください。
秋以降の水やり
9~11月は水やりの頻度を春と同じく、1日に1~2回に戻します。12月から寒さがなくなる春先まで銀杏は休眠期間となるため、水やりの頻度を減らさなければなりません。土の状態を見ながら2〜3日に1回程度の水やりに留めておきましょう。
銀杏盆栽育て方の基本2:肥料
銀杏はとても成長するスピードが早い植物です。日差しや水ももちろん必要ですが、肥料を適切に施さなければなりません。基本的には銀杏が成長する4月〜6月、9月〜10月に1ヶ月に1回を目安に肥料を与えましょう。葉の色を鮮やかに育てたい銀杏は、カリ・リンをたくさん含んだ肥料がおすすめです。
季節ごとに肥料を使い分けると最適!
銀杏盆栽には季節ごとに肥料を変えると美しい銀杏が育ちます。春先は高窒素肥料を与えると、芽が長く育つ可能性が高まります。葉が芽吹き始めたらカリ・リンを多く含んだ液体肥料を週に1回水やり代わりに施してあげましょう。樹を成長させたい場合、液体肥料と固形肥料を併用するのもおすすめです。
おすすめの液体肥料
住友PK液肥120号
「住友PK液肥120号」は、窒素、リン、カリの割合が 1:12:10で、銀杏の葉の生長を助けてくれます。銀杏盆栽に与える場合は、500〜1000倍に希釈してから施しましょう。週に1度肥料を与える際、おすすめします。
おすすめの固形肥料
醗酵油かす 小粒 600g
「醗酵油かす小粒 は、銀杏に必要な元肥や追肥として効果が速く、アミノ酸が豊富に含まれている固形肥料です。小粒なため、小さく仕立てた盆栽にも施しやすくおすすめ。成長期前や落葉後に株元へ与えてあげましょう。
銀杏(イチョウ)盆栽の管理やお手入れ!
葉刈りや剪定などお手入れのポイントを紹介!
銀杏は水やりなど日常的なお手入れ以外にも、葉刈りや剪定、植え替えが必要です。ここでは、お手入れや管理のポイントを3つに分けて解説します。定期的な管理をしっかりとして長い間、銀杏の盆栽を楽しみましょう!
銀杏に必要なお手入れ1:葉刈り
銀杏は基本的に葉刈りを必要としませんが、葉が多い場合は葉刈りして葉の量をコントロールします。葉をたくさん茂らせてしまうと、風通しが悪くなったり害虫が寄りやすくなったりと銀杏が弱る原因です。葉の大きさは大小さまざまですが、6月~7月頃にバランスが悪い大きな葉を葉柄の元から摘み取るようにしてください。
銀杏に必要なお手入れ2:剪定
成長期の間に伸びてくる枝は、そのときどきで剪定します。全体的な剪定は芽を出す前か葉が落ちたあとに不要な枝を整理するくらいを目安としてください。また、銀杏を剪定したあとの切り口から傷みやすいため、太めの枝を剪定した際、保護剤を塗るようにしておくと安心です。
銀杏に必要なお手入れ3:植え替え
銀杏はとても早く成長するため、1年〜2年に一度、植え替えしなければなりません。鉢植えの場合、銀杏は鉢の中に根が回っていないかどうかを確認し、根詰まりしそうであれば植え替える必要があります。
植え替えの方法は一回り大きいサイズの鉢を用意し、植え付けたときと同じ手順で植え替えます。植え替え時期としては芽吹き前の2~3月頃を目安としてください。
鉢植えが手狭になった場合
銀杏を鉢植えにし、植え替えながら育てて株が成熟した場合、取り木や挿し木で栽培数を増やせます。取り木をする場合、枝を傷つけ、その部分を水コケで覆い発根させます。
水ゴケを1時間ほど水に浸し、傷つけた部分に水苔を団子のように巻きつけてください。上から透明なビニール袋を巻きつけ、ビニールの上下をひもで縛ります。発根を確認しら親株から切り離し、水ゴケを軽く取って植え付けましょう。
銀杏(イチョウ)の盆栽は初心者でも簡単!
まとめ
銀杏は、そのまま育てると大きく成長する樹木です。苗木の頃から栽培し、芯止めや剪定しながら育てると盆栽としてコンパクトな状態を保ちながら育てられます。
苗を購入して、盆栽に仕立てるのが手軽ですが、種を採集して育てることも可能。銀杏を盆栽にする魅力は、新緑から紅葉まで一年を通じて変化を楽しめることです。
当記事では、銀杏の育て方や簡単に鉢植えとして盆栽に仕立てる方法をご紹介しました。手軽に取り組める銀杏の盆栽を一から育てるときの参考にしてみてください!
銀杏の盆栽以外の育て方が気になる方はチェック!
当サイトでは、枯れる心配なく簡単、銀杏(イチョウ)盆栽の育て方講座!時期別の手入れ方法も!以外にも盆栽の育て方を取り扱った記事をたくさん掲載しています。気になる方はチェックしてみてください!

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