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季節毎の変化が楽しい、もみじ出猩々(デショウジョウ)とは?特徴や用途も解説!

出猩々は日本を代表するもみじの一種です。春には赤い新芽を伸ばし、夏には緑色、秋になると真っ赤に紅葉します。この出猩々は盆栽でも人気の品種ですが、鉢植えや庭植えでも用途に応じて楽しめるのも特徴です。今回は、そんな出猩々の育て方や管理方法などについてご紹介します。
2021年10月6日
水木誠人
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もみじ出猩々をご紹介します!

Photo by jacilluch

出猩々(デショウジョウ)はもみじの品種のひとつ。出猩々は、日本でなじみ深いもみじを代表するイロハモミジの一種で、春と秋に葉が紅葉し、美しい姿を見せてくれます。出猩々は盆栽や鉢植え、庭木など、それぞれの用途で育てることが可能です。今回は、もみじの中でも出猩々の置き場所や管理方法、育て方や注意点どについてご紹介します。

出猩々の基本データとは

Photo byUki_71

出猩々はムクロジ科カエデ属の落葉樹です。イロハモミジから作られた園芸品種で、庭木として育てていくと、樹高は5mほどまで大きくなります。原産地は日本で、春の新葉のころは赤く、夏になると緑になり、秋には再び真っ赤になるという葉の色が変化するのが特徴です。春には花が咲き、花の後には実をつけ、冬には落葉し、一年中楽しむことができます。

出猩々の用途はいろいろ

Photo byMrGajowy3

出猩々にはさまざまな用途があります。出猩々は、庭木としてご自宅のシンボルツリーに利用されることが多いです。場所によっては生垣としても利用することも可能です。また、鉢植えや盆栽としての用途もおすすめです。変化に富んだ植木なので、四季を通じて楽しむことができます。

その美しい葉は、子どもの工作などにも使うことができます。また、料理に添えてお皿に彩を与えることも可能です。このように、出猩々はさまざまな用途で楽しむことができます。

もみじ出猩々の特徴とは

名前が特徴的

Photo by harum.koh

出猩々という植物にしては珍しい名前は、春もみじと呼ばれるこのもみじの特徴が由来とされています。元々猩々(ショウジョウ)とは古典書物に出てくる空想上の動物で、真っ赤な装束を身にまとい、酒に酔いながら踊るというも動物です。

もみじの一種である出猩々は、春に赤い新葉を伸ばすという特徴があります。これに春に真っ赤な葉が伸びる姿に猩々が出てきた姿を重ね、出猩々と名づけられたのです。

春夏秋冬で樹姿が変化するのが特徴的

Photo by harum.koh

出猩々には、葉の色が季節に応じて変化するのが特徴。若葉は鮮やかな紅色で、夏には緑色となり、秋に紅葉して、冬に落葉します。若葉が赤くなるという特徴は、ノムラモミジという品種にも見られますが、こちらの場合、紫がかった紅色となります。出猩々の春の赤色は実に印象的で、秋の紅葉以上の美しさです。

葉に特徴がある

出猩々の葉は、小さくて切り込みが深いことで知られています。葉の長さは4~6cm、幅3~7mmほどで、5~9つに切り込みが入ることで有名です。葉の縁にはギザギザした模様が入ります。イロハモミジに似ていますが、春の葉色で区別することができるので見分け方は簡単です。

もみじ出猩々の1年のサイクルとは

新芽が出てくるのは3月~4月


出猩々の新芽が出てくるのは春です。赤い新芽が美しく、春もみじの異名を持つことでも知られています。その姿はまるで秋の紅葉のようで、真っ赤な新芽が印象的です。このことから、出猩々の春の姿を「春もみじ」と称えることもあります。

この出猩々と同じように、真っ赤な新芽が出てくるもみじに、ノムラモミジがあります。品種によって区別がむずかしいのですが、ノムラモミジの特徴は紫がかった紅色で、夏の間も色を変えずに赤いままの株もあるため、その違いで区別することが可能です。

開花時期は4月~5月

出猩々は、新芽が出てきてしばらくすると、小さな花を咲かせます。しかし、この花はあまり目立つものではありません。大きさは、径5mm程度の5弁の花で、色は白色です。葉の鮮やかな赤色の方が目立つため、存在感の薄い花となってしまいますが、出猩々も春の訪れを知らせてくれるかわいらしい花が咲きます。花が終わると、プロペラのような実がつき、熟すと回転しながら落ちていことで有名です。

葉の色を変える夏

Photo bystux

出猩々の新芽は、時とともに葉の色を変えていくのが特徴です。春に伸びた真っ赤な葉の色が、夏に向けて、徐々にオレンジ色、黄色、そして緑色へと変化します。この色の変化はすばらしく、出猩々が人気の品種である所以です。出猩々の見頃は新芽が出るころとするのが一般的ですが、春から夏にかけて、葉の色が変わっていく姿もまた見頃といえます。

秋の紅葉から冬の落葉

Photo byUki_71

緑色へと変化した出猩々の葉が再び色を変えるのは、例年、10月以降です。秋の紅葉もまた、出猩々の見頃といえますが、個体によってはあまりきれいに紅葉しないものもあります。秋にしっかりと寒い中で管理することで、紅葉がきれいになるともいわれていますので、しっかりと管理しましょう。紅葉が終わると葉が落ちてしまいますが、春にはまた新芽が出てきます。

もみじ出猩々の置き場所のポイントとは

日当たりのよい場所で管理

Photo by harum.koh

出猩々は、日当たりのいい場所で管理するように心がけることが大切です。きれいに紅葉させたいのであれば、室内ではなく、外で管理するようにしましょう。昼間の日照時間が足りないと、色づきが悪くなります。

出猩を庭木として大きく育てたい場合は、とくに日当たりのいい場所に植えつけることが大切です。ただし、真夏に直射日光の当たる場所は葉焼けしてしまうため、夏には半日陰となる明るい場所を選ぶようにしましょう。

風通しのよさも管理のポイント

Photo by9883074

出猩々は、風通しのよい置き場所を見つけることも重要です。出猩々に限らず、カエデ類は風通しがよい環境を好みます。

また、出猩々を含めたカエデ類は、若木のうちは枝が上に向かってどんどん伸びてくるため、枝が混んできて、通気性が悪くなることもあります。このため、通気性が悪いところがないかどうか、植木の様子を確認することも大切です。

室内で管理するときれいに紅葉しないことも

出猩々は葉の色の変化と季節感を楽しむことができる樹木です。葉をしっかりと紅葉させるためには、寒さにさらすことが大切となります。夏が終わり、徐々に気温が下がっていったら、しっかりと寒さに当てるようにしましょう。室内で管理していると、きれいに紅葉しないこともあります。

なお、冬には落葉しますが、春になるとまた新芽が伸びてきますので、定期的に水やりをしてしっかりと管理していきましょう。

もみじ出猩々の管理のポイントとは

用土は用途に応じて準備する


Photo byJing

出猩々で使う用土は、通気性がよく、水はけもいい用土が理想です。出猩々を鉢植えで育てる場合、市販の培養土を使うようにしましょう。ご自身でブレンドする場合、大きさの異なる赤玉土で通気性や水はけのよい状態にし、腐葉土を合わせることで適度な湿気と肥沃な土に作り上げます。

庭植えの場合、日当たりがよく、風通しのよい場所を見つけ、市販の用土や腐葉土を用意しましょう。緩効性の肥料を混ぜ、土に混ぜ込んでから使うようにします。

庭植えの出猩々の水やりは用途に応じた方法で

Photo bysuju-foto

水やりの方法は、その用途に応じた方法で行います。庭植えの場合、基本的には天候に任せ、任意の水やりの必要はありません。しかし、真夏の猛暑日が続いたときなど、乾燥しすぎる場合は、植木の状況に応じて水やりを行います。水分が不足すると、葉がしおれて元気がなくなってしまうほか、日に当たりすぎて葉焼けを起こすもあるため、注意が必要です。

鉢植えの出猩々は季節に応じた水やりを

Photo bystux

鉢植えの場合、土の表面が乾いたら水を十分に与えるようにします。ただし、真夏などは気温が高く、乾燥しやすくなるため、朝夕2回ほど水やりを行いましょう。夏の水やりは、涼しい時間帯に行うのが鉄則で、日中に行うと水温が気温で上がり、植木が弱ってしまいます。一方、冬は葉が落ちてしまうため、水やりは控えめに行うのが鉄則です。ただし、水をまったくやらないと枯れてしまいますので気をつけましょう。

もみじ出猩々の育て方のポイントとは

植え付けは時期を間違えないように

出猩々の植え付けは、11月ごろから3月ごろです。地植えの場合、出猩々が好む水はけのいい用土を準備して、植え付けする前に混ぜておきましょう。植え穴を大きめに掘って、しっかりと用土を入れ、植え付けた後に水を十分に与えます。鉢植えの場合も同じように、少し大きめの鉢を準備して、水はけのいい用土で植え付けましょう。

植え替えは2~3年に一度

庭植えの出猩々は、植え替える必要はありませんが、鉢植えの出猩々は、2~3年に一度のペースで植え替えましょう。水はけがよくないと、根腐れを起こしてしまいます。植え替えの時期は3月ごろがおすすめです。大きくしたい場合、ひと周り大きな鉢を用意し、水はけのいい用土を準備して植え替えます。植え替えが終わったら、最後に水をたっぷりと与えましょう。

年に一度の寒肥を施す

出猩々に肥料を施すのは、落葉した後です。寒肥として有機質の肥料または緩効性の化成肥料を与えます。庭植えの場合、株のまわりに溝を作り、肥料を埋めていきましょう。一方、鉢植えの場合、土の表面に置きます。冬に肥料を与えることで、春の新芽のころに元気よく生長していきます。

なお、出猩々をはじめとするカエデ属の植物は、基本的に追肥する必要はありません。株を大きくしたい場合、新芽が出た後や紅葉の前ごろに肥料を施しましょう。

落葉後に剪定を

出猩々は、冬に落葉したら、なるべく早いうちに剪定を行うようにします。適期は11月~12月ごろです。徒長した枝や枯れた枝、風通しを悪くする枝や風通しを悪くしそうな枝などをきれいに剪定してしまいましょう。不要な枝はつけ根から切り取り、合わせて樹形を整えます。枝を透かしすぎてしまうと、真夏に幹を弱めてしまうため、剪定のし過ぎにも注意が必要です。

種や挿し木で増やすことが可能


自生している出猩々は種から増えていきますので、園芸品種でも種から増やすことが可能です。プロペラのような実から種を採種し、11月ごろに種まきを行います。

また、挿し木は、春に伸びた枝を10cmほどにカットして行います。切り口に発根促進剤を塗ると成功しやすいです。

もみじ出猩々の育て方で注意したいこととは

出猩々がかかりやすい病気とは

出猩々がかかりやすい病気はうどん粉病やすす病です。うどん粉病は梅雨のころに発生しやすく、風通しが悪いのが原因となります。うどん粉のような白い粉状のカビが発生することで、葉が育たなくなりますので、風通しが悪くならないように日ごろから気を付けるようにしましょう。

また、すす病は黒い粉のようなカビで、害虫の排せつ物などに発生します。放っておくと広がってしまうため、ティッシュなどでふき取り、害虫の発生に注意するようにしましょう。

出猩々が発生しやすい害虫とは

Photo bycocoparisienne

出猩々で発生しやすい害虫は、アブラムシやテッポウムシなどです。とくに新芽が伸びるころ、アブラムシ類が発生しやすくなります。テッポウムシは幹を食害し、致命傷となることもありますので、見つけたら駆除しなければなりません。場合によっては殺虫剤を散布し、害虫が発生しないようにしっかりと予防することも大切です。

薬を使いたくない場合、アブラムシの天敵であるテントウムシを利用するほか、テッポウムシ予防樹脂フィルムなどの製品を使ってみるという方法もあります。

盆栽で育てる場合はさらに繊細な注意を

出猩々は盆栽などでもおなじみの品種です。新芽が伸びるころ、伸ばしたくない芽をピンセットで摘んだり、樹形を整えるために葉をカットしたりと、さらに細かい手入れを行っていきます。理想の樹形を作っていくために、想像しながら行う作業です。針金をかける場合は落葉後に行いますが、枝を傷つけないように十分に配慮する必要があります。もみじの種類は、盆栽初心者であっても育てやすいと言われていますが、細かい作業が必要となりますので注意しましょう。

もみじ出猩々と楽しい毎日を!

Photo byAlexas_Fotos

出猩々には用途に応じた育て方が大切です。基本的にはさほど手がかかる品種ではありませんが、病気や害虫の被害に遭わず、元気よく育てていくためにはしっかりとした管理が必要となります。植木の住環境を意識し、日ごろの水やり、季節ごとの手入れなどを怠らず、大切に育てていきましょう。そうすることで、美しい紅葉を楽しむことができるようになります。

もみじの育て方が気になる方はこちらもチェック!

今回は、もみじの中でも出猩々の育て方についてご紹介しました。特定の品種に限らず、もっともみじの育て方やシーズンの作業などについて知りたいという方はぜひこちらの記事も芽を通してみましょう。大切なもみじの育て方の参考になるはずです。