さつき盆栽とは
さつき盆栽とは、ツツジとも呼ばれるさつきを盆栽として楽しむもの。さつきは5月から6月に華やかなさまざまな色の花を咲かせます。そんなさつきを盆栽サイズにすることでより手軽に季節を感じられると人気の盆栽になっているのです。
ツツジはもともと常緑樹で背が低い品種なので、街中などでもよく見かけるメジャーな品種。ツツジは品種も多いですが、盆栽として楽しまれるのはツツジ科の中でもさつきと霧島ツツジがよく盆栽にされています。
さつき盆栽の魅力
さつき盆栽は、鉢の中で綺麗な花が楽しめるのも魅力ですが、成長が早く盆栽として仕立てがしやすく樹形が作りやすいと言われています。1年を通して、緑の葉が楽しめ5月から6月の時期に鮮やかな花を咲かせるのもさつき盆栽の楽しみなのです。
さつき盆栽に使われるツツジの種類は1000種類あると言われているツツジ科の植物の中でも背の低い品種が使われています。さまざまな種類から自分の好きなさつき盆栽を選べるのも魅力です。
さつき盆栽の育て方
さつき盆栽を楽しむには、まずさつきの好む環境を知る必要があります。さつき盆栽は、日当たりや風通しが良い場所を好み、地面から30㎝ほど高い場所で管理するのがおすすめです。
さつき盆栽は日向でよく育つので、屋外での栽培もできますが、暑い時期は日陰を作ってあげるといいでしょう。さらに、屋外の場合は、開花時期は雨や強い日差しで花が枯れてしまうことがあるので、注意が必要になります。季節によって、栽培場所を考えてあげるのも大切です。
さつき盆栽に適した土と肥料
さつき盆栽は、酸性の土を好みます。そのため、鹿沼土などの用土を使うのがいいでしょう。しかし鹿沼土だけだと生育がよくなりすぎてしまい、小さく育てる盆栽には不向きになってしまうので、赤玉を増やすのがおすすめです。
また、さつき盆栽の最大の魅力でもある綺麗な花を咲かせるには、肥料も大切になってきます。使う肥料は、さつき用やツツジ用の肥料を選ぶと良いでしょう。
肥料の与えすぎには注意
肥料は、与えすぎてしまうのに注意が必要です。さつき盆栽は肥料が多すぎると肥料やけを起こしてしまいます。だいたい1回目の肥料として開花前の3月に与え、開花後の6月ぐらいに肥料を与えるのがいいでしょう。
休眠期でもある冬場に肥料を与えるのではなく、開花に栄養を使う時期に行うことで、肥料やけなど過度な肥料を防ぐことができます。肥料の種類も開花前は油かすなどの有機肥料、開花後は液体肥料など分けて使うのもおすすめです。
さつき盆栽の水やり
さつき盆栽は乾燥しすぎもよくありませんが、常に水やりをする必要もありません。さつき盆栽の土の状態をチェックして、根が乾きすぎていると感じた時は、水をはった容器にさつき盆栽を浸けてしっかりと水を吸わせて下さい。
さつき盆栽は、酸性に近い土を好むので水やりをする際は、水道水だけよりも、雨水を加えたりするのがいいでしょう。水道水をフィルターにかけてから水やりを行うのもおすすめです。
水やりを色で確認する
さつき盆栽は、基本的に根が浅いです。水やりを頻繁に行う必要はありませんが、水切れを起こすこともあります。それを防ぐために、表面の土をチェックするのがいいでしょう。
さつき盆栽には鹿沼土が使われることが多く、この土は水分を含むと黄色く変化します。つまり、乾燥していると表面の土が白くなってしまうのです。そのため、表面の土の色を見て、さつき盆栽の用土の水分量をチェックしてみるのもいいでしょう。今まで、水やりのタイミングで悩んでいた人はこの方法を活用してみて下さい。
さつき盆栽に注意したい病気と害虫
さつき盆栽は育て方の中であまり害虫の被害に合うことはありません。しかし時期によって湿度が低くなるとハダニがつく場合があります。そのため、換気をしたりして湿度を保ってあげるのがいいでしょう。
さらに注意したいのが松喰い虫になります。松喰い虫の幼虫はさつき盆栽の根をかじることがあるのです。そのため、松喰い虫を見つけたら、除虫剤で駆除するのがいいでしょう。そのままにしておくと、さつき盆栽が枯れる原因にもなってしまうので注意して下さい。
根腐れにも注意
さつき盆栽の育て方で注意してもらいたいのが、菌の繁殖による根腐れです。春から夏の時期に茎が太くなったり、ねじれたり、葉の色が抜けたら菌の繁殖が原因かも知れません。
その場合は、殺菌剤を土に入れると根腐れが防げます。また、菌はもち病も引き起こすことがあるので、注意が必要です。もち病は、白い粉状になる病気です。もち病になった場合は、その部分を取り除き、湿気からさつき盆栽を守るようにしてみましょう。
さつき盆栽の手入れ
さつき盆栽は育て方の他に手入れも大切になってきます。さつき盆栽の手入れは主に剪定です。さつき盆栽は頂芽よりも脇芽が大きく成長するのが特徴になっています。つまり手入れをしなくても基本的には低木を保ってくれる種類です。
さつき盆栽を手入れでは、下部の剪定や開花後の花を摘み取る手入れが大切になってきます。剪定や刈込を行うことで、次の年も綺麗なさつき盆栽の花が楽しめることでしょう。
花がらをつむ
さつき盆栽の手入れの中で、どうしても剪定に力が入ってしまいがちですが、他にも大切な手入れがあります。開花後の花がらが残ったままだと、せっかくのさつき盆栽の見た目が美しくありません。まめに花がらを取り除くのも大切な作業です。
剪定を行う時期
さつき盆栽の手入れで、剪定を行うのに適した時期は6月です。ちょうどさつき盆栽の開花が終わった後なので、花がらを元から剪定することができます。また、この時さつき盆栽の大きさをコンパクトにしたい場合は、枝を切り落とすことも可能です。
さつき盆栽の特徴として、株元からどんどん枝を出していくので、剪定を行わないと樹形を壊してしまいます。つまり樹形を整えるためにも開花時期を過ぎたさつき盆栽は剪定する必要があるのです。
大きく樹形を変えたい時は
さつき盆栽の樹形を大きく変えたい時は、春の時期に剪定を行うのもいいでしょう。この時期に行うことで、開花を止める意味もあります。基本的にさつき盆栽は、樹勢がいいので、その部分を剪定してもどんどん新しい芽が吹いてきます。
また太い幹を剪定したい場合は、4月から5月の時期に大きく切り込むのがいいでしょう。さつき盆栽は剪定などの手入れも行いやすいことから人気があります。
基本的な剪定
さつき盆栽のサイズを大きくする場合は、今の樹形を維持する場合は三又に伸びている新芽の両端を残し、真ん中の新芽を切る方法を行うのがおすすめです。つまり、古葉から伸びている新芽をすべて切り落とすことで、現状を維持することができるのということになります。
さつき盆栽の詳しい手入れ方法
さつき盆栽の手入れとして針金かけや古葉取り、植え替えなどさまざまな手入れがあります。それぞれの手入れ方法の時期ややり方を覚えておくと、よりさつき盆栽の綺麗な花や樹形を維持することができることでしょう。
いろいろな手入れ方法があるので、さつき盆栽の状況などに合わせて手切れを行ってあげることで、丈夫で樹形の綺麗なさつき盆栽を楽しむことができるのではないでしょうか?
針金かけ
針金かけとは、盆栽の手入れの中でよく使われる育て方の方法です。特にさつき盆栽の場合は、ほとんどこの針金かけを行うことが多いでしょう。針金かけとは、その名の通り針金をかけてさつき盆栽の樹形を作る方法です。
さつき盆栽の枝は古くなると折れやすくなるので、できるだけ早い段階で針金かけをして、さつき盆栽の樹形を作るといでしょう。この針金かけを行うのに適している時期は、さつき盆栽の生育が穏やかな4月か、9月から10月です。
針金かけの方法
針金かけは枝が柔らかいうちに針金をかけるのが大切です。さつき盆栽は成長が早いので、成長と共に針金が食い込んでくると思います。そしたら、再度針金をかけ直しましょう。
針金かけは、最初に太い針金をかけて、だんだんと細い針金に変えていきます。太い幹には太い針金を使い、細い枝には細い針金を使いましょう。さつき盆栽の幹を左に曲げたい場合は、左巻きにし、右に曲げたい場合は右巻きにするといいでしょう。針金かけをしたら、1週間ほどは葉水を与えます。
古葉取り
さつき盆栽は、秋の時期に古い葉を切り取る古葉取りをするのがおすすめです。この作業によって、さつき盆栽の風通しと日当たりをよくします。さらに古い葉を取ることで、新しい芽が出やすくなるので、翌年の花つきなどもよくなるでしょう。
9月から10月の時期に古葉取りを行うことが多いですが、さつき盆栽を購入したタイミングで古葉が目立つ場合は、この古葉取りを行うのがいいでしょう。時期に関係なく、古い葉はこまめに取り除いて下さい。
植え替え
さつき盆栽の手入れとして植え替えを行うこともあります。植え替えは花が開花した後の6月か秋に行うのがいいでしょう。最近では、開花後の6月よりも秋の時期に植え替えを行うのがいいと言われています。それは、開花後の6月だと、さつき盆栽の成長が止まる時期でもあるので、再度、成長が活発になる秋にした方がいいと考えるからです。
ただ、秋に植え替えを行った場合は冬の育て方が大切になります。いきなり冬の外に出すのではなく、だんだんに外気温に慣れさせるようにします。
植え替えのやり方
さつき盆栽は水はけがよい酸性の土を好むので、植え替えの際もそのような用土を用意する必要があります。基本的には鹿沼土を使いますが、それだけだと生育が良すぎてしまうので、2割ほど赤玉土を混ぜるのがおすすめです。
だいたい2~3年に1度の頻度で植え替えを行うといいでしょう。さらにさつき盆栽の根は細い根がたくさん分岐しているので、植え替えのタイミングでしっかり切り込むことが大切です。この作業をすることで、根詰まりを防ぐことができます。
根が傷んでいる場合
植え替えのタイミングでさつき盆栽の根が黒く傷んでいたら、取り去る必要があります。まず、根をほぐし古い根を水で洗い流します。この時、根と根の間に古土が残らないようにしましょう。
水圧をうまく活用して、根についた汚れを取り去るのもおすすめです。せっかくの植え替え作業なので、このタイミングで長く伸びた根などを木って手入れしておくと、今後の成長がよくなり、病気などの原因を防ぐことができるでしょう。
さつき盆栽の冬越し
さつき盆栽は風通しと日当たりが良い場所を好みます。夏の暑さには基本的には強いですが、日当たりが強い場合は、日陰を作ってあげるといいでしょう。
またさつき盆栽は、冬の寒さには強いと言われており、ある程度の霜には耐えられるので冬に屋外での栽培でも大丈夫です。しかし寒さが厳しい地域では、室内に入れるなどの保護が必要になります。季節に合わせて、さつき盆栽を移動させる育て方をしてみるのもいいでしょう。
さつき盆栽の花が咲かない時は?
せっかくさつきの花の開花を楽しみにしていたさつき盆栽の花付きが悪かったり、花が咲かなかった時は何が原因なのでしょうか?うまく開花がしない原因として考えられるのは、剪定時期を間違えており、芽を摘んでしまったことがあるかもしれません。新しい芽が出る前に剪定しないと、誤って新芽まで剪定してしまうのです。
さらに、肥料不足も考えられます。肥料が足りないと栄養不足になり花がうまく咲かないことがあるのです。他にも日当たりが悪かったりも原因になります。
まとめ
さつき盆栽は、色とりどりの色の花を栽培できることから、人気の盆栽です。種類も豊富で手入れも簡単なので、初心者でも手軽に始められる盆栽でしょう。
さつき盆栽は、種類も豊富で自分で樹形を作るだけで自分だけのオリジナル盆栽を楽しめるのも魅力です。さつき盆栽の育て方は、水のやりすぎに注意し毎年剪定を行うのが大切です。また、開花後や古葉を取り除くことで、翌年の成長や花付きを良くしてくれます。ぜひ盆栽初心者の人もさつき盆栽の育て方にチャレンジしてみて下さい。
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